平成13年度筑波技術短期大学視覚部鍼灸学科におけるチューター制について 筑波技術短期大学鍼灸学科 森山 朝正 一幡 良利 形井 秀一 藤原 順子 吉田 紀明 坂井 友実 野口 榮太郎 大沢 秀雄 和久田 哲司 佐々木 健 木村 友昭 殿山 希 要旨:筑波技術短期大学鍼灸学科では入学学生の多様化や、視覚障害学生が抱える様々な疾病や障害から来る教育上の問題点、生活上の困難さなどに教官がどのように関わり、効果的な教育を受けられるように指導できるかを模索してきた。こういった問題に対して学科所属の教官全員が学生と直接関わりを持ち、個別の指導、支援体制を組めないか検討した。結果として、いわゆるチューター制を取り上げ実施したが、様々な問題点が浮かび上がった。この問題に対しては、学科の教育上の特徴、学生の個々の能力差など検討しなければ解決できない問題が多く含まれていることが解った。 キーワード:鍼灸学科、チューター制、視覚障害学生、教育支援 1はじめに  筑波技術短期大学視覚部鍼灸学科では平成13年度から入試制度の改革に則り、学力試験を科さない入試を実施した。これは、相対話入試の呼称で呼ばれ、いわゆる入学希望者と学科の情報交換を密にし、お互いに理解を深めた上で入試を許可する制度である。この入試方法により、鍼灸学科の教育目標の一つとして生涯教育の視点が強調される結果となった。従って、鍼灸学科の教育方針は、①鍼灸界の将来を担う事の出来る専門的な知識を身につけた人材の育成と②鍼灸を職業として社会に貢献する職業人の育成、そして、③既に鍼灸を職業としている社会人に対する再教育の場の提供である。特に③に対してアドバンスコースをカリキュラムの中に設け、鍼灸手技療法師の資格を有する者への入学が可能になるようにした。これによって平成13年度から鍼灸学科の入学者はこれまで以上に年齢の幅が広がり、社会人経験者が多く入学し、学齢で入学する学生の数が減った。また、これ以前から視覚に障害のある学生の一部に、視覚障害以外の疾患を抱える学生や、視覚障害が安定せず、入学後に急速に視力の低下を来す学生がおり、情報入手と発信方法の変換を余儀なくされるなど、大学教育とは異なる支援を必要とする学生が存在した。こういった経緯と共に先の入試方法の改革による多様な学生に、より良い対応をするためにどの様な方法が適しているかを学科で検討した結果、学科の教官全員で学生に対応する事が望ましいのではないかという結論に達した。本文の最後にまとめでも述べているが、今回鍼灸学科が実施した学生に対する対応は、いわゆるチューター制と呼ばれる医学教育における制度とはニュアンスが異なり、個々の学生に対して学習上の支援に止まらず、生活支援の要素まで含まれる学生も多く出現した。(表1)さらに、この制度の適切な呼称が見あたらないので、チューター制の呼び方をそのまま利用した事も混乱を大きくする原因の一つになった。また、学年進行と共に学生の心理的変化も大きく、各学年で発生する問題が異なってくる。こういった様々な事案に対して実施前にかけるべき準備の時間がないまま、学生を待たせる事が出来ない状況でスタートした事もいろいろな問題点を浮き彫りにしている。今回の報告ではこういった状況で始めざるを得なかった結果、様々な問題が提起されたが、それをそのまま供覧し、国家試験を受験させるという学科の特`性や、生涯教育における学科の対応など、医学教育の中で行われているチューター制とは異なった新しい制度を作り出すための資料となる事を期待している。 表1 各学年別チューター制の役割 2.平成13年度チューター方式による1年次クラス運営について 2.1基本的方針  チューター制を実施するに当たって、次の点を確認した。 ①クラス担当教官はクラスのチューターを代表し、事務的事項、フレッシュマンセミナWGなどに出席しチューター間の連携を図る。 ②チューターの役割としては学生の実体を把握し学生の自発性を重んじつつ1年次の学生生活並びに学習に適応しうるよう相談、援助する。 ③チューターの担当学生グループとクラス全体の経営については、各チューター担当学生グループは画一的なものではなく、緩やかな学生グループの集団として捉え、クラス全体の経営に支障を来さないよう配慮する。 ④チューター相互間においても相互協力しうるよう努め、チューター間の連絡を密にするために定期的に連絡会を設ける。 2.2チューターの担当学生の編成 ①担当学生は新入学生であるため、一応入学時の資料を基に編成する。 ②当初の学生の担当は、盲学校、高卒・短大卒・大卒などの出身学校、職業経験の有無、視覚障害の状況及び留年学生の状態を踏まえ、教官の個性も生かしうるよう配置する。 ③チューターは4月中に担当学生と個人面接を行い学生の実体把握に努め、学生の要望にも配慮して早期に編成変えする。 ④学期毎に担当学生との状況をチェックして、編成を検討する。実際には年度末まで編成変えは行わなかった。 2.3本年度1年次チューター制の利点 ①クラス担当として、年齢(学齢から高齢)、出身(高卒・短大・専門学校・大学・留学生・留年者)、社会生活経験(就業・既婚者など)及び合併症保持者と多様な30名の学生を複数の担当者によって分担把握し指導を深められたことは意義が高い。 ②個々の学生の諸問題について、比較的早期に把握が出来、チューター間の協力によって、問題解決をスムーズに行うことが出来た点は良かったと思われる。 ③緩やかな連合体として実施したことが、クラス全体としての活動も、ほぼスムーズに運営が図られた要因でもあろう。 ④更に、学生にとっても、チューターの枠に特に縛らなかったことは、担当チューター以外にも相談を投げかけることが出来得たものと思われる。 2.4チューター制の問題点 ①休学、退学などの事務処理あるいは入学式・卒業式などの公式な行事に対するクラス担当と個々のチューターとの関わりについて、整理して学内全体の理解が必要であろう。 ②チューターのあり方について、なお意識統一が必要と思われる。教官の立場(講義を担当している者、講義補助者、講義に係わっていない者など)によって、関わり方が異なり、固定的なチューター意識では対応しにくい。 ③担当学生グループとは一定の相談・助言指導は出来ても、より深い接触は時間の関係で難しく、個々の対応に止まらざるを得ない。 ④学齢者と自立した成人学生では取り扱いに配慮しなければ難しい問題が生じることが予想される。この点からも固定的なチューター対応は難しい。担当学生の配置を工夫する必要がある。 以下に実践事例をいただいた内容を添付する。 1年次チューターA  チューターとして私の担当した学生は6名であった。 皆学齢を過ぎた学生であった。そのうち3名が現在進行中の疾患を一身に引き受けていた。  aは透析中の学生であり、この学生は自立していたので問題はなかった。一度透析直後に失神したというので病院へ見舞いに行っただけである。  bは過呼吸発作と解離性障害を持った学生であり、入学当初数ヶ月間はしばしば意識障害発作を起こし、皆を手こずらせたが、最近は小康状態である。  cは難聴も併せ持っていたので、聴覚部に同道し、大沼 直紀教授から補聴器の処方をしてもらった。この学生は角膜に異常があり、順天堂大学眼科も受診したが、結局休学し山口大学で角膜移植を受けた。現在休学中である。  他の3名は特段の疾患はないようであり、健康に関しては手が掛からなかった。しかしcともう一人アドバンスコースの学生dが、前もって私に何の相談もなくある日研究室を訪れ、示し合わせたように「休学する」と言って来たのには驚いた。cは角膜移植により視覚が改善すれば、一般社会に戻りたいと思っていた節もあるが、両人とも勉強についていけなかった点も脱落した大きい原因と思われる。  他の2名の学生は先生などは鯵陶しいのか一度も相談などには来ず、学生らしい学生であった。  勉強のことで相談に来たのは2名ほどいたが、「覚えられない、どうしたら覚えられるか」などといったレベルの低い質問であった。  「こんなことを勉強したいのだがどんな本を読んだらよいか」とか、「こういうことは先生はどう考えるか」などと云って来る若気に富んだ学生は一人も居なかった。 最も自分の学生時代を振り返っても先生にそんな質問をしに行ったこともなかったし、そもそもチューターなどというものは恐れ多くもオックスフォードかケンブリッジあるいはパブリックスクールくらいにしか居ない時代ではあったが。  いずれにしろチューターは、お子様方の「じいや」や「ぱあや」みたようなものと腹を括ればよいのかも知れない。  しかし学生を身近かに感じられるだけでも意義深い制度であり、今後の発展に期待する。以上、感想文になってしまって統計学的処理はできないが、チューター制のまとめである。 1年次チューターB  新任教官として、1年次チューターの一角を担当した立場からいろいろ指摘していただいた問題点を挙げる。 反省点 1.本学年のことではないのであるが、学科内でチューターの考え方にコンセンサスが取られていないと感じた。担任の仕事とチューターの仕事の根本的な考え方が各人で異なっている。チューターはもちろん、担任についてもその業務を誤って考えている感がある。学生をどう扱うか(=どんな学生を育てるか)検討が必要だと思う。  チューターはまるで複数担任制であるかのように感じられた。  勉強の仕方がわからないという程度のことであれば、何もわざわざチューターなどと言うものを設けなくてもいいと思う。では、チューターは何をすると良いのか。  チューターはその名の通り学生に家庭教師的に関わるものなのか?補習など全科にわたりみてやるのか?教科担当教官が責任を持って時間内に指導すべきことを「チューター」だからと言ってその科目に無関係の人間に押しつけるのは理解できない。各教官が自分の授業に責任を持つべきだと思う。「大学なのだから」というのであれば、国試というハードルを越えられない者に対してどうすべきかは学科内で検討力泌要だと思う。 2.自分が授業を持っていないのにチューターに配属されても困る。学生の情報は授業中の態度から得るものであり、他の学生からのウワサなどで得るのは間違っていると思う。「チューターは学生を呼びつけるものではない」「自主性に任せる」と言っていながら、授業という接点がない学生が自主的に教官室に来るとも思えない。  日頃自然のうちに学生の顔色が観察できる相手がチューターにふさわしいと思う。  ゆえに、毎年同じ学年のチューターで固定してもかまわないと考える。 3.もし、どうしてもチューターなる制度を行うならば、ゼミのように学生に自分のチューターを選ばせたらよいと思う。1年生は学科で割り当てるしかないが、2,3年については学生自らがコミュニケーションの取りやすい相手を選ぶとよいと思う。勿論、教官は学生を選ぶことはできない。 3.平成13年度2年生のチューター制度のまとめ 3.1方針  年度当初に、チューター会議(4人の教官で構成)にて、昨年度(1年次)はクラス担当教官と2名の副担任による3人の複数担任制度でクラスの運営・学生の指導を行ってきており、クラスもよくまとまり、学生間の協力体制もあり、一応の成果を挙げていたため、本年度においてはこれまでの実績のある複数担任制度の良い点を維持しつつ比較的緩やかなチューター制度を引くことを決めた。 ①チューター会議を毎週行い、学生の状況について話し合い、共通理解を図る。 ②学生の相談の窓口はチューターとするが、基本的に、2年生担当の担任・チューターの誰に相談に行っても良い。 ③対応を講じなくてはならない状況では、担任・チューター全員で当たる。 3.2学生の分担  進路、視覚障害、成績の状況に応じて分担した。 ①医学的に問題を抱えている学生は医師である教官cが担当した。 ②理療科教員養成施設に進学希望の学生は教官Dが担当した。 ③盲ろうの二重障害の学生は教官Eが担当した。 ④成績で問題となる学生は教官Fが担当した。 3.3まとめ ①学生で問題が生じた際は、当初の方針通り、担任・チューター全員一致協力して問題の解決を図れた。 ②学生は担任・チューターの区別無く、相談に訪れていた。 ③基礎医学・臨床医学・鍼灸専門の教官がそれぞれいたため、学習指導においても機能的な分担ができた。 ④理療科教員養成施設希望の学生は教官Dを中心に勉強会を頻回行い、適宜指導した。 ⑤成績に課題をもつ学生に対しては個別に対応することができた。 4筑波技術短期大学鍼灸学科3年生でのチューター制の実施内容について 4.1構成 チューター4名 学生22名 チユーター一人あたりの学生数5名~6名を担当として振り分けた。 4.1.1良かった点 ①学生eは、国家試験のある科目について解答率が低く、不得意意識が強いという相談をしてきた。それまでの学習方法は知識を九暗記することに時間をついやしていた。学習内容の中で理論的な部分に時間をかけて噛み砕いて説明し、理解したことを確かめてから,関連事項の暗記をするように学習方法を変えたところ不得意意識が解消された。 ②学生fは、国家試験のある科目について他のチューターの指導を受けていたが、自分の理解力をこえた学習内容があると相談してきた。そのチューターの指導内容を確かめたところ国家試験形式の問題練習を中心とした学習であった。問題練習はそのまま継続すると共に、基本に立ち返って具体物(触察模型)を使った指導を加えたところ自分の理解力に自身を持って学習を進めることができるようになった。  上記2つの国家試験対策は、チューターが学生に対して学習内容の1から10まで手取り足取り指導したのではなく、1から10までの学習手順を明確化し最初の部分を指導したことが、あとは自信を持って主体的に学習を進めることにつながった事例である。不得意意識や自信損失が1年生・2年生の学習期間内で生じた学生の中には「いざ最終学年、さあ国家試験対策」と意気込み九暗記や国家試験形式の問題練習にのみやみくもに時間を費やしても成績が伸びないことがある。そのような学生は能力が低いのではなく、学習内容を理解できる力があるにもかかわらず、何かのアクシデントか、あるいは怠慢とかの何かによって理解できていないだけなのである。そして、国家試験のために覚えなければならない内容をどこから手をつけていけばよいかということが分からないし、自分がそれを理解できるという実感を持っていない。 国家試験対策についてチューターがおこなう大事なことのひとつに自学自習のためのオリエンテーションがあるといえる。動機づけと自信の回復と共に学習の見通し(学習計画)が結果を分けるといえる。 ③教官や教育に関しての不満を学生から直接聞く機会を多く持てた。その中には、教官である私自身に対する不満も含まれていたが、他の教官を批判する内容もあった。学生側からの教育評価と捉えるととても貴重な声である。実際に多くの学生に共通した不満に対してチューター4人が問題解決のために話し合いを持ち、年度の途中からチューター制の活用に関して、チューター中心から学生中心へとアプローチを変更した。  上記③は、3学年のクラスの課題や問題に柔軟な対応ができた結果である。個々の学生の実態にあった学習や生活の援助をおこなうには、一斉指導ではなく個別指導が基本になる。また、自立の意識を高めるには自己選択・自己決定を促すことが基本になる。しかしながら、鍼灸学科におけるチューター制元年である平成13年の年度当初は、指導者側による一方的な指示を学生に伝えることが多く、チューター毎にチューター制に対する認識にも差が大きかった。改善の切っ掛けは学生のチューター評価であり、それをもとにチューター制を継続したことがエンパワメントにつながった。 4.1.2悪かった点 ①担任とチューターとの役割が明確ではなかった。年度当初はチューター制というよりは複数担任制の色彩が濃かった。鍼灸学科としてはチューター制を検討しながら実践した1年であったが、前年度の計画段階からおこなうべき準備が不;充分であった。チューター制に関する研修力泌要である。 ②私個人の対応を反省すると、個々の学生との関わりは必要性から結果として学習中心になり、国家試験対策では有効であったが、人間的成長を促す活動としては希薄であった。 個性的で魅力的な学生を前にしていながら、私の側に「学生へのより細やかな声掛け」、「学生の話への傾聴」、「メール交換」等を通して「共に生きる」実感が不足していた。残念である。 4.2筑波技術短期大学鍼灸学科3年生でのチューターおよび全体のまとめ  チューターはもともとは家庭教師あるいは個人教師という意味であるが、大学医学部・医科大学での医学教育においての解釈は「少人数グループの学習を援助しながら、一人一人の学生に目を向けて、必要に応じて個別にも対応する教員」を指している。従ってチューターは学生の自己学習を容易にするための存在であるといわれる1)2)。必要に応じて助言し、学習のプロセスと学習の結果を評価して、学習方法において問題のある学生には個別に助言や指導を行なう。したがって、本学鍼灸学科の学生は将来鍼灸師を目指すにあたり、生涯にわたって必要なものを学び続ける「生涯学習」が出来る方向に学習意欲を向けさせねばならない。そのために自己学習と障害受容の重要`性を再認識させ、卒後教育まで一貫して反映するための手段としては絶好の制度として、平成13年4月から学科に導入されたものである。  3年生については1,2年次での本制度の導入がなく、初めての試みにより、学生が戸惑うことと、国家試験と卒業試験、臨床実習の重圧からの対処の仕方に、どこまで教官がアシストするかに視点がおかれた。当初は、自己学習の認識が学生において差が大きく、教官の密接な指導が負担に考える存在も見逃せないことや、自学自習の習慣が身についている学生と千差万別であった。そのような進行過程において、3年生では本制度を問題解決型に移行せざるを得なかった。問題を学生から掲示した場合に初めてチューターが関わることにし自己形成と確立の手助けとしての機能に替えた。3年生では大学生活にも慣れており、1、2年生とは違い生活指導面での負担が少なくて済むために、医学教育でなされる「チュートリアル」、即ちグループ学習を取りながらも個人学習をし、どのレベルの学生でも自分に必要な学習目標の設定をし、身に付けた結果が現役生の国家試験合格率(100%)に現れた。今後、3年生でのチューターは本制度が成熟してくれば、生涯学習のための教育カリキュラム設定まで還元できるようになることを期待する。  このような中で最も残念であったことは、問題解決型に移行したことにより、問題の提起を怠った学生の一人(留年経験者で在籍6年目)がドロップアウトの憂き目に会った。本学生は最も基本的動作の履修申請を怠ったことと、出席日数の不足科目があり、退学せざるをえなかった。弁明にもなるが本人には口頭で何度も確認したところ、授業も試験も受けていると報告があったので、安心していたのだが・・・。学期の終了時点でわかった時には既に遅かった。チューター制度を反映させるには本学での背景となる基礎的基盤が重要な要素となるので、その基盤のためには、学科だけでの対処では不完全なところが見出せた例でもある。今後本制度の充実のためには、学科を越えての全ての,情報が入ってくることがより望ましいものと思われる。他大学で経験した例であるが、担当学生の各期の中間時点、終了試験前に全ての科目の出席率がチューターに配布され、試験後には成績一覧表が手元に届いた。この大学では各講座で出席を集計し、学生係りで電算化しているため、全ての科目の成績並びに出席状況に関する情報が把握できた。本学科では学科内の開設科目においての出席状況は把握できるようになっているが、他学科教科の出席状況や学科開設科目の成績一覧が把握できていない結果によるかもしれない。幸いにも本人は全て了承しており、進路変更も自分の意思で決定し、地元の盲学校に進んだ。現在後`海することなく、本学での6年間の在学中での教育を無駄にしないように、一生懸命履修しているが残念な例であった。  本制度を導入した1年目であるが、本学での背景となる基盤的な種々の因子を解明しつつ、教育のあり方についても討議し、多様化した学生のニーズに沿うようにすべきであると考えられる。今後の進展状況により、本学では他大学とは全く異なった要素が含まれるため独自のシステムとなるように開発せねばならない。 引用文献 [1]中野 次郎:日本医学論,日本効率医療システム研究会,2001.1 [2]斉藤昭彦:これから始めるアメリカ留学,週間医学界新聞 No.2465 2001.12 Tutorial system in the Department of Acpuncture & Moxibustion, Tsukuba College of Technology in 2001 MORIYAMA tomomasa, ICHIMAN yoshitoshi, KATAI shuuichi, FUJIWARA junko, YOSHIDA motoaki, SAKAI tomomi, NOGUCHI eitaro, WAKUDA tetuji, SASAKI ken, OHSAWA hideo, KIMURA tomoaki, DONOYAMA nozomi Department of Acupuncture & Moxibustion, Tsukuba College of Technology Abstract: We were concerned with the educational and social life problems from various disease and difficulties of visually impaired students in the Department of Acupuncture & Moxibustion, Tsukuba College of Technology. Toward these problems, all teachers of the Department tried to have a connection with students and groped to organize individual guidance and a supporting system. Consequently, we adopted a so-called tutor system. But various problems have occurred. And we have understood that because of these problems we must consider the educational distinction of this department and the individual abilities of students. Key Words ! Department of Acupuncture & Moxibustion, tutor system, visually impaired students, individual guidance