医療マッサージによるアジア視覚障害者の職業自立に向けた国際協力-モンゴルとタイにおけるセミナー開催報告- 筑波技術大学 ,保健科学部保健学科1),障害者高等教育研究支援センター2) 楠山 寛子1) 形井 秀一1) 緒方 昭広1) 藤井 亮輔1) 長岡 英司2) 加藤 宏2) 小野瀬 正美2) 要旨:筑波技術大学AMIN推進委員会が主催し、2009年3月31日より、モンゴルにて視覚障害者に対する医療マッサージセミナーを、同年8月にはタイで、同様にセミナーを開催した。開催に至る経緯として、アジアの視覚障害者にとってマッサージの実情と重要性を示し、日本が行っている対アジア視覚障害者の職業自立に関する国際協力の概要とその中で筑波技術大学AMINの役割、活動方針、モンゴルとタイの現状を紹介した上で、セミナー内容と成果について報告する。 キーワード:マッサージ、視覚障害者、職業訓練、職業自立、国際協力 1.はじめに  筑波技術大学では、保健科学部鍼灸学専攻および障害者高等教育研究支援センターの教職員を中心として、2006年度より、「アジア太平洋地域における医療マッサージ指導者育成のためのネットワークづくり(Asia Medical Massage Instructors Network)」(通称AMIN)という活動を行っている。本レポートでは、2009年4月にモンゴルで、8月にタイでそれぞれ行われた視覚障害者のための医療マッサージセミナーについて、これまでの経緯や背景も含めて報告する。 2.視覚障害者の職業支援  2007年に開催された第2回AMIN総会には、アジアからバングラデシュ、カンボジア、インドネシア、韓国、ラオス、マレーシア、モンゴル、フィリピン、台湾、タイ、ベトナム、日本の12カ国からの参加があった。参加国を対象に、筑波技術大学AMIN推進委員会が行ったアンケート調査によると、収入のある仕事に就いている視覚障害者は半分以下、もしくはほとんどいないと答えた国が7カ国(無回答2カ国)、また、一般的な視覚障害者が従事している仕事の種類として、マッサージを1位に挙げた国が9カ国(無回答1)という結果であった。この結果からも、アジアの視覚障害者の職業事情が厳しい現状にある中、マッサージが彼らにとって重要な職域であり、適切な教育を行うことで、社会参加する重要な手段となりうることが分かる。  1981年に定められた「国際障害者年」を機に、障害者支援が国際社会でも議論されるようになり、国際協力の分野でも重要視されるようになった。日本は、江戸時代より視覚障害者の職業として鍼灸マッサージの歴史があることから、途上国の視覚障害者に対する職業支援の一つとして、マッサージ分野で貢献出来ることは多い。これまで日本が行ってきたマッサージによるアジアの視覚障害者に対する職業支援は、主に国際協力機構(JICA)や国際視覚障害者援護協会(IAVI)が中心となって実施されている。JICAで行っている青年海外協力隊やシニアボランティアなどの海外協力隊派遣事業で鍼灸マッサージ師の派遣者数は、晴眼者対象のものも含めると2008年12月現在で、インドネシア22名、ウズベキスタン3名、キルギス2名、タイ1名、ネパール2名、バングラデシュ3名、マレーシア2名で[1]、そのうち視覚障害者に対する活動を行っている国はインドネシア、キルギス、タイ、バングラデシュ、マレーシアの5カ国である。また、2003年より5カ年計画で「視覚障害者自立支援のためのマッサージ指導者育成研修」(通称沖縄プロジェクト)が実施され、27名の研修生が、マッサージの知識や技術だけでなく、日本の視覚障害者マッサージに関する制度やそれを取り巻く環境について講習を受けた。IAVIは、教育環境に恵まれない国々の若い視覚障害者が、日本で教育を受けることで、各国の視覚障害者リーダーとなりうる人材の育成を目的として、1981年に「ICB奨学制度」(現IAVI奨学制度)を創設、翌1982年よりほぼ毎年留学生を受け入れている[10]。2007年現在でアジアからは、バングラデシュ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ネパール、シンガポール、タイ、ベトナム、韓国、中国、台湾より招聘し[10]、国内の盲学校などで学ぶためのサポートを行っている。その他、盲学校やNGO団体がそれぞれで支援活動を行っている。 3.AMINの役割  沖縄プロジェクトやIAVIを通じて、今後各国の視覚障害者リーダーとしての役割を担うべく、日本で按摩・マッサージを学び帰国した研修員たちも、それぞれの国の事情により課題を抱えている。教育環境に関するものとしては、教育する場所、カリキュラム、教科書や教材、指導方法や指導者不足など、その他、社会的理解不足による就業先不足、制度的に開業することができない、晴眼者との賃金格差など多くの課題に直面しており、大きく状況を変化させるに至っていない。もともと、AMINは、これらの日本から帰国した人材に対して、カリキュラムや教材作成支援、指導技術の向上などのフォローアップや、それぞれの国同士が自主的に情報交換をし、自国に取り入れることの出来る情報などを共有できるネットワークを作ることが目的で事業を開始した。2006年度には、WBUAPマッサージセミナー参加支援、カンボジアおよびラオスでの短期講習会、2007年度にはアジア12カ国が集まるAMIN総会を開催、ベトナム、カンボジア、ラオス、モンゴルでの短期講習会などを行い、また、「アジア視覚障害者のための医療按摩標準テキスト」を作成するなどの活動を行った。2008年度からは、各国の情報収集は出来るだけ行いつつ、支援対象とする国を絞り込むこととし、モンゴルと、AMINの資金援助者である日本財団からの強い要請のあったタイの2カ国を以後3年間の支援対象国とし、その他の国に関しては、可能な範囲で部分的に支援を行うこととした。  この2国の詳しい現状については後述するが、マッサージに関する制度もなく、市場の開拓もこれからという状態のモンゴルと、マッサージの国家資格が既にあり、晴眼者の教育をいかに視覚障害者にも対応させていくかということが課題のタイという、状況の異なる2国を支援する経験は、今後他の国への支援を行う際に活きるものと考えている。 4.モンゴルの視覚障害者を取り巻く現状 1)視覚障害者の就業状況  アジア太平洋障害者センター(APCD)によれば、モンゴルの人口は約270万人、そのうち視覚障害者は約10,100人 [2](モンゴル盲人協会のデータでは約8,000人)である。また、モンゴル盲人協会によると、職業に就いている視覚障害者は130名ほどで、国営の盲人工場で70名、音楽等芸能活動で20名、盲学校や視覚障害者職業訓練センターの教員で10名、マッサージ技術者として30名働いていることが分かっている。しかし、その他の就業年齢者の9割が、政府からの社会福祉手当である月額42,500Tug(約3,000円程度)で暮らしており、公務員の月収平均が約300ドル(約27,000円程度)であることを考えると、生活は厳しいという。 2)医療マッサージ教育  モンゴルには、モンゴル伝統医療医師を養成する大学が3つあり、国立伝統医療大学では、西洋医学分野35%、東洋医学分野65%のカリキュラムを採用している。伝統医師は、漢方、鍼、マッサージ、運動療法などを使い治療を行っているというが、2008年9月に、国立伝統医療大学付属病院および、国立第一病院の臨床現場を視察した際には、実際のマッサージ施術は、看護師が医師の指導の下施術しているようであった。[4]特にマッサージに特化した資格制度はなく、国立伝統医療大学で6カ月間の講習が実施されており、主に就業している看護師などが研修を受けている。視覚障害者が伝統医師や看護師の学校に通うことは、まだ実現していない。  一方、モンゴル盲人協会は、2005年より視覚障害者職業訓練センターで、6カ月間のマッサージ講習を行っている。指導者は、IAVIを通じて日本の盲学校に留学し、国家資格を取得した者が1名、沖縄プロジェクトの終了者が2名、計3名で訓練センターや地方へ出向き短期講習会などを行ってきた。2008年10月に3名の指導者のうちの1名が、IAVIを通じて来日し、4月から盲学校で学んでいるため、それ以降は指導者2名体制となっている。訓練コースを終えたマッサージ師は、盲人協会の運営するマッサージ店「ベストマッサージ」(現在4店舗)で働く者が多く、57名の講習終了者(2008年現在)のうち30名がこのマッサージ店で働いている。また、2008年11月からは、台湾政府の援助により既に6カ月コースを終えた20名(そのうち15名がウランバートル市以外の地方からの参加)に対し、さらに上級コースの6カ月コース(トータル1年コース)を始めており、今後指導者としてそれぞれの地方で指導を行うことが期待されている。 3)盲人協会の今後の展望  盲人協会は、看護師や理学療法士など他の医療従事者と同レベルの3年間のカリキュラムでマッサージ教育を行い、社会的にも「医療従事者」として認められる教育環境を整備すること、それを国家資格とすることを希望している。そうすることにより、視覚障害者の就労先として、医療施設などに可能性を広げ、視覚障害者の社会的地位の向上を目指している。盲人協会としては、そのためには、施設、カリキュラム、教科書や教材整備、指導者が必要で、制度の整備や、運営費面で政府関係者の理解が必須である。また、指導者としては、モンゴル伝統医師らの協力、教育後の就業先確保のためには、病院関係者の理解もかかせない。 5.医療マッサージセミナー開催(モンゴル)  そこで、AMINの活動の一環として、政府関係者、医療関係者、伝統医療教育関係者を招き、下記の目的でセミナーを開催した。 ①日本のマッサージ制度および視覚障害者による医療マッサージに対する理解促進(モンゴル側) ②モンゴルの医療制度の現状および伝統医療について理解(日本側) ③日本・モンゴル関係者の共通理解の下、制度化の可能性を探る 1)セミナー概要 日時:2009年3月31日~4月1日 場所:モンゴル日本センター(ウランバートル市) 参加者数:約120名(モンゴル政府、病院、伝統医療教育、視覚障害関連団体より) ○オープニングセレモニー  来賓としてモンゴル社会福祉労働大臣をはじめ、保健省、文部科学省、社会福祉労働省とスポンサーである日本財団から、それぞれスピーチがなされた。 ○講演内容および講演者 ①「モンゴル視覚障害者の現状と盲人協会の今後の目標」 モンゴル盲人協会会長 バヤスガラン・マイダー氏 ②「なぜ今モンゴルにマッサージの新たな教育システムが必要か」 モンゴル伝統医師 シャラフ・ボールド氏 ③「日本の視覚障害者の現状」 筑波技術大学 教授 加藤宏氏 ④「日本の手技療法教育と就業状況①」 筑波技術大学 准教授 藤井亮輔氏 ⑤日本式按摩実演 岡山県立盲学校 教諭 竹内昌彦氏 ⑥日本式按摩体験 視覚障害者職業訓練センター ガンゾリグ氏他 ⑦「AMINの紹介とアジアの視覚障害者の現状」 筑波技術大学 教授 形井秀一氏 ⑧「日本の手技療法教育と就業状況②」 筑波技術大学 准教授 藤井亮輔氏 ⑨「IT技術による視覚障害者教育のサポート」 筑波技術大学 技術職員 小野瀬正美氏 ⑩「モンゴル伝統医療」 モンゴル伝統医師 シャラフ・ボールド氏 ⑪「身体障害者向けの措置および目標」 社会福祉労働省対策調整局副局長 Otgonkhundaga氏 ○クロージングセレモニー  オープニングセレモニーと同様、政府関係者や、ウランバートル市内にある病院長、日本財団からそれぞれ今回のセミナーについての感想が述べられ、視覚障害者マッサージについての理解を示した。 2)セミナーの成果  セミナーでは、参加者それぞれが、視覚障害者が行うマッサージについて、一定の理解を示した。何よりも、それぞれの立場において、視覚障害者の職業自立や医療マッサージについて考えるきっかけになったようである。また、当日はモンゴルメディアの取材も合計8社よりあり、テレビなどで放送されたことから、2日目にはテレビを見た伝統医療大学の学生などの飛び入り参加や、急遽セミナー翌日に伝統医療大学で、全盲である竹内氏が、マッサージ講習会を行うことになるなど、想定していた以上の市民に視覚障害者のマッサージを紹介することが出来た。 6.タイ国視覚障害者とマッサージ制度の現状  APCDによると、タイの人口は約6400万人である。視覚障害者は約123,000人で、そのうちマッサージを業としているのは約4000人いるという(藤井,2007年BMIN会議にて報告)。2006年の憲法改正および2007年の医療法改正により、障害者に対する差別条項が撤廃されたことにより、視覚障害者も医療マッサージの国家試験を受験することが出来るようになった。しかし、実際に視覚障害者に対して医療マッサージを教育する環境、たとえば、カリキュラム内容や教科書、教材、教員の教育環境などはまだまだ整備されておらず、国家試験の実施方法についても、政府関係機関内で未だ検討中である。また、制度的な障害は撤廃されたとしても、「視覚障害者が医療の一翼を担う」ということに関し、社会の理解と信頼は得られていないのが現状である。 7.視覚障害者のための医療マッサージ教育セミナー開催(タイ)  そこで、モンゴルと同様に、タイでも以下の目的で3日間程度のセミナーを行うこととなった。 ①政府関係者および医療関係者に対し、「視覚障害者も医療マッサージを行うことが出来る」という理解を促す。 ②視覚障害者に医療知識を教育する際に有用な教材、指導方法、国家試験制度について、日本の事例を紹介する。 1)セミナー概要 日時:2009年8月18日~20日 場所:センチュリーパークホテル(バンコク) 参加者数:のべ約100名(タイ政府、病院、タイマッサージ指導者、視覚障害関連団体より) ○オープニングセレモニースピーチ タイ盲人連合、日本財団、AMIN、およびタイ保健省 ○講演内容および講演者 ①「視覚に頼らない診察法」三重県立盲学校 教諭 喜多嶋毅氏 ②「日本における視覚障害者の現状と就労関係」 筑波技術大学 教授 緒方昭広氏 ③「国家試験について」 三重県立盲学校 教諭 喜多嶋毅氏 ④「あはき師の教育と教員養成」 筑波技術大学 教授 緒方昭広氏 ⑤「視覚障害者に対する医療教育に役立つツールの紹介」 茨城県立盲学校 教諭 武藤実樹氏 ⑥「模擬授業-解剖学-」 福岡県立福岡高等盲学校 教諭 緒方伸彦氏 ⑦「模擬授業-生理学-」 茨城県立盲学校 教諭 武藤実樹氏 ⑧「タイの盲人マッサージ師の可能性と地位向上」 National Health Security Office理事 Dr. Wichai Chokewiwat ⑨「盲人マッサージ師の医療者登録に対する方針」 Medical Registration Division, Health Support  Department, Ministry of Public Health Mr. Pattere Chaengsiricharoen ⑩「パネルディスカッション-盲人に対する医療マッサージ教育について-」 座長:タイ盲人連合 会長 Mr. Pecharat Techavachara ○クロージングセレモニー スピーチ タイ保健省および日本側講師 2)成果  今回のセミナーは、主に政府関係者や病院関係者、晴眼のタイマッサージ指導者に対して理解促進を促す目的で計画されが、視覚障害者も多数参加した。セミナー開始前、休憩時間やセミナー終了後など、時間を見つけては日本側講師に技術についての指導を希望する視覚障害者マッサージ師が多く見受けられ、彼ら自身の中でも、「医療マッサージ」というものに対する興味と、意欲を刺激するセミナーとなったようである。このセミナーを受け、2009年12月現在、タイ保健省およびタイ盲人連合から、日本での指導者育成講習やスタディツアーの計画が日本財団を通じて申請されている。盲人団体だけでなく、政府側からも積極的に、視覚障害者に対応する制度や指導者の育成を進めていることは、心強い限りである。タイでも視覚障害者が医療マッサージ国家資格を取得する日は近い。 8.おわりに  2008年より重点支援国として、モンゴルとタイに対する支援を行っている。両国とも、アプローチとしては、視察をし、視覚障害者や医療マッサージを取り巻く現状を把握した上で、必要な支援と、可能な支援の調整を行い、セミナーを開催した。AMIN推進委員会は筑波技術大学の教職員7名(うち事務局1名)で構成・運営されているため、長期滞在することは難しく、人的資源も限られているため、このようにイベントの開催を中心に支援活動を行わざるを得ない。人的資源という点では、2007年に盲学校の教員を中心として「BMIN(Bank of AMIN)」というネットワークを作り、今回のような海外講習会での講師などを依頼している。しかし、より効果的な支援を行うため、日本で学び各国に帰国した留学生たちだけでなく、JICAの海外協力隊員や、IAVIなど、国内外で「視覚障害者の職業自立」を志して活動する人々との、協力関係が重要であり、互いに補い合いながら支援を実施していく必要がある。  今回2か所で行ったセミナーでは、内容についてのフィードバックを、現地のカウンターパートだけでなく広く参加者からもらうことで、今後のフォローアップや、次回のセミナーなどに活かすという作業にもう少し力点を置くべきであったと反省しており、今後の活動に反映させたいと考えている。 参考文献 [1] 国際協力機構:課題別指針 障害者支援(62-67),2009 [2] アジア太平洋障害者センター(APCD) ホームページ:Country Profile [3] AMIN推進委員会:2008年4月第1回モンゴル講習会報告書,2008. [4] AMIN推進委員会:2008年9月AMINモンゴル視察報告書,2008. [5] AMIN推進委員会:2009年1月AMINモンゴル視察報告書,2009. [6] AMIN推進委員会:2009年4月モンゴルセミナー報告集,2009. [7] AMIN推進委員会:2008年9月タイ視察報告書,2008. [8] AMIN推進委員会:2009年3月タイ視察報告書,2009. [9] AMIN推進委員会:2009年8月タイセミナー報告集,2009. ※[3]~[9]AMINホームページ:AMIN報告書参照 http://www.e-amin.org/information.html [10] 国際視覚障害者援護協会 ホームページ:IAVI事業概要, International Cooperation by Promoting Therapeutic Massage for the Visually Impaired in Asia: A Report on the Seminar Conducted in Mongolia and Thailand KUSUYAMA Hiroko1), KATAI Shuichi1), OGATA Akihiro1), FUJII Ryosuke1), NAGAOKA Hideji2), KATOH Hiroshi2), ONOSE Masami2) 1) Department of Health, Faculty of Health Science2) Research Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired Abstract: The AMIN Promotion Committee of Tsukuba University of Technology organizes projects that aim for the vocational independence of the visually impaired in Asia by promoting therapeutic massages. This report introduces the therapeutic massage seminars held in Mongolia (March 2009) and Thailand (August 2009); it also describes the current situation of the visually impaired in Mongolia and Thailand and gives general information about the initiatives taken by Japan to promote massages by the visually impaired in Asia for international cooperation. Keywords: Massage, Visually impaired, Vocational training, Vocationally Independent, International cooperation