高大連携プロジェクトに関する取り組みとその評価 〜 2015年度 筑波大学附属聴覚特別支援学校での実践事例〜 田中晃1),塩野目剛亮1),谷 貴幸1),黒木速人1),井上正之1),櫻庭晶子2),西岡 仁也2) 筑波技術大学 産業技術学部 産業情報学科1) 総合デザイン学科2) 要旨:高大連携プログラムジェクトの一環として,筑波大学附属聾学校で高等部生徒を対象とする出前授業を実施した。本授業では,高等部 1年次の物理関係科目の一部として「科学と社会との関わり」を意識した構造力学を取り上げた。1日目では座学と骨組の安定性を調べる簡易な実験を,2日目では CAEソフトによるコンピュータシミュレーションを行った。最後に,参加生徒を対象に授業アンケートを実施し,評価結果から高大連携プロジェクトとして望ましい出前授業のあり方について考察した。 キーワード:高大連携,出前授業,物理,構造力学 1.はじめに 最近数年間,文部科学省は高大連携・高大接続の実現を奨励しており,平成 27年 1月16日付の「高大接続改革実行プラン[1]」で改革の具体的なプランを示している。 このような文科省の動きがみられる中で,平成 26年度から「聴覚障害者のための社会連携・協調型教育拠点の構築事業(高大連携プロジェクト)」の概算要求を文科省に対して行った結果,採択された。この事業の目標は,本学の有する聴覚障害者への専門的教育環境・教育資産を生かし,大学と特別支援学校との組織間連携における協調型教育プログラムを実践するための教育拠点の形成である。具体的には,多地点共有通信システム[2]を生かした知的交流,専門家の特別支援学校への派遣,特別支援学校生徒参加のコンテストの企画などがあげられる。本稿では,高大連携プロジェクトの一環として行なった筑波大学附属聴覚特別支援学校(以下,附属聾学校)高等部 1年生徒を対象とする出前授業の実施と評価について報告する。   2.出前授業の概要 附属聾学校は,「サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)」を利用して,2014年度では東邦大学理学部,2013年度では東京大学先端科学技術研究センターの教員に生命工学講座を依頼している[3][4]。このため,本学の高大連携事業の概要に対する理解があり,打ち合わせがスムーズに進んだ。1回目(3月14日(火))の打ち合わせでは附属聾学校で両者の提案を含めた意見交換を,2回目(5月15日(金))の打ち合わせでは,本学天久保校舎で出前授業の内容および使用教材に関する意見交換を行い,これ以降の打ち合わせは電子メールで行った。その結果,下記項目を配慮した授業方針に決定した。 A.対象者が高校 1年生であり,中学理科レベルの言葉で説明できる出前授業であること。 B.本授業で学んだ知識を活用して,課題の解決に向けて探求し,成果などを表現できる内容であること。 C.物理の知識が社会活動に生かせることがわかる内容であること。 D.物理の計算作業の意義がわかる内容であること。 E.附属聾学校関係者にとって慣れている方法・日程に合わせること。 さらに,授業題目を「社会活動を支える建築構造工学」とし,表 1の通り,2日間で合計 8時間の授業スケジュールを立てた。 1日目の授業は高等部 1年生必須参加の条件で,対象者はこれから物理基礎を学ぼうとする段階の高等部 1年生30名であった。参加生徒が多人数であったため,本学産業技術学部産業情報学科システム工学専攻建築工学領域の学生 3名に教育補助者としてのアルバイトを依頼した。 2日目の授業は課外の土曜日の実施のため自由参加であり,対象者は高等部 1〜3年生に広げた。その結果,参加者人数は高等部1年9名,高等部2・3年4名となった。1日目とは違って,参加人数が少なく講師 1人で対応できることが予想されたため,アルバイトを依頼しなかった。 表1 授業スケジュール 1日目 ( 9月 3日 木曜日 ) 2日目 ( 9月 12日 土曜日 ) 3校時(10: 40-11:30) .座学.地震のメカニズム .座学.構造力学の概念− 外力・断面力・反力・ヤング係数など− 4校時 .座学.地震と建物 .座学.CAEソフトの使い方 (11: 40-12:30) .座学.建物における「安定・不安定」の概念 − 簡単な棒状部材のモデリング− 昼休み 5校時 .演習.力学シミュレーション @ (13: 20-14:10)6校時(14: 20-15:10) .実験.模型を活用した構造実験発表 − 解析パラメータの数値による解析結果の比較 − .座学.CAEソフトによるシミュレーション A −アーチ・単純梁との解析結果の比較 −.演習.CAEソフトによるシミュレーション B− ラーメン構造のモデリング − 3.授業の内容 3.1 総括 1日目の午前では「物理学的な手段としての構造力学」と「社会」との関わりを解説し,午後では,2時間という限られた時間内で計算結果が簡単に出せるようにするために,取り上げる理論を「骨組の静定・不静定の判定」に絞り,講義と実験を行った。物理現象の理論計算は実際の実験結果のデータ蓄積に基づいた信頼性の高いものであることを検証するために,計算と実験と両方をやり,両者の結果の比較を行わせた。2日目では,工学と物理との関係を確かめ,物理の知識が社会活動に役に立つかを理解するために,建築の力学的シミュレーションを行った。複数の生徒が互いに助け合うことでスムーズな CAEモデリング作業ができることを期待して,パソコン1台あたりの使用生徒数は2名とした。パソコンの操作が苦手な生徒がおり,結果的に 1台あたり2名という構成は効果的だった。 図1 地震のメカニズムの説明資料の一例 3.2 1日目3校時 地震のメカニズム 地震の震度・マグニチュード,P波・S波,液状化といった地震に関わる用語の説明(図 1)を行いながら,懐中電灯や玩具バネを用いた簡易な実験を行った。地震現象のメカニズムを中学部で習った生徒が多く,結果的に,知識の再確認をする形になった。 3.3 1日目4校時 地震と建物 地震による建物の被害の事例を取り上げ,免震システムやエキスパンションジョイントの導入等,建物の被害低減方法を紹介した。さらに,長周期地震動のような専門知識を持たない人たちにとって非常にイメージしにくい用語の説明の時は,簡易な振動実験装置をゆっくり揺らしたり小刻みに揺らしたりすることで,建築骨組の揺れが変化することを検証して見せながら解説した。 図2 判定式の計算式の説明資料の一例 3.4 1日目5〜6校時 構造実験まず,「不安定」の条件を説明し, 「安定・不安定」の概念,判別の計算式(図 2)の解説を行った。そして,出題された骨組の「骨組の静定・不静定の判定」の計算を生徒が行い,それから,熱積層式 3Dプリンタで造形された部材を骨組模型に組み立てて,安定するかどうか確かめた。この作業を経て,計算による判定結果と模型による判定結果が一致するかどうかを確かめ,物理の計算のメリットを実感できるようにした。 判別の計算式の解説の後,5グループ(1グループあたり6名)に分かれて,安定性の高い骨組について議論しながら,自由に骨組模型を組み立てた(図3)。最後に,グループごとに,生徒による骨組の提案とその理由,「骨組の静定・不静定の判定」の計算結果をホワイトボードに書き,口頭で発表した(図 4,5)。 図3 実験時のグループ討論の様子 図4 討論結果の発表の様子 図5 生徒による発表内容と模型の一例 3.5 2日目3校時 構造力学の概念 CAE(Computer Aided Engineering)によるモデリングや解析結果の読取を行うには,外力・断面力・反力・ヤング係数等,構造計算に必要な知識が欠かせない。これらを学ぶために,座学に近い授業形態で進めた。この資料を図 6に示すが,多くの資料は本学産業技術学部産業情報学科システム工学建築工学領域 2年次科目「構造力学T」の資料から流用した。 図6 構造力学の説明資料の一例 3.6 2日目4校時 CAEソフトの使い方 CAEソフトは2014年 8月から教育機関を対象に無償提供が開始された,Autodesk社の「Robot Structural Analysis〔5〕」を用いた。これは建築の構造計算用のCAEソフトであり,低スペックのパソコン上でもスムーズに動作する,ソリッド形状のモデリングが不要,モデリングが簡単といった,初心者にとって多くのメリットを有する。しかしながら,高校生に適した簡単なマニュアルがなかったために,説明文を簡潔にし,図を多用したマニュアルをあらかじめ作成しておいた。これを配布し,例題(図 7)による棒状部材のモデリングや計算方法・結果の読み方を説明した。 図7 簡単な部材の計算問題の一例 3.7  2日目5校時 力学シミュレーション@ 3.6 で取り上げた授業時,生徒が作成した解析モデルを元に,生徒自ら,解析パラメータ(外力の大きさ・材料(鋼鉄,アルミ合金等)・部材の長さ)を修正しながら,力学シミュレーションを行った。その結果としての伸び量や断面力などがどう変化するかパラメータの変化毎に比較させた。 3.8  2日目6校時 力学シミュレーションA鳥の卵や木など,身近なものを取り上げ,鳥の卵が薄く て丈夫な理由を考えるために,カテナリーアーチ・半円アーチ・単純梁を取り上げ,各モデルのシミュレーション実演を行った。その結果,カテナリーアーチが最も変形しにくくなることを解説し(図8),この原理を生かした建築の事例として,アントニ・ガウディによるサグラダファミリアを紹介した。 さらに,ラーメン構造を取り上げ,常時のラーメン構造における柱や梁にどんな力が作用しているかを解説した後,生徒自らが出題されたラーメン構造(図 9)のモデリングおよび解析を行い,ラーメン構造の各部材に作用する力の状態をより深く理解を深めた。 4.アンケート調査 4.1 アンケート実施概要 アンケート調査の目的は,下記項目のとおり附属聾学校高等部 1年生の現状把握を行い,高大連携事業の一つ,今後の出前授業の充実を図ることである。 ・ 理科科目の中で習った(または習った覚えがある)知識をどのぐらい持っていたか(多肢選択式) ・ 講義・実験についてどう思ったか?(自由記述) ・ 講義の内容は難しかったか?(5件法) ・ 講義の内容に興味を持てたか?(5件法) ・ 実験の内容は難しかったか?(5件法) ・ 実験の内容に興味を持てたか?(5件法) ・ パワーポイントで表示された図等は見やすかったか? (5件法) ・ 講師の手話等を読み取れたか?(5件法) ・ 理工系大学で学ぶ学問のイメージ(自由記述) ・ 受けてみたい講義や実習の専門分野(多肢選択式) 1日目の体験授業終了後,アンケートを参加生徒に配布し,10月7日付附属聾学校高等部 1年生が来訪した時に,アンケートを回収した。その結果,サンプル数 30人(高等部 1年生全員)に対して,回答数は 21名であった。 4.2 高等部 1年生の力学履修の状況 9月初めの時点における高等部 1年生徒が特に力学に関わる知識をどのぐらい持っているかを把握するために,文部科学省による学習指導要領解説 理科編〔6〕〔7〕での各単元のなかから,「力学」に関わる用語を列記し,習った覚えのある項目に○をつけてもらった。その結果,80%以上の生徒が,中学部レベルの力学に関する知識を持っていることが明らかとなった。その一方で,は, 「科学技術の発展」中学校理科科目の一つ「科学技術と人間」で取り上げられる項目であるが,これについて習った覚えのあると回答した生徒はた講座のテーマとして,「科学(本論では物理を指す)」と「社会」との関わりを取り上げることに意義があることが明らかとなった。 図 8 アーチ等のシミュレーション結果の比較 図9 ラーメン構造のシミュレーション問題の一例 図10 受講生が習った覚えのある単元 4.3 講義内容に対する高校生の評価 図 11および 12によれば,講義内容に対し,興味を持てた生徒は全体の 90%を占めており,難易度については簡単もしくはとても難しいと答えた生徒は一人もおらず,テーマの選択および難易度はほぼ適正であったと考えられる。好結果となった原因として考えられることは,次のとおりである。 ・「科学」と「社会」との関わりをテーマとした講義は,高校生にとって新鮮で珍しかった。 ・ 日本では地震など自然災害が毎年発生しており,高校生にとって身近かつ関心の高い問題の一つであった。 ・ 紹介する内容を絞り,高校生にもわかる平易な言葉を使って解説したことが効果的であった。 図11 講義内容の難易度図12 講義内容への興味 4.4 実験内容に対する高校生の評価 図 13および 14によれば,実験内容に対し,興味が持てなかった生徒はまったくおらず,簡単もしくはとても難しいと答えた生徒は全体の 20%にとどまっており,テーマの選択および難易度はほぼ適正であった。好結果となった原因として考えられることは,次のとおりである。 ・ おもちゃ感覚で組み立てられる実験装置を用いた。 ・ 理論結果と実験結果と比較するプロセスを導入した。 ・ 討論グループを作ることで,互いに刺激を与えあうようにした。 骨組の安定性の計算は構造力学の中で最も簡単な計算であったにも関わらず,骨組の安定性の計算が細かく最も難しかったというコメントが多く見られた。生徒に「私には無理」と思わせないように,計算しやすい理論に絞って,わ かりやすい説明をするといった配慮が必要である。 図13 実験内容の難易度図14 実験内容への興味 4.5 投影資料に対する高校生の評価 投影資料の見やすさに関しては,高校生向けに工夫した点はなく,大学生向けの資料と同じ要領(例えば,フォントサイズ,レイアウトなど)で作成した。にも関わらず,見づらかったという回答の生徒はいなかった(図 15)。大学生向け資料へのフィードバックへ参考になるような高校生の意見を期待していたことを考えると少し残念であった。 4.6 手話の読取やすさに対する高校生の評価 手話の読取やすさに関して,特別な工夫をしたことはなく,専門用語の身振りや手話を読み取れないという生徒が出ても不思議ではないが,見づらかったという回答の生徒はいなかった(図 16)。これはおそらく,専門用語の読み取りでは投影資料の図や写真を参照したために,結果的に手話を読み取りにくかったという実感が出なかったとも考えられる。 図15 投影資料の見やすさ図16 手話の読取やすさ 4.7 分野別の高校生の受講希望アンケート結果 受講希望アンケート項目に本学が対応できると考えられるテーマを列記し,各生徒に第 2希望まで記入してもらった。この回答をもとに,第1希望を2点,第2希望を1点として集計した(最高点 14点,最低点 3点,平均点 8.1点)。図 17から,建築デザインが最も点数が高い(14点)ことがわかる。これは,本授業受講後のアンケートであり,受講前のアンケートの実施を行った場合,少し点数が下がっている可能性がある。プログラミングや映像制作も上位に入っており,前者はコンピューターやゲームなど身近な娯楽,後者は附属聾学校の文化祭に向けた映画製作といった課外活動と関係していることが影響していると思われる。その一方,高校生から見ればエレクトロニクス(電子工学・4点)やタイポグラフィ(文字体裁に関わるデザイン・4点)のように分かりにくい用語,機械材料(3点)や機械加工(3点)のような生活密着の実感が得られにくい分野の点数は低かった。意外なことに,人気が高いと想定されていた手話学関係の点数が高いといえなかった。 5.結び 今回の出前授業は,物理科目の授業の一環としての位置づけにあり,そのために,通常の大学の講義と同等の時間をかけて準備作業を進めてきた。これをとおして,附属聾学校高校生向けの物理関連授業を行う場合は,下記項目への心がけを学ぶことができた。 ・ 実験装置はおもちゃ感覚で扱えるようなものにする。 ・ 難しい作業や計算を行う場合は,具体的なマニュアルを準備する。 ・ あらかじめ中学校および高等学校の教科書に目をとおし,高校生の履修状況に合わせて言葉を選ぶ。 また,アンケート調査により,高校生向けの授業テーマの選定時,下記のような配慮が必要となることが分かった。 ・ 専門の人にしか意味がつかめないような難しい用語を用いない。 ・ 生活密着の実感が得られにくいテーマでは,縁の下の力持ちといった役割が大きい分野であることをきちんと伝える。 ・ 学校生活上,高校生にとって身近な分野・テーマを選定する。 ・「 学校の科目」と「大学の専門用語」と「社会」との関係が分かりやすいように設定する。 謝辞 筑波大学附属聴覚特別支援学校の先生方には,本授業の実施にあたり授業内容の検討や受入体制の整備のご協力をいただきました。高等部 1年生には,時間を割いて授業を受けた上アンケートのご協力をいただきました。4年生の青木君,伊藤君,藤村君には授業補助員としてのご協力をいただきました。本学聴覚障害系支援課,教育支援・大学院係には事務手続き等のご協力をいただきました。協力していただいた皆様へ心から感謝の気持ちと御礼を申し上げ,謝辞にかえさせていただきます。 参考文献 [1]文部科学省,高大接続改革実行プランについて.(Retrieved Nov. 17,2015),http://www. mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo12/ sonota/1354545.htm [2]塩野目剛亮,黒木速人,井上正之,他.高大連携協調型教育プログラムのための多地点共有通信システムの構築.日本特殊教育学会,2015 ;第 53回大会, p.11-11. 図17 受講希望アンケート集計結果 [3]久川浩太郎,神崎亮平.サイエンス・パートナーシップ・プログラムを利用した生命工学講座とその効果(1).筑波大学附属聴覚特別支援学校紀要,2014; 第 36巻, p.60-67. [4]久川浩太郎,神崎亮平.サイエンス・パートナーシップ・プログラムを利用した生命工学講座とその効果(2).筑波大学附属聴覚特別支援学校紀要,2015; 第 37巻, p.68-75. [5] Autodesk Inc., Robot Structural Analysis ソフトウェア.(Retrieved Nov. 17,2015),http://www.autodesk. co.jp/products/robot-structural-analysis/overview [6]文部科学省,高等学校学習指導要領解説理科編平成 21年 7月.(Retrieved Nov. 17,2015),http://www.mext.go.jp/component/ a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/ afieldfile/2010/01/29/1282000_6.pdf / education/micro_detail/__icsFiles/afieldfi le/2011/01/05/1234912_006.pdf [7]文部科学省,中学校学習指導要領解説理科編 平成 20年 7月.(Retrieved Nov. 17,2015), http://www.mext.go.jp/component/a_menu Enforcement and Evaluation Measure for the University/High School Collaboration Project: Practical Example in Special Needs Education School for the Deaf, University of Tsukuba in 2015 TANAKA Akira1), SHIONOME Takeaki1), TANI Takayuki1), KUROKI Hayato1), INOUE Masayuki1), SAKURABA Shoko2), NISHIOKA Yoshiya2) 1)Department of Industrial Information, Faculty of Industrial Technology, Tsukuba University of Technology 2)Department of Synthetic Design, Faculty of Industrial Technology, Tsukuba University of Technology Abstract: The University/High School Collaboration Project provides a class visit to the Special Needs Education School for the Deaf at the University of Tsukuba. The participants are first-year high school students attending the class “Structure of Architecture,” which is related to the physics class in high school. The main class concept is “the evaluation of science and society.” On day 1, the lecture focused on seismic disasters and structural tests of building frame stability. On day 2, the theory of structures was discussed, followed by CAE exercises. After the program, participants were asked to fill out a questionnaire on students’ needs and assessments. The results provided insights on the desirable aspects of class visiting. Keywords: University/High School collaboration, Class visiting, Physics, Structure of architecture