漢字の定打鍵直接入力方式について― 目の負担を軽くする応用を考える観点から ― 筑波技術短期大学情報処理学科 越川 和忠 宮川 正弘 要旨:漢字や記号などすべての文字を、通常のキーボードから最小限の操作で入力できる独自の方式を紹介する。半角の英数字や記号は文字キーを単独かシフトを併用する1打鍵で普通に入力し、漢字などの全角字は半角字2字分の2打鍵で1字を入力する。キーへの文字の割り当ては使用者が自由に決めることができる。キー案内も自動的に出るので、割り当て方を工夫すれば、慣れるにつれて探すのも覚えるのも楽になり、見なくても打てる字が増えてくる。この方式は筆者のひとりが1992年に試作し以来常用しているものであるが、他の筆者は、視覚への依存を減らせる汎用のキー入力方式としての応用性に着目している。その観点から、本学にて機能を拡張強化してWindows のキー入力ソフト(IME)として具体化したものについて、その概要を述べる。 キーワード:直接入力、漢字入力、入力方式、キー操作、かな漢字変換 1.はじめに  キーボード(鍵盤)から文字を入力する場合、普通、英数字と若干の記号は、その刻印のあるキー(文字鍵)を打つだけで入力できる。しかし、漢字やその他一般の文字は、該当するキーがなく、そのやり方で入力することはできない。このような一般文字に対しては、通常、文字というより語句を単位にして、その読みを英字によるローマ字表記で入れ、後の指示で目的の表記に変換させる「かな漢字変換方式」が採られている。  例えば、「漢字」は「kanji」→「かんじ」→「漢字」というプロセスで入れ、「▽」や「▲」のような記号も何らかの読みを与えて、その変換で入力する。「▽」であれば、例えば、「sankaku」→「三角」→「参画」…→「▲」→「▽」となろう。この順序や内容は状況によって異なるため、その都度見て判断しなければならない。  もし、このような一般文字も、「漢」のキーを打って「漢」を入れ、「▽」のキーを打って「▽」を入れる…というやり方で済むならその方が楽であることは明らかである。その代り、そのやり方で文字を入力するには、膨大な数の文字に対して、それぞれのキーを知っていなければならない。  そこで、筆者のひとり(越川)は、次の章に説明する仕組みにより、目的の文字が割り当てられている鍵盤で該当する文字鍵を打つ、という感じで入力できる独自の方式を1992年に試作している。以来その方法で入力しており、フリーソフト(呼称『き』)として公開もしている[1]。  この方式は、かな漢字変換とは操作感覚がかなり違うため、慣れるのに日数を要するが、キーへの文字の割り当て方は自由に決めることができ、キー案内も自動的に出るのですべての文字を対象にできる。従って、分かり易い割り当て方にしておくと、慣れるにつれて楽に入力できるようになり、見なくても打てる字が増えてくる。キーの操作も最小限で済むので、目の負担を軽減できる汎用のキー入力方式としての応用も考えられる。  その観点から、本学にて機能を拡張強化してWindowsのキー入力ソフト(IME)として具体化した『き』について、その概要を紹介する。 2.仕組み  日本語用として広く使われている“106鍵盤”には文字鍵が、スペースバーも含めて、49ある(図1)。  打つ時にシフトを押しているか否かも区別すると、倍の98の文字を割り当てることができる。普通、英数字と若干の記号が割り当てられている。図2は、その文字鍵の部分を抜き出して、その配列の様子を示す模式図である。上は単独で打つ場合、下はシフト併用で打つ場合である。左下の■は、シフトキーの位置で、シフトを押している状態であることを示す。また、中段左右ホームポジションの矩形は、各キーの互いの位置関係をつかみ易くするために示してある。  『き』では、この98文字割り当てることのできる鍵盤を仮想的に多数用意し、漢字など多数の文字をそれらに分散して割り当てる(図3(b))。  文字を割り当てたこれらの鍵盤を「乙鍵盤」と呼び、さらに、これらの多数の乙鍵盤をまとめる上位の鍵盤(甲鍵盤)を導入して、その各文字鍵にそれぞれ乙鍵盤を対応付ける(同図(a))。  (文字の割り当て方については次章で述べる。)  この構成にしておくことにより、漢字などの一般文字を入力する操作は、まず、甲鍵盤で、目的字の割り当てられている乙鍵盤を指定し(つまり、該当する文字鍵を打って乙鍵盤を出し)、次に、その乙鍵盤で目的字の文字鍵を打つ、という簡単なものになる。  図3(b)で上から2番目の乙鍵盤は、読みが「かゆ」~「かん」の漢字を順に割り当てたもので、同図(a)の甲鍵盤で「粥」の位置の文字鍵(◯印)に対応付けてある。従って、例えば、「漢」を入力する時は、まず甲鍵盤の「粥」を打ち、次に乙鍵盤の「漢」(◯印)を打てばよい。  甲鍵盤には最大98の乙鍵盤を対応付けることができるので、この仕組みにより、最大98×98=9604、約1万の文字を2打鍵で入力することが可能になる。  この2打鍵で漢字などを入力する状態と、1打鍵で英数字などを入力する普通の状態とは、別に定めたキーを打つことにより、交互に切り替えることができる。この例では、図2(1打鍵入力)と図3(2打鍵入力)を切り替えるキーは中段左端のキーであり、図2では上の鍵盤に「々」が、図3では「a」がそれぞれ示されている。 図1 一般的な日本語用鍵盤(106キーボード) 図2 通常の文字の割り当て(半角英数字と記号) 図3 多数の仮想的鍵盤への文字の割り当て 3.字の割り当て方 ― 配字  各乙鍵盤に収める文字とその配列の仕方、および、甲鍵盤における乙鍵盤の配列の仕方は、共に「配字簿」と呼ぶテキストファイルで定義する。従って、その書式に則って使用者が自由に決めることができる。  但し、1万もの文字を対象にして、どの文字も直ぐ打てるように決めることは必ずしも簡単な仕事ではない。少くとも、「漢は4A、▽は“&」のように、各文字を文字鍵の半角字2字の組に個々に結び付けるやり方では覚えるのが困難であることは明らかである。  そこで、方針として、文字を個々に割り当てるというより、分かりやすい順序に並べて、どの文字を採っても互いの順序関係ならすぐ判断できるような割り当て方を採る。その代り、よく使う文字を指運びのよいキー打順に割り当てることは制限されるが、どの文字も2打鍵で済むなら日常の使用には十分であり、慣れてから必要に応じて変えてゆけばよいと考える。  ここで、“文字を打つための打鍵”を特定する方法を定めておく。同じ文字鍵でもシフトを押しているか否かでは違うので、『き』では図4のように番号を付ける。即ち、単独で打つ時は01~49、シフト併用の時は、それぞれに50を加えた数とする。この番号を「字打鍵番号」と呼ぶ。 基本的には左上から右下へと並べるが、文字鍵が1つ少ない101鍵盤を使う場合を考慮して、最上段右端(|¥)のキーを49とする。 図3の場合は、JIS X 0208の1~94区(各1~94点)すべての文字を割り当ててある。基本的には、乙鍵盤を一つの区に充て、甲鍵盤の01~47を1~47区、51~97を48~94区に対応させたもので、乙鍵盤は01~47に各区の1~47点、51~97に48~94点を順に並べてある。  但し、全角英数字と仮名は、使い勝手を考えて並べ方を変えてある。まず、全角英数字は、1打目が半角字と同じで、2打目はスペース(48)とする。従って、図3(b)の乙鍵盤にはスペースの位置に全角の英数字などが示されている。また、仮名は五十音の行と段に分けて考え、1打目で行を指定して2打目の乙鍵盤で段を打つ感じで入れるようにしてある(図3(b)「か行」の乙鍵盤)。  甲鍵盤内の乙鍵盤の並べ方も少し変え、仮名を左に集めて、その空きのなるべく中央寄りに漢字を配し、その他の記号類やギリシャ文字などを周辺に配してある。  漢字の場合、使用頻度の高い第1水準の漢字2965字は代表的読みの順に並んでいるので、探す時は、始めから順に見て行かなくても、位置の見当をつけて、その辺りから調べれば済む。  例えば、「漢」の字を探す場合、「漢」が第1水準の漢字で「かん」の読みで並んでいるとすれば「機」(き)よりは前で、「粥」(かゆ)の乙鍵盤にあることが判る。日常辞書を引く時の探し方と同じである。 図4 シフト押しの有無を区別した文字鍵の付番 4.補助の機能  述べてきた仕組みにより約1万の文字を2打鍵で入力することが可能であるが、実際に文字を入れる時には、どの文字鍵を順に打てばその文字が入るかを1万もある各文字について知っていなければならない。  それを助ける機能として、キー案内、字引きの利用、備考の参照について述べる。 4.1 「配字案内」― キー案内  入力に際して各文字鍵の割り当て内容が直ぐ分かるように、甲鍵盤や乙鍵盤などその時その時の鍵盤の状態を自動的に表示させることができる。これを「配字案内」と呼ぶ。  表示形態には、キー内容の表示が他の図形要素に紛れることなく一目で判るように、図2~3に示した文字鍵配列の模式図を採用し、表示するキーも最小限に抑えてある。甲鍵盤と乙鍵盤とで表示色を変えて区別し易くし、また、乙鍵盤には甲鍵盤でのキーの位置も示す(図3(b)の各乙鍵盤で文字の背後に■のある文字鍵)。従って、乙鍵盤の配字案内を見るだけで、その鍵盤にあるどの文字もその打順が分かる。  この配字案内に対する使用者の接し方は、かな漢字変換方式での候補リストに対するものとは、性質が違う。  即ち、配字案内の場合、配字は予め決っているので、使用者が個々の文字を入力しようとするとき、そのキーに関しては、次のような段階的な違いがある: 1)並べ方の規則は知っていても、個々にはまだ知らないか忘れたので、端から探して行く。 2)直ぐには思い出せないが、前に打ったことがある。 3)“多分この辺のはず”なので、そこを探す。 4)既に知っているが、念のために見る。 5)知っているから、見る必要はない。 6)反射的に指がそのキーに向う。 どの段階であるかは、文字ごとに違うが、いずれにしても、結果を知れば、その知識を後に活かして、1)から6)に向う進歩を十分期待できる。  それに対して、かな漢字変換における候補のリストは状況によって内容も順序も違うため、予測はできても、実際に表示されたものを見てからでないと先へ進めない。表示されても、どう並んでいるかが分からなければ順に見て行くしかなく、その都度、状況に応じた手間を繰返すことになる。  以上の比較から改めて配字案内を考えてみると、配字案内は、不要なら消してもおけるので、いわば、自分のメモである。即ち、配字を自分で決めても、どの文字のキーも即座に分かるとは限らないため、不明な時に見るものであり、他から提示されるものではないともいえる。『き』の方式に馴染む上で、この心理的効果も無とはいえない。 4.2 「倣い入力」― 字引きの利用  入力しようとする文字の打順あるいは文字(表記)自体が分からない時に、それを学習しながら入力できる機能である。  まず、鍵盤から(文字コードや読みなどの)手掛かりとなる文字列(「呼び字列」)を入力し、次に、「字引き」(呼び字列とその表記を対応付けた表)から目的の表記を探す指示を与えると、呼び字列に対応する表記と、その表記を構成する文字の配字案内が示される。  例えば、「漢字」を入力しようとして、「漢」の打順が分からなかったとすると、まず、この機能を起動して、呼び字列として「かんじ」を入力し(図5(a))、その表記を表示させると、この例では、表記候補が「幹事」など複数示される(同図(b))。目的の「漢字」にカーソルを移すと先頭字の「漢」の配字案内が出て、甲鍵盤での第1打の該当鍵が下線付きの赤い字で示される(図では「粥」)。そのキーを打つと、乙鍵盤に変って、「漢」のキーが同様に赤い字で示される(同(c))。さらに、それを打つと「漢」が入力されて、案内は、次の「字」に移る。「字」も同様に赤い字の文字鍵を順に打てば入る。これを「倣い入力」と呼ぶ。  倣い入力は、その過程で文字の並べ方に多少なりとも意識が向けられるので、分かりやすい配字にしておくと膨大な数の文字も、それらが個々というより互いの位置関係の中で把握されることになり、慣れるにつれて、探すのも覚えるのも楽になってくる。 図5 倣い入力 4.3 「下見」 ― 備考の参照  配字簿や字引きの個々の項目に、「備考」として短い文字列を記載しておき、使用時にそれを表示させることができる。それを指示するキーを打つと、そのキーを再び打つまでは、どの文字鍵を打っても文字は入力されず、それぞれの備考が鍵盤標題の位置に表示される。これによって、各キーの下見ができる。これを指示するキーを「下見鍵」と呼ぶ。  図6は、「丼」に付した備考を表示させた例である。同図(a)は「丼」のある乙鍵盤で、最下段右に「予」と出ているキー(←印)が下見鍵である。このキーを打って、次に「丼」の文字鍵を打つと、同図(b)のように、鍵盤標題の位置に「丼」の備考が出る。下見鍵の位置に■が表示されて下見中であることが示され、引き続き他の文字について調べることができる。 図6 備考の参照 5.拡張機能 5.1 文字列の入力  乙鍵盤は、文字1字だけでなく、文字列を割り当てることもできる。従って、『き』は、よく使う文字列を2打鍵で入力できる道具としても利用できる。配字案内には、文字鍵の位置に、その文字列を代表する文字が「見出し」として表示される。  本稿の筆者の氏名や所属などは、この機能で入力している。 5.2 1万以上の文字や文字列の入力  この方式は言語に依らないので、Unicode[2]を扱うこともできる。甲鍵盤には乙鍵盤を介して約1万の文字や文字列を割り当てることができるが、Unicodeや大量の文字列を対象にするときには、1万では足りないこともある。そこで、甲鍵盤のさらに上位に「配字簿鍵盤」がある。その文字鍵に配字簿を対応付けることにより、最大98冊の配字簿を、随時取り替えながら、使うことができる。  配字簿を取り替える操作は、まずそれを指示するキーを打って配字簿鍵盤を出し、その鍵盤で目的の配字簿に該当する文字鍵を打てばよい。その結果、その配字簿の甲鍵盤が現行の甲鍵盤に置き換わる。従って、配字簿の取り替えに2打鍵を要するが、それでも約百万の文字や文字列がどれも高々4打鍵で入力できることになる。  本稿にはシフトJISにない文字もあるが、それもこの機能で入力している。 5.3 文字入力研究用の機能  各打順の成立数を個別に積算しておく機能と、音声で案内するための予備的な機能を組み込んである。  当方式は、どの文字も最小限の打鍵で入力できるので、目的字のキーを試行錯誤しても少ない打数で済む。また、表示によるガイドに依らずに入力できることも多い。  このことから、音声による適切な確認の手段を工夫すれば、視覚への依存度の少ない入力手段として有用なものになり得ると考える。  現在それを検討しており、備考の読み上げなどいくつかの機能は既に組み込んである。 6.おわりに  すべての文字を最小限の打鍵操作で入力できる独自の方式について、その基本となる仕組みを述べた。  漢字を定まったキーで入れる方式は、80年代初期まではいくつか試みられたが、結局、文字の数が膨大で、いかに工夫してもその打順を覚え切れるものではないため、普及に至るものが出なかったといえる。代りに、読みを入力にして、それを内部で目的の表記に変換させる方が実用的とされ、それがかな漢字変換方式として定着し[3]、今日、その全盛を見ている。  しかしながら、かな漢字変換方式は、語句(一般に文字列)を単位にしてそれを読みで入力する方法であるため、日常の語句にはよいとしても、それ以外の語句あるいは漢字や記号などのように文字を単位にした入力をしたい場合には手間がかかる。また、読みが分からない場合には何らかの方法で読みを知ってから入れる必要がある。  そのため、どのかな漢字変換ソフトにも、1字だけの入力あるいは読めない字の入力の手段として、一覧表の中でマウスをクリックして入力する機能が付属している。すべての文字に適用できるので、万能の入力手段である。  つまり、文字は、表記を構成する単位として独立した小図形であり、読みで特定しなくても、並べておいて“これ”と指せば済むのである。ただ、同じ字を入れるたびにマウスでこの操作を繰返すやり方は少なくとも文章の入力には向いていない。  『き』は、この一覧表を参照する操作に着目して、“一覧表”の場を鍵盤に設定することにより、文字の特定を打鍵という操作で次々能率よく行えるようにし、最終的に、汎用の文字入力方式にまで導いたものである。当時に比べて、ハードウェアが格段の進歩を遂げている現在では、打順を覚え切れなければ、いつでも教えてくれるプロンプタを実現することも可能になっているのである。  このことから、音声によるガイドを考えることも可能であり、これまで実用には無理とされてきた直接入力方式を、有用な入力手段として、そろそろ見直してよい時機ではないかと考える。  音声によるガイドについては、現在検討中である。  参考文献については、通常の鍵盤で全文字を直接入力する方式は他に見当らないようなので、日本文入力法の概説として[3]、中国文字の場合が説明されている書籍[4]などを参照されるとよい。 参考文献 [1](公開フリーソフトウェア)越川 和忠:『き』ki_80419.lzh,http://www.vector.co.jp/soft/win95/writing/se072731.html,1998.(近く改版予定) [2](Unicode の解説書として次を挙げる)トニー・グラハム:『Unicode 標準入門』,初版,乾 和志・海老塚 徹訳,関口 正裕監修,翔泳社,東京,2001. [3] 高橋 延匡:日本文入力の現状と展望.情報処理23(6):518-528,1982.(その他、この号は「日本文入力」の特集号) [4] 菅野:中国語入力方法の話,第1版,原雅久,朝日出版社,東京,1991. A Unified Key-in System for a Large Character Set― A Less Sight-Dependent Kanji Input Method ― KOSHIKAWA Kazutada MIYAKAWA Masahiro Department of Computer Science, Tsukuba College of Technology Abstract:A unified key-in system for a large character set is implemented, which allows an input of a character by minimal key strokes. A typical Japanese keyboard has 49 character keys and together with the use of the shift key it can provide at most 98 logical character keys. The input of a character is done by simulating a virtual keyboard system. To cover a large character set (say, JIS X 0208 character set which includes several thousands of Kanjis), this system uses 98 virtual keyboards (VKBs), assigning a character to its each logical key (thus a VKB covers at most 98 characters). In order to select any of these VKBs, the system uses a virtual Directory Keyboard (VDK) assigning a VKB to its each key. Now the input of a character (say, a Kanji) is done by two strokes: one presses a key from DKB and subsequently presses a key from VKB to which his Kanji is assigned. An important feature of the sysytem is that it provides a real-time key-guide system: the state of the current virtual keyboard (either VKB or VDK) is displayed on the monitor screen in order to guide a correct key sequence.  Practice makes input easier, and increases the number of characters that can be input without seeing key-guide. So the system serves as a less sight-dependent input method of Kanji, a potentially useful tool for the visually impaired. Key Words:Input Method, Kanji Input, Character Set, Virtual Keyboard, Less Sight-Dependent