聴覚障害学生がコミュニケーションデザインを体感できる教育実践と展開 筑波技術短期大学デザイン学科 生田目 美紀 永井 由佳里 要旨:大学におけるデザイン高等教育は、知識教育・技術指導に加え、学問的領域の示唆が必要である。 本研究は、実感を伴うフィードバックへの配慮や主体的社会参加型プロジェクト教育という試みを通じ、新しいデザイン教育の理論構築と教育方法の開発を行った実践報告である。実践を通じて得たオーナーシップ効果を元に、本学へのアイデンティティ確立を促す学内プロジェクト展開に至る経過報告でもある。 キーワード:コミュニケーションデザイン デザイン高等教育 オーナーシップ フィードバック 聴覚障害学生 1.はじめに  デザイン教育は、デザイン文化の知識伝授を行う方法と、調査・企画・制作・プレゼンテーション等というデザインワークフローに従い技術指導を行う方法が一般的である。しかし、現代の社会基盤に適応するデザイン教育を考えるとき、デザインの学問的領域を示唆するような教育を実施し、大学における新しいデザイン高等教育へと直結させていくことが必要である。  本研究は新しいデザイン教育の理論構築への試みと本学デザイン学科での教育実践報告である。  実践内容としては、1999年9月-2001年6月の間にデザイン学科学生を対象に実施した教育内容を報告する。 2.研究の背景  教育としてデザインという領域をとらえた場合、従来のデザイン教育の枠組みではとらえきることができない要素や既知のデザイン理論では解決できない問題が多数存在するという現実に直面する。このことは20世紀までの社会を基盤とする諸科学分野と同様であり、デザイン学においては他のさまざまな領域との融合により新しい理論的展開が図られている。  生田目は感性工学とイメージ、評価の観点から情報デザインについての研究1を行っており、その実践を「仮想店舗を持つ電子情報誌としてのウェブサイトデザイン」において発表している2。さらにその研究の成果を本学のデザイン教育において実践している3。 永井は認知科学と思考過程、表現の観点からデザインにおける創造性についての研究に基づき4、協調的デザインという観点から参加型のコミュニティモデルを基調としたデザイン教育の経験を持つ。  生田目・永井は本年度から協同で教育実践を開始した。  本研究は両者が協同で本学のデザイン教育の場で提案し実践した計画についての中間的な成果発表である。 3.デザイン教育の新しい目標 3.1 現在の教育目標  筑波技術短期大学デザイン学科におけるデザイン教育は、学生の将来を考慮し職業的な目的を念頭に置き、そのために必要とされる基礎的な造形力とデザイン技術を修得させることを目指している。  しかし、基礎的な造形力とデザイン技術を修得させるだけでは、現代社会が求めるデザイナーを育成しているとはいい難い。  そこで、デザイン教育における教育目標を考察した結果、「コミュニケーションデザイン」という新しいデザイン概念に焦点を絞り、教育方法を検討し、教育計画を立て、具体的な教育案を作成することにした。 3.2 伝達デザイン教育における枠組拡大と教育目標  目的合理性や生産効率性ばかりを基盤にすることが不可能な社会状況下において、伝達デザイン教育は、”インタラクティヴな情報のありかたを重視した視覚的情報によるコミュニケーションデザイン”という考え方を導入し、今まさに、第3の転換期のまっただ中にいる。  教育現場におけるコミュニケーション活動は次のように定義する。 ・ひとがひとの行動に作用することをコミュニケーション活動と考える。 ・コミュニケーション活動においては作用した人の行動を情報伝達の目的とする。  上記をふまえ、本学における伝達デザインの教育目標を以下とした。 ・教育行為そのものが教育者と学習者になんらかの働きかけをおこない、行動を促す。 ・デザイン行為が相互的な情報伝達および生成過程であることを体感させる。 ・デザイン行為をもって社会的コミュニケーションに寄与することを目指す。 4.本学教育現場における問題点の抽出 4.1 聴覚情報の入手困難  デザインがコミュニケーション活動であるということを教育する方法としては、健聴学生の場合、作者であることを隠し作品のそばにしばらく立たせるだけで十分である。第三者からの評価が聴覚器官を介し、予期せず入ってくるという経験を通じ、体感を持って学習することが可能だからである。  しかし、聴覚器官から評価やニュアンス等の情報が入手できない場合は、第三者からのフィードバックは教育者評価・友人評価という狭い範囲にとどまってしまう。情報収集活動を積極的に実施するなどの支援をしない限り、多数の第三者からの具体的評価を体感する学習の機会を与えることが出来ないのである。 4.2 専門的教育目標と総合的教育目標の差  本学デザイン学科でおこなわれている授業を検討し、さらに他大学のシラバス等と比較し考察した結果、共通した問題点が明らかになった。  デザイン領域においては、専門性が高度になるにつれデザインの教育目標の設定がデザイン分野ごとに分断されている。そのため、全体的な教育目標と各授業での細分化された教育目標の差が大きく、実際の授業では総合的な目標設定をすることが難しくなっている。 4.3 段階的かつ連続的なカリキュラムの問題  具体的には、次のように永井が指摘している5。デザイン領域での教育は分野ごとに開設された授業科目の段階的な連続という形式で展開していることが多い。基準程度の理解・修得であれば、次段階の授業へと移行することができる。結果として、すべての授業を履修しても学習者の未習得部分が減少しないだけではなく、段階があがるにつれ学習者が新しい科目を理解するためには当該授業科目内で解決できない部分が増し、学習困難が生じやすくなる。 5.問題解決の試み 5.1 作品評価のフィードバック  生田目は1999年から継続的に、より広い第三者的な評価を得るために、学生課題作品を学園祭で公開し評価アンケートを実施している。  このように、評価を直接、学生へ還元し教育に生かすという取り組みは本学の特色を生かしたのものであり、教育効果も高い。このことはここ数年の学生の教育成果を見れば明らかである。 5.2 デザイン領域・対象の枠決め  求められるデザイン高等教育という観点から、コミュニケーションデザインを実践教育できるデザイン領域に限定した。さらに、中間的な段階での教育目標設定が可能であり、その目標が同時に学生にとって具体的な学習目標であり、かつ総合的な技術の習得に有効であると認識され得るテーマが望ましいという考えから、学校に関係するもので、単独で完結できる対象物を選定した。 5.3 授業外プロジェクト形態  学習者の修得度向上を総合的に考えた結果、ひとりひとりの修得度に差があっても各自の目標達成が可能となるような形式が望ましいことから授業科目の枠を超えた形でのプロジェクトが有効であると考えられた。 5.4 事前意識調査の実施  本学の場合、コミュニケーション活動の双方向的関係を教育の軸にすることが求められている。この双方向的関係を充実させるため、デザイン課題の事前に学生の意識を調査することを計画にとりいれた。 6.教育実践例の報告 6.1 1999-2000年 評価フィードバックの試み 授業概要  2年次2学期の専門教育「伝達デザイン論・演習A」生田目担当分授業で実施した内容を報告する。  本授業では問題解決型デザインではなく自主企画型デザインの教育を行い、自主性・自己向上意識・自己解決力の育成に努めた。 完成した課題作品は本学学園祭で公開し作品に関するアンケートを実施した。  「自己」からスタートし、「他者」からのフィードバックを得ることで、コミュニケーションの双方向的関係を実感させ、作品を客観的に見直しさせることが狙いである。  課題は「デジタルポエム」と題し、好きな詩を元にヴィジュアル作品をつくることであった。情報伝達とイメージ伝達という、グラフィックデザインの役割を学ぶことが伝達デザイン教育としての目標である。  提出物は「作品」と「制作レポート」である。「制作レポート」は制作企画書につながる内容を自己分析しながらまとめる事が出来るようになっている。  評価フィードバックは「アンケート結果報告書」とその解説という形で行った。アンケート企画は教師が担当し、実査およびデータ入力は学生が担当した。集計・作図は教師が担当しレポートとしてまとめた。この資料は共通財産として受講学生全員に配布している。  学生の手元に残る最終成果物は「作品」「制作レポート」「アンケート結果報告書」である。 課題条件  社会が求める人材育成の観点から、制作はコンピュータによる画像合成とし、2D(平面静止画)作品としてまとめる事にした。使用ソフトはデザイン領域で必須とされている「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」に限定した。プリンタ出力サイズはA1サイズとし、卒業制作で求められる、大型出力を二年次で経験させている。 作品紹介 図1 1999年度 学生作品 図2 2000年度 学生作品 6.2 2000年 授業外プロジェクトとしての試み カードキーデザイン公募  その他に、授業外プロジェクトの試みとして、デザイン学科CG実験・実習室カードキーのデザイン案をデザイン学科学生を対象に公募した。  カードキーデザインの公募は、公的なテーマであるが、実施規模は学科であるため、初めての試みとして最適であった。学生がCG室のアイデンティティ形成を通じ、学科・学校への意識を持つことを期待した。学生デザインであるということを伝統的に継承することで、新入学生にもCG室のアイデンティティが理解しやすくなることも期待している。  カードキーシステムは、教育的観点から生田目が率先して導入した(2001.04)。本学の教育設備環境が公共的かつ学生自身にとって必須であるという意識改革を求めると同時に、自己管理を促すことを狙いとしている。 公募と審査  合計41案のデザインが提案され、デザイン学科教職員による投票で一案を選んだ。  デザイン学科教員の協力を得て、各作品の指導的コメントを収集した。コメントは、各学生にフィードバックし、デザイン公募をイベントでなく教育的なプロジェクトとして完結させた。 図3 採用されたカードキーデザイン 6.3 2001年 社会参加型プロジェクトの試み 学生募集ポスターの公募  前章の成功を経て、授業外デザインプロジェクトとして学生募集ポスターのデザインを公募形式で実施した。今回は対象物の規模を大きく広げることで、デザインの社会的な役割を教育することを主目的とした。  学生に対するコミュニケーションデザイン教育の場合は、社会的意義を持つと同時に、共通のアイデンティティを形成し易いという意味で、学校の案内や学内イベントのポスターが課題として適当であると考えている。  学生募集ポスターの場合、入試情報という客観的に正確な伝達内容を主としており、それらの文字構造の階層化は複雑にすることはできない。また、商品広告などのポスターと比較し、文字情報量が多いことも特徴となっている。従って、本課題では文字による伝達情報をデザインにおける制約として明確に位置づけ、さらに視覚的な障害に配慮したデザインとすることを条件として学生デザインコンセプトに反映させることとした。  本課題の遂行には基礎的なデザイン技術の習熟を必要とするためデザイン学科3年次の学生を対象とした。 学生の意識調査とエントリーシートからの分析  事前に学生意識調査を実施した。その結果、課題参加意思を表明し調査対象となった5名の学生から学生募集ポスターの基本キーワードを約10語、求めることができたが、その中から選出したもっとも相応しいキーワードが「若々しい」「明るい」「楽しい」「清潔な」であった。  さらに、「エントリーシート」という形式で個人調査票を学生に提出させた。これは記入することも教育に組み込まれており、書くことで学生がデザインコンセプトを持つことに役立つものとして位置づけられた。エントリーシートの項目は、先の4つのキーワードごとに連想されるキーワードと具体的な表現を各3つ考えさせるもので、合計20項目の回答が求められた。  回答から、表1のような結果を得た。 学生募集ポスターデザインのポイント  エントリーシートの分析から、「若々しい」については動的な形体表現、「明るい」については暖色系の色彩表現、「楽しい」については色彩構成、「清潔な」については寒色系の色彩表現という造形思考への関連性が推察でき、これらを手がかりとした記号体系の構築が可能であり視覚的な表現の造形的な展開が予想された。  これらを総合すると本課題のデザインには多くの色彩を組み合わせて、リズミカルな配置による視覚言語6の統一が欠かせないということがわかった。  5名による12点の応募作品の中から、学生募集ポスターとしてのコンセプトがハッキリしていると同時に、デザインのポイントを最も満足させている以下の作品が選択された。この作品の左側8色の帯は本学の8つの学科がそれぞれに輝き、未来に向かって発展することを表現しているということである。 表 1 学生募集ポスターのデザインイメージ 図4 平成14年度学生募集ポスター 7.三つの教育実践から得た教育効果と利点 7.1 実感できるフィードバックを行う利点 意欲の向上  指導者の主観的な評価でなく、広く一般的な評価を得るという機会は、興味を誘発するだけでなく、良い結果を得たいという前向きな気持ちも喚起する。その結果、意欲の向上として熱心な制作態度という結果に結びつく。 学生の意識改革  カードキー・学生募集ポスターの場合、自分のデザイン作品が現実のモノになるというデザインの醍醐味が味わえた。デザインワークが社会的貢献を目指す活動であるということを体験させることができ、デザイン行為に対する意識改革と共に、デザイン対象物に関する再認識にもつながった。 7.2 デザイン対象が公的なものである利点 アイデンティティの形成  学生にとっては、学校に関係する対象物が共通のアイデンティティを形成し易いと推測できる。対象の規模が大きくなった場合でも、デザイン制作の前過程を重視させることで、アイデンティティの形成がスムーズに行われた。 7.3 学生参加型デザインの利点 オーナーシップの芽生え  全てに共通していえるのは、自分の作品に愛着を持つということである。自分の作品であるという意識は作品の対象物にも受け継がれる。カードキーの場合、システムのハード的導入に加え、デザイン公募によるソフト的導入を行ったことで、自分達の設備であるという認識を持たせることに成功したと考える。 7.4 授業外プロジェクトの利点 フレキシブルな対応と実験的試み  通常のデザイン学科の授業科目内でおこなう場合、実験的な計画段階のものは、学生の成績評価の点で基準の設定が難しいことが予想されるため実施することが難しい。授業外のプロジェクト形態は、成果判定の問題を回避できる。また、学生の修得度に差があっても各自の目標達成が可能となるようなフレキシブルな対応ができる形式である。 8.教育実践の展開 8.1 オーナーシップとその意義  オーナーシップ=Ownershipは「持ち主たること(資格)」と訳すが、「持ち主だという気持ち」という意味で使用したい。  オーナーシップを持つことで、愛着や誇りという対象に対するプラスの感情が得られるものと考える。  アイデンティティの確立はその根底にオーナーシップが存在することが望ましい。 8.2 学生のオーナーシップ意識の必要性  学生は青年期ということと、決まった年限で卒業していくという宿命のため、学校に対し、在学中に将来的な愛校意識を持つことは難しいものである。しかし、本学の特徴は卒業後も心の拠り所として機能できるところにある。もし学生が在学中にこのことに気づくことが出来れば、学校生活はより充実したものになるのではないだろうか。在学中に学校に対し、愛着と誇りを持って学生生活を送ることは、教育効果だけでなく人格形成の面からもプラスの結果を生み出すはずである。 8.3 なぜ今オーナーシップが必要か  本学はより高度な教育機関としての成長を目前にしている。教職員のみでなく学生にもその意義を理解してもらうことが、より良い未来を築いて行くことだと考える。 9.実践的展開:学内プロジェクトの立ち上げ 9.1 プロジェクト展開への理由  デザイン学科学生の意識調査をした結果、少人数制の教育環境が本学のデザイン教育においては教育効果を上げるのに大きな役割を果たしていることが確認できた。しかし、大学での教育と社会の構造の差異から学習者がより実際的な状況での対応力を求めているということも判明した。  教育効果について、学生を主体とする観点から大学におけるデザイン教育という意味をとらえ直し、プロジェクト参加型の教育方法の重要性がわかった。その結果、新しいデザイン教育計画では、学習者と教育者の関係を双方向的な交流を図ることを中心に位置づけた。  そこで、少人数制の利点を生かしつつ、より実際的な教育環境として学習者が大学を認識するために必要な具体的な学習目標の設定を試みることとした。 9.2 プロジェクトの概要  「筑波技術短期大学における、障害に配慮したヴィジュアル・コミュニケーション活動の支援(学生募集ポスターの教育的展開と社会的有効利用)」と題し、学生募集ポスターの制作を学生とともに行うものである。 9.3 プロジェクトの目的 ・学生と大学の共通理解に基づくアイデンティティを確立する。 ・在校生の教育成果を社会に周知する。 ・聴覚障害学生の表現力や発想力、ヴィジュアルコミュニケーション能力を向上させるための教育指導を模索する。 ・紙によるコミュニケーション活動における障害に配慮したヴィジュアルコミュニケーション活動を支援し、情報伝達のあり方を調査する。 9.4 プロジェクトで期待できる効用 ・本学にとって重要な活動である学生募集活動を在校生に体験させることは、母校に対するオーナーシップを構築することに直結している。その結果、母校への愛着や誇りを誘発し、本学アイデンティティの確立につながる。 ・聴覚障害学生に視覚障害を理解させる機会となり、将来的に他の障害に配慮できる人材育成につながる。 ・ポスターというメディアを通し学生の教育成果を公開することは、意義ある社会的認知活動となる。学生の制作活動を見せることは、本学が身近なものになるという効果が期待できる。将来の入学資格者を入学希望者へと発展させる可能性がある。 10.結論と展望  教育方法として、協調による全体的な目的意識の共有を条件とする相互啓発を基盤とすることを提案する。これは少人数制による教育環境の特色を生かす方法であると考えられる。  少人数制教育の実践を通して教育者と学習者の相互のやりとりがおこなわれ、教育者は学習者を通して、学習者は教育者をとおして社会への関心の範囲を拡張し、技術をとおして社会参加への意欲を高め、同時に自己理解を深めていくという関係である。  また、本学における教育方法の特徴として、学習者がフィードバックを体感できるような配慮と支援を行うことが重要である。 11.今後の計画  本論では研究の背景としてのデザイン教育についての考えと本研究に至る経過、計画した教育の内容と実践した教育について、その概要を述べるにとどまっている。今後はさらに詳細な教育内容と結果の検証をおこなう必要があるだろう。  また、現代社会の状況から、環境への意識をより高めるような教育のありかたが求められているのは明らかであり、今後のデザイン教育におけるおおきな課題である。  これらの課題は学長裁量経費による学内プロジェクトを進めることで解決へとつなげていく計画である。 12.謝辞  過去2年間にわたる取り組みと主旨をご理解いただき、平成13年度学長裁量経費プロジェクトに採択していただきましたことに感謝申し上げます。 13.参考文献 【雑誌】: [1] 西川 潔他, : グラフィックデザインの広がり.デザイン学研究特集号: 6(1), 20, 1998. 【単行本】: [1] 藤田 治彦 : 現代デザイン論, 第1版, 昭和堂, 京都, 1999. [2] 下村 千早 : ヴィジュアルデザイン(川野 洋他:記号としての芸術), 第1版, 川本 茂雄他, 勁草書房,東京, 1992. 1 Namatame M, Harada A: The Effect of KANSEI Modeling on the Visualization of Imagery. The proceedings of the International Symposium. Toward a Development of KANSEI Technology. KANSEI 2001. , 231-234 : Muroran,2001. 2 生田目 美紀:仮想店舗を持つ電子情報誌としてのウェブサイトデザイン. デザイン学研究作品集6: 30-35,2001. 3 Namatame M: The interface design of "yubimoji - the Japanese Hand Alphabet " learning system. Bulletin of The 5th Asian Design Conference, (printing): Seoul , 2001. 4 Nagai Y, Noguchi H, : How does designer think with drawings in design thinking process?. Bulletin of The 5th Asian Design Conference, (printing): Seoul , 2001. 5 久保田 恵美子,永井 由佳里,他:デザイン教育環境におけるコンピュータの位置づけ. 桐生短期大学紀要10: 7-16,1999. 6 Gケペッシュ:視覚言語 Report of Educational Developments for Deaf Students, to Realize "Communication Design" Miki NAMATAME & Yukari NAGAI Department of Design, Tsukuba College of Technology Abstract:Design higher education in college is knowledge education, technological guidance, and scholarly suggestions. This is a practical report of the education for new design and its development. The proposals include "feedback with actual feeling," and "the society projects: participation type." This is also a progress report for "the college identity projects," which is based on the ownership. Key Words:Communication design, Design higher education, Ownership, Feedback, Deaf Students