第2回筑波技術短期大学視覚部海外研修 筑波技術短期大学鍼灸学科1) 同視覚部一般教育等2) 同教務第二課3)同鍼灸学科2年4) 同鍼灸学科1年5) 情報処理学科3年6) 伊藤 隆造1) ポーリー・マーティン・エドモンド2) 遠藤 純子3)* 園田 壮史4) 高橋 弘5) 田巻 香織5) 笹谷 知幸6) 要旨:平成12年7月13日から7月24日までの日程で第2回視覚部海外研修旅行を実施した。参加者は学生4名、教官2名、技官1名で、アメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校とナショナル聾工科大学を訪問し、様々な施設見学や講義への参加を通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。 キーワード:海外研修、アメリカ、ニューヨーク州立大学バッファロー校、ナショナル聾工科大学、視覚障害 1.はじめに  視覚部海外研修は昨年1)に引き続き第2回目の実施となり、12日間の日程は、バッファロー市とニューヨーク州立大学バッファロー校(UB: State University of the New York at Buffalo)を中心に研修を実施した。研修内容は、同大学の障害補償技術センター、情報工学科、障害者サービス室の見学と英語研修センターで授業に参加。また、市内の生活自立センター2)を訪問し障害者の自立支援活動の説明を受けた。課外活動ではナイアガラの滝や動物園、博物館、教会などを訪れ、学生にとってアメリカの文化や自然を体験する良い機会となった。  また、今回は大学間交流協定に基づき初めて学生が同大学に留学中であり、関係各機関や今後のあり方について連絡・調整を行う目的も含まれた。最終日には聴覚部と交流が深いナショナル聾工科大学(NTID: National Technical Institute for the Deaf)を訪れた。  以下、本研修旅行の概要と事前準備、学生の感想について報告する。なお、概要については昨年度実施された第1回視覚部海外旅行研修に詳細な報告がなされているのでご参照頂きたい。 2.研修概要  バッファロー市はニューヨーク州西部に位置し、人口120万人、ニューヨーク州第2の都市である。  UBは学生数約23,500人(留学生2,000人)、64機構から構成される大規模な公立大学機構で、学士から博士課程までの様々な教育が提供されている総合大学である。バッファロー校はノースキャンパスとサウスキャンパスに分かれている。 2.1 国際教育部(Office of International Education)  本学とUBの交流事業を行う際の窓口である。今回はティモシー・ルーテンバー副部長を訪問し、今後の教育・研究に関する国際交流事業について意見交換を行った。また、本学からの留学生の事務手続き担当のジェニファー・チェゼン氏と現在の問題点などについて話し合いを行った。 2.2 障害補償技術センター(CAT: Center for Assistive Technology)  CATは障害を持つ人の機能向上のために、福祉機器の研究、開発、情報提供、専門家教育、公共政策の分析などを行っている。  CATではジョー・レイン所長を始め、ジョン・ストーン教授、ヤスコ・トミタ教授などからセンターの概要について、ジェニファー・ウェア氏より各施設・設備について説明を受けた。特に研究分野では本学と関係が深い部門であり、昨年10月には学術国際交流委員会の招聘により、ジョー・レイン所長による基調講演が本学で行なわれ相互協力関係を築きつつある。なお、CATにおかれている健康関連職業学部のマーク・クリスタル学部長を表敬訪問し、鍼灸治療の内容について質問を受けた。 2.3 情報処理工学科(Department of Computer Science & Technology)  スコット助教授より学科の教育コースと内容について説明を受けた後、講義室や研究室の見学を行った。また、留学生(情報処理学科)が専門教育科目として履修するための担当者と調整を行った。UBでは各教育担当部門が分かれているため複数の窓口を訪れ、説明をする必要があるが、システムを理解し事務手続きを処理することは留学中の困難な点のひとつである。 2.4 英語研修センター(ELI: English Language Institute)  留学生のための英語研修センターであり、少人数制で英語能力別にクラス編成がなされ授業が行われている。今回の研修プログラムにおいても、それぞれのクラスに分かれ、世界各国の留学生らと共に受講した。また、「ユニバーサルデザイン」や「障害」をテーマにした授業に中南米諸国の教育担当者グループと共に受講し、スピーチを行った。  キャシー・カーティスセンター長からELIの内容について説明を受けると共に、今後の本学からの学生留学プログラムの方法について意見交換を行った。今回はELIのサマーセッション(3ヶ月)を受講し、この件について、センター長からも多大な協力を得た。 2.5 生活自立センター(ILC: Independent Living Center)、ネイティブアメリカン生活自立センター(NAILC: Native American Independent Living Center)  同センターはUB近郊にあるNGO組織で、障害者やネイティブアメリカンの自立を支援するために、日常生活支援、カウンセリング、学校などへ啓蒙活動を州政府からの委託事業として行っている。また、CATと関係も深く、共同で開発機器の評価・提言を行っている。  ILCでは、障害者自ら積極的に社会に働きかける姿勢が貫かれている。全盲のダグラス・ウジアク所長とは出張中のため残念ながら会見できなかった。 2.6 障害者サービス室(Office of Disability Service)  室長のブロスト氏他2名のスタッフが勤務している。UB在学の障害を持つ学生に対して、カウンセリングや学内マネージメントを中心としたサービスを提供している部門である。サービス内容、他大学やアメリカにおける障害者の高等教育について説明を受けた。ブロスト氏は強度の弱視で点字プリンターを使用していた。 2.7 ゲストハウス(University Guest Quarters)  UB滞在中は、サウスキャンパス内にあるゲストハウスに宿泊をした。ゲストハウスは2部屋で1つの浴室・トイレを共同利用。各階ごとにラウンジが整備され、台所やダイニングテーブル、ソファーがあり、宿泊客が交流しやすい環境が整えられている。また、洗濯室やセキュリティシステムも完備された宿泊施設である。 2.8 ナショナル聾工科大学  バッファロー市から車で1時間半ほどの東部に位置したロチェスター市にキャンパスがある。毎年、聴覚部学生との交流プログラムが実施され、友好関係が築かれており、今回の研修でも好意的に受け入れられた。また、設備としては学生及び教職員向けの手話などの自習室(Self-instruction Lab)や教育技術資源センター(Educational Technology Resource Room)の充実が印象的であった。 写真1 CATにて障害補償機器の説明を受ける 写真2 ILCの正面 3.課外活動  12日間の日程のうち週末が4日あったため、これを利用してバッファローやロチェスター市内およびその周辺の観光旅行を行った。 3.1 ナイアガラの滝(Niagara Falls)  ナイアガラの滝は世界第二の大きな滝である。バッファロー市内から車で30分程度の所にあり、周辺は国立公園として整備されている。その水量は1秒に6,060立法メートルにも達するが、現在はその半分が水力発電に利用されている。学生と共に滝壷を歩くツアーに参加し、スケールの大きさを十分に体感することができた。 3.2 バッファロー動物園(Buffalo Zoo)  バッファロー動物園では、実際にいろいろな動物に触れることができる。また、触れることのできない動物についても、模型やボランティアによる丁寧な説明があり、体験学習することができる。 3.3 セント・ジョン・バーニー教会(St. John. Vianney R.C. Church)  教会では日曜日のミサに参加し、賛美歌や説教を聞くことができた。それはアメリカ文化や習慣を理解する上で良い機会であった。 3.4 エリー運河(Erie Canal)  エリー運河はロチェスター市を東西に流れる運河である。ロチェスター市は五大湖の一つ、オンタリオ湖に面しており、多数の川がある水郷の都市である。運河沿いには歩行者専用道路や船着き場が整備されており、ボートクルーズなどが楽しめる。 3 . 5 ジョージ・イーストマン博物館(George Eastman Museum)  ロチェスター市は大手フィルムメーカのコダック社発祥の地である。そのため創業者ジョージ・イーストマンを記念してこの博物館が設置されている。博物館内は実際に利用していた書斎やリビングルームの公開や、写真の歴史・技術について展示がされていた。 4.事前準備  海外研修にあたり以下の日程でミーティングや出国準備を行った。 4.1 ミーティング 第1回(6月13日視覚部部長室) -参加者顔合わせ -スケジュール説明 -昨年度の様子 第2回(6月21日視覚部部長室) -UBビデオ鑑賞 -スケジュール打ち合わせ -研修旅行費用について 第3回(6月30日寄宿舎ラウンジ) -スケジュール打ち合わせ -UBビデオ鑑賞(各人) 第4回(7月5日視覚部部長室) -アメリカ入国審査模擬練習 -所持品打ち合わせ -スケジュール確認 第5回(7月11日視覚部長室) -自己紹介模擬練習 -スケジュール最終確認 4.2 出国準備 -パスポート  今回の参加学生は、申込み時点で全員がパスポートを取得していたため、申請に関する事務手続きの必要はなかった。 -出国書類  以下のものについては出発前に予め記入を行い、本人または家族のサインが必要である。(旅行代理店より用紙取得が可能) ①日本出国・入国カード ②アメリカ入国・出国カード ③アメリカ関税申告カード -スーツケース  希望者は、レントオールよりレンタルした。今回、レンタルしたもの一部破損し海外旅行保険の携行品として支払いを行った。 -海外旅行保険  AIU海外旅行保険に希望者のみ、希望コースに入会。レンタルスーツケースの一部破損のため保険を利用。 -航空会社 航 空会社に視覚障害者が搭乗予定であることを電話連絡し、席が分散しないように依頼。従って、機内または空港乗り継ぎで乗務員や案内人の指示により、スムーズに移動が可能であった。 5.学生の感想 -鍼灸学科2年 苑田 壮史-  今回の海外研修で、まず第1に感じたことは、飛行機の中、空港、レストラン、大学内等の禁煙や未成年者へのアルコール販売の禁止が徹底していたことである。おそらく、法律で罰則が厳しいから守れているのであろう。  第2には、障害者に対するサービスの充実である。シカゴ空港の中では、車椅子を押してくれる仕事の人が多く、視覚障害者に対しても、待合室まで連れていってもらえるなど、障害者へのサービスが行き届いていた。UB内にも、障害者のための支援センターがあり、障害者はそれを利用することができた。その他、NTIDでの聴覚障害者への施設の充実にも目を見張るものがあった。  次に、食べ物の味付けは、一般に濃く、塩辛かった。天気は、雨が急に降り出してすぐ晴れるという、スコールのような天気がよくあった。気温は晴れていると暑いが、涼しく感じることがしばしばで、湿度は低くサラッとしていて、前の晩に干した洗濯物が翌日の朝には乾いているほどであった。町並みは、木々が多く、土が肌を出していることはほとんどなく、どこも芝生かアスファルトで覆われていた。野生のリスも住宅街や大学構内で見られた。バッファローの一軒家には必ず煙突があり、その庭には、大きな木と芝生があるのがお決まりで、これがこの土地のスタイルなのだと思った。  アメリカに滞在中、ギリシャ料理、イタリア料理、日本料理、中華料理、オーストラリア料理等、数々の異文化の食事を味わえた。また、アメリカの大学のアカデミックな雰囲気に接することができ、多国の人々と少しだが交流でき良い思い出となった。  また、アメリカの広大でおおらかな文化に接することができ、ナイアガラの滝の大自然に触れ大きな心になれたこと、障害者関連施設でアメリカのボランティア精神に接することができたことである。 -鍼灸学科1年 高橋 弘-  初日のアスレチッククラブでは、軽い運動とクラブにあるマッサージ室でオイルマッサージの施術を受けた。 本格的なマッサージを受けるのは、初めての経験であった。普段学校で習っている手技とはかなり異なるもので、頸部の運動法などに少し共通点もあり、とても勉強になった。翌日に今度は、私達があん摩をさせてもらい、叩打法などの手技は知らないらしく、興味を示していた。  ナイアガラの滝では、世界的に有名な観光地なだけあり、様々な国の人達が大勢いた。滝壷の近くへ行くために黄色いカッパを着て、足が滑らないように草鞋のような物に履き替えた。木製の歩道を歩いて滝壺のすぐ近くまで歩き、もの凄い水しぶきが上がり、霧が立ちこめたような状態でとても面白い経験であった。バッファロー動物園では初めてらくだに乗ったが、乗り心地はゆっくりとした動きでとても気持ちが良かった。  大学内の色々な先生方とのミーティングでは、英語があまり聞き取れなかったため、会話の内容を完全には把握できなかったので、もっと耳を慣らしてから来れば良かったと思った。生活自立センターでは、視覚障害者用に開発した杖などが展示してあった。ELIでは英語を勉強するためのクラスに参加し、授業を受けさせてもらった。多くの日本人がそこで英語を勉強し、生徒の方も積極的に授業に参加しているといった感じで、日本の授業風景とはかなり様子が違っていた。英語そのものについての授業であったため、先生の話している内容も幾らか理解できた。違う種類の講義を3コマ程しか受けられなかったので、もっと多い時間数を受けてみたかった。  NTIDの訪問では、校舎は聴覚障害者を考慮して、廊下や教室の机の配置を見通せ、視覚的に分かりやすいデザインなどが工夫されていた。学校では聴覚障害を持った生徒が、コンピュータやデザインの勉強をしているとの説明を受けた。その後、市内を通っている運河で遊覧船に乗り、船の高さを変えるための閘門の開閉する場面を見ることが出来た。  今回の海外研修は、私にとってとても良い経験となり、また、いい思い出にもなった。ナイアガラの滝などの観光はもちろん、アメリカの大学の様子も実際に見ることが出来た。11日間は過ぎてみればあっという間であり、特にELIの授業にはもっと参加してみたかった。また、別の機会があれば、今度はもっと英語を勉強しておきたいと思った。アメリカの町を見て感じたのは、歩道に点字ブロックがなく、歩行者用信号にも音で知らせるものはほとんど無いことであった。アメリカは自動車社会であるため、全盲の人が一人で生活するのは困難であるように感じた。今回だけではまだ良く分からないが、日本の方が視覚障害者にとって過ごしやすい環境かも知れない。しかし、私の立場から見れば、土地が広いため町並みはとてもゆったりとし、食文化も非常に国際的であり、生活してみたい所であると思った。  これからは、研修で得た知識を糧にして、勉強を頑張っていきたいと考えている。 -鍼灸学科1年 田巻 香織-  海外研修の前日は、10日間の海外研修の準備におわれ、不安と期待がいりまじっていました。 10日間という中で海外研修に参加する仲間と共に何度かの海外研修に関しての集まりやってきましたが何度話し合っても不安が残り、10日間の海外研修は少し不安が残しながらのスタートとなった。  今年は、前半にナイアガラの滝や動物園などの見学があった。ナイアガラの滝では、黄色いカッパと足袋のようなものを履き、滝が落ちてくるすぐ近くまで、木造の階段を登って行った。足元は、階段に流れ込んでくる水によって、膝あたりまでズボンがぬれ、滝のすごさに興奮と楽しさがありとてもよい体験ができた。動物園では、日本では触れることがなかった豚・羊・鶏などに触れることができた。また、トレーニング場でアメリカのマッサージを受けることができ、その代わりに今、学んでいる手技をやらせてもらえることができ自分にとってもよい勉強となった。  UBでのコンピューターサイエンスでは、理学療法に関する設備で障害者に対してもコンピュータが使いこなせるように工夫がこらされておりとてもこの事に関して興味をひかれた。生活自立センターでは、いろいろんな障害者にあわせて生活の場を助けていることや、各部屋の説明を受けた。  ELIの授業では、小人数の中でクラスの人と共に授業に参加した。授業の内容は難しくなかったが英語に関してわからないことが多かったことから理解しにくいことがあった。だが、クラスの雰囲気は良く、楽しく授業ができよい経験となった。  海外研修も最終日頃にNTIDへ行った。聴覚障害者のための大学であったが、校舎のつくりにも工夫がされて本学と同じ造りの部分も見られた。  今回この10日間の海外研修を終えて、不安を抱えながらのスタートであったが、とてもよい経験となり、いろいろな面で勉強になり、思い出となった。 -情報処理学科3年 笹谷 知幸-  初めに、物理的な感想としては、まず、10数時間の時差が在ったので、私は初めの内は、昼間に長い昼寝をし、夜中に活動をしているといった面持ちであった。それから、大半の物が日本に比べて大きく、量が多いため、日本の1.5倍ぐらいの分量と思いながら食事をした。その上、食卓に白いご飯が出てこないことも、私には少しカルチャーショックに感じられた。その他にも、着る物や車、建物にしても、全て日本のサイズに比べて大きく感じられた。更に、印象に残ったことは、バッファローやロチェスターの路上に、点字ブロックや音声信号等が殆ど無いと言うことであった。出発する前には、アメリカには、点字ブロックや音声信号等が、日本に比べてたくさん在るのかなと思っていた。それで、アメリカの福祉は進んでいるはずなのに、何故このような設備が無いのかなと疑問に感じたので、引率の先生とアメリカは車社会だから、歩くことよりもむしろ、視覚障害者等に対する車による移動のサービスが進んでいるのではないかということで、もしそうだとすれば、私達視覚障害者等にとっては、むしろ便利なのではないのかと納得した。  一方、カードで開けるタイプのドアが在り、非常に使いづらく感じられた。何故なら、タイミングやカードの向きが正しくなければ入れないし、正しい向きを表す印もなく、開いたことを合図する音も小さすぎた。このことについて何らかの改善をして頂きたいと思った。  次に、アメリカ合衆国で10日間余りを過ごした結果、人と人とのコミュニケーションにおいて、比較的に親切で熱心な人が多いと言うことを感じた。例えば、ELIで研修では、先生の熱意が切々と感じられた。  それから、NTIDを見学し、先生達が学習するための教室が確実な形で存在しており、共に学び、共に向上しようと言う姿勢が自然と伝わってきた。  また、見学先の説明は、全て英語だったために、部分的な単語を聞き取ることは少し出来たが、文章の繋がりに対して頭の回転させ、高い状態での集中力をキープし続けることが難しく感じられた。  最後に、この研修旅行に対する全体的な感想としては、やはり、スケジュールがとてもハードで、疲れを翌日まで持ち越すとことが多々あった。しかし、非常に楽しく、勉強になった10日間あまりであった。アメリカはさすがに合衆国というだけあり、様々な文化が飛び交っていると感じられる場面を多く体験することが出来た。その結果、この研修旅行を通じて、食事や買い物、研修や見学等と言った数々の行動の中で、異文化に直に触ることが出来たことこそ、今回の最大の収穫であったと、心の底から実感している。 5.まとめ  この研修プログラムの実施にあたっては、まだ第2回目ということで試行錯誤の部分があり出発に不安もあったが、無事に学生を引率し研修を終えることができた。 しかし、問題点としては参加者決定から出発まで1ヶ月程度しかなく、準備が十分にできたといは言い難いことや、UBや関連機関とのやり取りでは先方の都合もあり、直前までスケジュールが未確定な部分も挙げられる。  UBは特別に視覚障害者に配慮されている大学ではないために、本学学生が修学する場合どの程度のサポートが得られるかは未知数であり、今回の留学した学生のケースで問題点を十分に検討すべきである。  また、アメリカはバリアフリーや社会福祉に優れている国であるが今回の研修でいくつかの疑問点も指摘された。例えば、買い物や日常生活は車社会を前提としているために、郊外では歩道が整備されていない場所があることや、音声信号や点字ブロックについては日本のほうが優れている印象を受けた。  しかし、一方ではADA法(Americans with Disabilities Act)により社会全般において障害者の権利が保障されているので、その中で研修や留学で勉強するためには、自己主張と英語能力が必要不可欠であろう。 参考文献: 1) 一幡 良利、ポーリー・マーティン・エドモンド他:第1回筑波技術短期大学視覚部海外研修,筑波技術短期大学テクノレポート7,163-169,2000 2) The Western New York Independent Living Project(ILP), Annual Report, 2-3, 1998-1999 Second Study Tour to the United States of America from the Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology Ryuzo ITOH1),Martin PAULY2),Junko ENDO3)*,Takeshi SONODA4) Hiroshi TAKAHASHI5),Kaori TAMAKI5)&Tomoyuki SASAYA6) 1)Dean of Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology 2)Department of General Education, Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology 3)Technical Staff of Academic Affairs Second Section, Tsukuba College of Technology 4)Student of Department of Acupuncture/Moxibustion, Tsukuba College of Technology 5)Student of Department of Acupuncture/Moxibustion, Tsukuba College of Technology 6)Student of Department of Computer Science, Tsukuba College of Technology Abstract: We visited the State University of New York at Buffalo (SUNYAB) and the National Technical Institute for the Deaf (NTID) from July 13 to 24, 2000. This was the second time that four students, two teachers and one staff member of the Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology participated in the tour. In UB, we toured the Center for Assistive Technology (CAT) which conducts research and provides education and services for adaptive devices, the Office of Disability Services which coordinates services and accommodations for students and employees with disabilities, and the Department of Computer Science and Engineering. Students attended classes in the English Language Institute (ELI) which prepares international students for university study. The Independent Living Center (ILC) of Western New York, near UB, has been active in advocating the human rights of the citizens with disabilities, and promoting the social and economic independence of the disabled, including psychiatric patients. We had a good opportunity to learn about the support services for disabilities in higher education and the social resources of the U.S. Moreover, during this time a student of the Department of Computer Science was studying at UB. So teachers consulted with the Office of International Education about him and future exchange programs between TCT and UB. Extracurricular activities included visits to Niagara Falls, Buffalo Zoo, St. John's Church in Buffalo, and the George Eastman Museum and Erie Canal in Rochester. Finally, we visited NTID in Rochester, which has a long-standing relationship with the Division for the Hearing Impaired. This report includes student impressions and the preparation for the study tour. Key Words: Study tour, America, State University of New York at Buffalo (SUNYAB), The National Technical Institute for the Deaf (NTID), Visually Impaired