中国研修報告 福島正也 1),岡本 健 2),荒木 勉 3) 筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター 1) 筑波技術大学保健科学部情報システム学科 2)筑波技術大学産業技術学部産業情報学科 3) 要旨:国際交流事業の一環として,筑波技術大学の教員・学生が2014年9月14日〜24日の期間,中国研修を実施した。本研修では,長春大学特殊教育学院,天津理工大学聾工学院を訪問し,学生の専門に応じて,授業参加,施術体験,現地学生・教員との情報交換等を実施した。参加学生は現地の熱意ある教育現場に直接触れることにより,専門技能の学習のみならず,異文化の理解や自己認識の向上に大きな成果を得た。今回のような聴覚障害学生と視覚障害学生が混在したグループでの研修においては, ICTを活用した情報保障が有用であった。 キーワード:国際交流,異文化コミュニケーション,長春大学特殊教育学院,天津理工大学聾工学院,情報保障 1.はじめに  本学は,長春大学および天津理工大学と大学間交流協定を結んでおり,教育・学術・文化面において積極的な交流活動をしている。本学では,平成26年度に,この2大学を主な訪問先として11日間の研修を実施したので,内容および成果について報告する。両大学において,長春大学特殊教育学院は,視覚・聴覚に障害のある学生,天津理工大学聾工学院は,聴覚に障害のある学生を受け入れており,中国の特別支援教育において中心的な役割を果たしている。なお,中国の大学における「学院」とは,日本の「学部」におおむね相当するが一般的に日本より独立性が高い。本学と両大学との交流は古く,これまでにも種々の取り組みをしているが[1-3],平成25年度からは,本学国際交流全学事業のShort Visitプログラムとして産業技術学部・保健科学部特設科目「異文化コミュニケーションK」(中国)を実施している。昨年度の中国研修は,訪問先として長春大学のみであり,研修期間も6日間であったが,今回は日本学生支援機構の派遣期間の規定に準じ天津理工大学を加えた2拠点の訪問で,期間は11日間に拡大された。 2.研修の概要 2.1 研修の目的  本研修の目的は3つある。1つ目は,中国の長春大学特殊教育学院および天津理工大学聾工学院の高等教育機関において専門教育を受講し理解を図ることである。また鍼灸学を専攻する教員・学生においては,両大学の他に, 訪問学生の専門の学びと関係する現地の診療施設での研修も含まれる。2つ目は,海外研修を行うことで世界に学ぶ障害者を理解し,中国の高等教育や歴史・文化・生活に関する知識も得ること。3つ目は,授業への参加や現地学生・研究者・教員との情報交換を行い,見聞を広めることで,社会認識及び自己認識を高め,自らの飛躍を図り,明日のリーダーとなる人材を育成することである。 2.2 研修先  中華人民共和国にある長春大学特殊教育学院(吉林省長春市)および天津理工大学聾工学院(天津市)を訪問した。鍼灸学を専攻する教員・学生においては,これに長春市にある病院(吉林省中医科学院第一臨床医院), 天津市にある施術所(仁嘉盲人按摩施術所)および大学病院(天津中医薬大学第一附属医院)が加わり, それぞれの大学の先生方の案内をいただき訪問した。 2.3 参加者  学生3名:・大和田 幸寿(保健科学部情報システム学科4年)・吉田 祐太(産業技術学部産業情報学科情報科学専攻3年)・水上 次郎(保健科学部保健学科鍼灸学専攻3年)  教員3名:・荒木 勉(産業技術学部産業情報学科・教授)・岡本 健(保健科学部情報システム学科・准教授)・福島 正也(保健科学部附属東西医学統合医療センター・助教) 2.4 研修日程  研修日程とその概要は以下の通りである。   3.研修の概要 3.1 事前研修  今回,学部や専攻が異なる学生3名が研修に参加した。訪中に先立ち,参加者全員が集まり事前研修を実施した。ここで,一般的な留意事項を確認すると共に,各学生の障害について理解を深め,必要な支援を確認した。また,学生を主体とした事前学習を行い,各々が学ぶ専門に応じた内容について調査し,研修における目標設定を行った。今回,学生がもつ専門性と合致した研修内容となるよう,参加する教員・学生を情報グループと鍼灸グループの2グループに分けた。各グループは専門に応じて,受講する授業や訪問先を決定した。また,宿泊場所の確保や通訳の手配等,現地との調整にあたっては,本学産業技術学部産業情報学科の張建偉先生に多大な尽力をいただいた。 3.2 長春での研修  以下,各日の研修内容について報告する。 9月15日(月)  最初に長春大学特殊教育学院を表敬訪問した(図1)。その後,グループに別れ,事前に予定していた授業を受講した。授業は,1限目8:00-9:30,2限目9:50-11:20,3限目12:50-14:20というように構成されており,早朝の8時前から多くの学生達が教室に向かっている姿が見られた。情報グループは,午前中にJAVAプログラムを受講した(図2)。この授業はコンピュータ学院対象の必修科目である。受講したのは講義だが,他にも演習の授業がある。教室には1人1台のパソコンがあり,学生は実際にプログラムを作成して学習していた。また演習で使用するパソコン教室を見学したが,100人が一度に作業できる大きなものであった。午後は数学ロジックを受講した。これは日本の論理回路に相当する。学生から多数の質問があり,授業の進度は速い。鍼灸グループは,特殊教育学院に設置されている5年課程の鍼灸推拿系の授業を受講した。受講した授業は,経絡学(内容:営気と衛気の巡行),傷科推拿学(内容:斜角筋症候群),神経定位診断学(内容:運動失調)であった。西洋医学に関する授業内容は概ね日本での教育内容と同様であったが,東洋医学(中医学)に関する内容はより詳細なものであった。また,傷科推拿学の授業後に,授業担当教員が腰背部痛および頚部痛を訴える学生に推拿を行う様子を見学することができ,高度かつ独特な技法を学ぶ機会となった。   図1 長春大学特殊教育学院校舎前にて 図2 JAVAの授業風景 9月16日(火)  情報グループは,午前にデーターベースおよび銀行会計,午後にコンピュータ構成原理を受講した。銀行会計は,経済管理学院(日本の経済学部に相当)対象の授業であり,銀行業務や会計監査について学習した。今回の研修では唯一の人文系の授業であり,普段あまり意識することのない中国の金融事情について学習する機会を得ることができた。コンピュータ構成原理では,計算機内部における浮動小数点演算の仕組みについて説明していた。授業内容は日本の授業と比較して大きな違いはない。この科目が大学院の入試科目に入っているそうで,これが関係しているためか学生はわからないことがあれば授業中でも何度も質問し,授業に取り組んでいた。鍼灸グループは,午前に方剤学(内容:小柴胡湯),中医基礎理論(内容:五行学説)を受講した。午後は特殊教育学院の5年生が臨床実習を行っている,吉林省中医薬科学院第一臨床医院を訪問し,鍼灸推拿の臨床を見学した。適応疾患や医療制度などについての質疑にも応じていただき,有用な研修となった。また,臨床実習中の学生と交流する機会もあったが,実習への熱心な取り組みにより,指導教員から高い評価を得ており,中国における推拿臨床教育の水準の高さを知る機会となった。 9月17日(水)  情報グループは,午前に情報安全技術を受講した。これは日本の情報セキュリティに相当する。授業はネットワークの安全性について説明しており,Whois search(ドメイ ン名登録情報検索)やTraceroute(経路情報の取得)等,教員が実際に,自前のノートパソコンに組み込まれている各種ツールを動かしながら説明していた。授業終了後, 本学教員が様々な質問をしたが, この授業の担当教員はWebサイトの管理・運営を行う会社に勤務するSEだそうだ。この授業は講義のみで演習は行わない。理由は,学んだ技術が悪用されるのを防ぐためとのこと。本学の学生もポップアップに関する中国での運用など,疑問に思ったことを積極的に質問していた。その後,外国語学院日本語クラスの1年生および4年生と交流会を行った。授業の様子や日本語の勉強方法,日本で働く方法など,多岐にわたるテーマについて,お互いに活発な話をした。鍼灸グループは,午前に診断学基礎(内容:喀血),推拿技法を受講した。この実習では,本学学生が特殊教育学院の学生とペアを組み,腹部に対する振せん法について学んだ(図3)。実習は,言語を越えたコミュニケーションが可能であり,推拿の技法を実際に学ぶ貴重な機会となった。午後は全員が集まり,吉林省で最も高い建築物である長春大学のビル,特殊教育学院展覧館,図書館の見学をした。図書館は新築の5階建てで,最新の拡大読書器や数はまだ少ないものの拡大図書を置いた区画,156台のパソコンが並ぶPCルームなど充実した設備が整っていた。また,体育館ほどの広さの自習室があり,数百人の学生たちが各々の机にうず高く専門書を積み上げながら学習に励む姿が印象的であった。 9月18日(木)  中国文化体験として,午前中に長春軽軌(ライトレール)の乗車,長春浄月潭国家森林公園での碧松浄月塔楼・北普陀寺の見学をした。午後からは,特殊教育学院での学習成果発表会を行った。各々の学生が長春大学での学習成果について,特殊教育学院の先生方および学生代表の前でプレゼンテーションを行った(図4)。 図3 推拿 技法の実習風景 図4 学習成果発表 3.3 天津での研修 9月20日(土)− 9月21日(日)  天津滞在中は,早朝,散歩を兼ねて,通訳をしていただいた現地の学生に天津理工大学の広大な敷地の案内していただいた。敷地内の池のほとりやベンチでは,声を出して英語の暗唱に取り組む学生の姿が複数みられた。週末は大学の授業がないため,中国文化体験として,20日南開大学,古文化街,天津博物館等を見学した。21日は石家大院,楊柳青年画等を見学した 。両日共に,案内や通訳を聾工学院の方々にしていただき,充実した文化体験となった(図5)。 9月22日(月)  午前に,天津理工大学聾工学院にて意見交換会を行った(図6)。ここで両校の入学試験・在籍学生・教育内容・学費・就労支援・就労先,中国の障害者福祉制度,中国手話の現状などについて,活発な意見交換が行われた。午後はグループに別れて研修を行った。天津滞在中,情報グループは,障害の特性および希望に合わせ,さらに2グループに分かれて行動した。大和田君と岡本は,ネットワークの授業を受講した。教員はカナダ人で授業は英語でLANとWAN,EthernetとFDDI等,通信プロトコルの違いについて,大変ゆっくりした口調で話をしていた。意欲ある学生は前に座って時折,教員に質問し授業の内容について確認していた。吉田君は現地スタッフのサポートを受けながら,中国の工芸品に関する授業を受けた。この授業は聾工学院の学生対象で,教員はプロジェクターに投影された種々の工芸品に対して,手話を用いて,その歴史と変遷について説明を行った。授業の後半に,大和田君と岡本がこの授業に合流したが,教員と現地学生は,手話を通じて終始対話をしており,熱意をもって授業に取り組んでいる学生の様子が見られた。鍼灸グループは,天津市内の盲人按摩の施術所を訪れ,施術を体験した。訪問した施術所は,最も短い45分間のコースを“局部理療”と呼び,頭頚肩部または腰下肢部のいずれかのみの施術となり,また按摩施術自体も強揉みであることから,中国では日本に比べ刺激量が多い施術が好まれているようであった。今回,按摩を受けた2名の施術者の技術水準は高く,また,都市部にはかなりの密度で按摩施術所が存在していることから,按摩が中国社会に定着し,高い技術水準が維持されていると考えられた。なお,中国では伝統的な手技療法のうち,治療を目的とするものを推拿 (tu. na),慰安を目的とするものを按摩(an m./mo)と呼び,使い分けているとのことだった。 9月23日(火)  情報グループは,午前中,聾工学院の学生を対象とした授業を受講した。最初に図形画像処理の授業を体験した。学性は,1人1台,Appleのパソコンを用いて,Photoshopの使い方について学んでいた(図7)。教員は手話と電子黒板による板書を適宜使用し,ツールの細かい仕様について説明していた。また,大和田君と岡本は,この他に服のデザインに関する授業について受講し,手話を交えた説明を受けた。鍼灸グループは,天津理工大学の教員にご案内いただき,午前中に天津中医薬大学第一附属医院を訪問した。天津中医薬大学は,中国での鍼灸医学の拠点となっている大学であり,見学を受け入れて下さった遠教授の元で,醒脳開竅法を中心とした最高水準の中医鍼灸の臨床を見学することができた。遠教授の元には,日本からの留学生も在籍しており,中医鍼灸の現状などについて有用な情報を得ることができた。午後からは, 聾工学院での学習成果発表会と学生交流会を実施した。学習成果発表会では,本学学生と現地学生の間で,活発な意見交換が行われた。学生交流会では,聾工学院の学生たちが各々の特技を活かした出し物を披露してくださり,和やかな雰囲気での国際交流となった(図8)。図中最前列の作品は,聾工学院の学生が交流会の中で作成してくれたものである。 図5 天津理工大学宿泊施設前にて 図6 学生・教員による意見交換会 3.4 事後研修  帰国後,事後研修を実施した。学生は,今回の研修成果をまとめたレポート作成と最終発表を行った。発表では,専門知識・技能の習得以外に,国や障害が異なる学生たちとの交流を通じ,多くのことを学ぶ機会となったことが報告された。 4.特記事項 4.1 現地の道路・交通事情  現在の中国は,急速な発展を遂げつつあり,今回の中国滞在においても,その状況を実感することができた。長春・天津共に,街中のいたるところで工事が行われており,路面の凹凸や大きな段差がある道を移動する必要があった。また未舗装の路面では,風が吹くと大量の砂埃に見舞われることも多かった。交通量が多い道路では,自動車ドライバーが頻繁にクラクションを鳴らし,周囲に警告しながら隙間を縫うように走行していくことが多い。また近年は,自転車に代わって電動スクーターが普及しており,エンジン音がしないことから, 歩行者はその存在に気付きづらい。こういった道路・交通事情においては,海外滞在時の一般的な留意点に加え,道の迂回や学生の誘導等,安全確保のための十分な配慮が求められる。 4.2 情報保障  滞在期間中,一日の最後はホテルの一室に全員が集まり,研修成果を報告するミーティングを行った。本研修では情報保障に配慮するため,各種機材を日本から持参した。主なものとして,キーボード,ノートパソコン,マウス,15インチポータブルモニタ,タブレットがある。聴覚に障害がある学生が発表する際には,スライド表示用と文字入力用の2台のノートパソコンを用いた。それぞれのパソコンには,ディスプレイケーブルが接続されており,ディスプレイに複製して画面を投影した。これにより, 弱視学生に対し十分な大きさの文字や図形の表示を確保することができた。また日本からディスプレイケーブルを持参し,ホテル備品のテレビにつなげることにより,パソコンのディスプレイとして活用することができた。その他, ICTのサービスとして,メーリングリストおよびオンラインストレージ, インターネット電話, Webを用いたスケジュール管理等を活用した。これにより資料整理, 情報の共有化,情報保障を行い,円滑な情報交換や学習を支援した。 4.3 授業の質の保障  現地での教員との対話や意見交換会において,授業の質の保障をテーマの一つとして取り上げ,議論を行った。訪問した両大学では,いずれもインターネットを用いた授業評価システムを導入していた。教員が学生全員に対して「甘い」評価であったり,逆に厳しい評価であったりした場合には,学生からの指摘により改善を要求される。現地での授業においては,教員たちの授業への熱心な取り組みが垣間見られた。中国語の言語特性もあってか,多くの授業において,十分な声量での歯切れのいい話し方が印象的であった。また授業によっては,始業時に前回の授業内容に関する復習を兼ねた発問やクラス全員での暗唱を導入していたり,授業の前半を座学,後半を座学の内容に基づく実習を導入していた。各教員による授業づくりへの工夫と学生の積極的な授業参加が随所に見られ、中国の教育改革の質を教室の中で肌で感じ取ることができた。 図7 Photoshopの授業風景 図8 学生交流会 4.4 課題  今回はこれまでの研修と異なり,研修期間が11日間と比較的長く,教員・学生共に綿密な研修計画および健康管理が求められた。宿泊施設を使用する際は, 障害種の異なる学生に配慮し, 部屋の割り当てや各種備品の確認を行った。食事面では, 食文化の違いを説明し, 食嗜好や アレルギーの有無を確認した。また参加者の打合せにより, 共同使用目的の薬を日本で購入し, 持参した。平成27年度以降の中国研修も今回と同程度の研修期間となることが予想され, 種々の配慮が必要である。また,今回のように専攻や障害種の異なる学生が同一グループで活動することは,学生間の交流や相互理解の促進に大きなメリットがある。一方で,参加学生たちの多様なニーズには対応するためには, 研修先への事前説明や, 通訳・情報保障の確保が不可欠であり, 事前準備および現地における対応, 種々の経費負担が求められる。 5.まとめ  本研修では, 種々の取り組みの中で日中の共通点と相違点について認識でき, 見聞を深めることができた。研修先の大学では、一つの教室に大勢の学生たちが懸命に勉学に取り組み,大学全体が活気ある空気に満ちていた。少子化等を背景として学生数の減少が続いている我が国においては,現在の中国で見られるような活気を取り戻すことは難しいかもしれない。しかし,学生一人ひとりのニーズに寄り添った,より質の高い教育を目指して努力を重ねていくことが大切である。 謝辞  本研修の実施に際し,筑波技術大学基金および日本学生支援機構から,参加学生への助成をいただきましたことに深く感謝いたします。 参照文献 [1] 松藤みどり,生田目美紀,西岡知之,田中晃:PENインターナショナルの親善活動.筑波技術短期大学テクノレポート,10巻1号, p.87-92, 2003. [2] 細谷美代子,岡田昌章,三好茂樹,大塚和彦,荒木勉, 須藤正彦,ポーリー マーティン エドモンド:2003年日中国際交流プログラム活動報告.筑波技術短期大学テクノレポート,10巻2号,p.135-141, 2003. [3] 殿山希,形井秀一,柴崎正修, 一幡良利:中国長春大学特殊教育学院針灸推拿科からの教員と学生の研修を受け入れて.筑波技術大学テクノレポート,15巻, p.171-176, 2008. A Report on a Study Tour to China FUKUSHIMA Masaya1), OKAMOTO Takeshi2), ARAKI Tsutomu3) 1) Center for Integrative Medicine, Faculty of Health Sciences,Tsukuba University of Technology 2) Department of Computer Science, Faculty of Health Sciences,Tsukuba University of Technology 3) Department of Industrial Information, Faculty of Industrial Technology,Tsukuba University of Technology Abstract: From September 14.24, 2014, our group (3 undergraduate students and 3 faculty members) went on a study tour to China as part of an international exchange project. We visited the Special Education College of Changchung University and Tianjin Technical College for the Deaf of Tianjin University of Technology. According to students’ major, this study tour involved joining classes, experiencing Anma therapy, exchanging information with university students and teachers, and so on. Through the tour, students learned not only expertise but also a different culture and developed self-awareness. As this tour included students with various disabilities, information support by Information and Communication Technology (ICT) was necessary. Keywords: International exchange, Cross-cultural communication, Special Education College of Changchung University, Tianjin Technical College for the Deaf of Tianjin University of Technology, Information support