電子化図書の読書環境と新しい白色文字印刷 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者基礎教育研究部(視覚障害系) 村上 佳久 要旨:新しいOSであるWindows8が発表になった。このOSは、タッチパネルに対応しており、従来とは異なるUI(ユーザインタフェイス)を有している。特に、タッチパネル式のディスプレイは、あたかも書見台のような斜めで利用するディスプレイであり、見え方も従来のもディスプレイを縦置きするものとは大きく異なる。ここでは、このような新しいOSを利用した場合の電子図書の活用方法と見え方について検証を行うとともに、デジタル化に対応できない視覚障害者に対応するための新しい白色文字印刷を検討した。 キーワード:ePub,PDF,白色文字印刷,Windows8 1.はじめに  昨今、Apple社のiPhoneやiPad、Google社のAndroidに対応したスマートフォンの利用者が激増しているが、視覚障害者の利用も増加している。また、Microsoft社からは、スマートフォン等と同様の操作が可能な新しいOSである、Windows8が販売された。  これらの機器で電子図書を利用した場合、どのような利用環境になるのであろうか。視覚障害者にとって、昨今の様々な電子機器の登場は、各個人の様々な眼の障害に合致した見えやすい読書環境を提供しようとしている。しかし、従来の図書を利用した学習環境や拡大読書器を活用した視覚障害者の読書環境は、大きく変化し、視覚障害者自身もその対応に慣れていないように感じる。さらに電子メディアでは対応できないデジタル・ディバイドの視覚障害者では、どのように対応すればよいのであろうか。  ここでは、新しい電子化図書を活用した読書環境とデジタル・ディバイトに対応した白色文字印刷について検討を行ったので報告する。 2.Windows8  Windows8は、Microsoft社の新しいOSであり、開発者向けには、2012年8月15日から提供が開始され、一般ユーザ向けが10月26日から提供された。Apple社のiPhoneやiPadやスマートフォン等に見られるようなタッチパネル式のユーザインターフェイスを採用し、対応するディスプレイとともに利用すると、指先の処理で画面を拡大・縮小したり、選択したりすることが可能となった。  このことは、従来とは異なった画面操作とディスプレイの使用方法を検討しなければならないことを示唆している。従来のPCの設置場所は、机に垂直にディスプレイをおいてキーボードで文字を入力することが、一般的に行われてきたが、Windows8のような、タッチパネル式のディスプレイが利用しやすいように斜め30°~60°程度で利用することを考慮すると、文字入力環境と画面を見る手段も変化が起こると推察される。  Windows8は、内部的にはWindows VistaやWindows7の改良版であるが、UI(ユーザインタフェイス)が大幅に変更されたため、全く別物と思われるが、基本的な技術は従来のものとほぼ同一である。したがって最も大きな問題は、タッチディスプレイを利用するかどうかである。  視覚障害者が利用する場合、画面読み合成音声ソフトウェアや画面拡大ソフトウェアなどの販売が遅れているため、普及には少し時間がかかるものと思われるが、弱視の一部が利用するには有用な機能が搭載されている。 3.タッチディスプレイ  タッチディスプレイは、iPadやスマートフォン等で広く利用されている、従来のPCにおけるマウス操作を指先で行うUIに対応したディスプレイのことである。  高級機種では、指先10点を個別に認識可能で、タッチディスプレイに表示されたピアノを弾くことも可能である。普及機種では指先2点の動作に関して認識可能で対応する。図1は、Windows8の起動画面である。Windows 8の標準画面である「タイル」が多数表示されている。  このタッチディスプレイを利用する場合、図2に見られるとおりディスプレイの角度は従来のものに比べて斜めになっていることがわかる。このような使い方は、PCを利用して漫画やイラストを描く人にとっては通常の作業環境であるが、一般ユーザにとっては初めての体験であろう。  図3はWindows8でWord2013を起動して文章を編集している場面である。実際に利用してみるとほとんどマウスを利用しないで指先で操作できることがわかる。また、弱視にとって有効と思われるのは、図4のように、指先の操作だけで画面の文字の大きさを自由に変化させることが可能であることである。つまり、Windows8とタッチディスプレイを利用すると、ほとんどマウスそのものが不要となる。  このような環境下で電子図書のデータを閲覧する場合には、従来利用してきた垂直なディスプレイとは異なる見え方が予想されるが、実際には見え方の実験を行ってみないと詳しいことはわからないが、斜めに文字を見る操作性に違和感を感じることが多いと予想されるため、実際の実験では注意が必要となる。 4.電子化図書PDFとePub  前章で述べたように、タッチディスプレイで電子図書を閲覧した場合、様々な問題が発生することは容易に推測できるが、現状において、電子化図書の問題点について検討する。 4.1 電子化教材の問題点  一般の電子化図書は、視覚障害者のように文字を拡大して利用することを前提に作成されていない。読者の注意を引き寄せ再び電子化図書を購入して貰えるようなデザインを優先して作成されている。また、利用される様々なメディアに対応するために1つの電子化タイトルから、10インチ、7インチ、4インチなどとディスプレイの大きさに合わせて画面デザインを変化させているのが実情である。  現状では、電子化図書は、PDFファイルとePubファイルの2種類に大別できるが、視覚障害者の場合はこれ以外にTextデータを考慮する。しかし、一般の出版社が販売する場合にはPDFかePubのどちらかでありこの2つの問題点について検討する。 4.2 PDF  PDFは、Adobe社が提唱するPortable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)の略称で、電子化文書のフォーマットの1つで、WindowsやUnix、LinuxやMacintoshなど様々な環境で、文書や画像の閲覧を保証できるという利点がある。基本的に元となる文章を1ページ毎に文書と画像を専用のフォーマットに取り込み、変換することによってPDFファイルを作成する。したがって、作成時に利用される文字環境や画像データの質がそのままPDFデータに反映される。また、多数の様々なプラットフォームで利用するために、フォントをPDFに埋め込んでおくと、フォントを持たない環境下でも画面表示は可能となる。さらに、音声や映像データも埋め込むことが可能となっており、非常に有効なマルチメディア対応の規格となった。 開発元がオープンソース的な態度をとったため、広く一般に普及し、現在でも多くのデータが活用されている。また、印刷業界などにおいても製版のためのデータとしても活用されている。視覚障害者の利用のためにアクセシビリティの活用も整備され、合成音声などでPDFファイルを読み上げることも可能となっている。  このPDFを電子化図書として利用する場合は、専用のPDFファイル再生ソフトウェアである、Acrobat Readerを利用する。PDFファイルを活用している例を報告したが[1]、視覚障害者が利用する場合には、様々な問題点も指摘されている。その1つに拡大すると1ページが拡大されるため、横方向に大きくスクロールする必要があり、右端まで移動すると、今度は大きく左方向にスクロールして文頭まで移動する必要がある。  PDFは、1ページをそのまま電子化しているために、このような問題が発生し、特に文字拡大率の大きな視覚障害者にとっては不便さを感じやすい現象である。 4.3 ePub  ePubは、電子書籍の規格の1つで、国際電子出版フォーラム(International Digital Publishing Forum, IDPF) が普及促進している公開された仕様の電子書籍用ファイル・フォーマット規格である。現在ではePub3と呼ばれる規格となり、日本語の縦書きルビなどにも対応する。基本的にXHTMLで記述されたコンテンツをインターネットでのダウンロード配信を考慮して、ZIP形式で圧縮されパッケージ化されている。  したがって、PDFと異なりページという概念がない。XHTMLフォーマットであるため、読者が閲覧ソフトウェアを利用して、自分が利用する文字フォントやサイズ、行間などを自由に指定できる「リフロー」と呼ぶ機能がある。この機能は、PDFに対して大きな特長となる。したがって、視覚障害者にとっても見えやすい環境で利用することも可能である。  しかし、このePub形式のファイルを作成するためには専用のソフトウェアを利用することが一般的であるが、現状では、商業的な利用を行うePub制作ソフトウェアは極めて高価である。但し、商業的利用を考慮しているため非常に多機能で多くのプラットフォームに対応して見栄えのよい電子書籍を作成することが可能である。  例えば、「モリサワ」が販売するePub作成ソフトウェアである『MCBook』は現在最も優れた電子書籍作成ソフトウェアの1つであり、文字データと同期して音声データを読み上げる機能にも対応している。この機能は視覚障害者が利用するマルチメディア・DAISYとほぼ同一のものであり、SMIL形式のファイルを組み込んであるものと思われる。  このような音声データと電子図書を同期させた電子図書として、「OTOBANK」が販売する『朗読少女』があるが、このような音声同期型電子図書は、作成に極めて多大な時間がかかる。しかし、文字の大きさやフォントの種類、行間を変え、自分自身の視覚障害の状況に最適な読書環境で、しかも音声も読み上げながら読めることが極めて意義のあることであり、視覚障害者の読書環境として注目したいところである。  しかし、ePubデータが作成しにくいことは、実は、電子書籍がその読書を行うためのプラットフォームの環境を固定していないためである。様々な機器で動作するように、作成しなければならないePubは、PDFに比べて作成時間が非常に長くなるのが残念なことである。前述のePub作成ソフトウェアである『MCBook』は年間利用料以外に出版物にも課金される。もちろん無料のePub作成ソフトウェアも存在するが、見栄えや機能面では、『MCBook』と比較にならないのが現状である。 4.4 視覚障害者の利用  PDFとePubのどちらが視覚障害者にとって利用しやすいのであろうか。4.2で述べたようにPDFには「リフロー」機能がないため、文字を大きく拡大した環境下では、左右のスクロールに大きな問題がある。しかし、作成のしやすさとファイルのコンパクトさから言えばPDFに軍配が上がる。これから徐々にePub関連ソフトウェアの販売が続き、ワープロソフトでも簡単にePubを作成できる機能が付加されるようになった今後このような機能は標準で搭載されていくものと思われるが、実際に利用する場合にはワープロはあくまでもDTP用のソフトウェアであり、「リフロー」に対応した編集ソフトウェアではない。したがって、より簡単に作成できるPDFが先行しながら、徐々にePubも増えてくるように思われる。 。 5.白色文字印刷  白色文字印刷は、黒色用紙に白色文字で印刷するものである。視覚障害者の教材においては、文字を大きくしたり、文字の形を明朝体からゴシック体に変更して見えやすくしたりする工夫を行うが、眼の疾患から白色用紙に黒色文字の一般的な印刷では見えにくい視覚障害者も少なからず存在する。従来は、拡大読書器などを活用して、黒白反転をさせて対応することが多かったが、これも黒色用紙に白色文字で印刷することが非常に困難であったためである。このような、視覚障害者にとって重要な教材提示方法として白色文字印刷を報告したが[2]、インクリボンなどのサプライの供給停止とランニングコストの問題から、この印刷方式を断念せざるを得ない状況が続いていた。  しかし、前回において技術的問題やランニングコスト、印刷時間などの様々な問題点を解決する手段として、新たな白色文字印刷方式を検証した。この方式は、前述の電子化図書を利用しにくい、デジタル・ディバイトの視覚障害者に対して有効な手段と思われる。 5.1 白色文字印刷に必要な技術  現在、一般的なコピー機やパソコン用のプリンタでの印刷は、どのように行われているのだろう。一般的なコピー機の原理は次の通りである。 感光:ドラムと呼ばれる感光体にLASERやLEDで露光し感光させる。 現像:その後、感光体の感光した部分に黒色粉体(黒色トナー)を乗せる。 転写:感光体上の黒色トナーを用紙に転写する。 定着:転写されたトナーを加熱して、用紙に定着させる。  これを、黒色用紙に白色トナーで置き換えると、白色文字印刷が可能となる。しかし実際には、次のような4つの項目について検討が必要である。つまり、 用紙:黒色上質紙 感光体:Si膜や有機半導体 現像層:磁性体 トナー:白色粉体  これらの項目以外にプリンタとパソコンをつなぐためのソフトウェアであるプリンタドライバが必要となる。  実際のプリンタやコピー機の場合では、カラープリンタと単色プリンタでは上記の項目で対応が若干異なる。カラープリンタの場合、感光体と現像層は一体化しており、トナーは別にセットすることが多い。一方、単色プリンタでは感光体と現像層とトナーがカートリッジに一体化している場合もあり、安価なプリンタの場合は、ほとんどがカートリッジに一体化して利用する。  一方、一般的に入手が難しいのが黒色用紙である。黒色用紙を生産する製紙会社は日本に3社程度しかなく、一般のユーザが利用する場合は、事実上1社が供給していると言っても過言ではない。また、数量も100枚程度の販売が一般的で、1000枚単位で大量に利用する一般ユーザはいないのが現実である。  また、販売されている黒色用紙は、白色トナーに対応している訳ではないので、黒色用紙の厚さや堅さ、表面状態など様々な問題があり、専用に黒色用紙を開発するのが望まれる。 5.2 白色文字印刷の実際  では、白色文字印刷の実際はどうであろうか。  現在、コピー機やプリンタでは、カラー印刷も可能となっている。カラー印刷の場合は、一般的に4色刷である。すなわち、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の色材の3原色と黒色の4色が利用される。つまり、現在でもトナーは4色あり、それぞれのトナーに対応した感光体や現像層が利用されている。この技術を応用して、白色トナーとそれに対応した感光体と現像層を検証し、さらに黒色用紙との整合性を検証する必要がある。  注意しなければならないのは、白色用紙と黒色用紙では、文字の再現性が全く異なる。白色用紙に黒色トナーの場合、背景色となる白色は、黒色トナーにあまり影響を与えないが、黒色用紙に白色トナーの場合、背景色である黒色が白色トナーに大きく影響を与え、白色と言うよりも灰色となることは、すでに報告済みである[2]。今回の印刷では、やはり背景色である黒色の影響は大きく、白色度については検討の余地はある。ある程度はプリンタドライバで対応できるが、十分な白色度を求めるためには、様々な工夫が必要となる。  図5は、白色用紙に黒色トナーで印刷したものと黒色用紙に白色トナーで印刷したものを比較するために並べたものである。視覚障害者向けの教材としては、もう少し白色度がほしいところであるが、実際には利用する側の意見を聞いてみないとわからない。 5.3 実証実験  今回は、白色文字印刷の有効性と白色トナーの白色度の評価のため、本学以外に、盲学校や視力障害センターでの実証実験も含めて検証を行った。  実際に白色文字印刷を利用することを考慮すると、教材としての利用が多い、盲学校の専攻科理療科での実証事件を複数校で実施し、現在も別の盲学校や視力障害センターなどで検証を続けている。実験期間は、2~3か月程度として、生徒に対する教材としての利用を中心として活用されている。  図6は、今回の実験で利用したA4サイズのプリンタである。学校現場においてはコンパクトで安価であることが重要である。このプリンタに白色トナーを採用した専用のカートリッジとA4の黒色用紙も含めて提供した。  図7~8は、実際の印刷例である。図7は学校内の表示に利用するための出口表示である。図8は、理療科で利用する経絡経穴を36Pの大きな文字で印刷している。 5.4 白色文字印刷の有効性  実証実験を行っている盲学校の教員の感想を紹介する。 1)黒色用紙にメモを書くのはどうするのか 2)拡大読書器との連携は 3)A3での印刷は可能か 4)もう少し白色が白くならないか 5)ランニングコストは  このような意見を頂いたが、盲学校でも黒色用紙に文字を書く方法を知らない教員がいるのは意外である。本学の保健科学部でも知らない教員の方が多いとは思われるが、盲学校の場合、長く勤務する専攻科の教員に比べて、普通科の教員は数年で転勤することが多いため、このような意見が出たものと思われる。  図9は、黒色用紙に白色ペンでメモをとっている様子である。  このような白色ペンは、一般に市販されており、文房具店などで購入することも出来るが、「特定非営利活動法人 大活字文化普及協会」[3]の通販サイトなどでも購入することが出来る。  一方、生徒の意見では、白色文字印刷の方が見えやすい生徒にとっては有効であるが、一般的な白色用紙に黒色文字印刷の方が見えやすい生徒にとっては、逆に見えづらいという結果となった。  また、ランニングコストについて検証を行うと、現状では黒色用紙に暫定的な用紙を採用しているため、一概に前回の例と比較は出来ない。しかし、A4用のプリンタで比較した場合、白色トナーと黒色トナーでは大きな差はなく、コストの差は用紙代に依存する事が判明した。したがって、黒色用紙と白色用紙との価格差の問題となるため、前回の報告のように多数のインクリボンを利用する場合に比べて大幅なコストダウンを実現し、教材として学校現場で実用的に利用するレベルの価格に収まったことは評価できるであろう。 6.おわりに  新しいOSであるWindows8とタッチディスプレイを利用すると視覚障害者の読書環境は大きく変化することが期待されるが、その一方で、このようなデジタルメディアに対応できないデジタル・ディバイドに対しても対応することは極めて重要である。PDFやePubと白色文字印刷は、それぞれを補いながら、今後、視覚障害者の学習環境に大きな変化をもたらすものと確信している。その場合に一番の問題は、新しいメディアを作成しようとする教員側の意識の問題である。利用方法の研究や作成方法の研究と友に、見え方の問題についても研究を進める必要があると思われる。 7.謝辞  白色文字印刷の研究に関して、三笠産業株式会社の協力を得た。ここに感謝する次第である。 参考文献 [1] 村上 佳久:黒白反転教材を利用・提供するための電子教科書に関する研究,筑波技術大学テクノレポートVol.20(1):70-74,2012. [2] 村上 佳久,前島 徹:視覚障害者の教材作成の改善 白色文字印刷,筑波技術短期大学テクノレポートVol.12:41-46,2005. [3] 特定非営利活動法人 大活字文化普及協会:http://www.daikatsuji.co.jp 図1 Windows 8起動画面 図2 斜め30°に設置されたタッチディスプレイ 図3 Windows8上でWord2013文書を編集中 図4 指先で編集(マウス操作なし) 図5 白色文字印刷と通常の印刷 図6 小型A4プリンタ 図7 出口表示 図8 経絡経穴(36P文字) 図9 黒色用紙に白色ペン 参考文献 [1] 村上 佳久:黒白反転教材を利用・提供するための電子教科書に関する研究,筑波技術大学テクノレポートVol.20(1):70-74,2012. [2] 村上 佳久,前島 徹:視覚障害者の教材作成の改善 白色文字印刷,筑波技術短期大学テクノレポートVol.12:41-46,2005. [3] 特定非営利活動法人 大活字文化普及協会:http://www.daikatsuji.co.jp Reading Environment for Digital Books and White Print on Black Paper MURAKAMI Yoshihisa Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology Abstract: Windows 8 has been released. Its operating system (OS) corresponds to the conventional touch panel, but the user interface (UI) is different. Specifically, the display of the touch panel is diagonal, as opposed to the conventional vertical display. Thus, the ability to view digital books and use the new display format for the touch panel has been verified. Further, the new feature of white print on black paper was verified for visually impaired students according to the digital divide. Keywords: ePub, PDF, White print on black paper, Windows8