2017年度大学間協定に基づく国際交流:米国東部研修─ 異文化交流体験を通した聴覚障害のある学生のグローバル化教育の一環として ─ 小林洋子1),白石優旗2),白澤麻弓3) 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者基礎教育研究部1)筑波技術大学 産業技術学部 産業情報学科2)筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者支援研究部3) 要旨:筑波技術大学の国際交流事業の一環として,米国東部のギャローデット大学での研修を2018年3月3日から13日の期間で実施した。施設見学の他,授業見学・参加,現地学生・教員との交流などで構成するプログラムを通して,参加学生のレポートや発表などから,学生の異文化理解の促進や社会認識・自己認識の深化に大きな成果があったことが見いだされた。本年度は新たに全米ろう連盟見学なども加わり,有意義な研修であった。 キーワード:国際交流,異文化コミュニケーション,ギャローデット大学 1.はじめに 本学では,毎年学生を海外へ派遣し,大学での国際交流や異文化体験等の研修を行う海外研修プログラムを実施する[1, 2]など,積極的に国際交流事業を進めてきている。2017年度の米国東部研修では,大学間交流締結期間でもあるギャローデット大学および近辺の施設へ訪問し,11日間の研修を実施した。この研修は「異文化コミュニケーション」という授業の一環として,毎年国際交流委員会が実施してきたもので,本年度はこうした流れをうけて新たに設置された国際交流加速センターが事業を引き継いだものである。ギャローデット大学は,米国の首都ワシントンD.C.にある“There is no other place like this in the world.”(世界のどこにもない大学)をスローガンとする,ろう者または聴覚障害者のための私立の総合大学であり,アメリカ手話(以下,ASL)と英語の併用によるバイリンガル・アプローチ1が採用されている。学生は,幅広い分野から専攻を選択することができ,専攻に応じてB.A.(Bachelor of Arts)またはB.S.(Bachelor of Science)の何れかの学士号を取得することができる。ただし,本学産業技術学部で専攻可能なもののうち,「電子工学」「機械工学」「建築工学」といったいわゆる工学系の分野を深く学ぶことができる専攻は現在存在しない様である2。 ギャローデット大学には,現在約2,000人の聴覚障害学生が在籍しており,学生のニーズに配慮したプログラムとサービスが提供されている。このうち7%は海外からの留学生で,世界各国から聴覚障害のある学生が集結しており,帰国後はそれぞれの国で活躍する人材を輩出するなど,世界の聴覚障害社会をリードする存在としても知られている。本学とも大学間交流協定を結んでおり,教育・学術・文化面において研修を受け入れていただくなど交流活動を続けている。本稿では,研修の概要,そして研修で得られた成果について報告する。 2.活動の目的 本研修の授業としての到達目標は,(1)米国東部のろう者・難聴者を受け入れる高等教育機関に関する知識を得る,(2)米国東部のろう・難聴学生が取るコミュニケーション手段及び言語について初歩的な知識を得る,(3)米国東部のろう者・難聴者を含む歴史・文化に関する知識を得る,(4)社会認識及び自己認識を高める,としている。大学院生に対しては,(1)〜(3)を日本の状況と比較して考察することを加えている。以上の到達目標を達成するために,ギャローデット大学の講義に参加する他,現地学生との交流などを通して,米国東部のろう者・難聴者を受け入れる高等教育機関,学生の取るコミュニケーション手段及び言語,そして米国東部のろう者・難聴者を含む歴史・文化に関する知識を得られるようプログラムを組んだ。また,研修を通して,受講生同士 の相互協力,チーム内のリーダーシップ,ろう者・難聴者としてのエンパワメントなど,社会認識・自己認識に関わる課題にも取り組めるように配慮した。なお,本研修は特設科目「異文化コミュニケーション」として単位が認定される。 3.研修先・研修期間 研修受入先機関でもあるギャローデット大学を訪問した。これに加えて,近隣の全米ろう連盟(聴覚障害関連施設)とライトハウス(視覚障害関連施設)を訪問し,ワシントンD.C.市内を見学した。研修期間は2018年3月3日(火)から3月13日(火)であった。 4.参加学生および引率教員 国際交流加速センター(旧,国際交流委員会)が定める学生募集要項に従い,学部生は産業技術学部,院生は産業技術学研究科を対象に周知した。結果,派遣学生4名に対し5名の応募があり,成績,応募動機,クラス担任の推薦状を用いた書類審査並びに面接審査を行い,基準を十分に満たしていた5名を派遣学生に決定した。参加学生は,以下の学部生3名,大学院生2名である。 ・鈴木健太(産業技術学部産業情報学科2年) ・武内俊也(産業技術学部産業情報学科2年) ・大川実樹菜(産業技術学部総合デザイン学科2年) ・森敦史(大学院技術科学研究科情報アクセシビリティ専攻1年生) ・関戸美音(大学院技術科学研究科情報アクセシビリティ専攻1年生) なお,障害者高等教育研究支援センターの小林洋子助教と産業技術学部産業情報学科の白石優旗講師(当時,現准教授)の2名が引率すると共に,盲ろう学生へのサポート担当として障害者高等教育研究支援センターの白澤麻弓准教授と大学院産業技術学専攻2年の辻田容希氏が同行した。 5.研修の概要 5.1 事前授業 今回,学部や専攻が異なる学部生3名,大学院生2名が研修に参加した。米国東部研修に先立ち,1回のガイダンスならびに3回の事前授業を実施した。ギャローデット大学の概要について説明をするとともに,学生が主体となって各自研究テーマを設定し,ギャローデット大学の歴史的・地理的背景やカリキュラム,また米国におけるろう社会,障害者に関する支援等について調査と発表を行った。また,前年度の米国東部研修に参加した学生から体験談を聞き,研修中の様子や渡米時や入国時に注意しておくべきことなど研修に参加するにあたり留意するべき点や現地でしておくべきこと,持ち物などについて確認した。なお,研修先での主なコミュニケーション手段はASLおよび英語となるため,ASL/英語サロン(図1)を開催し,各回2時間を8回,合計16時間の集中講義を実施した。ネイティブサイナーの講師による指導のもと,日常会話や日米の文化の違いなどを,ペアワーク,グループワークなどの方法で会話の練習を繰り返し,現地研修への準備を重ねた。 図1 ASL/英語サロンの様子 5.2 ギャローデット大学での研修 5.2.1 体験授業 今回の研修では,社会福祉学科(Department of Social Work)から1コマ,言語学科(Department of Linguistic)から1コマ,ろう者学科(Department of Deaf Studies)から2コマの計4コマの授業に参加した。社会福祉学科の授業として,「ろう社会における高齢と老人学(Ageing and Gerontology in the Deaf Community)」に参加した。社会福祉学専攻の学生を中心に30名ほどが出席しており,ろう社会において,高齢のろう者の自殺率が高いのはなぜか,自殺を防ぐためにはどういうことはできるかなどのテーマについて,学生同士でディスカッションをしながら,様々なケースについて学んだ。日本における高齢のろう者の生活状況はどうか,本学学生から見て日本のろう社会の状況はどうかについて,現地学生と本学学生が積極的に意見交換をしながら日米の相違について議論する有意義な時間となった(図2)。言語学科の「手話と構造(Sign Language and Sign Systems)」の授業は,手話表現の動きを分析する手法を学ぶという内容であった。受講している学生が各自パソコンを持参し,ELAN(イーラン)というソフトを使いながら,自ら選んだ手話の動きについて分析,教員と議論を重ねる形で進められていた。ELANは,近年広く使われつつあるフリーの動画解析(アノテーション)ツールであり,手話分析に関する研究で使用する機会が増えてきている。 図2 現地学生と本学学生が議論している様子 ろう者学科では,学科側のご考慮により特別授業として「手話言語の権利と擁護(Sign Language Lights & Advocacy)」,「デフ・スペース(Deaf Space)」を受ける機会を得た。「手話言語の権利と擁護」においては,いまだに手話に対する理解が広まっていないこと,世界中の約90%のろう・難聴者は教育場面において手話へのアクセスを受けることができない状況にあるとのことであった。手話へのアクセスや理解を広げていくために,「知識(Knowledge)」として歴史や人物,物事について学び,次に「スキル(Skills)」として啓発活動やネットワークおよび共同活動を通して,最後に「擁護(Advocacy)」として実行および権力者への教育ならびにデータを蓄積していくことが重要という興味深い内容であった。「デフ・スペース」においては,デフ・スペースという概念は,聴覚障害者の独特の感覚に対応した空間と環境作りを目的としており,部屋の寸法や色,窓のブラインドや柔らかい間接照明など,空間や環境を調節することで手話を明確に見せ,目の疲れを軽減する工夫などがなされているとのお話があった。参加学生もデフ・スペースについて事前授業である程度知識を有していたものの,現場でデフ・スペースに関わる専門家から話を伺い,またキャンパス内のデフ・スペースのある場面を実際に自分の目で見ることでより深く理解できたようであった。 5.2.2 施設見学 本研修では,聴覚障害者に配慮した様々な施設を見学した。ギャローデット大学は1864年創立であり,150年以上の歴史を誇っているが,キャンパスツアーでは,在学生によるガイドを聞きながら,創立当時の面影を残す様々な歴史的建造物を見ることができた。ギャローデット大学創立時の最初の校舎として知られているチャペルホールの廊下には,国会議事堂の廊下に敷かれているタイルと同じタイルが敷かれており(図3),歴史の重さを感じることができた。 図3 チャペルホールにて(国会議事堂の廊下に敷かれているタイルと同じタイルが敷かれている) チャペルホールには,ミュージアムがあり,聴覚障害に関する歴史について,イラストや写真を取り入れたパネルや歴史年表,そして実際に使用されていた物品などが展示されており,視覚的に見やすく楽しめる工夫がなされていた。スポーツ関連施設においては,体育館をはじめ,各スポーツ活動をするための部屋やトレーニングルーム,プール,リハビリテーションルームなどを見学した。野球やバスケットボール,バレーボールなど様々なスポーツ部があり,それぞれのスポーツ専門のスタッフが所在していた。また,スポーツなどで受賞したトロフィーや賞状をはじめ,学生や卒業生が作製した作品などが自然と目に入るような場所に飾られていた。 世界屈指の聴覚障害関連のコレクションを誇っている大学図書館も見学した。書籍のみならず,VHS・DVD映像資料,オンラインデータベースなどにもアクセス可能であった。更に,地下1階資料室には世界中の聴覚障害における歴史や文化に関係する未公開資料が保管されており,貴重な資料を見学することができた。また,デフ・スペースの概念を取り入れ,聴覚障害のある人の視点に立った建築上の工夫がなされている特徴的なパターンが学内のあちこちで見られた。コの字または円形などのレイアウトテーブルをはじめ,間接照明,そして施設の壁やドアが透明ガラスになっているところも多く,視覚的コミュニケーションがしやすい工夫がなされていた。学生研究棟の廊下の壁は吹き抜けになっているところもあり,壁越しにコミュニケーションがとれるスペースもあった。本学学生も興味津々にデフ・スペースの工夫がされている各施設や設備に見入っていた。 5.2.3 現地学生・聴覚障害者との交流 アニメ・漫画クラブ,アジア系学生団体,社会福祉学科所属学生団体,DC在住アジア系ろう者団体等に所属する 現地学生との交流会に参加し,本学学生は自ら積極的にASLや英語で相手に伝えるなど,事前授業の成果を活かしていた(図4)。 図4 交流している様子 また,参加学生全員によるASLでのプレゼンテーションを2回実施し,現地学生や聴覚障害者との更なる交流を図った。参加学生はプレゼンテーションに向けて,渡米前にパワーポイントの資料を用意し練習をしてきており,現地入りしてからも何度か集まって練習をしていた(図5)。 図5 プレゼンテーションに向けて準備している様子 プレゼンテーションは,筑波技術大学について,日本文化,そして日本手話について紹介した。1回目は,ギャローデット大学学生や教職員を対象にキャンパス内のカフェテリアのある広場で行い(図6),約100名の参加があった。 図6 参加学生によるプレゼンテーションの様子 2回目は,ワシントンDC在住デフアジア団体のメンバーを対象に,キャンパス内のソレンソン・ランゲージ・アンド・コミュニケーション・センターで行い,約50名の参加があった。プレゼンテーション後は,多くの質問を受け,ASLや英語でコミュニケーションを図ることができていた。 5.3 近隣の聴覚障害関連施設見学 本研修では,ギャローデット大学以外に近辺にある全米ろう連盟本部事務所を訪ねた。全米ろう連盟は,全米においてろう者運動の中心的な存在として知られている。全米ろう連盟が設立された経緯や概要をはじめ,歴史的な背景や近年における様々な取組みなどについて,代表かつ弁護士でもあるHoward A. Rosenblum氏をはじめ,他の2人の弁護士よりお話を伺った。 近年における取組みとしては,全米ろう者大会の開催をはじめ,ろうの若者を対象にしたユースプログラム運営,法改正のための運動や法律相談などがあげられるとのことであった。法律相談の具体的な例として,インターネット動画における字幕付与の事例があり,配信サービスを行っている会社に訴訟を起こし,勝訴することができたという紹介があった。他にも,映画や災害,緊急時放送への字幕付与や医療場面における情報保障,および就労問題など,聴覚障害者の社会生活における様々な課題に取り組んでいるという説明を受け,学生からも積極的な質問があり,活発な情報交換が行われた(図7)。 図7 情報交換をしている様子 5.4 その他 米国の歴史と政治を知る活動として,ワシントンD.C.にある国会議事堂やリンカーン記念館等を見学した。国会議事堂では,事前に予約しておいた専任のASL通訳者が議事堂内をASLで案内してくださった。設立のきっかけや歴史的背景,各地の詳細な説明など伺うことができた。世界中から観光客がやってくるためパンフレットも多言語に対応しており,障害者をはじめ英語圏以外の人の言語の壁に対するサポートの充実ぶりを目の当たりにすることができた。リンカーン記念館では,奴隷解放を宣言した第16代大統領であったエイブラハム・リンカーンの偉業を称えて設立されたものである。リンカーン像の両手は,「Abraham Lincoln」の姓名それぞれの頭文字である「A」「L」の形がとられているように見えるが,これは彫刻家のダニエル・チェスター・フレンチの娘が聴覚障害を持っていたのがきっかけとなったと言われている。一方,ギャローデット大学は当時のエイブラハム・リンカーン大統領が署名して設立されたもので,それに由来しているとも言われている。米国文化等の説明に真剣に聞き入る本学学生の姿が見られ,充実した体験となった。 5.5 現地における情報保障 ギャローデット大学,全米ろう連盟本部事務所,国会議事堂など施設見学および授業見学など,ASLによるコミュニケーションが中心の場面においては,状況に応じてASLと日本手話ができる引率教員,およびギャローデット大学通訳派遣センター(Gallaudet Interpreting Service,以下GIS)に登録している人に通訳を依頼して,ASL⇄日本手話通訳による情報保障を行った。現地学生や教職員との交流の場面においては,学生自らASLや筆談による英語のやりとりなどを通してコミュニケーションをとる姿勢が見られ,事前授業におけるASL/英語サロン受講の成果を十分に発揮していた。また,本研修では聞こえる教員も同行し,先述のGISよりASL⇄英語通訳者も場面に応じて派遣された。ギャローデット大学は,先述のデフ・スペースの概念を取り入れた建物等をはじめ,教室や会議室など聴覚障害者に配慮した設備が各所に見られた。室内はプロジェクターの代わりに大きなディスプレイを壁に張り付けて,パソコンと接続して画面をディスプレイ上に映し出すことができるところが多かったように思う。また,部屋によってはビデオシステムという,教室のホワイトボードやディスプレイの上にビデオカメラを設置し,先生の講義や学生による発言などを録画しておいて後でネットワークを通して確認できるシステムもあった。これにより,授業中に学生がノートを取る時間を待つ必要がなくなる3と期待できる。 5.6 事後授業 研修期間中,学生には毎日研修で学んだことと考察を日報にまとめさせ,教員がフィードバックをした。帰国後に事後授業を実施し,日報の内容をもとに今回の研修成果をレポートにまとめさせた。また,研修報告会で,参加学生が1人ずつ研修先の様子や研修を通して得た経験について紹介した。 6.まとめ ギャローデット大学では教職員のご協力を得て,施設見学,授業参加のみならず,学生同士の交流企画や教員による特別授業なども組まれたため,本研修の目的を達成するに十分な活動内容となった。参加学生としても,本学の既設授業で学んできたことや事前授業でのASL/英語サロンでの成果を生かし,知識の活用をはじめASLや英語といった語学力の向上にも繋がったようである。また,大学の授業では学生が積極的に発問したり意見を述べたりしている様子を見て,日本人の自分たちもこういう積極性を身につけることが大事であるというよい刺激を受けたようである。これら学生の所感は,毎朝提出させた日報や事後授業での報告会でも,高等教育機関,コミュニケーション,情報保障,ろう者社会などをトピックに詳しく書かれ,その所感をもとに日米の違いを考察する様子も見られた。また,自己のASL/英語力,コミュニケーション能力,アイデンティティなどに関する自己分析にも学生一人ひとりが真摯に取組めており,将来的な目標の発見にも繋がったものと考えられる。この様子から,学生の異文化理解の促進や社会認識・自己認識の深化に大きな成果が得られたであろうことを確認した。 謝辞 本研修の実施に際し,多大な協力をいただきましたギャローデット大学の関係者に心から感謝の意を表します。また,日本学生支援機構および筑波技術大学基金から参加学生への助成をいただきましたことに深く感謝いたします。 参照文献 [1] 小林洋子,中島幸則,大杉豊. 2015年度大学間協定に基づく国際交流 米国東部研修報告. 筑波技術大学テクノレポート. 2016; 24(1): p.38-43. [2] 白澤麻弓,大鹿綾,平良悟子. 2016年度大学間協定に基づく国際交流 米国東部研修報告. 筑波技術大学テクノレポート. 2017; 25(1): p.79-83. International Exchange Based on the 2017 Inter-University Agreement:Study Tour to the United States of America KOBAYASHI Yoko1), SHIRAISHI Yuhki2), SHIRASAWA Mayumi3) 1)Division for General Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology 2)Department of Industrial Information, Faculty of Industrial Technology, Tsukuba University of Technology 3)Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology Abstract: As part of an international exchange project at Tsukuba University of Technology, we conducted a training tour to the Gallaudet University in the Eastern United States of America from March 3 to 10, 2018. In this tour, we not only visited the faculties, but also participated in several classes and exchanged information with students and teachers at Gallaudet University. From the reports and presentations of the tour by the participating students, we found great achievement in promoting students’ cross-cultural understanding as well as deepening their social- and self-recognition. This year, a visit to the National Association of the Deaf has been newly included in the tour. We consider this a meaningful addition. Keywords: International exchange, Cross-cultural communication, Gallaudet University