医療教育グローバル化を目指した視覚に障害のある人に対する英国のマッサージ教育視察と資格試験調査 殿山 希,佐々木健,笹岡知子,近藤 宏,大越教夫 筑波技術大学 保健科学部 保健学科鍼灸学専攻 要旨:英国Royal National College for the Blind(RNC)のComplementary therapyコース(補完代替医療コース)で行われている手技療法教育の現状を視察した。視覚に障害のある人の希望や人生設計に合わせて,マッサージやリフレクソロジーなどのITEC level 3受験に対応した教育が行われていた。日本の国家資格を得た上で,希望する学生がITEC資格を取得できれば,海外で働くという選択肢が可能になることを考慮して,ITEC資格を検証した。試験に必要な科目・内容・必要時間数は日本の国家資格であるあん摩マッサージ指圧師(約2,000時間)に比較してずいぶん少なく(295時間),専攻のカリキュラムでも受験資格が与えられることが判明した。しかし,導入については,学生にRNCでの英語による実習授業などの研修を加えて魅力あるグローバル化教育が実現する一方,内容が充実している日本のあん摩マッサージ指圧教育や日本の医療制度の正道をはずす懸念も専攻内から指摘され,実施には再検討が必要とされた。 キーワード:Royal National College for the Blind,ITEC,国際交流,視覚障害教育,マッサージ 1.はじめに 本研究の目的は,英国Royal National College for the Blind(RNC)のComplementary therapyコース(補完代替医療コース)で行われている手技療法教育の現状を把握し,本学の鍼灸学専攻のカリキュラムと比較検討することである。また,RNCの補完代替医療コースが採用している資格試験ITEC level 3 の内容を検証し,グローバル化教育を推進する本学に導入が可能かどうかを検討することである。さらに,鍼灸学専攻学生がRNCに短期留学や研修などのグローバル教育の可能性や専攻の魅力作りの視点からも検討する。 2.RNCの補完代替医療コース視察の概要 視察は平成27年3月に行った。 2.1 コースの教育 視覚に障害のある人の職業的自立を目的に,英国のRNCでも各種手技療法のITEC資格試験に向けた教育が行われていた。ITEC資格の詳細については後述する。生徒はITEC資格が得られる手技療法(例えば,全身マッサージ,局所マッサージ,リフレクソロジー,アロマセラピー,インディアンヘッドマッサージ,スポーツマッサージなど)の中から自分の将来設計に合わせて療法を選択し,受験資格 取得に必要な科目・時間数を学習する。よって,生徒の就学期間は個人により異なる。 2.2 生徒との交流 今回の案内役を務めてくださったCrabtree先生は手技療法を教える教員で,彼女の配慮でクラスに入って生徒と交流を持つことができた(図1)。解剖学・生理学の試験を終えたばかりの生徒達は明るい表情で私達と輪になって座り,それぞれからRNCでの日々の暮らしぶりや思い,将来設計などについて自由に話してもらう機会が持てた。生徒A・B・Cの3人はあと2週間でコースを修了する。 A(男性): RNCに6カ月滞在してHolistic massageの資格認定に必要な科目を習得した。そのために100回以上のマッサージ施術を経験した。修了後,1年間の失業手当てがもらえるので,その後,個人経営で仕事を始めようかと考えている。また,地元にはサッカークラブがあり,health clinics, hotels, sports clubsのどこかで仕事が見つかると思う。 B(男性): A君と同時期にRNCに入り,就職が決まりそうだ。あるセンター内にある会社が経営するトリートメントルームだ。そこに売り上げの半分を支払う形で仕事をする。今はそこの実技試験の結果待ちの状態だ。その会社には,政府の制度で6か月間資金が提供される。 C(女性): RNCに来る前には,馬に関わる仕事をしてきた。また,馬に関わっている人も大勢周囲にいる。「馬のマッサージをしたい」と言ったら,「ITEC Level 3マッサージの資格が必要だ」と言われたので勉強した。来週の資格試験に合格したら仕事はありそうだ。その他の生徒はあと1年以内,生徒Kはそれ以上の滞在となるとのことであった。 D: RNCに入る前,他の学校で2日間の講習でインディアンヘッドマッサージの資格を取り,仕事をした経験がある。ここでは,ITEC Level 3 マッサージの資格に挑戦している。RNCでは,時間をかけて指導してくれるので充実している。また,マッサージ教育だけでなく,障害とともに生きる生活スキルの習得,また,私の希望である開業に必要なスキルを教えてくれる。 E: 視覚障害があるが普通教育を受けてきた。そこで受けたサポートに比較して,RNCでのcomprehensive supportはずっとよい。それは,1対1ベースで行われるチューター制だ。 F: 大学1年の時,事故で視覚に障害を負った。医師が回復すると言ったので2年半待ったが,視力は戻らず,RNCに来た。少しずつ自信を取り戻している。全盲の人が何でもできる姿に力をもらった。 G: 開業希望だが,資金面がたいへんだ。 H: 見えていた時は建設業をしていた。 I: 大学入学資格を持っているが,スパやマッサージが好きなのでRNCのこのコースを選択した。 J: 5年前にもRNCに滞在してセラピストの資格を得た。現在はスポーツマッサージの資格を取るために再び学んでいる。来年の夏に資格試験を受ける予定。 k: アロマセラピー資格をめざしながら何が自分に合うかもう少し時間をかけて検討したい。 2.3 留学生の状況 コースには,1人の留学生L君がいた。「昨年11月にラトビアから来た。全然英語が話せなかった。リフレクソロジーの資格試験を来週受ける。」と言う。「私達の学生が日本から留学しても大丈夫だと思う?」と生徒達に聞いてみた。「L君のことも皆で助けたし,友達になっておしゃべりするようになるから言葉は覚えるわよ」と生徒達は笑顔。個人の希望や人生設計によるが,3か月程度の短期間コースもあり,そこには海外からの人も多いという。 2.4 学内マッサージ施術所 キャンパス内に,地域住民にも開かれた,日本の集会所的機能を持つガードナーホールという建物がある。そこに, 学内マッサージ施術所がある。まだ資格を持たない生徒が地域住民に安価で施術を行い,学ぶ場である。予約制で,たいへん人気があると言う。 図1 補完代替医療コースの生徒達とともに 2.5 学外実習の効果 RNCでは,学外実習を精力的に行っていると教員は話す。パーキンソン病や脳血管障害後遺症の人,プロ自転車競技者のケアやイベントでのマッサージを行う機会を与えている。学外の現場では,限られた時間内でこなすべき患者数があり,技術が求められる。また,時には商業ベースで行う力も求められる。学外実習は,施術者として必要な多方面の能力を獲得するための有効な手段であると教員は語る。生徒も「楽しかった」とのコメントであった。 2.6 施術体験 筆者らは実習室で,生徒が学んだ「holistic massage」を受けた。レストルームで衣服を脱いでタオルで全身を覆い,ベッドに横たわった。施術は,背臥位で頭から始まり,顔,デコルテを経て,腹臥位で体幹,上下肢と1時間かけて進められた。オイルを使ったスウェーデン式マッサージであった。 2.7 視覚に障害のある人のためのアロマセラピー 視覚に障害のある人がアロマセラピーマッサージを行う時,エッセンシャルオイルの定量ができないという問題がある。アロマセラピーマッサージでは,ベースオイルに芳香成分のエッセンシャルオイルをブレンドして用いるのだが,テキストには「○滴落とす」と指示がある。エッセンシャルオイル瓶の穴の寸法が1滴0.05mlになるように作られているのだが,何滴落ちたかが見えないのだ。RNCでは,全盲者にもアロマセラピーを教えるという。どうやって定量するのか尋ねると,Crabtree先生が道具を見せてくれた。0.05ml吸い上げるピペットを準備して,オイルが付く先端部分は使い捨てるのだ。例えば,「ラベンダー 4滴,サンダルウッド2滴」の処方に対しては,エッセンシャルオイルが変わる時に先端部分を取り換えることで,いつもエッセンシャルオイル瓶の中は清浄,定量は視覚に障害があっても独力で正確に行うことができる。このピペットは,彼女と化学の先生との共同開発によるものである(図2)。 図2 エッセンシャルオイル定量用ピペット 3.ITEC資格試験調査 3.1 ITEC本部訪問の概要 3.1.1 調査の理由 マッサージを含む補完代替医療の各種療法は,英国では,ITEC資格が用いられる。その認定は1947年から始まった[1]。一方,英国では,各種療法のそれぞれの協会・グループでITECと異なる基準で認定を行っている場合もあるようで,筆者らには各々の違いや効力の差が正確にはわからないところもある。マッサージについては,RNCでITEC受験に向けた教育を行っていること,また,英国National Health Service(NHS)の下でマッサージ師として働く場合に有効な資格とも聞くことから,今回の調査の対象とした。日本でマッサージを行うためには,日本の国家資格であるあん摩マッサージ指圧師免許を持たなければならず,ITEC資格は使えない。しかし,本学の学生が日本の国家資格であるはり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師免許を取る他に,希望する学生がITEC資格を取得できれば,英国やITEC資格が有効な国で将来仕事ができるという夢が広がるのではないか。鍼灸学専攻の魅力あるカリキュラム編成の手がかりを探るために平成27年3月,RNC視察の翌日にITEC本部を訪問した。 3.1.2 ITEC資格について ロンドンにあるITEC本部は,現在,アフリカ,アメリカ,アジア太平洋地域,ヨーロッパの38以上の国にITEC認定校の登録を持つ。ITEC資格は英国のものであると同時に,世界中の認定校において同一カリキュラムで教育を行い, 資格認定も同一基準で行われることから,マッサージ師などの補完代替医療の国家資格制度を持たない国々では用いられる資格のようである。 3.1.3 ITEC受験に向けてのカリキュラムの可能性 鍼灸学専攻学生がITEC資格を取るためには,ITEC認定校で資格試験受験資格に必要な科目を取得した後,資格試験に合格しなければならない。本学鍼灸学専攻はカリキュラムの内容からみて,認定校になることは可能だという。座学・実技実習ともに鍼灸学専攻の授業は,高等教育として,高いレベルで行われているのでITEC受験のための必要時間数として認められるという。表 1にマッサージに関連したITEC資格に必要な科目と必要教育時間数を示す。日本のあん摩マッサージ指圧師養成に必要な内容(科目数)・時間数(約2,000時間)に比較して,質・量ともにたいへん少ない。鍼灸学専攻のカリキュラムの解剖学,生理学,病理学,あん摩マッサージ指圧理論,あん摩・マッサージの基礎実習・応用実習・臨床実習などの現行の科目をそのまま利用できる。オイルマッサージについては,1科目実習を新設するか,リフレクソロジー・アロマセラピーのごく特別な内容についても本学教員でカバーできる程度の内容であると推察するが,RNCでの研修を活用することも可能であると考える。つまり,希望する学生には,ほとんど今のままのカリキュラムで道が開かれるとい うことになる。 表 1 ITEC Level 3 資格受験に必要な科目と時間数 3.1.4 受験について 学生は日本で日本語により受験ができる。点訳・拡大文字などの特別な配慮については,ITEC本部では行わないが,筑波技術大学で準備できるならそれを用いて受験が可能であるとのことである。もし,導入が決まれば,当然,行うべき内容である。口述試験も可能とのことである。実技試験は英国から試験官が来て行う。身なり(服装,髪, 爪),手洗い・衛生,手技(圧迫法,軽察法,軽い軽察法,揉捏法,叩打法など)のチェックを項目に従って行う。 3.2 ITEC受験導入の積極論と慎重論 英国視察・調査の内容を鍼灸学専攻に伝えて,カリキュラムへの導入の可能性を2回話し合った。導入推進に賛成の教員と,導入に慎重な考えの教員との間で以下の功罪が示され,結論は平成27年8月現在,保留となっている。 3.2.1 推進派が示す期待される効果・導入の利点 ・ 本学の授業を活用して,希望者には英国で認めるITEC資格が取得できる。 ・現行のカリキュラムでほとんどがカバーでき,専攻内に特段の改変や負担を伴わない。 ・本学学生は,視覚に障害のある人の資格試験受験が伝統的で社会的認知を得ている日本のはり・きゅう・あん摩マッサージ指圧以外の資格の獲得には,国内でもかなり困難が予想される。英国ITEC本部は視覚障害に偏見・差別がなく,また,RNCの協力が得られる。 ・英語圏であるRNCとの国際交流・研修プログラムをリンクさせて,より効果的なグローバル化教育を実現できる。 ・学生に,将来,英国やその資格が有効な国々で働くという仕事の選択肢を一つ増やすことができる。 ・今までは,視覚に障害のあるあん摩マッサージ指圧師にとってほとんど考えてこなかったグローバル視点でライフプランや就職を考えることが可能となる。これらは,学生の自己価値感を高めるとともに,自身の仕事に対する愛着・やりがい・社会的貢献への思いを強めるものと考える。鍼灸学専攻学生にとって,また,これからの視覚に障害のある受験生にとって,たいへん魅力的なことであると考える。 3.2.2 ITEC受験導入への慎重論 ・日本のあん摩マッサージ指圧師免許は国家資格であり,免許制度の歴史的変遷と教育制度・教育の内容・質からみて,免許保持者の医療関連知識・技術力は世界に誇れるものであると考える。また,補完代替医療界,視覚障害教育界において,世界をリードするべき存在である。 ・ITEC受験に必要な知識・技術は日本の国家資格と比較してあまりにも低い。日本の国家試験受験資格を与える国立大学がそのような資格を斡旋するような行為を行うことには問題がある。 ・日本のあん摩マッサージ指圧師が海外で活躍したいと考えるのならば,日本の免許と知識・技術で渉ることが可能なのではないか。視覚に障害のある有資格者がそれをしてこなかっただけではないのか。 ・日本であん摩マッサージ指圧師免許を持たない人が違法でリラクセーション目的のマッサージを行っている現状がある。無免許者が掲げるような資格を大学のカリキュラムを利用して学生が得て,国内でその資格を使わないとしても,「リラクセーションマッサージには国家資格は不要」という社会の誤解をますます増徴させることになるのではないか。学生は,国家資格があれば,リラクセーション産業に参入することもできる。また,国内の無免許団体の3団体が既に,ITECの資格を取得できることになっており,インターネット上で,検索することも可能である。そのような団体の一つとして本学が列挙されたり,他の無免許団体が国立大学も認めた免許であると喧伝したりすることも不安材料としてあり,その様な可能性がないように,慎重に対処した方がよい。 4.RNCとのカリキュラム比較と交流・研修の可能性 鍼灸学専攻学生は,基礎医学,現代医学,専門領域(東洋医学概論・臨床論,経絡経穴学,あん摩マッサージ指圧理論など)を多くの各専門家から高等教育として授かる。日本の伝統的手技療法であるあん摩施術も東西医学両面の視点から学び,理論的に考えて治療を組み立てることを指導される。また,基礎・応用・プレ臨床・臨床・総合実習と,段階を踏んだ技術指導を受け,対象を異とした施術・治療法を獲得し,臨床教育を学内・学外・附属東西医学統合医療センター内で受けている。しかし,本学学生にRNCでのマッサージ研修の機会を与えることには意義がある。学生の手技療法への関心もさらに高まり,学習への意識も変わることが予想される。学生がグローバル化視点で日本のあん摩マッサージ指圧を考え,見直し,高めて行く契機となるだろう。それは,今後の日本のあん摩マッサージ指圧を含む補完代替医療界を背負うべき本学学生に必要な貴重な体験である。また,英国は,補完代替医療が盛んな国である。もし,ITEC資格導入を考えるなら,オイルマッサージやリフレクソロジー,アロマセラピーなど,英国文化として発達した実技の実習や理論の部分を,RNCでの英語による授業で獲得できるようにプランニングすると学生にとってはたいへんやりがいのある,また,楽しい研修となり,意義深いと考える。RNCの教員達は,鍼灸学専攻の学生の研修や短期留学などにたいへん積極的で賛成してくれた。また,教員の交換研修の提案もなされた。ともにグローバル化視点で学生を育てたい,また,専門家として世界に目を向けた自己研鑽を積みたいとの思いからであろう。 謝辞 Royal National College for the Blindにおいて,私達の視察の受け入れと段取り,当日の案内・説明,授業アレンジメントに多大なお骨折りをしてくださったMs. Jane Crabtree(Teacher in charge of massage and complementary ther apies), Mr. Tim Morton (Enquiries & Entry Officer), Mr. James Wallis (teacher Anatomy & Physiology & Sports Massage), Ms. Nicola Smith(Director of learning & curriculum), また,ITEC本部において,快適で美しい空間での会見の手配をしてくださったMs. Amanda Prout(Customer Services & Business Development Manager), 丁寧で詳しい説明に時間を割いてくださったMs. Carole Lindsay(Qualification Development Manager)に厚く感謝する。 本視察は,筑波技術大学平成26年度競争的教育研究プロジェクト事業「医療教育グローバル化を目指した英国視覚障害者対象大学, 資格試験調査(研究代表者:大越教夫)」の助成により実施した。また,特別経費「視覚障害学生に特化した大学改革実行プラン実践による医療教育の高度化事業 −職域拡大を目指した新たな教育モデルの確立−」の事業の一部として実施した。 参照文献 [1] ITEC. Homepage(cited 2015-3-5), http://www.itecworld.co.uk/ An Educational Tour of a Massage Course for Students with Visual Impairments in the United Kingdom and an Examination of International Certification Tests for the Globalization of Japan’s Massage Education DONOYAMA Nozomi, SASAKI Ken, SASAOKA Tomoko, KONDO Hiroshi, OHKOSHI Norio Course of Acupuncture and Moxibustion, Department of Health, Faculty of Health Sciences,Tsukuba University of Technology Abstract: We recently visited the United Kingdom to observe the Royal National College for the Blind’s (RNC) course on Complementary Therapies and study the process of massage education for students with visual impairments in the U.K. At the RNC, students can pursue studies according to their life goals, and can study in preparation for the ITEC certification exam after completing their coursework. The Level 3 ITEC diploma in Complementary Therapies includes such practices as massage, reflexology, and aromatherapy, and if our students in the Course of Acupuncture and Moxibustion at Tsukuba University of Technology could certify for an ITEC diploma in addition to Japan’s national license, this would open additional career alternatives in massage therapy abroad. We further examined the ITEC diploma at ITEC’s London office, and found that much fewer units and hours (295 hours) are needed for the ITEC diploma compared to requirements for Japan’s national license (about 2000 hours), meaning that students studying our current curriculum qualify for the ITEC exam as is. If we were to create a path towards an ITEC diploma at Tsukuba University of Technology, this would enable an attractive globalized form of education and possibly even set the foundation to offer English-language classes at the RNC in the U.K. However, some professors noted concerns about deviating from accepted educational practices and medical regulation for Japan’s manual therapies of Anma, massage, and shiatsu. Therefore, the Course of Acupuncture and Moxibustion should conduct reviews regarding the exploration of ITEC certifications. Keywords: Royal National College for the Blind, ITEC, International exchange, Education for students with visual impairment, Massage