遠隔情報保障スタジオのユーザビリティ評価 筑波技術大学 産業技術学部1),筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター2) 塩野目 剛亮1) 河野 純大1) 加藤 伸子1) 西岡 知之1) 蓮池 通子2) 石野 麻衣子2) 村上 裕史1) 若月 大輔1) 皆川 洋喜1) 黒木 速人1) 三好 茂樹2) 白澤 麻弓2) 石原 保志2) 内藤 一郎1) 要旨:遠隔情報保障スタジオの持つ機能の多様化、高度化によって、スタジオの使用には専門的な知識を持つ人が必要になってきている。このことはシステム全体の運用コスト(機器、作業コスト)の増大を暗示しており、システムを一般に普及するにはよりコンパクトで誰にでも使えるシステム作りが望まれる。すなわち、スタジオのユーザビリティ向上とともに、スタジオの仕組みと使い方を把握している人間の養成が急務である。本研究では、遠隔情報保障スタジオの運用コスト削減を目的として、作業コスト分析のためのユーザビリティ評価を行なっている。 5人の評価者を対象としたユーザビリティ評価実験の結果から、起動作業の達成率と機能の実現度合いとの間に隔たりがあることがわかり、わずかな起動作業の教示だけでも起動作業の達成率が向上する可能性があることがわかった。キーワード:遠隔情報保障、ユーザビリティ評価、運用コスト、作業コスト 1.まえがき  本学では、他の大学で学ぶ聴覚障害学生に対する遠隔情報保障を継続的に行なっている[1][2]。また、学生、および情報保障者(手話通訳者や PC要約筆記者)のニーズに対応するため、遠隔情報保障スタジオ(以下、スタジオ)の機器の増設や機能の改善を行なってきた[3][4]。この結果、様々な形態の情報保障の提供が可能となり、柔軟な対応ができるようになってきている。  しかしながら、スタジオの機能の多様化、高度化のために構成機器が増加しており、システム起動のための作業量も増大している[5]。システムの起動・調整に手間がかかりすぎることや、専門的な知識を持つ人が必要なことは、今後、システムを一般に普及する際の大きなバリアとなりうる。また、このことはシステム全体の運用にかかるコストの増大も示しており、継続・普及可能なシステムの構築を阻害すると考えられる。  本稿では、現在運用している遠隔情報保障スタジオのユーザビリティ評価を行なうことで、スタジオ起動の手順、および作業コストを分析し、ユーザビリティ向上の方策について検討する。また、スタジオ起動のためのマニュアル作りに関する指針についても考察する。  2章では遠隔情報保障スタジオの機能と構成について概説する。3章ではスタジオのユーザビリティ評価のために行なった起動実験、およびアンケート調査について述べ、4章で結果を示す。5章ではスタジオの起動率の向上や作業コストの低減のための方策について考察する。最後に6章で本稿をまとめ、今後の課題を示す。 2.遠隔情報保障スタジオの機能と構成  ここでは、遠隔情報保障スタジオの持つ基本的な機能と、評価対象としたスタジオの構成を示し、スタジオの起動に必要な作業の種類、作業数を示す。 2.1 機能 遠隔手話通訳:支援先(現地)にいる講師の音声を、テレビ会議システム(SONY社、PCS-XG80)によってスタジオに伝送し、手話通訳者が音声言語をリアルタイム通訳する。また、質疑応答の際など、現地にいる聴覚障害者の手話をスタジオから読み取り通訳する。手話通訳補助 [ 2][4]:手話通訳映像にスライド、パワーポイントなどを合成し、手書き入力によって情報を付加したり、専門用語などのキーワードを手話表現の代替手段として画面合成し、合成手話通訳映像として学生に提示する。 PC要約筆記:支援先(現地)にいる講師の音声を、全文、または要約した日本語文章にタイプ入力し、インターネットを通して伝送する。なお、文字の入力、表示にはPC要約筆記用のソフトウェアIPtalk[6]を使用しており、伝送にはUDP connector[7]を使用している。 技術支援:スタジオの起動や調整、ネットワーク接続の確認、映像、音声通信の確立などの技術的な支援を行なう。 情報保障者への情報提示[8][9]:支援先から送信されてくる学生、講師の映像、講師の使用している PCの画面、合成手話通訳映像、学生が観ている情報保障画面、IPtalkの画面などを情報保障者に提示している。 バックアップ:ネットワークなどの異常によりビデオ会議システムが機能しない場合は、データ通信カードFOMA A2502 HIGH-SPEED [10](株式会社NTTドコモ)と映像伝送ソフトウェアSmart-Telecaster Ⅱ(株式会社ソリトンシステムズ)を用いて合成手話通訳映像のみを伝送できるようになっている。 記録:現在は合成手話通訳映像のみを記録しているが、機器の追加で PC要約筆記の字幕や、情報保障者への提示情報も記録することができる。 2.2 構成  図1にスタジオの概要図を示す。スタジオは手話通訳、手話通訳補助、PC要約筆記、ラック、技術支援、バックアップの6つのセクションにわかれている。セクションごとに、スタジオ起動に必要な作業の数を示す1。 2.3 起動に必要な作業  スタジオの起動には機器に対して電源の投入や設定など何らかの操作(作業)をする必要がある。映像・音声機器だけではなく、PCも構成要素となっていることから、一般的なPC操作の作業も発生している。スタジオを構成する機器の数が多ければ多いほど、必要な作業数も増加する傾向にある。  前述の機能をすべて有効にする(スタジオを起動する)ためには、最低でも73の作業が必要である(表1参照)。スタジオ起動後、実際に情報保障を行なう場面では、映像や音声などを現地とやり取りをしながら調整する必要がある。また、情報保障者、および被情報保障者の要望に応じて、映像の提示方法を変更したり、音声の切り替えを行なう際には追加の作業がそれぞれ発生する。 注1ここに示した作業数は機能を正常に動作させるための作業数ではなく、その個所で必要な作業の総数である。 図1 スタジオの概要図(矢印は動線) 表1 起動に必要な作業の分類 3.ユーザビリティ評価実験  ここでは、 5人の評価者(A、B、C、D、E)を対象として行ったスタジオのユーザビリティ評価実験(起動実験、アンケート調査)について述べる。評価者はすべてスタジオ内で手話通訳や手話通訳補助(A、B)、技術支援(C、D、E)の業務を行なっている。なお、技術支援を担当しているものは過去にスタジオの起動を経験している2。 3.1 スタジオ起動実験  評価者には、スタジオが完全に起動した状態の機器の写真を提示し、その状態を目標として起動作業を行なうことを教示した。また、評価者には以下の 8つの状態を確認することを目標として起動作業を行なってもらった。 □手話通訳者の前のモニタの右下に手話通訳映像、右上に講師資料映像、左側にテレビ会議システム(実際は現地)の映像が表示されている。 □PC要約筆記者の前のモニタの右上に合成手話通訳映像、左上にテレビ会議システムの映像、右下に学生 PC画面、中央下に字幕、左下に講師資料映像が表示されている。 □キーワードの送信、受信が正しく行なわれている。 □手書き支援 PCで手書き入力が可能となっている。 □PC要約筆記の入力、送信、表示がされている。 □バックアップ用PCに手話通訳映像が入力されている。 □裏方システムでチャットができるようになっている。 □マイク、およびテレビ会議システムのリモコンによる音声テストを行ない、各部の音声インジケータが動いていることを確認する。  全く知識のない人にも起動作業が少しでもできるように、スタジオ内で使用する機器のうち操作が必要なものには、電源スイッチ付近に白いテープでマーキングをした。また、スタジオ内にある資料は自由に参照してよいこととした。  評価者には、思考発話法[11]によって、何を操作しているか、これから何をしようとしているかを声に出してもらった。思考発話はワイヤレスマイクで、評価者がどこで作業を行なっているかはスタジオの 4か所に配置したカメラで撮影し、記録した。  起動の開始から約1時間が経過し、起動作業が進まなくなったら実験終了とした。また、思考発話や作業が停止しているときは、実験者から「何を実現しようとしていますか?」「今、何を考えていますか?」などの働きかけをした。なお、機器の操作に不慣れな評価者A、Bに対しては起動状況の把握に必要な映像スイッチャの使用法、および映像ミキサの電源の位置を実験中に教示している3。 注2スタジオは機能の追加などにより、構成機器が調整・更新されることがあるため、一概に今回評価対象としたスタジオの起動経験が十分であるとはいえない。 3.2 アンケート調査  起動実験終了後、評価者のプロファイルや起動に関するアンケート調査を行なった。質問項目は(1)スタジオの起動経験、(2)スタジオでの役割、(3)起動の難しさ、(4)特に難しい部分、(5)練習をすれば一人で起動できるか、(6)自由記述である。なお、(1)~(5)は多肢選択式、(2)と(4)は複数回答可能である。 4.結果  ここでは、スタジオ起動実験の結果とともにアンケート調査の結果を示す。なお、スタジオを正常に起動できたのは5人の評価者のうち一人だけであった。 4.1 スタジオ起動実験の結果  スタジオ起動実験から、起動時間、作業達成率、機能実現の度合い、思考発話の4つのデータを得た。 4.1.1 起動時間  評価者Dのみが実験タスクを完了し、その他の評価者はすべてのタスクを遂行することはできなかった。各評価者の起動時間は、A:1:03:20、B:1:16:40、C:1:06:10、D:0:30:05、E:1:05:20であった(時:分:秒)。 4.1.2 作業の達成率  各評価者の作業の達成率を表2に示す。  表2より、Powはマーキングの効果によりほとんど達成されているが、その他の作業は達成率に個人差が大きいことがわかる。このことから、Powの作業コストは小さく、SAやPS、SS、Adjの作業コストは比較的大きいといえる。 4.1.3 機能の実現  各評価者の機能の実現の度合いを表3に示す。表3から、PC要約筆記機能はすべての評価者が実現できているが、バックアップ機能はほとんどの評定者が実現できていないことがわかる。 4.1.4 思考発話のまとめ  発話がなされた場所の割合を表4に示す。思考発話の割合は、図1で示した各ゾーンでの作業数の割合と同様の傾向を示している。また、機器が多数収納されているラックゾーン、技術支援ゾーンでの発話が多かったのに比べて、手話通訳ゾーン、要約筆記ゾーンでは比較的発話が少ないことがわかる。  思考発話において特徴的だった発言を以下に示す。 B:「次は、え~と、次は、そうですね、とりあえず近くにある白いものから押していきたいと思います。」→白いテープでマーキングしてあることが機器操作の手がかりとなっていることがわかる。 A:「ていうか、どのモニタが何を映し出すのかわからないままつけています」→普段スタジオを使用していても、情報保障者は自分の担当場所以外のモニタを詳しくは観ていないことがわかる。 B:「パナソニックのこれはなんだろう、パターンセレクト、なんのパターンだろう」→この機器は実際には使用されていないが、操作すべき対象として注目が行っている。一方、D:「要約筆記のこれは使ってないんじゃないかな」と推察できている評価者もいる。 E:「これでスタジオブース(手話通訳ゾーン)に行ってみると、まだ何にも出てないですね」→映像スイッチャの電源投入はできているがプリセットリコールができていない状態である。 A:「今ですね、UDP connectorのいるところを探したいんです」→ PC上で動くソフトウェア(UDP connector)の操作画面を表示したいが、モニタの切り替えができていない状態である。これは、映像スイッチャの使い方がわからず、技術支援ゾーンにあるモニタにPCの画面を表示することができないことを示している。 D:「そうかそうかそうか、同じPCなんですね、これはね。同じPCなんだ」→明示されてはいないが、1つのPCで2つのソフトウェアを同時に動作させることもある。 A:「なんかこの辺をいじってたのはわかるけど、それ以外はわからないですよ」→技術支援を普段から担当していない人には詳しい操作がわからないという問題がある。 D:「まずパソコンを、時間がかかるので全部入れて」のように、起動に慣れている人は起動時間を短縮するためのノウハウを持っている。 4.2 アンケート調査の結果  起動の難しさに関する質問では、“とても難しかった”が4名、“少し難しかった”が 1名であった。  スタジオの起動で特に難しいと感じた部分としては、“バックアップ”が3名、“キーワードの送受信”が2名、“手話通訳者への情報提示”、“要約筆記者への情報提示”、“手書き支援”、“音声の入力確認”がそれぞれ1名、“その他”が3名だった。  練習をすれば一人でスタジオの起動ができるか、という質問に対しては“絶対出来る”が1名、“多分できる”が3名、“一部ならできる”が1名だった。  最後に、アンケートの自由記述欄に書かれた評価者のコメントをいくつかあげる。 ・(自分が担当している)手話通訳者の周りのことぐらいは整えられるようになるといいと思う。 ・皆が機械の調整を得意としているわけではないので、皆がスタジオの起動をできるようになるということには疑問がある。 ・何から手をつけたらいいのかわからなかった。 ・手話通訳補助を担当しているが、普段は起動された状態で始めていたので、接続の方法が全くわからなかった。 ・PC要約筆記用のソフトの設定が、どの状態が正しいのか判断がつかず、戸惑った。 ・マーキングがわかりやすかった。起動の手順(番号)も書いてあると良いと思う。 ・目標画面の資料が足りない(スイッチャの接続状況など)。 注3これらの機器が稼働していないと、様々な状況のモニタができないため、起動作業が完全にストップしてしまう恐れがある。 5.考察 5.1 ユーザビリティ評価の総括  スタジオを完全に起動できた評価者が一人だけだったのは、スタジオの起動の難しさを顕著に表わしている。  表2、3に示したように、スタジオ起動経験のない評価者A、Bの場合は、十分に作業を達成できず、機能の実現もできていない。しかしながら、作業数の約半分のPowはほぼ達成できており、その他の作業の負荷が機能の実現のバリアとなっていると考えられる。一方、スタジオ起動経験があるC、D、Eの場合はPSのすべてを達成できており、電源投入とともに必要な作業を理解していることがわかる。このことから、知識を持たない人にとっては電源投入に付随した作業に対する抵抗が大きいと考えられる。  手話通訳補助と技術支援はPCベースのシステムで構成されているため、作業数が多く発言数も多いが、その他のゾーンよりも操作に抵抗が少ないと考えられる。  表4の思考発話の割合から、評価者はラック内の機器の操作に戸惑っていたり、技術支援ゾーンでのPCの調整に時間がかかっていると考えられる。  キーワードの送受信が難しいとされる理由としては、2つのソフトウェアの起動の順序を知らないと、正しくキーワードが表示されない問題があることがあげられる。  バックアップ機能を実現できなかった理由としては、映像送信用PCに合成手話通訳映像を入力できなかったことがあげられる。手順としては周辺の記録用DVデッキの電源を切った状態で映像入力の線を刺し直す必要があったが、その手順を知らない人がほとんどだった。  これらの起動順序の問題は、通常意識しなくてすむものであるが、ソフトウェア・ハードウェアの仕様などによって起こるものである。 5.2スタジオ起動率向上に関する方策  今回、スタジオ起動実験において明示的なマニュアルはなかったが、ほとんどの評価者がPowを達成できており、使用する機器さえわかれば(マーキングがしてあれば)、少しでも起動作業を進められることがわかった。  あらかじめ設定しておけばPowのみで目標状態になる機器が理想的であるが、現状は作業コストの大きいPSやAdjが必要となっており、このことが正常なスタジオ起動を阻害している。また、PC上で動くソフトウェアに関してもSAやSSを自動化する必要もある。すなわち、今後のスタジオの機器調整では、PS、Adj、SA、SSを減らすことが必要であると考えられる。機器やソフトウェアの特性により作業を減らすことができない場合には、これらの作業に関する教示を中心に行なうことで、スタジオ起動率が向上すると考えられる。  起動作業が滞った時にスタジオの配線図を参照した評価者(E)もいたが、それでも完全な起動には至らなかったことから、技術的な知識よりも手順に関する知識の方がスタジオの起動・調整には重要であると考えられる。また、簡易的なマニュアルを参照しても起動の手助けとならなかったことから、スタジオの機器自体に操作の手がかりとなる情報があるほうが効果的であるといえる。  スタジオを起動する手順は経験的に身につけられていることが多い。例えば、PCの電源を先に入れ、起動中に他の作業を行なうなど、機器の操作の手順によって起動の時間を短縮するノウハウも存在する。しかしながら、特別な知識を持たない情報保障者にそこまで要求するのは適切ではなく、あくまでマニュアルに沿った起動をしてもらったほうが確実であると考える。幅広いユーザを対象とした対応については、電源投入個所以外へのマーキングの活用や、わかりやすいマニュアルの作成、機器の設定状況の図など提示が有効であると考えられる。 6.あとがき  本稿では、遠隔情報保障スタジオのユーザビリティ評価として行なったスタジオ起動実験について述べた。現在のスタジオの構成では全く知識を持たない人がスタジオを起動することは困難であり、ある程度知識を持った人でも一時間以上の起動作業を必要とすることがわかった。また、スタジオの物理的な配置とともに、電源投入といった達成しやすい作業だけで起動できるように機器の選定を行なう必要があることがわかった。  聴覚障害者情報提供施設や、地域の聴覚障害者情報センターなど、映像・音声機器の扱いに慣れてない人が遠隔情報保障スタジオを運用していく場合、使いやすいシステムとともに運用可能な人材の育成も必要であると考える。本研究で得られた知見は、少しの教示でもスタジオの起動率を向上する可能性を示しており、遠隔情報保障システムの一般への普及に寄与するものであると考える。  今後は、誰もがスタジオを起動できるようにするためのマニュアルの作成、およびマーキングを行ない、起動のしやすさの向上を目指す予定である。  なお、実際の支援場面では、現地との調整も存在する。スタジオ側のニーズを現地に素早く伝え、それに素早く対応できる環境も必要である。また、手話通訳とPC要約筆記の両方を用いた情報保障だけでなく、手話通訳のみ、PC要約筆記のみの機能を動作させるためのマニュアルも必要になると考える。さらに、支援にかかわれる人的資源と物的資源に応じた遠隔情報保障スタジオの構築や縮小セットのスタジオの構築も今後の課題である。 参考文献 [1]河野・加藤・村上他:講義資料とキーワードを画面合成した遠隔手話通訳システムにおける聴覚障害学生への提示方法,ヒューマンインタフェース学会研究報告集,Vol.9,No.1:29-32,2007. [2]加藤・河野・若月他:講義の情報保障におけるキーワード提示タイミングに関する基礎的検討,信学技報, Vol.108,No.170,WIT2008-28:51-56,2008. [3]加藤・河野・西岡他:遠隔情報保障における手話通訳者へのキーワード提示の基礎的検討,信学技報,Vol.106,No.408,WIT2006-56:35-40,2006. [4]加藤・河野・村上他:講義資料とキーワードを画面合成した遠隔手話通訳システム-通訳スタジオにおける検討-,ヒューマンインタフェース学会研究報告集,Vol.9,No.1:23-28,2007. [5]塩野目,河野,黒木他:遠隔情報保障システムの運用コストに関する一考察,筑波技術大学テクノレポート,Vol.16,http://hdl.handle.net/10460/680:1-5,2009. [6]IPtalk:http://iptalk.hp.infoseek.co.jp/,Retrieved July 21,2008. [7]聴覚障害者のための遠隔支援用ソフトウェアUDP connector:http://www.tsukuba-tech.ac.jp/soumu/news/200810/,Retrieved Sept. 14,2009. [8]三好・河野・西岡他:遠隔地リアルタイム字幕提示システムにおける字幕作成者に対する補助情報提示について,信学技報,Vol.105,No.66,WIT2005-7:35-38,2005. [9]加藤・河野・内藤他:会話場面での遠隔手話通訳システムにおける視覚情報に関する評価,ヒューマンインタフェース学会誌,Vol.7,No.3:369-377,2005. [10]FOMA A2502 HIGH-SPEED:NTT ドコモ,http://www.nttdocomo.co.jp/product/relate/a2502/index.html,Retrieved Sept. 16,2008. [11]樽本:ユーザビリティエンジニアリング ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック,オーム社,2008. A Study on Usability Testing of Remote Interpretation Systems SHIONOME Takeaki1), KAWANO Sumihiro1), KATO Nobuko1), NISHIOKA Tomoyuki1), HASUIKE Michiko2), ISHINO Maiko2), MURAKAMI Hiroshi1), WAKATSUKI Daisuke1), MINAGAWA Hiroki1), KUROKI Hayato1), MIYOSHI Shigeki2), SHIRASAWA Mayumi2), ISHIHARA Yasushi2), NAITO Ichiro1) 1) Faculty of Industrial Technology, National University Corporation Tsukuba University of Technology 2) Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, National University Corporation Tsukuba University of Technology Abstract: Upgradation of the remote interpretation systems has resulted in an improvement in their performance. However, a highly qualified workforce is required for operating these systems. The systems must be user-friendly and simple so that their applicability is increased. It is imperative that the usability of the system be improved and the human resource required for operating the system be highly qualified. In this study, we investigate the usability of the remote interpretation studio for reducing operational costs. The results of usability testing show that a discrepancy exists between the success rate of a startup task and its functional capability. Moreover, it is important to improve the usability of the system and ensure that it is operated by a highly-qualified workforce. Key words: Remote interpreting, usability testing, operational costs, working costs