総合研究棟における地震時の振動計測と構造安全性評価 倉田成人 筑波技術大学 産業技術学部 産業情報学科 キーワード:地震,振動計測,構造安全性,Structural Health Monitoring 1.目的 本学は,地震時に災害弱者となりがちな障害を持つ学生のための高等教育機関であり,教員に加え学生も活動する総合研究棟の地震後の構造健全性を確認することは重要である。また,近年,筑波地区での地震発生頻度は極めて高い。総合研究棟にセンサを設置し,地震を検知するロジックを組み込み,振動を計測することを目的とする。 2.振動センサ 総合研究棟に図1に示す振動センサを設置した。振動センサの仕様を表1に示す。 図1 振動センサ 表1 振動センサの仕様 Model JA-40GA04(Japan Aviation Electronics Industry, Limited) Measurement component Up and down × 1, horizontal × 2 Max. measurement range± 4 G Voltage sensitivity2.000 V/G ± 3% Self-noise (1 to 30 Hz)0.7×10-6 G/√Hz Frequency characteristicDC to 200 Hz BatteryLithium ion secondary battery Continuous utility time10 hours Input range±10 V, ±1 V Sampling200 Hz, 100 Hz, 40 Hz, 1 Hz Resolution24 bit (⊿Σ model AD) Dimension / Weight172×245×160 mm, about 4,500 g 本センサは,常時微動から震度7クラスの地震時の振動までを計測できる分解能とダイナミックレンジを有する。筐体内にサーボ型加速度センサ,プリアンプ,バッテリー,データロガーを組み込んだ計測システムである。外部バッテリー,外部センサを接続できるため,長期観測等にも利用可能となっている。本センサに組み込んだ地震検知のロジックを図2に示す。設定した閾値以上の振動を検知すると地震発生と判断し,計測データを保存する。 図2 地震検知のロジック Sampling → Earthquake detection Data > threshold value ? → Storing data 3.まとめ 総合研究棟に振動センサを設置し,地震検知のロジックを組み込み,その性能を確認した。現在,実地震に対するデータ取得を目指して,システムを運用している。