視覚障害学生のQOL(生活の質)−高等教育機関における臨床医学教育− 筑波技術大学保健科学部保健学科 理学療法学専攻 吉田 次男 要旨:QOLという観点から、高等教育機関に学ぶ視覚障害学生の学習について論じる。学習情報取得に於いて、視覚障害学生は、晴眼者(視覚障害者に対して目の見える健常者を「せいがんしゃ」という)に比べてきわめて不利である。それはそのまま学習面でのQOL低下につながる。そこで、学習面でのQOLを改善する主な方法として点訳、録音教材、教材のデジタル化、触図等について、それぞれの効果と問題点を述べる。最後に今後の展望についても述べる。 キーワード:視覚障害、QOL、点字、触図、録音教材 1.筑波技術短期大学について  既設の国立大学法人筑波技術短期大学(3年制)は4年制化を図り、新たに国立大学法人筑波技術大学注1)を平成17年10月に設置、平成18年4月に学生受入れとなった。 制度的には筑波技術大学が新たに発足し、筑波技術短期大学はその短期大学部として暫時継続し、やがて廃校予定となっている。従ってこの論文執筆中であった平成17年度は筑波技術短期大学の学生のみが在籍している。本論文は筑波技術短期大学の学生を対象として執筆したが、「視覚障害学生のQOL」という観点からのものであるので、4年制の筑波技術大学の学生にもその内容はそのまま該当すると考える。文末の注1に筑波技術大学の概要と教育の理念を記した。 2.QOLとは何か  QOLについて厳密な定義をすることは人間の持っている探求心や本質的な意味を妨げる可能性も指摘されているが、議論を進めるためにいくつかのQOLの定義について述べる。 (1)Cummins(1997):客観性、主観性要因の中に、物的幸福、保健、社会貢献、親密性、安全性、コミュニテイと精神的幸福を含む。 (2)Felce&Perty(1997):多次元的な概念の中に個人の幸福が含まれる。この中には、親密関係、家族生活、友人関係、生活環境、就労、隣人、居住地、州、家屋、教育、保健と自己が含まれる。 (3)Goode, D.(1988):人の基本的ニーズが満たされたときや日常生活の中で本人が目標に向かい達成する機会のあるときに経験する。 (4)Goode, D.(1990):個人(障害のあるなしに関わらず)が日常生活(就労、学校、家、コミュニテイ)における大切なニーズを満たされ、同時に同様の状況下にある他の人が満足を得ている時、高いQOLを経験することができる。 3.視覚障害者にとってのQOLとは何か  視覚障害者にとってのQOLの維持や向上の具体的要素として、ひとつは情報を十分に受け取ることができるようにすること、すなわち情報バリアフリーが考えられる。「バリアフリー」とは、英語の「バリア(障壁)」と「フリー(自由な・〜から逃れる)」を一緒にした言葉で、「障害のある人が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを取り除き生活しやすくする」ことを意味している。もともとは、昭和49年に国連障害者生活環境専門家会議が「バリアフリーデザイン」という報告書を出したことから使われるようになった。建築用語として、主にハード面の意味で使われてきたが、現在では、「障害のある人の社会参加を困難にしている社会的・制度的・心理的なすべての障壁の除去」という意味で用いられている。一般的には、次の4つのバリアがあると言われている。 (1)物理的なバリア  車イス利用者の場合では、段差があったり、幅が狭くて車イスが通れない。視覚障者の場合では、容器の形が同じで内容の区別などがつかないモノ、画面タッチ式のキャッシュコーナーなど。 (2)制度的なバリア  障害の有無や等級によって資格が制限されること。盲導犬を連れて入れないホテルやレストラン、乳幼児連れでは入店を断られる店など。 (3)文化・情報面でのバリア  障害などにより文化活動をするチャンスや必要な情報を平等に得られないこと。交通機関などが利用できないために文化活動や社会参加できないこと。災害時の緊急情報が視覚や聴覚に障害のある者に届かないことなど。 (4)意識上の(心理的な)バリア  作り手の認識不足のために人に“やさしくない”街を作ってしまったり、言動(差別、あざける心、無理解)によって相手を傷つけたりする心のバリア。その他では、歩道や通路などをふさぐ迷惑駐輪、車イス専用駐車スペースでの迷惑駐車など。  情報バリアフリーは上の4つのバリアのうち、主として (3)文化・情報面でのバリアに属するものである。例えば、毎年洪水のように出版される様々な著作物(小説、詩、専門書、雑誌、新聞等)を視覚障害者は、十分に読むことができない。点訳ボランティアによる点訳出版物や録音教材、点字出版物等に頼るほかはない。彼らは情報化社会において、その利点を十分に享受できず片隅においやられてしまう可能性が大きい。  QOLには主観的QOLと客観的QOLがある。主観的QOLとは、個人の生き甲斐・満足感・幸福感などの意識的・心理的・主観的側面を重視したものであり、客観的QOLとは人間の社会的生活を取り囲む環境を重視したものを指す。個人にとっては主観的QOLが大事である。音の出る信号機や点字ブロック、白杖、音声案内、拡大読書機、点字案内板等は物理的な環境あるいは情報伝達手段である。 これらの客観的QOLから得られる個人的な満足度すなわち主観的QOLが大切である。  実際の生活領域を, (1)身体的に幸福な状態にあること。 (2)物質的に幸福な状態にあること。 (3)社会的に幸福な状態にあること。 (4)感情的に幸福な状態にあること。 (5)生産性に関して幸福な状態にあること。 の5つに分けて考えると[1]、視覚障害者は、視覚障害が身体的障害であり、この障害を補償することにより物質的、社会的、感情的、生産性における幸福な状態が実現できると考えられる。本研究のテーマは「視覚障害学生に対する教材提供について」(副題:高等教育機関における臨床医学教育)であり、これまでに高等教育機関に在籍する視覚障害学生の臨床医学教育に関する教材開発[2-7]と教育に関するアンケート調査[8-10]を行ってきた。次に、主として高等教育機関に学ぶ視覚障害学生のQOLに関して教育的立場から論じてみたい。 4.視覚障害学生にとってのQOLとは何か  ここでは、学習面に限ってのQOLを考えたい。学生であるからには、残存する保有視覚を最大限に活用しての、学習面でのQOL向上が大切と考える。そのためには、晴眼者に劣らない学習情報の取得が成されなければならない。学習情報としては、講義中の話、板書内容、教科書、参考書等がある。場合によっては、スライド(最近ではパソコンを利用してスライドショー等を行うことができるPOWER POINT等)、ビデオも学習に用いられる。また、高等教育機関に在籍する視覚障害学生の場合は、新しい論文を読むことも必要となる。その際に論文が点訳されていないと、当然その内容は理解できないことになり、最新の情報にアクセスできないという不利益が生じる。このことは点字使用の研究者についても該当する問題である。  このように学習情報取得に於いて、視覚障害学生は、晴眼者に比べてきわめて不利である。それはそのまま学習面でのQOL低下につながる。そこで、次には学習面でのQOLをどの様に改善させたらよいか考えたい。 5.視覚障害学生にとってのQOLの改善について  視覚障害学生のQOLを改善する方法としていくつかあるので、それらを教育する側ができること、学習する側(学生)ができることに分けて述べる。 5.1 教育する側ができること 5.1.1 点訳  点字に対し一般の文字を墨字と言うが、授業で使用する教科書や資料として、視覚障害学生にはこの墨字を点字に変換したものを提供する必要がある。すなわち墨字の点訳が必要である。高等教育機関に在籍する視覚障害を有する学生達にとっては、次々と出版される墨字本の教科書や参考書の点訳による新しい知識の修得は不可欠であり、また論文講読や卒業研究等の授業では教科書の他、学術論文の点訳も必要となってくる。  最近ではパソコンによる自動点訳(以下パソコン点訳と称する)が行われている。パソコン点訳にはいくつか方法があるが、現実的と思われる順に以下に記した。 (1)点訳したい墨字本をスキャナ注2)に読みとらせて、パソコン上に墨字テキストファイルを作り、次にこのファイルを、点字ファイルに変換する方法。スキャナの読みとり精度が100%ではなく、墨字段階での校正が必要であるが、CD-ROM 注3)等の電子記憶媒体で出版されていない本については、この方法が現実的である。 (2)CD-ROMで出版されている本から、パソコン上に墨字テキストファイルを作り、次にこのファイルを、点字ファイルに変換する方法。パソコンによるファイルやテキストのコピー機能等を使ってたやすく墨字テキストファイルが作成できる。スピードも早い。特に大容量の点訳に向く。日本では臨床医学の教科書についてはまだCD-ROM媒体で出版されている本は少ないがこの方法によれば、点訳は効率よく大量にできる。ただし、著作権上問題となり得るケースもある[11]。 (3)墨字本を見ながら1文字ずつキーボードから入力していく方法。スピードが遅く大容量の点訳には向かない。 5.1.2 録音教材  録音図書注4)とは、文字情報をカセットテープ・CD−ROM等に、音声として記録し、本のように利用して貰えるようにしたものである。長めの文字情報(小説・雑誌・教科書など)に向いている。最近ではコンピュータを用いて、各種媒体に録音する検索性に優れたシステム(デイジーシステム注5))も登場している。 5.1.3 教材のデジタル化  授業の中でも実際に、触図注6)や紙に打ち出された点字テキストを学習教材として使用してきた。紙に打ち出された点字テキストはかさばり、持ち運びや保管に不便である。一方で、最近の学生はパソコンに習熟している者が多く、授業で使用する配布教材については、点字テキストよりもフロッピーデイスクでの配布を希望する者も少なからずいる。フロッピーディスクには教材が墨字テキストファイルとして保存されているが、彼らはこのファイルをパソコンのテキスト読み上げソフト注7)やブラウザ音声化ソフト(以下まとめて「読み上げソフト」と称する)により音声化して聞いている。または、ディスプレイ上で拡大して見ている。非常に有効かつ便利である。 5.1.4 触図  触図とは、線画の部分が盛り上がったものであり、それを指でなぞって理解するものである。短大及び大学の鍼灸学科並びに理学療法学科の教育カリキュラムには、臨床医学が必修科目として含まれている。筑波技術短期大学もその例に洩れない。臨床医学には様々な内科的、外科的疾患が含まれるが、今やX線、超音波、MRI,放射性同位体(核医学)等を用いた画像診断領域の医用画像抜きには、臨床医学は語れなくなってきている。  鍼灸学科の学生は、筑波技術短期大学附属診療所(筑波技術大学発足に伴い東西医学統合医療センターと改称)での臨床実習や、カンファレンス、症例検討会等に参加しており、卒業後は、開業の道があるほか、研修生や研究生として大学に残ったり、医療機関へ就職するものもいる。また、理学療法学科の学生は、在学中に病院実習が義務づけられており、現在は学外の病院において実習している。卒業後は理学療法士として病院や診療所等に就職するものが多い。いま述べたような、在学中の実習、カンファレンス、症例検討会のみならず、卒業後の医療機関の現場におけるカンファレンス、症例検討会等では、X線フィルムを中心とした医用画像が検討材料として用いられることも多い。筑波技術短期大学の学生は視覚障害を有し、中には点字使用学生もおり、医用画像について理解することは、晴眼者に比べて容易ではない。しかしながら、鍼灸師や理学療法士を目指すこれら学生にとって、医用画像に対する一定の理解無くして、必修科目である臨床医学の十分な理解が可能とは考えにくい。また、上述のようなカンファレンス等で、点字使用学生は、点字使用であるという他に医用画像に関する知識が不十分であるために、その内容を十分に理解したり議論に参加したりすることにおいても、かなりの困難が生じると考えられる。  現代の医療状況下では、たとえ点字使用者であっても、鍼灸師、あんま・マッサ−ジ・指圧師、理学療法士といった臨床家のみならず、学生にとっても画像診断領域の医用画像についての知識は必要不可欠なのである。従って、鍼灸、理学療法学科の点字使用学生が画像診断領域の医用画像について、ある一定水準以上の理解を得ることはきわめて重要なことである。点字使用学生に医用画像に関する事柄を教えるのは難しく、従来多くの場合、その教育は全くなされていないかまたは、単に言葉による説明だけが行われてきたようである。しかし近年は、解剖学、生理学、病理学、臨床医学の分野において触察図譜シリ−ズ[12-17])が出版され、触図の教材としての可能性が広がっている。また、大学入試センター試験に於いても触図が用いられている。点字使用学生に医用画像を理解してもらうのはなかなか難しいが、工夫された触図を用いて具体的なイメージを持たせて理解させることが必要である。  触図作成のためには、まず触図の元になる原図を作成し、これを立体コピー機にかけて立体化したり発泡インクを用いて印刷する。原図の作成方法としては、 (1)手書き (2)パソコン上で動く描画ソフトの使用 (3)コピー機を上手に使う (4)スキャナによるパソコンへの取り込み などの方法がある。 5.1.5 拡大読書器  主として弱視学生注8)が墨字をブラウン管上に拡大して見る装置であり、これを教育する側が用意する。 5.1.6 対面朗読  対面朗読とは、視覚障害者の目の前での音訳作業(本を音声に変えること)で、短めの文字情報(掲示物・FAX・郵便物・新聞・チラシ・回覧物など)に向いている。 5.2 学習する側(学生)ができること  点字の修得やデジタル化された教材を聞くためのパソコン習熟が必要であるが、中途失明者にとっては、点字の修得は必ずしも容易ではない。鍼灸学科や理学療法学科では最近、社会人や大卒の入学者も増えており在籍学生の平均年齢は高くなっており、点字のみならずパソコン習熟についても適切な援助が必要である。 6.問題点  視覚障害学生の学習上のQOL 改善については、上述のようにいくつかの方法が考えられるが、問題点もあるのでそれについて次に述べる。 6.1 点訳  従来の手作業による点訳は、特に著作権法上の問題点はないと考えられるが、点訳のスピードや量において現代の出版洪水の中では、限界に達していると言えよう。OCRやCD-ROMからパソコン点訳する場合には、いったん墨字ファイルができる。これについては、著作権上の問題が生じる恐れがある。このことは、音声で聞くデジタル化教材についても当てはまる。また、臨床医学関係の教科書は厚く、点訳の費用、時間が膨大である。 例) 「わかりやすい内科学」第二版、井村裕夫他編(文光堂)、1276頁 「診察診断学」高久史麿監修(医学書院)、378頁 「新臨床内科学」第七版、高久史麿,尾形悦郎監修(医学書院)、1852頁 「チャート臨床検査診断」林 康之他(中外医学社)、519頁  臨床医学関係では、できるだけ新しいものが必要であるが、大部の本では点訳が終わる頃に新しい版が出版されてしまうこともある。しかも良い教科書ほどよく改訂される。つまり版を重ねる教科書、参考書は、費用、時間の関係でタイムリーには点訳ができないことがある。場合によっては墨字使用の学生は新しい版を使用、点字使用者は古い版を使用することになってしまう。そのため、教科書を新版に替えたいが点訳できないことがネックになり、替えられないこともある。 6.2 録音図書  現在、録音図書は点訳と異なり、政令で指定された施設でしかその作成が許可されておらず、それ以外の施設で録音図書を作成するには著作権処理が必要になってくるが、これでは不便である。 6.3 教材のデジタル化  パソコン点訳時に、OCR, CD-ROMからいったん墨字テキストファイルを作成するとなると著作権の問題が生じる。 6.4 触図  特に図を説明する場合において、点字使用者とそうでないものとが混在しているときには、授業を進める上で困難を生じがちである。点字使用者に対しては触図というものを用いるが、これを説明している間、点字を使用しないものにとっては待機していなければならない。逆の場合もある。また、すべての図を実際に触図にできるわけではない。 6.5 拡大読書器  拡大読書器はかさばりかつ重いので、設置場所以外では使いづらい。 6.6 対面朗読  専門用語の多い、しかも分量の多い臨床医学の本を対面朗読してもらうのは現実的ではない。時間と場所の制約もある。 7.今後の展望  以上、視覚障害学生のQOLについて述べてきたが、臨床医学の学習に限っては、教科書や参考書からの情報取得において、晴眼者と視覚障害学生とのギャップは埋まっていないどころかむしろ拡大傾向にある。教科書はまだしも参考書になると「図書館に置いてあるので、読んでおくように。」と言ってもほとんどは点訳や録音、デジタル化されていないので、どれだけの視覚障害学生が読めるのであろうかと危惧される。全国の盲学校や大学等で共通して使われる教科書、参考書については各施設が点訳や録音、デジタル化を分担して行うことも一案と考える。教材のデジタル化については、出版社に積極的にCD−ROM等の電子媒体で出版してもらう運動も必要と考える。 注 注1)筑波技術大学 概要:聴覚障害者が主にものづくりを学ぶ「産業技術学部」と、視覚障害者が主に健康づくりを学ぶ「保健科学部」の2学部と、各学部の学生やスタッフを支援する「障害者高等教育研究支援センター」から構成されている。 教育の理念: 1.人間形成に資する幅広い教養を習得させ、社会性の涵養を図る。 2.障害を理解・克服し、自ら社会に適合できる自主性、柔軟性の育成を図る。 3.情報化社会に対応できる情報リテラシーと国際化に対応できる語学力や学生生活・社会生活を円滑に行うためのコミュニケーション能力の育成を図る。 4.専門技術の習得に必要な専門基礎教育及び専門教育を充実し、社会が求めている専門的、応用的職業能力及び指導能力の育成を図る。 注2)スキャナ  印刷されたまたは書かれた文字を光学的走査により読みとり、パソコンで扱えるようなデータとする装置。 注3)CD-ROM  コンピュータの読み出し専用の記憶媒体としたコンパクトーディスク。小型で大容量であり、電子出版などの媒体として利用される。 注4)録音図書  録音図書とは、本を音声に変えて(「音訳」と言う)、カセットテープやCD(コンパクトディスク)に録音したものである。 注5)デイジーシステム デジタル音声システム(DAISY, Digital Accessible Information System の略)カセットテープの録音図書の欠点であった情報検索生を画期的に改良したもの。カセットテープでは不可能だった聞きたい箇所をページや見出しで検索できる特徴がある。 注6)触図  全盲の人に、図を触察(指で触れること)により理解してもらうために工夫された用紙を指す。描かれた線や模様を、発泡素材が含まれるマイクロ・カプセル・ペーパーと呼ばれる用紙に焼き付け、立体コピー器にかけて加熱現像することにより、模様部分を紙面から盛り上げ、隆起部分を指でなぞり、盲人が図を理解できるようにしたものが触図である(図1)。 図1 触図の基本的なパターン  上の図はパターンを上から(正面から)見たもので、下の図はaにおける断面図である。左から順に、べた塗り、高密度のドットパターン、低密度のドットパターン、無地。 注7)テキスト読み上げソフト  パソコン上の文字を、合成音声を用いて音声化するソフトウエア。 注8)弱視  両眼の矯正視力が0.3未満の者で、主として視覚を用いた学習や日常生活の諸行動ができる者。 参考文献 [1] ロイ・ブラウン編著,中園 康夫,末光 茂監訳:障害を持つ人にとっての生活の質,相川書房,東京,2002. 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[13] 触察解剖図研究会:触察解剖図2,桜雲会,東京,1988. [14] 触察解剖図研究会:触察解剖図3,桜雲会,東京,1989. [15] 触察図譜研究会:触察図譜シリーズ1生理学,桜雲会,東京,1991. [16] 触察図譜研究会:触察図譜シリーズ2病理学,桜雲会,東京,1993. [17] 触察図譜研究会:触察図譜シリーズ3臨床医学総論,桜雲会,東京,1994. Quality of life (QOL) of the visually impaired students YOSHIDA Tsuguo Course of Physical Therapy , Department of Health, Faculty of Health Science, Tsukuba University of Technology Abstract: From the viewpont of the quality of life (QOL), an investigation was made about the learning style of the visually impaired students who are learning in the institute of the higher education, Tsukuba College of Technology. They are extremely disadvantageous in getting study information compared with non handicapped students. They face disadvantages in learning itself. There are some methods to conquer them, for example, brails, recording materials, digitized learning materials and tactile charts. In this study, their effects and problems were investigated, and a view in the future was also discussed. Key Words: Low vision, Quality of life (QOL), Braille, Tactile charts, Recording materials