課題特性と被験者特性から見たWason4枚カード問題 筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター 加藤 宏 要旨:大学生および本学保健科学部1年生にWasonの4枚カード問題とその変形バージョン課題を実施し、晴眼大学生と視覚障害学生の正答率および課題解決に関わる認知過程を検討した。晴眼大学生では文科系学部から理科系学部にまたがる学生に同じ問題を実施して専攻による差異も比較した。オリジナルなWason課題成績には晴眼大学生と保健科学部学生の正答率に差は無く、晴眼大学生では学部間でも差はなかった。Wason課題バージョン間では差が見られた。 キーワード:Wason課題、認知バイアス、視覚障害 1.はじめに  Wason4枚カード問題[1]はひとの論理的思考に思わぬ落とし穴があることを示した認知心理学研究の古典的課題として知られている。問題の背景には本来の論理的思考と「ヒューリスティックス」と総称される人間特有の思考パターンと乖離が関与している[2]。課題の正答率には問題の題材が日常生活場面で見慣れているものか、記号や数字による抽象的問題かといった課題特性、解答者の視点、生態学的要因等が関与していると言われてきた。またWason課題では、問題に画像刺激が使用される場合が多い。本研究では視覚に障害がある大学生に言語のみで課題を示した場合と晴眼大学生の集団に画像有りで同様課題を示した時の成績を比較した。また問題が簡単な論理学的構造を持っているため、成績と被験者の専攻分野との関係についても検討した。さらに、従来は正解率の低さだけが注目されてきたこの課題の出現誤答パターンからこの課題の認知課題としての意味を考察した。 2.Wasonカード問題とは  Wasonの4枚カード問題とは、「もしpならば、qである(p →q)」という命題の真偽を確かめるためには、両面にそれぞれ文字や数字が書かれた 4枚のカードの少なくともどのカードをめくらなければならないのかを問う課題である。4枚は、見えている方の片面にそれぞれ、p、not-p、q、not-qに相当する文字や絵が描かれている状態で提示される。  具体例は、「カードの片面にはアルファベット、もう一方の片面には数字が書かれている。このカードには、カードの片面が母音ならもう片面は必ず偶数でなければならないというルールがある。いま、片面だけが見えている以下の4枚のカードがある時に、すくなくともどのカードとどのカードをめくれば、このルールが守られていることを確認できるか。」といった問題になる[3]。(オリジナルのWason課題には母音・偶数ではなく、「片面が Dなら、もう片面は3である」というように、さらに具体的なものもある[4]。しかし、この場合も課題の構造は変わらない。)  この課題は、もとの命題を真とすると、その対偶(not q → not p)も真となることを理解できているかを問うている(図1)。「対偶」は現行学習指導要領では「数学A」の学習内容に含まれ、「数学1」と平行して学ぶことになっている。数学教科の必修は「数学基礎」、「数学1」のいずれか1科目であるが、視覚特別支援学校をふくめ、ほとんどの高校、高等部で「数学1」までは学習してきていると考えられる。(盲学校での履修率は数学1が9割、数学Aは8割[5])平成24年度からスタートする次期の高等学校学校学習指導要領でも対偶は「数学1」の「数と式」の内容に含まれる。学部・専攻を問わず、ほとんどの大学生にとって「対偶」は、少なくとも一度は学習したことのある内容かつ理解しているべき事項なのである。  前述の例にもどると、「母音ならば偶数」が真であるから、「偶数でない(奇数)ならば偶数でない(奇数)」が対偶となり真となる。よって、 4枚のカードのうち、「p」と「not q」のカードを確認すればよいことになる。つまり、片面に書かれた文字が「母音」または「奇数」のカードをめくる必要がある。  Wason課題が認知心理学課題として長年にわたって研究されてきたのは、問題の構造としては全く同一な問題でも、選ばれる題材によって正答率が大きく変動する点である。アルファベットと数字のカードを選択させる「抽象」課題では、大学生でも正答率が4~10%程度であったものが、「乗り物と行き先課題」や「飲酒と年齢課題[6,7]」といった日常的に経験することや社会的ルールと関係した主題をテーマにした場合には正答率が8割程度にまでいちじるしく上昇することが知られている。しかも、これら正答率は欧米の研究でも日本の大学生を被験者にした研究でも同様な結果が得られている[8-12]。  本研究ではWason課題を晴眼大学生と視覚障害のある学生に実施して成績の差異を検討することと、課題材料のの抽象性や経験の程度による影響を検討することを目的とする。 2.1 Wasonカード問題の効果を説明する仮説  論理的に考察すれば正解にたどり着くはずの問題の正答率がなぜこれほどに低いのか(しかも大学生!)については多数の仮説が考えられてきた。以下に代表的な説を紹介する[9]。 双条件解釈:「pならばqである」を「qならばpである」と同義であると自動的・暗黙的に解釈してしまうこと。「質問がある(p)ならば、手を挙げよ(q)」と告げた試験管は「手を挙げた(q)ひとをみて、質問がある(p)と判断してしまう」。この場合、手を挙げたひとは体調が悪いのか、ただ伸びをしただけなのかもしれない。確証バイアス:規則(「pならば qである」)に適合しているものだけを [確認]しようとする認知的バイアス。(Wason & Johnson-Laird, 1972) マッチングバイアス:提示された規則中に表現された形にマッチするようにp、qを選択する。このバイアスによれば、「pならばqでない」という否定文であっても、p、qのカードが選択される。(Evans & Lynch 1973)主題材料効果:問題の表現が具体的な材料に基づく場合は改題解決が促進される。記憶てがかり説:被験者の記憶が影響する。実用的推論スキーマ説:被験者がその問題を許可事態や義務事態ととらえることによって課題を許可スキーマや義務スキーマといった特定スキーマから解釈することによって正答率があがると考える説。しかし、どのような条件でそのようなスキーマが喚起されるかは明らかにされていない。 図1 対偶 3.実験  平成21年度の「心理学」授業の一貫として、 2つの大学で授業中にWason型選択課題を実施した。両大学とも実施に当たっては課題の結果は成績等には一切関係せず、心理学の研究と授業材料としてのみ使用することを説明した。結果の使用については、全員から自署による承諾書を取った。 3.1被験者 (1)国立A大学1年生80名、学部は人文学部、教育学部、理学部、工学部、農学部にまたがっていた。 (2)視覚障害者のみ入学できる国立B大学保健科学部1年生26名。点字使用2名、うち1名は全盲、他1名は点字・拡大教材の両方を使用、24名は拡大文字使用者。学科・専攻は鍼灸学、理学療法学、情報システム学であった。 3.2 課題バリエーション  各被験者はオリジナルなWason課題に近い数字とアルファベットのみの抽象課題(以下抽象課題)とその変形バージョン2種の3テストを受けた。ただし、A大学では抽象課題と変形バージョン課題は1週間の間隔をおいて実施されたため、3課題すべてに回答した者は78名であった。以下の3課題の説明は基本的に図を使用しないB大学のバージョンによる。  3課題に先立ち、共通するは教示として、「各問題について、めくるカードの記号に○をしてください。カードは何枚でも必要なだけ選べます。」と説明した。 (1)Wason抽象課題。  カードには片面ずつローマ字と数字が書かれている。いま「カードの片面が母音なら、もう片面は偶数でなければならない」というルールがあったとして、以下の4枚のカードのうち、少なくともどのカードをめくれば、このルールが守られているかどうか確認できるか。 ア 片面がAのカード イ 片面がKのカード ウ 片面が4のカード エ 片面が5のカード  A大学バージョンではア~エの選択肢はカードの見えている方の片面にA、K、4、5が書かれた4枚のカードになっている。 (2)飲酒問題  カードにはパーティの出席者について飲んでいるドリンクと年齢が片面ずつに書かれている。「アルコールは20歳以上から」という規則が守られているか確認するためには以下のどのカードをめくればよいか。 ア 片面がビールのカード イ 片面がコーラのカード ウ 片面が18のカード エ 片面が22のカード (1)同様、A大学では、ビール、コーラ、18、22と書かれたカードの絵が用いられた。 (3)領収証問題  3.伝票には表に商品名と価格、裏にレジ係の印鑑の欄があります。あるデパートでは「1万円以上の伝票の裏にはレジ係が印鑑を押す」という規則があります。あなたは売場主任になったつもりでこの規則が守られているかチェックしてください。以下のどの伝票をめくればよいか。 ア 伝票の表に「机 15000円」 イ 伝票の表に「卓上ランプ 2800円」 ウ 伝票の裏に「山田の印鑑あり」 エ 伝票の裏に「印鑑の押されていない」伝票 これも(1)、(2)同様A大学では、片面にそれぞれ「机15000円」、「卓上ランプ2800円」、「山田印」、「印なし」と書かれた領収証の絵が使用された。 4.結果  まず、A大学とB大学の抽象課題(課題1)における正答率は、A大学では78名中13名が正しくAと5のカードを選択した(表1)。一方、B大学は26名中正解1名のみであった。正答者の比率はそれぞれ16.7%と3.8%であったが、大学間の正答率の差は統計的には有意ではなかった(χ2=1.761,df=1,p>.05)。  飲酒問題ではA大学80名中58名正解、B大学は26名中正解11名であった。大学間の正答率はそれぞれ72.5%と42.3%であり、この差異は統計的に有意であった。(χ2=6.600,df=1,p<0.05)  領収証問題ではA大学の正解は78名中51名、B大学は26名中3名であった。正答率は63.75%と11.54%であった。大学間の正答率の差は有意であった。(χ2=19.366,df=1,p<.01)  次に大学別・課題別に回答パターンの傾向を述べる。 4.1 抽象課題における選択方略差  柴田[13-15]は1966年から95年までのWason4枚カード課題に関する研究をレビューして、問題へは形式論理による正解(対偶選択)ではなく、多くの被験者は、双条件選択またはマッチング・バイアスによる選択、さらに不完全真理値表に基づく選択をしているとまとめている。  本研究でも柴田に従い、被験者が双条件解釈、マッチング・バイアス、不完全真理値表による方略をとったと考えられる場合の方略別に回答者数を集計した(表1、2)。  アルファベットと数字による抽象課題にのみ上記の3方略別に大学間で差があるか検討した(表2)。論理的正解である対偶の選択は上述の通り差は有意ではなかった。母音(A)と偶数(4)のカードを選択する双条件解釈またはマッチング・バイアスによる選択方略をとった者の比率は表2の通りで、χ2=1.562, df=1, P>0.05 で大学間の差はなかった。不完全真理値表による選択でもχ2=0, df=1, P>0.05で差はなかった。つまり、Wason抽象課題に関しては大学間に正答率(対偶選択比率)だけではなく、Wason課題に見られるその他の代表的選択方略についても差が見られず、課題に対して同様な認知的処理過程が行われていることが示唆された。 4.2 学部・専攻による差  学部や専攻による差はB大学での抽象課題の正解者が全体で1名(鍼灸学専攻)であったこともあり、統計的検定は行わなかった。以下は定性的な傾向である。  A大学の被験者には人文学部・教育学部・理学部・工学部・農学部の学生が含まれていたが、学部による傾向は特に見られなかった。むしろ、本来は数学や論理学に日頃よりなじみの深いと思われる理学部情報数理コースや教育学部教員養成課程数学専修の学生よりも人文学部の学生に正答者が多く見られたりもした。専攻や日頃からの学習・知識・関心等は必ずしも、Wason課題には反映されないようである。 4.3 障害の有無による効果  視覚障害を有することはWason課題のような問題解決事態に影響するのかどうかは重要な問題である。  本実験では、抽象課題では大学間に差はなく、問題の構造は同じでも日常的なテーマ(飲酒問題・領収証問題)にした課題では正答率に大学差が見られた。 4.4 課題の抽象性による効果  大学別に 3課題の抽象性による正答率に差があるか検討した。A大学ではχ2=56.802,df=2,P<0.001であり、B大学ではχ2=13.867,df=2,P<0.001であり、両大学の被験者とも課題による正解率の顕著な差が示された。両大学とも抽象課題(アルファベットと数字)よりも、より具体的かつ日常生活でも切実な問題として接する機会の多い飲酒の年齢制限の問題や領収証問題の正解率が高かった。 4.5 課題材料のモダリティ  今回の実験ではA大学被験者(晴眼)には、カードの絵による刺激が、そして視覚に障害のあるB大学被験者にはカードに描かれた記号や文字の言葉による説明を用いた。モダリティによる正答率の差は課題2・ 3の日常場面での体験も多いと考えられる生態学的課題の場合にのみ現れた。 5.総合的討議  アルファベットと数字の選択という抽象課題でのWasonらのオリジナル研究では大学生の正答率は4%程度であり、その後の追試研究でも多くて10%程度であることを考えると今回の結果(それぞれ3.8%、16.7%)驚くべきものではなく、むしろ国家間の差もなく、Wason課題の困難さの特徴が再現されたことになる。同時に論理構造としては同じ抽象課題と具体物を使用した課題では、後者の成績が上昇することも先行研究と同じであった。 5.1 今回の実験の実施方法上の問題点  本実験では、A大学の被験者には課題として絵の描かれたカードが提示され、B大学ではカードに描かれた内容の言語のみによる提示であった。一般に教材の記憶定着効果でも問題解決への応用でも視覚的提示の効果[16]が大きいことを考えると両群の課題提示法の差異は無視できない。よって、今回の大学差は刺激提示方法の差とも考えられる。今後は晴眼被験者にも言語教示のみによる群を設け、教示刺激モダリティの効果を分離する研究を行う必要がある。しかし、いずれの大学においても抽象課題と生態学的課題の差は顕著であり、Wason4枚カード課題の「難しさ」は本研究でも再現された。 5.2 Wason課題のひろがりと問題点  国に依らず同様な正答率になることは当然のようにも考えられるが、「日本語使用者」、「英語使用者」の認知特性の研究では、しばしば研究者による被験者の恣意的選択のために、民族・言語間の不当な差異が誤って喧伝されている場合もある(日本語は論理的構造をしていないので、日本語使用者は論理的課題が不得意であるという“説”がまかり通ったこともある)[17]。Wason課題の結果の普遍性は言語相対主義や民族差、使用言語構造差による思考過程への影響に対する安易な一般化への警告を与えているともいえる。  現在Wason課題には、論理的に同一構造の問題が場面が変わると容易になったり極端に困難になることを人間の高次心理機能の選択と進化にからめて論じる社会契約説や社会交換説も考えられている[18-21]。しかし、Cosmidesのオリジナルな研究以降の追試研究では必ずしも社会契約説や Wason選択課題の特徴の進化論的説明は支持を得ていない。Wason課題の効果は確かに普遍的に観察される現象である。しかし、安易な特異的心理機能選択説は慎むべきである。 6.まとめにかえて  Wason課題が心理学者にこれほど注目されたのは、発達心理学の巨人ピアジェ以来の「人間の思考様式は段階を踏んで発達し、最終的に形式操作が可能になる」というドグマに対する異論提出という意味もある[2]。この課題は、認知発達は決して直線的なものではなく、大人になっても実は簡単な論理的課題が解けない場合があることを示したで。今回の実験ではこのことに加えて視覚に障害のある学生への認知課題としてもWason課題のもつ課題特性が適用できることが示された。しかし、視覚障害群では成績上昇が期待される具体的課題において、晴眼学生群との差異はより大きくなる傾向が示された。これは、障害特性によるものか、視覚経験量の問題か、もともとの被験者群の論理的思考能力の差によるものであるかは本研究からは不明である。刺激モダリティの共通化、被験者の論理能力の統制などは今後の課題である。 参考文献 [1]Wason, P.C.: Reasoning. 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[21]Cosmides, L. : The logic of social exchange: Has natural selection shaped how humans reason? Studies with the Wason selection task., Cognition, 31, 187-276, 1989. Effects of Task Features and Subjects’ Traits on the Performance of the Wason Selection Task KATOH Hiroshi Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, National University Corporation Tsukuba University of Technology Abstract: Health science students with visual impairment and normal-sighted university freshmen were administered variants of the Wason selection task. This study investigated the cognitive processes involved in problem-solving for the task. We considered the performance and cognitive characteristics between students with visual impairments and normal-sighted students from various departments. Normal-sighted students were from the humanities and science courses. There was no difference in the accuracy rate in the original Wason’s task between normal-sighted and visually impaired students; furthermore, there was no difference in the accuracy rate between students majoring in different subjects. The differences in the performance of the task variants were significant. Key words: the Wason Selection Task, cognitive bias, visual impairment