─ 16 ─ ろう者学教育コンテンツの開発と共同利用の展望 管野奈津美,大杉 豊, 小林洋子, 戸井有希筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者基礎教育研究部 要旨:国立大学法人筑波技術大学障害者高等教育研究支援センターは,教育関係共同利用拠点「障害者高等教育拠点」として平成22年に文部科学省の認定を受け,平成23年度からろう・難聴者の様々な生き方や考え方および自立に必要な知識などを指導する「ろう者学」の指導カリキュラム及びコンテンツを開発・整備する「ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト」に取り組んできた。開発したコンテンツの一部を利用して,平成26年5月に全国の高等教育機関および聾学校(特別支援学校)高等部を対象にアンケート調査を実施した。その調査結果をもとに,ろう者学教育コンテンツの共同利用の有効性を検討した結果,高等教育機関におけるエンパワメント指導や聾学校(特別支援学校)における自立活動の教材として非常に有効であることが確認された。キーワード:エンパワメント 自立活動 障害認識 ロールモデル 生きる力 共同利用 1.はじめに 「ろう者学(Deaf Studies)」とは,ろう者の生活や文化,社会,歴史などを研究する学問である。海外では「ろう者学」について研究または指導する大学[1]や,一つの科目として教えるろう学校[2]も見られる。ろう・難聴の児童や学生が自分自身の障害を認識[*注1]して,個人的アイデンティティと社会的アイデンティティの両方を形成するためにも重要な学問とされている。日本においては「ろう者学」の教育カリキュラムが整備されておらず,指導ノウハウや教育資源が不足しているために,「ろう者学」の授業の開設が困難とされているのが現状である。そこで筑波技術大学障害者 高等教育研究支援センターの教育関係共同利用拠点「障害者 高等教育拠点」では,「ろう者学教育コンテンツ開発プロジェクト(代表:大杉豊)」を立ち上げ,これまで本学に集積された指導ノウハウや教育資源を活用して「ろう者学」の教育カリキュラムを開発し,全国の高等教育機関におけるろう者学の指導やろう・難聴学生へのエンパワメント指導の活用を視野に,コンテンツの作成を進めてきた。(コミュニティ分野55課題,芸術分野73課題,手話分野26課題,スポーツ分野25課題,歴史分野9課題,テクノロジー分野3課題)高等教育機関に進学するろう・難聴学生は年々増加する傾向にあり,それに伴い高等教育機関における障害学生の修学支援の取組が全国的に発展し,支援室を設置する大学も増えてきた。金澤(2011)によると,聴覚障害学生の支援は講義保障だけではなく,学生のアイデンティティ形 成やメンタルヘルス,キャリア教育やエンパワメント指導など多岐にわたると述べている[3] 。エンパワメントとは一般的に「本来持っている能力を引き出し,社会的な権限を与える」という意味を持つが,聴覚障害学生支援の分野において松崎(2004)は「当事者は,専門家の援助を前提条件とするのではなく,自ら問題を解決し自分たちに影響を及ぼす事柄を自分自身でコントロールし,実践していくこと」[4]と述べている。ろう・難聴学生自身が当事者意識を持ち,自分のニーズを発信し主体的に働きかけていくためには,自分自身の障害の認識やアイデンティティの確立が不可欠となっている。本稿は,高等教育機関の障害学生支援担当部署および聾学校(特別支援学校)高等部を対象に平成26年5月にアンケート調査を実施し,得られた回答内容を分析することで,高等教育機関および聾学校(特別支援学校)におけるろう者学教育コンテンツの有効性を検証することを目的とした。高等教育機関が本来の対象であるが,聾学校(特別支援学校)で行われている自立活動[*注2]でもろう者学が必要ではないかとの意見が寄せられたため,聾学校(特別支援学校)高等部も調査対象に含めることとした。 2.調査方法 2.1 調査依頼先 高等教育機関75校:日本聴覚障害学生 高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)連携大学・機関19校およ ─ 17 ─ び視覚障害学生支援メーリングリスト(VISS-Net)登録の高等教育機関56校,全国の聾学校(特別支援学校)高等部(自立活動担当)65校 2.2 調査協力校数 高等教育機関は29校(回収率38.7%),聾学校(特別支援学校)は32校(回収率49.2%)より回答を得た。 2.3 調査手順 説明書および回答用紙を調査先に郵送し,ろう者学教育コンテンツのウェブサイトに用意したテストページに,回答者がインターネット経由でログインし,ろう者学教育コンテンツ4例(コミュニティ,芸術,スポーツ,手話)を視聴してもらった。これらのろう者学教育コンテンツ4例が聴覚障害学生支援の一環または自立活動の教材として有効かどうか評価して,選択方式および自由記述方式の2種類で,回答用紙に記入したものを返送していただく手順とした。 3.調査結果 3.1 高等教育機関の調査結果 ろう・難聴学生から自らの聴覚障害やアイデンティティに関する相談があった時にどう対応したのかという問いに対する自由記述では,次のような記述が見られ,これらに関する支援ノウハウが不足している現状が改めて確認された。・まず本人の話を聞いた上で,相談にのってもらえそうな聴覚障害学生の先輩を紹介した。・気持ちを受け止め,聞こえないうえでどうすればよいか対応策を考えた。生き方・価値観の問題の1つとして一緒に考えた。今までがんばってきた学生,自己評価が低い学生もおり,なかなか自分の気持ちを表現できない傾向があるように思われた。ろう者学教育コンテンツは聴覚障害学生支援の一環として活用できるかという問いに対しては,「活用できる」の回答が29校中22校(75.9%)とおおむね肯定的であった。また,視聴したろう者学教育コンテンツ4例について聴覚障害学生支援の一環としての可能性を問う評価では,次の結果が出た。 (1)コミュニティの課題(単元:「ろう者コミュニティを理解しよう」)は,奄美大島に存在したとされる不就学ろう者コミュニティを取り上げ,聾学校卒業生のコミュニティとの違いを意識して,その特徴について考えさせる内容である。支援の一環として「有効である」の回答が29校中16校(55.1%),「有効ではない」の回答が7校(24.1%),無回答が6校(20.7%)であった。自由記述では以下の記述が見られた。・コミュニティの中に生きることは,障害の有無に関わらず,人類としての基本である。ろう者の人数にもよるが,コミュ ニティの各層においてろう文化を学び,自らのアイデンティティをろう者として形成・発展させる主体として認識することの必然性を学ぶことができる教材だと思う。・ろう者コミュニティについて,一つではないことを学生が理解し,それが自立につながるのではないかと思う。・生まれ育った背景によって理解に差が出ると感じた。デフ・ファミリーや聾学校に通った経験のある学生は自身の経験から,それぞれの例を自分に置き換えることでイメージできるが,そうでない学生はイメージすることも理解することも難しいのではと感じた。 (2)芸術(単元:「写真芸術とろう者の関わりを学ぼう」)は,ろうのプロ写真家のインタビュー映像を題材として取り上げ,ろう・難聴者がプロの写真家としてやっていく上で必要なこと・大切なことを考える課題であった。「有効である」の回答が21校(72.4%),「有効ではない」の回答が1校(3.4%),無回答が7校(24.1%)であった。自由記述では以下の記述が見られた。・ろう者へのキャリア教育に有効だと感じたから。写真家が語るように,様々な経験を積むことがいかに重要かということを教えてくれる内容であり,これについてはろう者,聴者関係なく,知っておくべきことの1つではないだろうかと思う。・自分と同じ ろう者から,一般的に障がいを持っていると難しいとされている芸術の世界で仕事をしている経験談やアドバイスを聞くことによって,自分の可能性について刺激を受けることができ,将来についてより深く考えることができると思った。 (3)スポーツ(単元:「ろう者が大会参加を阻まれた事例を学ぼう」)の課題は,高校生にとって身近な高校野球を取り上げ,参加を拒まれた理由と当時の社会背景や障害者観について調べるというものであった。「有効である」の回答が21校(72.4%),「有効ではない」の回答が1校(3.4%),無回答が7校(24.1%)であった。自由記述では以下のような記述が見られた。・障がいを持つことにより拒まれたことについて,そのまま受け入れるのではなく,本当に出来ないことなのか,何が問題なのかを追求し,権利主張をしていくことの大切さがわかる。・話に出ている例がわかりやすく,周りに理解を求めていくことで解決していくことが語られており,支援の一環として有効である。 (4)手話(単元:「手話の年代的バリエーションを学ぼう」)の課題は,「日本手話言語地図」を使って,「土曜日」の手話において30代と70代それぞれ各地で手話表現にどのように違いがあるのか調べて比較するものであった。「有効である」の回答が18校(62%),「有効ではない」の ─ 18 ─ 回答が4校(13.7%),無回答が7校(24.1%)であった。自由記述では以下のような記述が見られた。・手話にも「方言」があるようで,それを学ぶことは言葉を学ぶのに似ている。手話を専門に学ぶ人に必要な知識だと思う。・聴者の話し言葉と同じように,手話も年代や地方によって違いがある「文化」だとわかる。・言語としての手話について深く考えること自体は重要だと思うが,「聴覚障害学生への支援の一環」として有効かどうかというと疑問である。以上の調査結果から,「ろう者学教育コンテンツ」が高等教育機関のエンパワメント指導においても有効であることが確認された。多くのろう・難聴児は聾学校で先輩やろうの教師との交流を通して,彼らをロールモデルとして肯定的な自己像を形成していく。一方,高校まで聾学校に通った経験がなく他のろう者に接する機会もないまま,成長していくろう・難聴者もいる[5]。彼らの殆どは大学に入って他のろう者に初めて接し,自身のモデルとして新たに自己像を形成していく傾向が見られる。そのような学生たちが自分の障害と向き合い,肯定的に捉え,主体的に周囲に働きかけられるよう支援していく必要があると考える。また,キャリア教育に関する意見も出たことから,エンパワメント指導のみではなく,高等教育におけるキャリア指導にも応用できるようカリキュラムの更なる工夫が求められる。 3.2 聾学校(特別支援学校)の調査結果 生徒の障害認識やアイデンティティに関する自由記述では,次のような記述が見られ,これらに関する指導ノウハウや教育資源が不足している現状が改めて確認された。・高等部では卒業後の就職に向けて指導しようという意識が強く出てしまい,聴者目線での指導・支援になってしまいがち。そのため,障害認識やアイデンティティの形成という面で偏りがあるのではないかと感じることがある。・様々なろう者の話を聞ける機会が少ないという現状がある。・教材作りが難しい。・障害認識をテーマにした授業をする機会が少ないため,生徒のアイデンティティが育っていないように感じる。講師を呼ぼうにも距離が離れているために,なかなか呼ぶことが難しい。ろう者に関する知識が深い先生が異動してしまうと,立て直しに数年かかる場合がある。ろう者学教育コンテンツは自立活動の授業における障害認識の教材として活用できるかという問いに対しては,「活用できる」の回答が32校中27校(84.3%)と圧倒的な数値を示した。また,視聴したろう者学教育コンテンツ4例について聾学校の自立活動における活用の可能性を問う評価では,次の結果が出た。 (1)コミュニティの課題(単元:「ろう者コミュニティを理解しよう」)は,自立活動の教材として「有効である」の回答が32校中18校(56.2%),「有効ではない」の回答が8校(25%),無回答が6校(18.8%)であった。自由記述では以下の記述が見られた。・様々なろう者のコミュニティに対する理解を深めることで,生徒が自己の将来像を具体的に考える契機になる。・生徒たちに何をテーマに考えさせるかポイントを絞るのは難しいが,奄美大島の話についてはぜひ生徒たちに知ってほしい題材だと思う。・教員の研修としては興味深い。示唆に富んだ内容ではあるが,高等部生徒にとってはやや難しくピンと来ないものも多いと思われる。 (2)芸術(単元:「写真芸術とろう者の関わりを学ぼう」)は,「有効である」の回答が22校(68.8%),「有効ではない」の回答が3校(9.4%),無回答が7校(21.9%)であった。自由記述では以下の記述が見られた。・現実的ではない夢を持ちがちな生徒が,芸術を仕事にする上での現実的な壁を知る手がかりとしては良いと思った。・ろう者として,社会人として生きていくために必要なことは何か,また,一人の人間として大切にしなくてはいけないことは何かなど,今後社会に出ていく生徒達に伝えたい内容がきちんとおさえられていると感じた。・授業で提示するときのコンテンツの長さは10分程度がいい。内容が長く,ポイントが絞りにくい。 (3)スポーツ(単元:「ろう者が大会参加を阻まれた事例を学ぼう」)は「有効である」の回答が25校(78.1%),「有効ではない」の回答が1校(3.1%),無回答が6校(18.6%)であった。自由記述では以下のような記述が見られた。・当時の社会背景や人々の障害者観を知る教材として有効だと思った。運転免許裁判と関連づけて考えられそう。また,差別については無知から来る差別もあるということから,聴覚障害者自ら,社会にアピールしていく必要性に気付かせることも大切だと感じた。・同じ画面が続くので,生徒の集中力が続かないと思った。聴者に対する反感のみが印象に残ってしまう危険性を感じる。 (4)手話(単元:「手話の年代的バリエーションを学ぼう」)は「有効である」の回答が22校(68.8%),「有効ではない」の回答が5校(15.6%),無回答が5校(15.6%)であった。自由記述では以下のような記述が見られた。・自分が使っている手話以外にも,さまざまな表現方法がある。他者を理解する上でも,必要な教材だと感じた。・小学生,中学生の調べ学習の教材として使いやすそうだと感じた。 ─ 19 ─ ・教材としてどのように活用すればいいのか,イメージできなかった。以上の調査結果から,全国の高等教育機関との共同利用を想定して開発してきた「ろう者学教育コンテンツ」が聾学校(特別支援学校)の自立活動においても有効であることが確認された。聾学校でのより広い活用を促進するためには,(1)コンテンツを活用する指導例の検討,(2)映像コンテンツの長さや画面の変化などの調整,(3)ブラウザの相性や学校のセキュリティ環境など異なるシステムにあわせたウェブサイトの改善等が課題としてあげられる。 4.まとめと今後の課題 今回の調査では,ろう者学教育コンテンツは高等教育機関におけるエンパワメント指導,聾学校(特別支援学校)における自立活動の教材として有効であることが確認された。このコンテンツはろう者の専門家によるインタビュー映像や解説映像を中心に構成しており,自分以外のろう・難聴者と画面を通して出会うことになり,肯定的な自己アイデンティティの形成・確立に有効であるという意見も多数あった。自分以外のろう・難聴者の存在を実感するだけではなく,彼らが様々な問題に対してどう解決していったのかを学ぶことによって,自分のエンパワメントの糧とするという効果も期待できる。技術的課題が残されるが,キャリア指導も含めて高等教育機関及び聾学校高等部におけるエンパワメントや自立活動の指導に有効な教材としての更なる開発と改善を続けたい。 注 1)小田(2002)は,聴覚障害児の障害認識に教育的に関わる際のアプローチとして,リハビリテーションモデル,発達課題モデル,異文化接触モデルの3つに分類されると述べており,異文化接触モデルとは「聴覚障害という状態を聴者の状態から何かが欠けた存在ととらえるのではなく基本的な存在形態の一つと考え,独自の文化的な活動と集団に支えられているととらえるモデル」[6]と示している。また上農(2000)も,聴覚障害者という少数者の集団であるからこそ,異文化(聴者文化,聴者の価値観)について知る・学ぶ技術を持っておくべきであり,聴者と真に対等な共生関係を築く上でも重要であると述べている。ゆえに,障害認識はろう・難聴である自分の文化的位置付けを客観的に学ぶことをも含み,肯定的なアイデンティティを確立する上で非常に重要であると考える[7]。 2)自立活動は障害をもつ児童及び生徒が自立を目指して教育的活動を行うために,特別支援学校において特別に設けられている領域である。高等部学習指導要領におい ては,自立活動の目標は「個々の生徒が自立を目指し,障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培うこと」[8]とされている。本調査の自立活動で扱っている内容を問う設問では様々な回答があり,「進路指導」「障害認識」「日本語指導」の回答数が「学習指導」「発音・発話指導」「手話指導」「社会見学」を上回る結果が出た。(図1) 図1 自立活動の活動内容の割合(%) 参考文献 [1] 小林洋子,大杉豊.米国の大学における日本手話教育の意義.手話学研究. 2012; 21(22): p.45-62.[2] 武居渡.ろう学校のテキスト.手話・言語コミュニケーション.2014; 1: p.32-57.[3] 金澤貴之.聴覚障害学生に対する支援体制構築における諸課題.発達障害研究.2010; 33: p.359-366. [4] 大杉豊.エンパワメント指導.In: 日本聴覚障害学生 高等 教育支援ネットワーク聴覚障害学生支援システム構築・運営マニュアル作成事業グループ.一歩進んだ聴覚障害学生支援:組織で支える.生活書院(東京), 2010; p.170-180.[5] 鳥越隆士.聴覚障害児の心の成長とアイデンティティをめぐって.手話コミュニケーション研究.2007; (27): p. 27-31.[6] 小田侯朗, 横尾俊 .聴覚障害児の障害認識に関する研究.国立特別支援教育総合研究所研究紀要.2002; (27): p.35-45.[7] 上農正剛 .障害「受容」から障害「認識」へ.九州保健福祉大学研究紀要.2000; 1: p.135-140.[8] 文部科学省.特別支援学校学習指導要領解説自立活動編(幼稚部・小学部・中学部・高等部).2009. ─ 20 ─ Development of Educational Contents for Deaf Studies and a Vision for Their Incorporation into the Secondary and Higher Education KANNO Natsumi, OSUGI Yutaka, KOBAYASHI Yoko, DOI Yuki Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology Abstract: In 2010, the Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology, was officially declared the hub for higher education for the hearing and visually impaired by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. Accordingly, the center has developed an educational curriculum and contents for Deaf Studies, which provide information on a diverse range of lifestyles for the deaf and hard-of-hearing, and knowledge necessary for them to develop independent living skills. This paper describes the results of a questionnaire survey administered to higher education institutions and deaf schools in May 2014; a discussion on the effectiveness of the educational contents for the deaf and hard-of-hearing follows. Keywords: Deaf and hard-of-hearing, Deaf Studies, Empowerment, Independent activities, Deaf awareness, Role model, Living powers, Sharing system National University Corporation Tsukuba University of Technology Techno Report Vol.22 (1), 2014