聴覚や視覚に障害のあるひとの駅でのホーム探索行動とイメージ 筑波技術短期大学視覚部一般教育等1)同デザイン学科2)大阪市立大学生活科学部3) 加藤 宏1)伊藤 三千代2)森 一彦3) 要旨:聴覚障害者・視覚障害者・健常者に駅で目的地までの切符を購入し、列車の発車ホームまでたどり着くという探索課題を課した。探索後に探索ルートのスケッチマップ描画を行わせた。描かれたスケッチマップには現実の駅の構造とは異なっており、事物の位置関係の回転・逆転・省略、さらに存在しないものの追加など種々の歪曲が見られた。実空間に対するこれら歪みは障害特性よりも個人の空間能力とより関係しているようである。スケッチマップからは経路探索行動に空間認知に特異的なヒューリスティックの存在と作業記1億の関与が示唆された。 キーワード:経路探索 情報障害 情報デザイン 認知マップ 駅 1.はじめに  ひとは道を探しているとき、道に迷ったとき、情報をどのように利用しようとするのか。駅のように種々の情報が氾濫している場所では逆に情報の選択が問題となる。感覚障害のため情報摂取に障害を持つ人々はこのような場面ではどのように経路を探索しているのであろうか。この時の心的過程を知るにはどのような方法が考えられるであろうか。 2.情報障害と駅での経路探索  本研究では駅で切符を買い目的のホームまで行くという経路探索課題を健常者、聴覚障害者、視覚障害者に課した。駅では各種情報を読み取らなければならず、聴覚や視覚に障害を持つひとたちにとっては不便さを感じる代表的な場所である[1-5]。駅での情報障害者の認知特性を知ることができれば駅の情報デザインへも示唆を与えることができるであろう。  また、流れ込む情報を摂取しながらの探索は自分の歩いた経路の認知・記憶に何をもたらすのか。自分のたどった道筋の絵を探索の後で描いたとしたら、その絵は迷いやルート検索中の心的過程の分析に寄与することができるであろうか。さらに、感覚障害という特性が絵の構成に影響を与えることはあるであろうか。  本研究ではホーム探索後にルートのスケッチマップの描画課題を課した。探索の成績や障害の特性により描かれたマップへの影響を検討した。 3.こころの中の地図  道を憶えるときにはルート以上の環境全体の地図のようなものが認識されているのではないかという意味で認知地図という言葉が使用される。これがはじめて登場したのはTolmanのラットを使った迷路学習の心理学実験においてであった[6]。ラットは訓練を受けた道順以外の近道を必要に応じて選択することができた。つまり、自由探索時に迷路全体のマップのようなものが形成されていたと考えられた。このマップすなわち地図に似た働きをもった心的表象を認知地図と読んだのである。メンタルマップ、イメージマップ、空間認知などといった用語が認知地図とほぼ同義に使用される場合もある[7]。心理学ではこの地図の発達過程・形成過程が主な研究テーマとなり、おおよそその発達課程はルートマップ(ルート的知識)からサーベィマップ(地図的知識)へと進むとされた。1960年代以降には地理学においても重要な研究テーマとして発展したが、こちらでは実空間と認知された空間・スケッチマップ間の歪みや変換特性が問題となった[7]。 4.実験 実験日時:1996年9月~10月。 実験場所:JR東京駅、なお現在の東京駅構内は各路線のホームの位置が当時とは多少異なっている。 被験者:表1参照 探索課題:JR東京駅の丸の内南口の入口を出発点として、入口ホールに進入し、目的地(JR東海道本線横浜駅)までの切符を購入。引き続き、改札を通過し、当該列車の発車するホームに行き、乗る列車の車両の前に立つまでを探索経路とする。発着番線によって歩行距離は異なるが最短距離で目的のホームに到達した場合の移動距離は約100m程度である。(図1)  駅とはまさに聴覚・視覚・触覚すべてにわたる情報サインに満ちた環境であり、駅での経路探索がまさしく情報を収集し、いかにその情報をもとに行動決定していかなければならないかの問題解決場面になっているかが分かる。 描画課題:経路探索後に自分のたどったルートのスケッチマップを描画してもらう。全盲はレーズライターを使う。また絵には途中気付いたサインで!憶えているものなども描く。 行動観察:被験者は、写された映像が目の高さからになるように側頭部にビデオカメラを固定したキャップをかぶり、ピデオデッキを肩にかけて移動する。被験者の背後からは、被験者の行動および周囲をビデオに撮影するためと行動記録のためとの2名の実験者がスタート地点からゴールであるホームまで追尾する。  被験者にはできるだけ発車時刻に間に合うようにホームに行くことを求められたが、列車発車までの時間の余裕は被験者ごとに異なっていた。 表1実験の概略と被験者特性 5.結果  今回の報告では主にスケッチ・マップと経路探索について報告するがはじめに探索時間について述べる。 5.1 ホーム到達までの時間  ホームに到着するまでに要した時間では情報障害者、特に視覚障害者の切符購入までの所用時間が長くなっていることがわかる。しかし改札通過後からホームまでの到達時間ではどの群もほとんど差がない。これは移動距離でみた場合も同じ傾向であった。 5.2 スケッチマツプの特徴  次に、スケッチマップと経路探索行動の関係について述べる。表2の結果のまとめの表では列車発車時刻までに当該ホームに正しく到着できなかったものを「失敗」とした。よって失敗には同じホーム上の反対側の発着線路側で発車時刻まで気づかず待っていた場合も含まれる。 (1)マップの全体的構造の特徴  描画されたマップの全体的構造の特徴を分類すると、入口ホールからコンコースおよびホームにいたるまでの道順全体を通して、壁に囲まれた空間構造を描画している者、歩いたルートのみ示し壁等を描かない者、最後に切符売り場・コンコース・ホームなどをばらばらに描き、それらの空間的接続関係が描けていない者の3タイプがあった。さらに、これらタイプが1枚の絵に複合されて描かれるタイプのものもあった。  また、全盲者の描画はレーズライターを使用したためか、出発点とゴールの間に遭遇したイベントを結節点として、それらの点と点を直線で結んだ単純なマップとなった(図3)。進路が折れ曲がるのもイベントのあった点からである。ここでイベントとは点字ブロックの発見や通行人や駅員の手引き・助言があったこと、放送や物音の聴取などを示す。  よって、描かれたスケッチマップの複雑さでは視覚障害者を除き、健常者と聴覚障害者には共通して3つのタイプが含まれていて、障害特異的な特徴は見られなかった。1名いた弱視被験者の描いたマップも3つのうちの第1のタイプであった。 (2)マップに見られる変換  描かれたマップには現実の物理的駅構造に対して、回転、位置の逆転、無視、そこに存在しない事物の追加などが見られた。  「回転」では改札通過後に直進したにもかかわらず90度回転したと認知したり、逆に改札直後に方向転換したことに気づかず、直進したと認知の歪曲がみられた(図4)。  一般に小さい角度での方向転換は無視され直進と認知され、45度以上の曲がりは90度の方向転換として描かれる傾向にあった。  「逆転」は、ホームの番線の位置が逆転して想起される現象である。逆転の認知は回転の後で起こっていた。  「無視」はそこに存在していたにも関わらずマップには再生されなかったものである。ほとんどの被験者が改札後最初に遭遇するエレベータを描いていない。また、「全体的構造の特徴」の項でも述べたように、コンコースやホーム構造を一切描かず、足跡のルート線のみを描く者もかなりいて、これらの絵には駅のホールや通路の壁・売店などは描かれない。反対にレーズライター使用の全盲者も含めて必ず描かれたのが、切符売場と改札と階段(段差)であった。  「追加」は、そこに存在しない物が描かれた例である。本実験路にはコンコースの片側だけにホームに上る階段がある通路があるのだが、健常者・聴覚障害者ともに通路の両側に階段を描いた者がいた。これはまた、本来その位置にあった売店の一部が無視されたことをも意味している。 (3)サインとマップ  駅には運賃表・時刻表・ホーム番号・方向矢印などの視覚サイン、各種アナウンス・改札や券売機の定位音・ホーム上でのアナウンス・車内アナウンスなど実に多くの聴覚サインなどがある。また、コンコースやホーム上の点字ブロックなどの触覚サインもある。さらに、ホームに登る階段の手すりには点字表示もある。これらサインがマップに記入されたであろうか。  特徴的であるのは、視覚障害者のマップには視覚からの情報摂取にハンディがあるので、電光掲示板などのサインの記入はなく、代わりにアシストしてくれた乗客に遭遇した位置が記入された。  健常者と聴覚障害者そして弱視の描画には各種の視覚サインが描かれていた。聴覚サインも利用されたが、音の特徴として空間的位置が特定されにくいためか絵の中には描かれなかった。しかしインタビューからは構内アナウンスを始め聴覚サインが重要な情報源として利用されていたことが分かっている。 (4)サイン以外の描画  スケッチマップには経路探索に必要なサイン以外に売店・段差・指定席表示などが描かれていた。駅入口の外にあるタクシー乗り場を記入した者も数名いた。 図2ホームまでの平均所用時間 図3ある視覚障害者に4)の行動軌跡とスケッチマップ 直線的経路が点字ブロック発見や手引者との遭遇などのイベントをノードとして結ばれている。 図4ある健常者(A2)の行動軌跡とスケッチマップ 改札通過後の回転、ホーム位置の逆転、存在しない階段の追加などが描かれている。 6.考察  一般的な経路探索と認知マップの関係に関しては若林[7]、新垣[8]、村越[17]などにその描画的特徴、ヒューリスティックとも呼ぶべき実空間からマップ描画への特徴的変換の記述がある。ここでヒューリスティックとは発見法とも呼ばれる、問題解決場面で特徴的にみられる方略パターンのことである。本実験においてもルート上での曲がりは、45度を超える場合は90度折れ曲がったと認知されたり、逆に45度以下の緩いカーブではそのまま直進したと認知されていることが分かった。前者は回転ヒューリステック、後者は整列ヒューリスティックと呼ばれる。これらヒューリスティックは古典的ゲシュタルト心理学でいうプレグナンツの法則による認知現象と考えられる[7,15,16]・距離の伸張.収縮も見られた。これらは人に道をたずねるなどのイベントの後で多く見られた。人と会話しているうちに、それまで保持されていたルート情報が作業記億から脱落するメカニズムが働いている可能性がある。  さらに健常者・聴覚障害者ともにそこに実在しなかった物が描かれた場合があった。実験に使用されたコンコースには片側にしかホームに登る階段はなかったのであるが、通路の両側に階段を描く者があった。これは駅では通路に対し、左右対称に階段が存在するという駅の一般的知識から産出されたものと考えられる。われわれは経路探索中に環境からの情報を授受しているだけでなく、知識・スキーマなどと相互作用しながら行動していたことを示唆している。経路探索は目の前の各種感覚刺激からいかに適切な情報を摂取するかという処理課程であると同時に、経路に関する知識を呼び覚ましながらトップダウン的に環境中に情報を取りに行く過程であると考えられる。知識として情報を期待した場所から摂取し損なった場合や、そこにサインなどの'情報が存在しなかった場合にひとは迷うのであろう[8]。  視覚障害者の経路探索とその想起に関しては佐々木[8]、田中[9]らなどの研究がある。両研究では主に経路の記』億、特に想起が問題とされる。また、視覚障害者の認知マップと実空間の関係を扱った研究では経験による空間認知の変容が争点となる[11-13]。しかし、駅などの施設を利用する側にとってみると、より重要なのは、はじめての駅でもいかに周囲からの情報を活用し経路を探し出せるかである。これは建築の側からみると、いかに利用されやすいサインを提示するかという問題になる[4]。  次に障害別の特徴的行動パタンについて考察する。健常者で十分な情報摂取が可能であるにも関わらず、時間内に目的のホームにたどりつけなかった者がいた。これははじめて経験する駅であったことだけでなく、場当たり的に歩き出し出発点で十分な情報を摂取しなかったことと、駅についてのリテラシイが十分でなかったこと等が考えられる。ひとつの路線の列車が複数のホームから発車することは都市部の駅ではよくあることである。しかし、この問題解決は発車時刻と発車ホームの情報を確実にとらえることと複数ホーム発車の可能性という知識を同時に活性化させる必要である。サイン情報と知識からの情報を作業記1億の中で同時に活性化させることを活性化あるいは抑制するようなメカニズムが経路探索の成否では重要となると考えられる。歩き回っているうちに発車時刻がせまり、その不安感が作業記億の容量を圧迫したと考えられる。聴覚障害者の失敗も同じメカニズムによると考えられる。  聴覚障害者は親や友人と集団で行動する場合が多いと考えられ、単独行動の経験が少ない者が多い。これらの者の中には駅のリテラシィが十分でない者もいたであろう。インタビューでも、時刻表を見て、同じ方面の列車が複数のホームから出るのはおかしいと思いながら、はじめに選択したホームを修正できずに時間切れとなってしまった者もいた。  聴覚障害者ではまた、行動を選択してから後の不安が高いようである。ホーム上で何度も時刻表を確認したり、他のホームの方を見たり、電光掲示が出るのをじっと待つという行動が見られた。時刻表等のサインに従い、正しいホームに到達することができた場合にもこの行動パターンは出現した。列車入線の直前に電光掲示があらわれるまで、不安は低下しないように見え、行動的には経路探索中よりもむしろ逵巡行動と情報探索行動が多く見られた。  最後に情報障害のための駅空間での情報提示ということを考えてみたい。視覚障害者は改札に入る前になるべく正確な,情報を入手しようとしていた。これは、最終目的地についてのイメージをしっかり持ち、あとはルート探索の途中で、必要に応じて情報摂取し目標とのギャップを狭めていくという方略によっているためであろう。また、視覚障害者では人に聞くという外的リソースを利用するための方略、他人をいかに惹きつけるかという行動戦略を身につけている場合が多い。しかしこの方略で入手できるのは、個々の地点に関する情報が主になる。この方略が成功するには、本人があらかじめいかに明確なゴールイメージを持てるかと駅についての一般的知識を有しているかにかかわる。この二つ無くして、他人に自分の希望を説明できず、現地点でのゴールとの間合いも把握できないと考えられるからである。  一方、聴覚障害者は視覚情報を利用できるだけにゴールに対する情報を十分に摂取せずに改札を通過している場合がある。あるいはその地点では十分な情報を入手していても、その後の探索中の迷いや不安によりゴール情報を保持し続けられなくなって迷ったと考えられる。視覚障害者では改札前の情報提示、できれば駅係員等の口頭による説明が重要であり、聴覚障害者では不安解消のための情報提示が必要であろう。聴覚障害者にはホーム上でなるべく、そのホームからこれから発車する列車についての`情報を提示する必要がある。しかも不安を与えないためには直前ではなく発車時刻のある程度前から情報を提示することが重要となるであろう。  駅で目的のホームにたどり着くという行動の解明には、駅のサイン環境、個人の障害の特性、ヒューリスティックなどの問題解決行動特性、作業記憶と長期記憶の関係など認知過程全般に関する知見の動員が必要であること示唆されたといえよう。また個人の空間認知能力には大きな差があり、これは障害の有無に関わらず、スケッチマップの構成の複雑さと課題の成否いう形であらわれていた。今後は空間能力のスクリーニング・テストを導入し、被験者の空間能力を統制した実験を続けていく必要があろう。 7.引用文献 [1]財団法人共用品推進機構編「高齢者にわかりやすい駅のサイン計画」,都市文化社,東京,1999 [2]財団法人共用品推進機構編「障害者・高齢者の不便さリスト」,財団法人共用品推進機構,東京,2001 [3]財団法人共用品推進機構視覚情報障害班編「弱視者不便さ調査報告書<見えにくいことによる不便さとは>」,財団法人共用品推進機構,東京,2000 [4]社会福祉法人聴力障害者情報文化センター編「耳の不自由な人たちが感じている朝起きてから夜寝るまでの不便さ調査:アンケート調査報告書」,財団法人共用品推進機構,東京,1995 [5]津田 美智子「視覚障害者が街を歩くとき:ケーススタディからみえてくるユニバーサルデザイン」,都市文化社,東京,1999 [6] Tolman, E: On cognitive maps in rats and men. Psychological Review, 55, 189-208, 1948 [7]若林 芳樹,「認知地図の空間分析」,地人書房,京都,1999 [8]新垣 紀子:なぜ人は道に迷うのか?:一度訪れた目的地に再度訪れる場面での認知プロセスの特徴,認知科学,5(4),08-121,1998 [9]佐々木 正人編「想起のフィールド:現在のなかの過去」、新曜社、東京、1996 [10]田中 農夫男・佐藤 平・松井 壽則、視覚障害者の実際歩行に関する研究-市街地道路における歩行行動の分析-特殊教育研究、25(1)、25-33,1987 [11] Golledge, R.G, Jacobson, R.D.,& Kichin,R,D:〝Cognitive maps, spatial abilities, and human wayfinding, Geographical Review of Japan, Vol.73(Ser.B),No.2, 93-104, 2000 [12]Golledge, R.G., Understanding geographic space without the use of vision, http://www.fSu.edu/~geog/jacobson/nsf-und/nsf.html [13]Golledge, R.G. Wayfinding behavior: Cognitive mapping and other Spatial processes. The Johns Hopkins University Press, Baltimore and London 2001 [14] Passini, R and Proulx,G; Wayfinding without vision:An experiment with congemtally totally blind people.,Environment and Behavior;Vol.20, No.2,227-252,1988 [15]Evans, G.W. and Pezdek, K. Cognitive mapping knowledge of real-world distance and location informetion. Joumal of Experimental Psychology: Human Leaming and Memory; 6,13-24,1980. [16]Byme,R.W. Memory for urban geography. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 31,147-154,1979. [17]村越 真 認知地図と空間行動.心理学評論、3O(2)、188-207,1987 表2被験者別のスケッチマップの特徴 Wayfinding Behavior without Hearing or Vision in a Station and the Relation to Imagery KATOH Hiroshi 1) , ITO Michiyo 2) & MORI Kazuhiko 3) 1) Department of General Education, Tsukuba College of Technology 2) Department of Design, Tsukuba College of Technology 3) Faculty of Human Life Science, Osaka City University Abstract : We observed wayfinding behavior of people with hearing or visual impairment in a railway station, and we discussed the relation between human wayfindings and cognitive maps or mental imagery. Deaf, blind or unimpaired subjects were required to buy tickets and to travel to an appropriate platform by themselves. After walking in the station all subjects were required to draw sketch maps of routes traveled. The maps contained various types of distortions, including rotations, reverses, disregard of objects in the actual environment, and even some items which were absent were depicted. The relationship of distortions in maps and types of disability were not so apparent and drawings were considered to be related to the spatial abilities of each subject. Some features in the sketch map might be concerned with types of heuristics and properties of human spatial cognition. Key Words : Wayfinding, Sensory impaired, Sign design, Cognitive map, Station