eラーニング教材を用いた学生の主体性を引き出す鍼灸基礎実習・臨床生理学実習等の試み 森 英俊,大沢秀雄,近藤 宏 筑波技術大学 保健科学部・保健学科・鍼灸学専攻 キーワード:eラーニング,実習科目,教育実践 はじめに プレゼンなどで使用したスライドと撮影したビデオや録音した音声で講義解説型のeラーニング教材を作成する。eラーニング教材を通じて事前に学習し,教室では学生自身の自主的な学びを引き出し,教員との対話と実技を通じて技能の理解を深めることに時間を使う教育スタイルを試る。eラーニング教材を作成し,実習科目の教育実践を行う。 1.鍼灸基礎実習の教育実践 プレゼン+ビデオ(音声)を組み合わせてeラーニング教材を作成した。 1.1 「鍼灸基礎実習1」 ・授業デザイン はりの基礎的・基本的事項から刺鍼の応用実技まで幅広く取り扱うが,特に,刺鍼の実際においては,銀鍼を使用した指導に重点を置く。取穴を指示した実習では,身体各部の構造的特徴と刺鍼によるリスクを踏まえ,安全で効果的な刺鍼が確実にできるよう,刺入の深さ,方向および刺激量について指導する。 以下の事項を中心にeラーニング教材を作成した。 1)刺鍼の方法 ・ 刺鍼前後における消毒の実際 ・ 前揉法と後揉法の実際 ・ 押手と刺手の実際 ・ 片手挿管法の実際 ・ 管鍼法の実際 1.2 「鍼灸基礎実習2」 ・授業デザイン きゅうの基礎的・基本的事項に関する実習から各種施灸法の実際までを取り扱う。無痕灸の学習では,知熱灸を中心に,また,有痕灸の学習では,もぐさのひねり方と立て方,点火の方法,燃焼中の注意,施灸後の灰の処理について指導する。以下の事項を中心にeラーニング教材を作成した。 ・ 無痕灸の実際 ・ 有痕灸の実際 2)刺鍼の手技 以下の事項を中心にeラーニング教材を作成した。 ・ 単刺術,雀啄術,置鍼術等 ・ 低周波鍼通電療法 ・ 皮内鍼法 2.生理学実習の教育実践 プレゼン+ビデオ(音声)を組み合わせてeラーニング教材を作成する。 2.1 「臨床生理学実習」 ・授業デザイン 人体についての理解が,知識に偏ることがないよう脈拍・体温の計測,血圧の測定,肺活量の測定等,実験・実習を取り入れて指導する。以下の事項を中心にeラーニング教材を作成した。 ・ バイタルサインの1つの血圧測定の実際 研究成果の今後の活用等 学生自身の自主的な学び用の教材を作成したが,実習科目の教育実践を行うことが今後の課題と考えている。 3.まとめ 「鍼灸基礎実習1」,「鍼灸基礎実習2」,「臨床生理学実習」のeラーニング教材を作成した。