盲ろう者の五感体験の集合知構築に向けて 森 敦史,大杉 豊 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター  要旨:五感に関する盲ろう者の個人体験を集約して集合知の構築を試みる予備的研究である。ろうベースの盲ろう者数名による情報・意見交換会で得た発言記録をデータとして公開し,このデータを分析した結果,集合知となる可能性のあるものが見出された。そのいくつかは盲ろう者以外の人間が気付けていない隠れた価値に導き,「ニューノーマル」時代における盲ろう者の社会参加を支援する具体的な提案につながるであろうことが示唆された。 キーワード:盲ろう者,五感,集合知,触手話,ニューノーマル 1.はじめに  視覚障害と聴覚障害を二重に併せ有し,自らを「盲ろう者」と呼ぶ人たちは,視覚障害と聴覚障害それぞれの障害の状態と程度,盲ろうになる経緯,コミュニケーションの方法に個人差が大きいことが一般的に知られている[1]。生育・教育・生活環境の違いも加わって生じる盲ろう者の個人差,すなわち多様性をどのような学術的枠組みで言語化し,SDGs が謳う地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」共生社会の創生に融合させていくか,これが本研究の核心をなす学術的な「問い」である。人類が現在経験している未曾有の災害により,社会が融合というよりは分断の方向に進むことで,対面及び接触があってこそ得られる外部の生きた(アナログ的な)情報を遮断され,全ての情報をデジタル的に処理せざるを得なくなることで閉塞感を感じる盲ろう者が増えている現状を見ると,これは障害のある人々の情報アクセシビリティやコミュニケーション保障のあり方を問い直す上でも重要な課題である。  この「問い」に答える方法の一つとして,盲ろう者の当事者が主体となって個人の体験を集約し集合知を構築する形の研究が,この新しい時代においても可能であるかを検討することが,本研究の目的である。すなわち,盲ろう者の当事者が新しい時代の標準となる「ニューノーマル」に向かって,盲ろう者コミュニティが共有する目的を達成するために,知的作業を行う個人の集合体を構築する試みである。盲ろう者の当事者が過去に記録してきた「知」やグループ・インタビューで出現する「知」をあまねく収集して分析し,体系化することで,盲ろう者以外の人間が気付けていない隠れた価値を生み出す,学術的な意義があると考える。そこで,盲ろう者の五感(視・聴・嗅・味・触)に関する個人体験に注目し,盲ろう者の集合知を構築することを試みる。  本報告は,予備的に実施した盲ろう者の情報・意見交換会の記録を整理し考察するものである。 2.方法  第一著者を含む盲ろう者6名による情報・意見交換会(2021 年 2 月28日,2 時間)を遠隔方式で実施し,第一著者が準備した論点を投げかけ,参加者が自身の体験について語り合った内容を通訳経由で記録した。記録を書き言葉(日本語)に書き起こしたものを参加者に確認した上で,分析対象のデータとした。  参加者の盲ろうになる経緯は,第 1 著者が先天性盲ろう者である他は,おおむね全員が先に聴覚障害を発症し,後に視覚障害を発症した,いわゆるろうベースの盲ろう者である。また,盲ろうの状態と程度については,第 1 著者を含む大半が全盲ろう,数名は弱視ろう者であった。  尚,遠隔方式で情報・意見交換会を実施するにあたり,参加者6名は自宅あるいは近くの施設の部屋からパソコンにて Zoom 会議システムに参加し,各々に1ー2名の触手話通訳者あるいは接近手話通訳者を配置した。併せて司会を担当した第一著者と同じ部屋に第二著者が入り,必要に応じて進行を補助した。さらに第二著者に手話言語通訳者 2 名が配置され,別の手話言語通訳者 1 名が記録を担当した。盲ろう者が遠隔方式で交流をするにあたり,情報保障のあり方を含めてどのような課題があるかについては別稿にて報告している[2]。 3.結果  情報・意見交換会では,時間の関係で6テーマ全てを取り上げることができなかった。以下は,データから聴覚・視覚・嗅覚・手話言語に関する体験を抽出して整理した結果である。 3.1 「音楽」(聴覚)に関する体験 <参加者の音楽との関わり> 1a 娘の音楽の発表会を見に行った。 1b 盲ろう者大会の演奏会に参加した。 1c 盲学校に音楽が好きな人が多く,それを見ていた。 1d 友達がギターをいつも弾いている様子を見たことをきっかけに,友達に教えてもらった。 1e ディスコに何回も行った。 1f 音楽をする盲ろう者は何人かいる。 1d 聴覚障害者の集まりに参加し,振動が伝わってくる機械(椅子)に座った。 1e 盲ろう者になった後,和太鼓を楽しんでいる。 <参加者の音楽への関心> 1f 音楽が好きな人たちを見て音楽に興味を持ったが,自分は聞こえないので,音楽とは関係ないと思い込んでいた。 1g 太鼓をやり始めてから本当に集中できるくらい楽しい。 <参加者の音楽鑑賞に関する意見> 1h ピアノやバイオリンなどは,体に響くものはない。 1i 合唱などは音が大きいので少し体に伝わる事がある。 1j 風船を抱きかかえて振動を楽しむ(盲ろう者大会)。 1k ディスコなら体にバンバン響く,楽しい,気持ちいい,リラックスできるので楽しめる。 1l ウクレレ,ドラム,和太鼓などを自分で楽しむことで,ストレス発散や伝えたいことを音楽で伝えることができると思う。 1m 盲ろう者だから音楽は無理,ではなく,音楽をいろいろ工夫することで楽しむことができると思う。 1n 耳では聞こえないが,体の上で楽しむことができる。 1o 盲ろう者は,振動がつたわってくるような椅子に座ることで,音楽を楽しめると思う。(買えるなら買いたいが問題点もある) 1p 振動スピーカーを買って,音楽データをパソコンからとって,スピーカーにつなげたうえで,スピーカーに手を触れて楽しむ。 1q 古い携帯(ガラケー)に音楽が入っていて,それを持って振動を感じると言う方法があった。 1r 和太鼓は振動がとても楽しくストレス発散になる。 1s スピーカーは振動が弱いため,物足りない。 1t 振動式の椅子についてはもし皆さんが買うようになればメーカーとしては考えるが,アパートやマンションで使用すると,椅子の振動で近隣に迷惑がかかるという問題があると聞いた。 1u 太鼓を抱えたり,上から触ったり,音の大きさ,強さ,弱さなど,またその波打つ様子を感じることができる。 1v 屋外では,広いのでギターやドラム等を感じるのは難しいが,建物の中の場合は,壁で反響したりするので,音の響きを体全体で感じることができる。 1x ユニバーサルスタジオや映画館に行ったとき映画の画面は見えないが,音がとても大きいため,音を振動として感じることができる。(それはきもちよくて寝てしまう時がある。) 1y 小さな木造の喫茶店で,体ではなく,足の裏から音楽(ギターなど)の振動を感じることができた。 3.2 「絵画」(視覚)に関する体験 <参加者の絵画鑑賞に関する意見> 2a もともと見えていた中途の盲ろう者は,鑑賞を楽しむことができる。 2b 見えなくても触れる絵や絵の模型を触ることで干渉を楽しむ人もいる。 <参加者の美術館での鑑賞方法に関する体験> 2c 手に絵の形を書いてもらう,絵の説明をしてもらう 2d 写真集を手に入れて拡大鏡や拡大読書器で見る 2e スタッフに依頼して絵をスマートフォンで映して撮影画像を見る 2f 前に見た絵とつなげて絵をイメージする。 2g チラシを持ち帰り,事後に見直す。 2h 視覚障害者のための触る美術館に行く(神戸の六甲山と岩手の 2 か所にある)。 2i 視覚障害者向けの触れるイベントに参加する。 2j (上記を含めて)目で見ることができない代わりに,手で触って楽しむことができるところを探す。 2k 触ることができない場合は,通訳者の説明を受ける。 2l ギフトショップにあるグッズを触って理解する。 2m 近くに見に行こうとすると,美術館の方に止められる(近くはダメ,写真を撮ってはいけないなど) 2n 触れる美術館や企画が少ない。 2o 絵に触れなくても模型などの代替品を作る等の配慮をしてほしい。 2p 絵の説明には通訳者の説明技術が必要。 2q すでに準備されている音声案内と説明文を読む方法では絵を理解することが難しく,足りない部分を補うための技術が求められる。 2r 音声ガイドの内容を文字化した資料は,現地で資料を読み返却することを求められることがある。 2s 鑑賞と説明に時間が必要である。 2t 他の人がいないときに展示品に触れるような配慮があるとよい。 3.3 「お香」(嗅覚)に関する体験 <参加者の匂いに関する体験> 3a 犬並みに嗅覚が敏感だと言われる。 3b アパートの廊下に出た時に,洗濯の匂いで共同の洗濯機を,他の人が使っていることが分かった。(何を選択しているかはわからない) 3c 人の香水の匂い,加齢臭や体臭などを記憶しているので,誰が来たかという判断ができる。 3d 家族がお風呂の掃除をした後,見てはわからないけど,掃除の洗剤の匂いがしたら,掃除が終わったという意味だと分かる。 3e 職場(10 人)の近くまで歩いてきたときに,一人ひとりの匂い,香りが違うため,その方がどなたかということがわかる。 3f 歩いているときにすぐカレーの匂いなどを感じたため,近くにカレー屋さんやインドのお店があるのかと思ったが,お店がなく,一方で家がたくさんあることから夕方の料理をしている個人のおうちの匂いだったかもしれないと気が付いたという経験がある。 <参加者のアロマなどとの関わり> 3g 盲ろう者もストレス解消方法の 1 つとして,お香とアロマ等のリラクゼーションを楽しむことができる。 3h お香が好きなので,いろいろ買って家に持ち帰って,部屋で使っている。気持ちよく眠ることができる。 3i いい匂い,気持ち悪い匂い,いろんな匂いをかぐイベントに参加した。世界で 1 番臭い匂いは何?等。 3j 納豆や卵などの匂いを使うゲームで,匂いを当てて,何の匂いかを当てるゲームがある。匂い当てゲームも,盲ろう者としては楽しいものの 1 つだと思う。 3k 香水やボディー石鹸の販売店に匂い付きのハンドクリームが 20 種類あった。一般の見える人たちは,名前や形を見て,自分で取って匂いを嗅いで確認できると思うが,自分は見えないので,1 つずつ取って匂いを確認し,その匂いを覚えた上で,最後は 3 番目の匂いが良かったなと思ったら,3 番目をもう一回取って買うという方法を経験した。 <参加者の匂いに関する悩み> 3l お茶の匂いを嗅いで買ったが,実際はちょっと違ったということがあり,匂いについては悩んでいる。 3m 薬屋さんで通訳介助者にハンドクリームは匂いがない物が良いと伝えて,匂いがない方のクリームを買った経験もある。シップを買うときも,通訳介助者にお願いをして,大変な思いをしたことがあった。 3.4 手話言語に関する体験 <参加者の考える手話(ろう者)と触手話(盲ろう者)の違い> 4a 全盲ろう者が手話の反応や表情を見ることができないので,自分からは右手を使って,うなずく,うーんどうだろう,といったような動きで反応を示す。 4b ろう者の場合は,視覚的に顔の表情まではっきり見ることができるが,盲ろう者の場合は顔の表情が見えないので,怒っているときは,手を強く出す,嬉しいときには喜怒哀楽を手で表すといったように手で強弱を表現する必要がある。 4c 手話でコミニケーションする盲ろう者のほとんどは,もとがろう者だった人なので,そういう人にとって手話は,言語である。だから盲ろう者になっても,自分から表情,口形をつけて手話を表出することがある。 4d 手話言語は発信する場合と,受信する場合と,分けて考えないといけない。 <参加者の手話会話に関する工夫> 4e それぞれ手話に癖があるので,それを覚えれば,相手が誰なのかがわかる。 4f 強弱や手話表現については,ろう者の方がわかりやすい。ろう者の普通の手話を触手話に変えてする時にも,ろう者は同じような形で,触手話で強弱も出せる。 4g 聞こえる人の場合は,もともと聞こえた上での手話をしているので,聞こえる人とろう者では触手話の表現方法も異なっていると思う。 4h 戦前に生まれた方や年配の方の手話は古い手話のためわかりにくく読み取ることができない。 4i 若い人の手話は自分と同じ手話なので,読み取れる。 4j 歳の若いほうの手話はわかるが,健聴者の方の手話がわからないことがあるということが悩みである。・年配の方は手をすごく強く持ってしまうので少し怖かったりする。 4k 歳の若い方は優しく,手を強く持たないので優しい。 4.考察 4.1 聴覚  盲ろう者が,音楽に関心を示すきっかけが多く語られた一方,音楽を聴覚ではなく触覚で楽しんだ体験,またはそれを志向した情報・意見が多く出た。坂尻(2010)が「全盲・全聾」の盲ろう者は視覚または聴覚を利用することができないので情報伝達のために触覚を介する必要があると述べているのと一致する[3]。盲ろう者が音楽を触覚で楽しむための条件として,楽器の選別,場所の環境(振動しやすい建材と防音壁の両方),触覚ディスプレーなど支援機器の開発などが考えられる。なお,今回は参加者がろうベースであったため,過去に聞こえていた体験の記憶と関連づけるような意見が出なかったものと思われる。 4.2 視覚  過去に見えていた経験を有する参加者から,その時期における絵画鑑賞の経験や記憶と関連づけるとのコメントが多く出た。弱視の参加者からは,絵画に接近してみる方法や,撮影した写真を拡大して見る方法,売店で購入するガイドブックを利用する方法などが提示された。一方,立体的な作品については,視覚ではなく,直に触って楽しむ触覚志向での情報・意見が多く出た。視覚障害者向けの触覚指向の美術館や博物館の利用が多く語られ,実物に触ることができない時は,本人が実物に近いイメージを得るために,模型の準備や説明技術の向上を求める意見が出た。触察という観点で,守屋(2020)は,適した材質,適したサイズの模型を施設側が準備することで,盲ろう者のアクセシビリティ向上を論じている。施設側に求める配慮に関する意見が多く出ていたことにも注目したい [4]。 4.3 嗅覚  聴覚,視覚を使えない代わりに触覚を活用する体験が多いことが上記で示された一方,残る嗅覚と味覚についてはどの程度活用しているのだろうかという疑問が著者らにあった。その結果,自身の嗅覚が敏感であることを自覚している参加者が多く,また実際にお香を楽しむだけでなく,嗅覚を通して周囲にいる人(香水の違い等)の識別や周囲の行動(掃除の有無等)を推測しているというコメントが多く出された。すなわち,お香を楽しむこと以上に,日常生活の中での嗅覚を活用した情報入手が,盲ろう者にとっては,数少ない生活の手掛かりである可能性が示唆されたことになる。著者らが管見する限りでは,盲ろう者と嗅覚の関係性を論じた研究が見当たらない。盲ろう者の嗅覚体験を収集することで,新たな集合知が構築され,匂いによる人・場面の識別などの情報伝達,匂いによる新たな芸術の創造,アロマ療法など可能性が広がるものと考える。 4.4 手話言語  参加者がろうベースであることから,見えていた時の手話言語体験からどのように変容したか,触手話では受信側と発信側でどう違うか,盲ろう者としてどのように工夫しているかに関する意見やコメントが多く出された。手話言語は手腕の動きだけでなく,顔の表情や頭の動き,身体の向きなども構成要素としているため,触手話では手腕以外で伝えられる言語的要素を,いかにして,手腕を通して伝え合うかが課題となる。触る相手の手腕に入る力の加減,強弱などに関わる意見が出されていることに着目したい。鳥越(2020)は,Edwards & Brentari(2019)が触手話の分析すべき言語形式として単に触覚的な様相だけでなく,その内部感覚的(proprio-ceptive)の様相も重要だと議論していることを紹介し,相手の腕を握る強さなど内部感覚に関連する振る舞いを含めて,当事者の言語的直感なども加味した分析手法が求められると提言している[5] [6]。鳥越(2020)は触手話の研究が先天性盲ろう児教育や支援に貢献するであろうと述べているが,それに加えて盲ろう者への触手話通訳者の育成にも貢献する可能性が大きいであろう。 5.おわりに  盲ろう者の五感体験の集合知構築に向けて,予備的に情報・意見交換会を実施し,その結果をデータとして公開し,考察を加えた。参加者がろうベースの盲ろう者に限られるなどの限界はあるが,それでも集合知となる可能性のあるものが見出され,いくつかは盲ろう者以外の人間が気付けていない隠れた価値に導き,「ニューノーマル」時代における盲ろう者の社会参加を支援する具体的な提案につながるであろうことが示唆された。今後は盲ろうの当事者の五感体験が記された文献の収集を進めるとともに,盲ろう者コミュニティにおけるグループインタビューの展開を検討していきたい。  本報告は JSPS 科研費 JP17KT0065「手話・触手話・指点字にみる日本語の影響とマルチモダリティ(2017-2021,代表:坊農真弓,分担:大杉豊)」の成果の一部を,2021年度筑波技術大学教育研究等高度化推進事業経費にてまとめたものである。   参照文献 [1] 社会福祉法人全国盲ろう者協会.厚生労働省平成 24年度障害者総合福祉推進事業盲ろう者に関する実態調査報告書.2013. [2] 森敦史,大杉豊.盲ろう者コミュニティにおける遠隔会議システム導入の課題.日本特殊教育学会第 59 回大会口頭発表.2021.9.20, [3] 坂尻正次.盲ろう者のための触覚によるコミュニケーション支援技術の開発とその評価.東京大学大学院,博士論文,2010. [4] 守屋誠太郎,飯塚潤一.触覚を用いた芸術鑑賞における形状理解と肯定感に関する調査研究.感覚代行シンポジウム.2020;46:p.21-24. [5] 鳥越隆士.盲ろう者の触手話に関する手話学的検討:文献的考察. 兵庫教育大学研究紀要.2020;56:p.59-69. [6] Edwards, T., & Brentari, D. Feeling phonology: Emergence of tactile phonological patterns in protactile communities in the United States. Paper presented at 13th Conference of Teoretical Issues in Sign Language Research, Hamburg. 2019. Toward the Construction of Collective Intelligence on the Experiences of the Five Senses of the Deafblind Persons MORI Atsushi, OSUGI Yutaka Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology Abstract: This is a pilot study that attempts to construct collective intelligence by gathering the personal experiences of Deafblind persons on the five senses. A group interview was conducted with five Deaf-based Deafblind persons and the participants' statements were recorded and used as data. As a result of the analysis of the data, various components that have the potential to generate collective intelligence were found. Some of the data could lead to hidden values that people other than the Deafblind persons are not aware of and could lead to concrete solutions to assist the social participation of the Deafblind in the "new normal" era. Keywords: Deafblind, five senses, collective intelligence, tactile sign language, new normal