第6回アメリカ合衆国理学療法学研修報告 筑波技術大学 保健科学部保健学科 理学療法学専攻 薄葉 眞理子 要旨:国際交流委員会活動としてアメリカ合衆国アイオワ大学にて一週間理学療法学の研修に卒業生と在学生の2名が参加した。理学療法の海外研修は6回目であり、卒業生合同の参加は3回目である。研修内容は理学療法授業の参加、大学院生の研究活動の見学、病院や開業医院での臨床見学であった。研修を通して、最先端医療に触れ、海外の理学療法士や学生達と活発な意見交換を行った。 キーワード:理学療法,研修,文化多様性 1.はじめに  米国における理学療法研修は、2010年と2011年を除き、2005年より毎年実施している。2回研修を行わなかった理由は、学生研修の代わりにアイオワ大学理学療法学・リハビリテーション科学学科長シールズ教授を招聘したためと、東日本大震災により延期となったためである。2年振りに再開された第6回米国理学療法学研修について報告する。  卒業生にも学べる点が多い研修内容であることと、進行性の眼疾患を呈する場合、視力が少しでも残っているうちに海外研修に参加したいという意見や、経済的理由から学生の間は参加できないため就職してからでも参加できるようにして欲しい、という意見もあり、第3回研修から在学生と卒業生との合同研修を企画している。今回は在学生1名と卒業生1名が参加した。  学生引率教員は1名(薄葉)であったが、大越 保健科学部長と石塚 理学療法学専攻長が研修の前半まで同行し、研修の様子を視察するとともに、シールズ教授やアイオワ大学国際交流プログラムAssociate Provost and Deanダウニング氏と面会する機会を得た。 2.活動目的  国際交流委員会のプロジェクトとして、アイオワ大学の授業参加・病院訪問・研究見学を通して、理学療法に関する情報交換を行い、アイオワ大学の教職員および学生と交流を深め、見聞を広めることにより、医療人としての将来像を描き、向上心を持って学業に取り組む姿勢を養うことを本研修の目的とした。 3.研修参加者選定  視覚障害系支援課より参加募集を周知し、筑波技術大学国際交流委員会の定める海外研修応募資格の条件を満たす2名を参加者として選定した。  応募資格条件の一部として、応募の動機、研修、交流に期待する作文で、在学生は、①視覚障害があり、ひとりで海外に行くのが困難であるのでこの機会に研修に参加したい、②この研修に参加した先輩から有意義であるとの評判を聞いた、③最先端の研究や個人開業しているアメリカの理学療法に興味がある、④交流を通して自分自身を深めたい、⑤理学療法士になりたいという意欲がより一層湧くことを期待している、と述べている。卒業生は、①仕事上、英語の研究論文作成に関わっており、英語力の強化と、自身の理学療法分野における英語力の段階を知り、目指す目標を肌で感じ取りたい、②研究への興味が強くなり、大学院への進学を希望しており、アイオワ大学を希望先の一つと考えている、③将来的には自身の進路に生かしたい、と述べている。 写真1 St.Luke’s病院(シーダーラピッズ市)Leone氏と左から:石塚 理学療法学専攻長、荻野君、有安君、大越 保健科学部長、Leone氏、薄葉 4.参加者(写真1) 荻野 晋治 君 理学療法学専攻2年 有安 諒平 君 2011年筑波技術大学卒(理学療法学専攻)筑波大学勤務 石塚 理学療法学専攻長 大越 保健科学部長 薄葉 眞理子 引率教員、国際交流委員(理学療法学専攻) 5.研修期間 平成24年3月18日(日)~3月25日(日) 6.事前研修  医学英語や挨拶程度の英会話について2回事前研修を行った。在学生は春休み中であったが帰省せず寄宿舎に残っており、卒業生もつくば市内に勤務(筑波大学)ということもあり、勤務あけの夕方から夜にかけて事前研修を比較的楽に遂行可能であった。 7.出発日から研修開始日まで  参加者2名ともつくば市在住のため、集合場所は問題なく筑波技術大学とした。  成田でのチェックインの際に視覚障害のあることを航空会社のカウンターで伝えておくことで、機内で乗務員からトイレへの誘導や書類記載の介助を申しでてくれるようになった。入国審査では、初めての海外で不慣れなだけでなく、英語力が限られている上、審査官の手による指示が見えないこともあり、引率教員が理由を説明したにもかかわらず介助を断られてしまい、審査にかなりの時間を要する場面があった。 8.宿泊  アイオワ大学キャンパス内にあるアイオワ大学直営のホテル「アイオワハウスホテル」に宿泊した。 9.研修日程および内容 1)3月19日(月)午前 Performance Therapies, 住所3290 Ridgeway Dr.,Coralville(電話319-665-2630)David Williams氏が運営する開業理学療法施設。個室でスタッフ理学療法士Scottが行う評価と治療場面(写真2)を質問しながら40分程見学した後、施設全体の見学を行った(写真3)。ここは治療を目的とする理学療法部門と健康維持・再発予防を目的とするアスレチックジム部門とに大きく分かれている。理学療法部門では急性期~亜急性期、理学療法士との個別指導、症状を改善させる場合、リスク管理を要する場合、高度な技術を要する治療、保険適応の場合に、アスレチックジムでは自主トレーニング、筋力増強訓練、自費参加、アスレチックトレーナーによる指導の場合に利用される。  施設を案内してくれたScottはTitleist Performance Instituteで研修を受けた経験を持ち、専門分野はゴルフのリハビリテーションである。 2)3月19日(月)午後  アイオワ大学に戻り、Neuromuscular Therapeuticsの授業に参加した。各授業は1コマが3時間半。途中10分程の休憩がある。前半はMarcie Becker氏による頭部外傷の理学療法について、後半はLisa Ainsworth氏(後述のSt.Luke’s病院勤務)による脳腫瘍の理学療法について講義を受けた。紙コップやビーチボール等の身近にある材料を用いてバランス・記憶力・認知の治療プログラムを学生がひとつずつ発表する場面があり、学生が積極的に参加しながら想像力を用いて治療プログラムの立案を学んでいる様子が印象的であった。 3)3月20日(火)午前  Musculoskeletal TherapeuticsⅢの授業に参加した(写真4)。前日訪問したPerformance Therapiesを運営するDavid Williams氏による講義と演習であった。午前の授業開始時間は8時である。内容は下腿から足部という局所に関して、始めの15分で解剖学(骨・筋・靭帯・関節)を復習し、その後30分程運動学(関節構造・機能・靭帯による支持)について復習し、次いで30分程触診のデモンストレーションを細部にわたり行った後、二人のグループに分かれて足部触診の演習を行った。 4)3月20日(火)昼  神経内科医の木村 淳 先生(京都大出身、アイオワ大名誉教授、世界神経内科学会理事)と山田 徹 先生(アイオワ大教授)を表敬訪問(写真5)。短時間ではあったが、長年に渡るアイオワ生活や医療人としての豊富な経験談を伺った。 5)4月20日(火)午後  St.Luke’s病院(シーダーラピッズ市)のリハビリテーション診療部門を訪問し、一般病院での亜急性期理学療法、臨床研究、肥満患者専用病室、Continuing Care Hospital、呼吸・循環リハビリテーション室を見学した(写真1)。臨床研究としてバランス測定機器や車椅子クッション型座面圧力分布測定機器(写真6)の紹介があった。研究にも治療にも使える簡便で安価な機器を選定しているとの説明があった。Continuing Care Hospitalとは、入院期間を短期にすることが求められるアメリカの医療制度において、25日以上の入院が必要な症例が入院できる施設である。 6)4月20日(火)夕方  アイオワ大学に戻り、Jennifer Fitzpatrick理学療法士を訪問し、大学病院敷地内にある小児リハビリテーション部門を見学した。ここは以前特殊支援学校であった建物を小児リハビリテーション用として再利用している。発達評価と治療を行っている。評価室の様子をマジックミラー越しに観察するのは日本でも見受けられるが、保護者がヘッドフォン越しに聞けるようになっている部屋もあった。 7)3月21日(水)午前  教員2名の研究室を訪問した。 ①Laura Frey Law教授研究室  この研究室の研究テーマはふたつで、ひとつは関連痛、もうひとつは筋力と疲労の関係である。テーマ毎に別々の実験室が準備されている。関連痛の研究では、性格、疾病、運動、性差と関連痛の関係を調べ、筋力と疲労の研究では、各関節の筋力と疲労の年齢別性差別基礎データをバーチャル人間“Santos”に置き換えた後、工場勤務などの実際の作業場面をシュミレーションし臨床に役立てる研究を行っている。学会出席中のLaw教授に代わり案内はKeith院生が行った。 ②Shields教授研究室(写真7)  Shields教授の研究テーマは電気や振動刺激による筋骨細胞再生と神経筋活動から見た協調運動学習である。訪問した時点で研究室所属の大学院生が4名、研究助手が2名おり、多くの文献が発表され研究活動が活発に行われている様子が伺われた。  大学院生の中には理学療法学出身に限らず、工学出身の学生もいることも興味深かった。 8)3月21日(水)午後  学生間交流  国際交流プログラムのAssociate Provost and DeanであるThomas氏と昼食会の後、大越 保健科学部長、石塚 理学療法学専攻長と薄葉はシールズ教授と会議に入り、参加者はアイオワ大学の学生達とフリーディスカッション形式で交流する機会を得た。 9)3月21日(水)夕方(写真8)  障害学生支援センター(Student Disability Service)訪問Mark Harris部長とソーシャルウォーカーのMarti Slaughter氏に面会し、アイオワ大学での視覚障害学生への支援について伺った。筑波技術大学と異なる点は、現在支援を受けている視覚障害のある学生は12名で、教科書や配布資料は、点訳ではなく、すべてpdfファイルにしているということであった。 10)3月22日(木)午前  Musculoskeletal Therapeutics Ⅲの授業に参加した。火曜日に授業内容の資料を受け取っていたので、前日の夜遅くまでホテルで予習を行って授業に臨んだ。 11)3月22日(木)午後  アイオワ大学付属病院のリハビリテーション科(Physical Medicine & Rehabilitation)を見学。Ken Leo理学療法士と電子カルテ等を閲覧した。慢性腰痛患者が屋内治療専用プールでの訓練場面や職場復帰前に症状を評価するためのシュミレーション室も併せて見学した。  リハビリテーション科内にある臨床研究室を訪問し、Shauna Dudley-Javoroski氏に面会。参加者も日が経つに連れ英語に慣れてきた様子で、研究のみならず、研究者としての人生観などについて限られた英語力を駆使し会話が弾んだ。その後病院の最上階にある古典医療展示室を見学した。 12)3月23日(金)午前(写真9)  アイオワ大学法学部の全盲の学生と交流する機会を得た。Tai Blasさんはジョギング等運動が好きな活発な学生で、視覚障害支援団体に数年勤務した後、あらゆる弱者が就職できるための手伝いが出来るような仕事につきたいという思いから法学部に入ったそうである。既婚者であるが、平日は通学の為一人暮らしをしている。運動を通じて、全盲の理学療法士を個人的に知っているというので、貴重な情報を得ることが出来た。 13)招待講演会参加  ワシントン大学(St.Louis市)から招聘されたMicheal Mueller氏の招待講演をアイオワ大学の学生達と共に聞いた。講演内容は糖尿病起因の足底部褥瘡に対する歩行訓練が褥瘡再発予防につながるという研究発表であり、既存の定説を覆すものであった。 写真2 肩関節全置換術後の関節可動域制限に対する関節モビリゼーションを行うScott理学療法士 写真3 理学療法の開業施設にあるアスレチックジム。1階には栄養剤入りのジューススタンド、託児室、2階には陸上用トラック、アジリティー訓練室、重量挙げ(パワー) 訓練室、グループ訓練室、エルゴサイクル室を備えている。私達が2階に上がった際、偶然地元出身のアメフトプロ選手がコンディショニングのため他の理学療法士とアジリティー訓練をしているところを見ることができた。 写真4 足部の触診方法をデモンストレーションするWilliams氏 写真5 木村教授と山田教授に表敬訪問 写真6 車椅子クッション型座面圧力分布測定機器は、汚れても掃除し易く、患者教育にも使用されている 写真7 Shields教授の実験室で被験者体験をする有安君 写真8 明るい雰囲気の障害者支援センター待合室にて 写真9 アイオワ大学で法学を学ぶ全盲のTaiさんと交流。沢山元気を貰いました。 10.今後の課題  初めて海外渡航する場合は、入国検査時に行う動作を予め説明しておくことで、英語のヒアリング力と視力が限られていて介助を拒否された場合でも焦らず対応できるようになる。また、引率教員が最初に入国して続いて来る学生も同伴であることを説明し、学生は教員が通過した時と同じ審査官から入国するようにすれば比較的短時間で入国できると考える。  アイオワ大学から参加する授業の資料を事前に送ってもらい、事前研修にて予習するのが望ましい。今回はある程度の医学英語を予習してきたが、骨に関しては殆どの骨名は学んでおいたが、骨の部位までは予習しなかった。授業内容が下腿部とわかっていれば、そこの解剖学用語をもっと詳細に予習できたと思う。 11.感想(全文参加者記載通り) 氏米国研修について荻野 晋治 ・1日目  午前は、日本では認められていないアメリカPTの開業医院を見学した。左肩全置換術の患者様の治療を見学させて頂いた。PTの先生は、軟部組織のモビリゼーションや関節可動域訓練をしていた。左肩の可動域制限があったが、治療のアプローチの仕方が左肩だけではなく、肋間や背部にもストレッチやモビリゼーションをしていた。制限部位だけでなく、二次的な関連部位にも治療をしていることがとても勉強になった。また、施設の治療室は個室で、同じ施設内にトレーニングルームがあり、治療室での理学療法と、トレーニングルームでの筋力トレーニングなどが分業で出来るため、とても効率の良いシステムだと思った。トレーニングルームには陸上のトラックやグループでのトレーニング、また、PTの先生と1対1でのトレーニングなどをしていて、性別や年齢別に目的に合ったトレーニングが出来るとても素晴らしい施設だった。  午後は大学の授業に参加した。最初の授業の内容は頭部外傷で、記銘力障害の患者様に対して歩行訓練で目的の歩行距離が獲得できた後にPTはすることがないのかを考える場面があり、日常的にあるものを使って学生一人一人が積極的に治療方法を発表していた。簡易的なもので治療方法を考えることはとても大事なことであり、大変勉強になった。次の授業の内容は脳腫瘍で、脳腫瘍疾患を細かく教えていた。日本ではあまり細かいところまで勉強しないため、細かく授業をしているのが印象的だった。また、学生の授業に対する姿勢がとても積極的で学生が質問している姿に感動したとともに、とても勉強になった。 ・2日目  午前は、大学の授業に参加した。授業内容は神経筋疾患の授業で、下肢の授業をしていた。解剖学の骨や筋から始まり、その後は疾患別に授業をしていて、とてもわかりやすい授業の進め方だと思った。距骨の細かいところまで説明していて、自分自身も忘れている内容があったため勉強になった。また、足首のモビリゼーションの実技に参加させて頂き、足首の関節の仕組みをとても分かりやすく教えて頂き、とても良い経験ができ、関節の仕組みに対する考えが広がった。  午後は一般病院の見学をした。リハビリ室は、レジやATM、用途によって使い分けられる床、車の乗り降りなど、ADLを重視した作りになっているのが印象的だった。直接的に治療は見学できなかったが、バランス訓練などをしていた。 ・3日目  午前は、大学の実験室を3カ所見学した。最初の実験室では、痛みの研究をしていた。次の実験室では筋と疲労の関係を人間の代わりにバーチャルキャラクターを使用してシュミレーションしていた。性別や年齢別に実験結果を出していて、とても便利で有能なシステムで実験をしていた。次の実験室では、脊髄損傷や小児患者などに対して振動療法や電気療法による骨密度や筋量の変化の研究をしていた。立つだけでは骨密度や筋量は変化しづらいなど、従来の定説を覆すような結果が出ていました。実験室の見学の全体を通して、研究の必要性と新しい情報を入手することの大切さを学んだ。  午後は、大学院生と交流をした。私は英語が苦手なため、話す内容が簡易的なもので、もっとPTの学生としての密な話をしたかった。ただ、英会話を実体験できたことでコミュニケーションの大切さと、しっかりと英会話を勉強したいという意欲がとても湧いてきた。また、今回のアメリカ研修を通じて英会話での聞き取りが少し上達できたのでとても良い体験が出来た。 ・4日目  午前は、大学の授業に参加した。2日目同様に神経筋疾患の授業だった。内容としては、下肢の筋疾患や足首の捻挫の授業だった。この日は前日に頂いた資料で予習していたため、内容を理解しながら授業に参加することが出来た。また、足首の徒手検査法の実技に参加させて頂き、日本では習わないような検査法もあり、とても有意義な授業だった。言語の違いがあっても、予習することで理解できたため、予習の大切さを再確認することが出来た。  午後は大学病院の見学をした。リハビリ室では、最新の機器が備わっていて、一般病院を先導する形で大学病院があることを認識させられた。また、リハビリ室の一部に職業復帰を重視した治療室があり、とても印象深かった。治療しているところを直接見学できなかったことが残念だった。 ・5日目  午前は、法学部の全盲の学生と交流した。点字ブロックが無いところにも関わらず初めて来る場所でバスを使って一人で来たと聞き、とても感心した。また、アメリカでは先天性の全盲でもPTや医者がいることを聞かされ驚いた。ただ、普通の学生と同じく授業を受けなければならないため、自分に厳しく、積極的でなければならない環境で勉強しているそうだ。私自身は今後の実習で目に対する不安があるが、同じ障害者でもっと苦しい状況にいる人が私よりも頑張っていることを知り、私自身とても勇気づけられ、障害に立ち向かいPTになるというモチベーションが上がった。  その後は他大学の教授の講演があり、内容は糖尿病患者の褥瘡に対する治療の内容だった。褥瘡の再発リスクがあり、歩行訓練がなかなか出来ないという従来の考えから、少しずつ歩行訓練をすることが褥瘡に対しても大事なことだという、従来の考えを覆すような内容だった。とても勉強になった。 ・全体を通して  今回のアメリカ研修に参加できたことで、アメリカの理学療法の大学の授業や病院、研究などを見学・参加することにより、また、文化の違いを実体験できたことで、私自身の見聞がとても広がり、将来に対しても、アメリカという選択肢を見つけることが出来た。とても勉強になったとともに、とても有意義で楽しかった。私自身、初めての海外だったが、海外に対する魅力が増した。今回、米国研修を推薦していただいたクラス担任と専攻長、また、この機会を作って頂いた、学長並びに筑波技術大学国際交流委員会の方々、アイオワ大学の職員の方々、そして最初から最後まで面倒を見て頂いた薄葉教授に感謝する。ありがとうございました。 12.得られた成果  米国の最先端の理学療法が熱心に且つ明るい雰囲気の中で行われていることを肌で感じることができた。参加者は日本よりも幅の広い理学療法に接し、徐々に視野を広げることができるようになった。卒業生と在校生との合同研修により、異なる視点からの意見交換が活発に行われ、在校生は生涯教育の重要性を理解した。参加者にとってこれからの学業や専門職に対する意欲につながることと思われる。 まとめ  例年より数日短い研修期間のため過密スケジュールであったにもかかわらず、体調を崩した参加者も無く、無事に帰国することが出来た。参加者にとって日米の医療や教育の違いを学び、異国の文化に触れ、刺激を多く受け、今後学業及び研究活動において意欲向上につながる研修となった。 参考文献 [1] 薄葉 眞理子:第1回アメリカ合衆国理学療法研修報告.筑波技術大学テクノレポート14巻:225-229,2007. [2] 薄葉 眞理子:第2回アメリカ合衆国理学療法研修報告.筑波技術大学テクノレポート14巻:231-235,2007. [3] 薄葉 眞理子:第3回米国理学療法研修報告.筑波技術大学テクノレポート17巻:106-112,2010. [4] 中村 直子、薄葉 眞理子:第4回アメリカ合衆国理学療法研修報告.筑波技術大学テクノレポート17巻:64-71,2009. The Sixth Physical Therapy Field Trip to the United States of America USUBA Mariko Course of Physical Therapy, Department of Health, Faculty of Health Sciences, Tsukuba University of Technology Abstract: Between March 18 and March 25, 2012, a second-year student majoring in Physical Therapy, a physical therapist who graduated from Tsukuba University of Technology, and one faculty member visited the Graduate Program in Physical Therapy and Rehabilitation Science at the University of Iowa and affiliated facilities in the region. The group attended a few classes and observed physical therapy treatment areas at the University of Iowa Hospitals and Clinics, St. Luke’s Hospital located in Cedar Rapids, and Performance Therapies, a private practice. The second-year student and the graduate student experienced studying in English learned about the latest approaches to the practice of physical therapy, and, most of all, were impressed by hard-working Iowa students. Keywords: Physical therapy, Field trip, Cultural diversity