視覚障害者に対応した「ビジネス」と「機械学習」を効率よく学修するための学習支援システムの構築についての基礎的研究 堀江則之 筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科 キーワード:ビジネスデータ分析,機械学習,学習支援システム 1.はじめに  ビックデータなどに代表されるデータ分析の分野は,将来性が大いに期待されている。そして,コンピュータに大量のデータを投入することで,予測・判断をするためのルールをコンピュータ自身が構築することもできるようになっている。こうした機械学習等の環境が整ってきている現状において,ビジネス分野での機械学習の利活用の課題も含め,新たなビジネス分野で大量のデータを扱い,今後に役立つ有益な情報をアウトプットとして提供できる視覚障害者の人材育成について考える。  本研究は,下記に示す2点を目的とする。1点目は,ビジネス関連のデータを用いた機械学習に関する文献調査を行う。そして,2点目は,視覚障害者に対応した「ビジネス」と「機械学習」を効率よく学修するための学習支援システムの構築について検討を行う。 2.成果概要  ビジネス関連のデータを用いた機械学習に関する文献調査を行った(上枝[1],白田[2][3],プラド[4], Hilpisch [5]等)。文献調査を踏まえ,図1に示す4つのステップごとに,視覚障害者に対応した「ビジネス課題」,「分析設計」,「データ準備」「モデル構築・検証」について,学習支援システムの構築を検討した。  本研究によって,視覚障害者が企業分析等のビジネス課題で機械学習を活用するための基礎的知見が得られた。  なお,今回得られた成果は,筆者が担当している授業科目である「経営情報システム論1及び2」,「ビジネスデータ分析処理1及び2」,「ビジネスゲーム(オムニバス科目)」,「情報システム学実験1及び2(オムニバス科目)」等において活用,紹介をしていく。 図1 本研究における検討ステップ 参照文献 [1] 上枝正幸.企業の実態はいかにして表出するのか―会計ディクルロージャの統計的言語分析の可能性―. 青山経営論集.2013;53(2): p.17-37. [2] 白田佳子.AI技術による倒産予知モデル×企業格付け. 税務経理協会,2019. [3] 白田佳子.ROEの長期観察によるわが国企業の財務体質の実態解明.イノベーション・マネジメント.2017;(14):p.1-14. [4] マルコス・ロペス・デ・プラド.ファイナンス機械学習―金融市場分析を変える機械学習アルゴリズムの理論と実践.金融財政事情研究会,2019. [5] Yves Hilpisch.Pythonによるファイナンス 第2版―データ駆動型アプローチに向けて.オーム社,2019.