第4回筑波技術短期大学視覚部アメリカ研修 筑波技術短期大学視覚部一般教育等1) 同教務第二課技術係2) 同理学療法学科1年3) 情報処理学科1年4) ポーリー・マーティン・エドモンド1) 青木 和子1) 市川 あゆみ2) 島田 啓史3) 野村 香介4) 日向 賢4) 要旨:平成15年7月4日から7月18日までの日程で、学生3名、教官2名、技官1名が本学の姉妹校であるアメリカのニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)とナショナル聾工科大学(NTID)を主として訪問した。これは、視覚部アメリカ研修旅行としては第4回目である。UBでは、リハビリテーション・サイエンス学部、障害補償技術センター、障害者サービス室、スポーツ医学施設見学やELIの英語のクラスへ参加した。さらには、バッファロー市の視覚障害センターや自立生活センターの訪問などを通じアメリカにおける高等教育の現状や障害者へのサービス、社会自立の状況について理解を深めた。ロチェスターではNTIDの施設見学を行った。他には、ナイアガラの滝、エリー運河、博物館なども訪れ、アメリカの自然、歴史に触れる機会となった。参加者各自がそれぞれの視点で今回の海外研修についてレポートする。 キーワード:海外研修、ニューヨーク州立大学バッファロー校、ナショナル聾工科大学、障害支援 1 はじめに  視覚部海外研修としてのアメリカ旅行は今回で4回目を数える。今回はSARSの影響による海外渡航自粛の動きなどもあり、募集時期が大幅に遅れた。応募学生は3名であったが、内2名は全盲学生であったため、引率教官2名と事務官1名という参加メンバーとなった。日程はほぼ昨年と同様で、バッファロー市とニューヨーク州立大学バッファロー校(UB: State University of New York at Buffalo)を中心に、同大学のリハビリテーション・サイエンス学部、障害補償技術センター(CAT: Center for Assistive Technology)、障害者サービス室、スポーツ医学トレーニングルームの見学と英語研修センターで授業に参加。また、市内の視覚障害者センター及び生活自立センターを訪問した。課外活動ではナイアガラの滝や動物園を訪れ、さらに野外コンサートやバーベキューなどを楽しんだ。例年のようにUBのストーン先生宅への招待も受け、学生にとってアメリカの文化や自然を体験する良い機会となった。また、同じニューヨーク州のロチェスターにあるナショナル聾工科大学(NTID: National Technical Institute for the Deaf)を訪れた。  本研修旅行の概要と事前準備、訪問施設に関する情報については、過去の研修報告に詳細が述べられているため割愛する。以下は、教職員および学生がそれぞれの視点で今回の研修旅行で得たものや感想について報告する。 2 一般教育等 ポーリー・マーティン・エドモンド  私達の目的はアメリカの生活を楽しみながらいろいろなことを学ぶことである。それには、できるだけお金を節約しながら、長く滞在できることにこしたことはない。その点で今年もメンバーの皆さんはよくがんばって協力してくれた。例えば、自分たちで買い物に行ったり、料理を作ったり運転したりして、お互いよく助けあった。皆の協力のおかげで14日間のアメリカ滞在中航空運賃等を含め1人約21万5000円の支出となった。  我々は、UB キャンパス外にある、障害者のためにサポートや社会的活動の手段などを与える二つの施設を訪問した。ひとつはOlmsted Center for the Visually Impaired(盲人協会)というところで、その施設は視覚障害者に、保護のもとで無理なく仕事を提供したり、移動訓練やバリアフリーの大規模なアパートなどを提供している。もうひとつの施設はIndependent Living Project of Western New York(生活自立プロジェクトセンター)で、おもしろいことにそこは盲人協会のいくつかの活動について批判的である。 たとえば、上記の保護色の強い仕事を与えること、障害者用のバリアフリーのアパートの提供についてである。 それらは、かえって障害者を社会から孤立させると考えている。また点字ブロックや感知可能表面体、盲人用シグナルの提供についても批判的である。  私たちがNTIDを訪問したとき、私は特にEducational Technology Resource Room(ETRR--教育技術資料室)に強い印象を受けた。ETRRのスタッフは12名で、彼らの主な仕事はNTIDの先生方に最新のソフト技術を教えることである。以前は学生たちが新しいソフト技術を知っているにもかかわらず先生方はそのような技術を学ぶ機会がなかったのである。具体的にはETRRでは Powerpoint, Photoshop, Outlook, Word, WordPerfect, Exel, Internet Explorer, Netscape, Dreamweaver, Hypercard, QuarkXPress等を教えている。 図1 視覚障害センター訪問 3 一般教育等 青木和子 3. 1 ビデオカメラの忘れ物 (教訓 その1)  今回の私の役割は、学生指導と記録係であったが、いきなりビデオカメラとフィルなどが入ったバッグを成田行きバスに乗る時点で忘れるという失敗をした。空港から大学に連絡をとり、出国前にカメラ入りバッグを届けてもらい事なきを得たが、考えてみるとこれはとても大きな教訓であった。なぜなら、このときまで私の意識の中で全盲の学生を二人引率するという事実を、余り深刻に受け止めていなかった。大学に集合し、つくばセンターまで大学のマイクロバスを使った。マイクロバスからそれぞれの荷物を降ろす段階で、これは大変だと気づいた。学生たち(3人の内二人が全盲)はいずれも、私よりはるかに大きく重いスーツケースと、バッグ、コンピュータなどを持ってきた。全盲の学生は当然これらを一人で運び、かつ移動することはできない。手引きが必要だ。ところが、引率者の我々も自分の荷物を運ぶのに精一杯で、もう一つの手がない。ほんの数メートルの移動にもかかわらず、目的の場所につくのに10分以上かかった。バスに乗り込む前に、大きなスーツケースやバッグを預け、学生を乗り込ませ、ほっとしている間にバスは出発。ビデオカメラ入りの私のバッグの存在はすっかり忘れ去られた。幸いバッグはバスセンターのチケット売り場に届けられており、それを臨機応変に成田まで届けてくれる素晴らしいスタッフに恵まれ、無事出発前に受け取ることができた。教訓:全盲者を引率するには、最大限の荷物を運ぶときにも引率者および引率される側の片方の手は手引き用にあけておくべくである。(できれば、その状況での歩行練習をしておくこと) 3. 2 セキュリティー・チェック(教訓 その2) 9.11事件後、初めてのアメリカ行きとなった今回、セキュリティー・チェックの厳しさはある程度予測していた。しかし、これもいきなり成田でその洗礼を受けた。出国審査をなんとか通過し、これで安心、いよいよ機内に乗り込もうとした直前に呼び止められ、全盲学生の一人が身体チェックをされた。ここにくる前にも機械が反応しチェックを受けていたにもかかわらず。周りの状況が良くわからない学生は大いに不安なまま、靴を脱がされ、全身くまなく機械を当てられた。ジーンズの後ろポケットで警告音がなり、ポケットの中身を出すように指示された。出てきたのはハンカチと使い捨てカメラのパッケージ。このパッケージに反応していたようだ。やれやれ、と思う次の瞬間首からかけているバッグには何が入っているかと聞かれた。ノートPCであると伝えると、この場でバッグからPCを出し電源を入れるよう指示された。学生が全盲であることを伝えても、ここではPCの持ち主自身が自分で電源を入れるようにとのことで、彼も必死にバッグを開けPCを取り出した。この間約20分。もう一人の全盲学生もPCを持参していたが、小型のもので他の荷物と一緒にバッグに入れていたため成田では幸いにも見逃された。しかし、乗り継ぎ地のデトロイトではその荷物を全部あけさせられ、やはりPCの電源を入れて立ち上げるよう要求された。成田でもデトロイトでも我々グループは最後に機内に入るはめになり、出発が遅れたのは我々のせい(?)といわんばかりの冷たい視線を他の乗客から浴びた。教訓:今回我々は付き添いがつくということで、航空会社に視覚障害者の搭乗について事前連絡をしなかった。しかし、やはりきちんと連絡をとっておくべきだった。他の乗客より先にいろいろな手続きをすることができれば、ストレスは少なかったはずだ。 3. 3 USドル紙幣は区別できない(教訓 その3)  事前学習のときに、米国のお金のシステムを説明し、実際のコインと紙幣を触ってみた。全盲の学生二人は、紙幣の大きさがほとんど変わらない上、日本の紙幣のような触ってわかるマークも何もないことを発見した。アメリカの視覚障害者はどうやって区別をしているのだろう?学生たちが最初の買い物をした際、それぞれ付き添いが援助したが、追加の買い物をしようとして学生が一人でレジへ行き、言われた額のお金を出すことができずに財布ごと店の人に渡す羽目になった。翌日、視覚障害者センターの作業療法士がこの悩みを解消してくれた。彼は最初に、4種類のコインの見分け方を教えてくれた。側面にギザギザがある2種類(大が25セント、小が10セント)、側面が滑らかなもの2種類(大が5セント、小が1セント)ということを、彼は一人づつ実際のコインを触らせながら根気良く教えてくれた。そこで、我々の疑問をぶつけたところ、やおら彼は、財布の中身を全部出すようにと指示した。彼によると4種類の紙幣を折り方で区別をするという。まず、1ドルはそのまま、5ドルは縦に半分、10ドルは横に半分、20ドルはさらにそれを縦に半分に折る。このようにして財布に入れておけば、触ってすぐわかるというわけだ。なるほど!一同大いに納得し、さっそくその場で言われたようにした。この折方は決まっているわけではないので、それぞれ自分で折り方を決めればいいわけだ。一人の学生の財布に、100ドル紙幣を発見!彼はあわてて、「これは、全く別の場所に入れなさい。普段は誰もこんな大きな紙幣は使わない。誰かに食事をおごるとき以外はね。」と、いかにもアメリカ人らしいジョークで締めくくった。 教訓:ドル紙幣は、触って区別がしにくいのであらかじめ種類別に折り方をかえて財布にいれる。 3. 4 やはりこれが一番大切、「英語力」(教訓 その4)  今回の旅行では、学生が単独で行動する場面はほとんどなかった。しかし、万が一引率者とはぐれたり、引率者が病気や怪我をするということも考えられる。学生はやむを得ず一人になったときを想定し、最低限の自己表現方法を学習しておくべきである。視覚障害者は、周囲を観察し、周りの人がどのような反応をしているかを知るのは困難である。従って、自分の状況を正確に説明し、何をしたいか、何をしてほしいかを相手に伝える必要がある。また、相手の言葉を聞き取る力も必要だ。聞き取れなかったら何度でも説明してくれるよう要求することも。いろいろな場面を想定しシュミレーションしておけば、いざという時に慌てずにすむ。 教訓:少なくとも、300語程度の自己紹介を英語でできるようにしておくこと。いくつかの危機的状況を想定し、英語でのコミュニケーションが取れる準備をしておくこと。 図2 ナイアガラ ハリケーンデッキ 4 教務第二課 市川あゆみ  今回、海外研修を無事に終えることができて、ようやく大きな肩の荷を降ろすことができたという気分である。海外へは個人的に何度か行っているが、引率という役目をもち、しかも視覚障害のある学生と一緒に行くというのは初体験であったため、どのようなことに注意を払い、どのようなサポートが必要とされるかということを事前に聞いてはいても、やはり実際に現地へ行ってみるまではずいぶんと不安であった。 4. 1 荷物とチェック  長いフライトの末ようやく到着したデトロイトでは、バッファローへの乗り継ぎ時間が短いにもかかわらず荷物がすべて飛行機から降ろされ、再び人と荷物がセキュリティ・チェックを受けなければならなかった。狭い部屋は長蛇の列。外国人である私たちは、スーツケースと手荷物はもちろんのこと靴までもがチェックの対象となり、裸足で歩く羽目となったのである。チェックが終了して次のゲートへ向かいはじめたとき、既に予定の飛行機の出発時刻はとうの昔に過ぎていた。  しかし幸運なことに私たちは予定通りの便でバッファローへ飛ぶことができた。ところが、現地に到着したものの荷物は同じ便に乗っておらず、おそらく次の便で届くだろうということだった。次の便とは、その日バッファローに到着する最後の飛行機である。1時間近く空港のロビーで待ち続け、私たちは無事にスーツケースを手にすることができたのであった。 4. 2 アメリカンサイズ  近年、日本人の食事内容は西欧化しているといわれている。そのため食事内容で困ることはほとんどなかった。しかし、一品の量は日本とは比較にならないほど多い。まさにアメリカンサイズである。学生たちはボリュームの多さに、初めのうちは喜んでいたが、ある事を境にその喜びは薄れていったようだった。それは、ステーキによって起こった。ある日の夕食にステーキを注文したが、肉が大きくて硬いこともさることながら、そこにこんもりと添えられたマッシュポテトに彼らは大苦戦を強いられた。翌日の朝食が進まなかったことは、想像に難くない。また、朝食以外のすべてを外食でまかなっていたため、最終日が近づくにつれだんだんと日本食が恋しくなってきたという声が出てきた。バッファローでの最後の夕食には、スーパーマーケットでラーメンや焼きそばを調達し、自分たちで調理したことも良い思い出となった。 4. 3 体調管理  事前に調査した資料では、バッファローは日本よりも涼しいとあったため、梅雨時の湿度から逃れさわやかな研修となるはずであった。しかし到着するとそこは日本のように暑く、真夏の太陽が照りつけていた。冬には人の身長以上に雪が積もるというバッファローでは、夏の暑さが苦にならないのだろうか。宿泊したゲストハウスに暖房設備は完備されていたが冷房はなく、疲れと寒暖の差(日中は暑く、夜は比較的涼しい)とで風邪をひく学生も出てしまった。体調維持に気をつけるだけではなく、常備薬としての薬の大切さを実感することとなった。 4. 4 家族  出国するため、ロチェスター空港で手続きをしていたとき、地上係員の女性からこんな事を言われた。「5人家族なのね?日本へ旅行?」アジア人は皆同じ顔に見えるらしいということを聞いたことがあるが、家族にみられるとは驚いた。しかし2週間という長い間、寝食を共に過ごしてきた私たちは、普段キャンパス内で接しているだけではわからないことをお互いにたくさん学び、ともに体験することができた。最終日にはきっと、家族のように見えてもおかしくはないだろう。  最後に、同行してくださった青木助教授、ポーリー助教授の多大なるご協力と、教務第二課をはじめとする関係部門の方々に深く感謝いたします。 図3 UBバッファロー像の前で 5 学生の感想 5. 1 理学療法学科1年 島田 啓史  今回の研修旅行は私にとって初めての外国への旅だった。英語の勉強を通じて学んできたアメリカの文化などを初めて経験できる期待などもあったが、なによりもアメリカに行けることが、漠然とだが、とても嬉しかった。外国へ行きたい!と以前から強く思っていたからだ。今回の研修旅行に参加する目的は好きな英語にじかにふれられると思ったからだ。  成田空港から乗った飛行機の中から全てが勉強だった。特に食事のセレクトがそうだったが、なによりフライトアテンダントの流暢な英語は全くと言ってよいほど分からず、これから先どうなるのだろうと不安を感じた。そして到着したバッファローでは、UBのゲストハウスで最初の3日間は1人でUBの生徒と同じ寮に泊まることになった。その時は不安が更に強くなるだけのハプニングとしか思えなかった。しかし今思えば、UBの学生たちとコミュニケーションをとれるまたとない機会だったのだと思い、何故もっとアクティブになれなかったのだろうと後悔している。またお話を聞けた理学療法、作業療法の先生やアスレティックトレーナー、CAT、NTIDでの説明も聞き取れず内容は独力ではあまり理解することができなかった。それでも2週間のうち徐々に聞き取れるようになり、発音も耳に残るネイティブの発音を真似することで少しは進歩したように思う。  英語とふれるという点で最も楽しみにしていたELIは4コマしかオブザーブできなかったが、参加できた時間はとても貴重なものとなった。英語を英語で説明し、発音も注意され、英語での課題発表など今まで体験したことのないクラスを見ることができた。またライティングのクラスもいままで受けてきた形式と違い新鮮だった。参加したクラスの人と仲良くなれたことも嬉しかった。ELIの生徒は日本人が多かったが、それでも私生活においては英語で話す友達と日本語で話す友達がいた。英語で話す友達からは英語を勉強しようという意思の強さを感じた。  理学療法の日本とアメリカの違いにも興味があった。一番の楽しみは日本にはない個人経営のクリニックを見学することだった。クリニックは小さかったが、学校の実習室で見かけた器具が揃っていた。訪問したときには、ホットパックで肩を治療している患者、ボールを使い肩のトレーニングをしている患者がいた。訪問したクリニックは主に肩、腰に疾患のある患者が多いそうだ。また個人クリニックではあっても近隣の病院や他のクリニックとの連携はとても大切だと伺った。  理学療法、作業療法の先生と話せた時間はとても有意義な時間だった。数少ない習った専門用語も通じ、また習った事の確認もできた。しかし教育システムや認識の仕方の違う点もあり、そのことを発見できた事がとても嬉しかった。また自分で聞き取れた事に関してはなお更だった。  その他にも、ナイアガラの滝を見に行きその豪快さに圧倒され、BBQに参加し、オーケストラ鑑賞をし、テイストオブバファローというお祭りも行き河下りもした。河下りでは初めて閘門を見ることができた。食事もギリシャ料理、メキシコ料理、南部料理なども食べることができ、ファーストフードの大きなポテトを食べドリンクを飲むこともできた。全体を通じて感じたことは、1つは喫煙者がとても少ないことだ。喫煙所という場所はあまり見受けられず吸殻が道に落ちているようなこともなく(ニューヨークシティーなど都心部でどうだかはわからないが)喫煙者は2人しか見られなかった。食生活はわからないが健康を考えているのと同時に、規則が徹底されている事がわかった。2つ目は、町並みだ。写真やTVで見て知っていたとはいえ、ほとんどの家が二階又は一階建てであり車は右側通行。この環境にはすぐ慣れることができた。土地が広いとこういう暮らしになるのかと思った。個人的には日本よりアメリカの町並みのほうがゆったりとしていて好きだ。3つ目はスーパーで感じたことだが、ほとんどの食材が揃っていた。便利と言えば便利だが日本でいう旬の物は無さそうに思えた。食生活は日本のほうが良いと思い、アメリカの健康食品の中心が日本食だということもうなずける。  今回の研修旅行では、各分野の先生方のように留学ではなくこういった形でなければ出会えない方々と会うことができ、新しい友達にも巡り会えた。一人では理解できなかったであろう事も先生方や一緒に行った2人のお陰で勉強になった。行かせてくれた両親、アメリカで巡り会えた方々と、一緒に行った先生方と2人に感謝の気持ちでいっぱいだ。本当に良い経験になった。  From here, I am going to write in English. About study of English, I couldn’t understand so much unless the native speakers spoke slowly for me. Nevertheless, I feel my listening skill is improving gradually, but speaking is getting poorer rather than better. But I was happy that I could talk with native speakers. I realize I can communicate with foreigners in English and it’s really splendid.  On various occasions, I would like to study English. So if the occasion arises, I want to go to abroad and study in English. 5. 2 情報処理学科1年 野村 香介  今回の研修旅行は、私の場合、海外は初めてであり、米国は特に、前から興味があったので、良い経験になったと思う。個人的に、米国の音楽を実際に触れることのできる、良い機会だったと今は喜んでいる。  他に、日本/米国のバリヤフリーを考える、良い機会にもなったのではないかと思う。私は今まで、「米国は福祉的な面でも進んでいる国」を理想に考えていたのである。ところが実際にはそうではなかったのである。 私は米国には、何処の地域にでも、点字ブロックが設置されていると思い込んでいたのである。反対に、全くなかったのである。これには、本当に驚いてしまう。 それでは、米国の視覚障害者はどうやって歩行をしているのかが不思議である。外出時は必ず、誰かに手引きして貰うしかない。後で考えるに、米国は広すぎるので、点字ブロックが付けられないのかもしれない。  こう考えると日本は、本当に恵まれた国であると改めて思う。日本も捨てた国ではない。将来的に、日本がバリヤフリー化に積極的に取り組んでいくことで、世界からも注目される国になるのではないかと思う。  私は、日本が福祉面でもアピールできるような国になることを望む。 5.3 情報処理学科 日向 賢  私は昔から福祉の本場であるアメリカに一度訪れ、機器や制度について実際に見てみたいと思っていました。また、異国の文化を肌で感じてみたいとも思っていました。アメリカでは想像していた以上に多くの事を学ぶことが出来ました。その中でも印象に残っているのはCAT(Center for Assistive Technology)への訪問、ELI(English Language Institute)での英語の学習、盲人協会への訪問の3つです。  まず、CATでは、幼児に対する機能訓練室や、障害者に対するパソコン支援などをする部屋を見せて頂きました。CATでは障害者に対する福祉機器の研究、専門家の育成、障害者への福祉機器サービスの提供などが行われているそうです。また、CATでは一定期間で試用する器具などを変えその人にどの環境が一番適しているか判断し、サービスを提供しているそうです。日本では資金だけ一部免除するような制度しかないのに比べ、このように専門の施設で内容の濃いサポートが受けられる事を知りとても驚きました。やはり障害はそれぞれ違いがあるので機器の選別、サービスの提供には柔軟な体制が必要だと思いました。  また、様々な障害機器も見せていただきました。言語障害をもった人が意思伝達に使うボカなどはとても興味深いものがありました。このような機器は日本でも一部の専門施設で見ることができます。ただ、あまり一般的にはなっていません。日本でもこのような特殊機器が普及すると良いと思います。また、積極的に機器の開発や、使用用途について研究してもらいたいと思います。  次に盲人協会を訪問しました。盲人協会ではドル紙幣の見分け方や、コインの識別方法アメリカでの自立支援などについてお聞きしました。  ドル紙幣やコインの見分け方は、私がアメリカに滞在している中でも大きな問題だったのでとても役に立つ情報でした。特に大きさの差がほとんどないドル紙幣を折り方で識別するという方法には驚きました。訓練士の方の教え方もとてもわかりやすいと感じました。  自立支援についてですが、アメリカには点字ブロックや音声信号といったものが普及していないので、歩行訓練には特に力を入れているそうです。また、ここでもパソコン指導が行われていました。アメリカではパソコンができない障害者は就職できないと聞いていましたが、必死に学習しているところを見て、福祉機器や制度が進んでいても就職の難しさには代わりがないのだということを実感しました。しかし、仕事のできる障害者を健常者と同じように扱ってもらえることは良いことだと思います。  ELIに参加できたことも貴重な体験です。ELIではレベルに会わせてクラス分けし、少人数で内容の濃い授業をしていました。私は英語があまり得意ではないので滞在中もコミュニケーションをとるのが大変でした。そんな中でELIに参加しても得るものがあるのかとても心配でした。ところが先生の教え方がうまいのもあってすべてを理解できないまでも英語のイメージをつかむことはできました。イメージだけでも得られたことは私にとって貴重な体験だと思います。今後の英語学習に生かせていければと思っています。  上記に上げた3つ以外にも多くの体験をしました。ナイアガラの滝ではアメリカならではのダイナミックな自然を感じることができました。滝壺の近くまで行きナイアガラの水を体に浴びたことはいい思い出です。  また専門的な内容で理解はできなかったものの理学療法や、作業療法について多くの貴重なお話を伺うこともできました。  私はこの海外研修全体を通して、福祉制度や、障害機器などにはまだまだ多くの問題があることを実感しました。充実した制度や機器を作るには障害者自身が積極的に働きかけていくことが一番だと思います。今回の体験を今後生かしていけたらと思います。 図4 ストーン先生宅にて 図5 NTID訪問 6 おわりに  今回は参加者の報告をまとめるかたちをとった。それぞれに今回の旅行で学んだものをできるだけ多くの人に伝えたいという趣旨である。一方、視覚部アメリカ研修旅行について、いろいろな意味で見直す時期が来ていると思われる。実際のところ、付き添い3名は疲労困ぱいした。視覚障害の学生に対し、このような研修の機会を与えることは重要であるが、今後さらに発展させた形で継続するためには研修内容そのもの、計画の立て方、学生募集の方法及び時期、事前学習の充実等の再検討が必要である。 Fourth Study Tour to the United States of America from the Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology PAULY Martin1) AOKI Kazuko1) ICHIKAWA Ayumi2)SHIMADA Hirofumi4) NOMURA Kousuke4) HINATA Satoru4) 1) Department of General Education, Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology 2) Academic Affairs Second Section, Tsukuba College of Technology 3) Student of the Department of Physical Therapy, Division for the Visually Impaired, Tsukuba College of Technology 4) Student of the Department of Computer Science, Division for the Visually Impaired,Tsukuba College of Technology Abstract:A group from the Tsukuba College of Technology visited the State University of New York at Buffalo (SUNYAB) and the National Technical Institute for the Deaf (NTID) from July 4th until July 18th, 2003. This was the 4th study trip. Two members of the faculty, one from administration, and three students from the Division for the Visually Impaired participated. At UB, we toured the Center for Assistive Technology (CAT), which conducts research and provides education and services for adaptive devices, visited the Office of Disability Services, which coordinates accommodations and services for students and employees with disabilities, and visited the Dept of Physical Therapy and the Dept of Sports Medicine. Our group attended classes in the English Language Institute (ELI), which prepares international students for university study. We were invited to join in activities sponsored by the ELI. These included an outdoor evening concert. Outside of the campus we visited a private Physical Therapy clinic and the office of a therapist of Swedish massage. To learn about support services and social resources for disabilities in the US, we visited the Olmsted Center for the Visually Impaired and the Independent Living Center of Western New York. Extracurricular activities included visits to Niagara Falls, the Buffalo Zoo, and two home barbecues. In Rochester, besides having a tour of the facilities of NTID, we took a cruise on the Erie Canal and visited the George Eastman Museum. Individual impressions by participating staff and students are included in this report. Key Words: Study tour, Visually impaired, State University of New York at Buffalo (SUNYAB), National Technical Institute for the Deaf (NTID), Disability support