オンライン会議における手話通訳・文字通訳実施方法に関する検討 吉田未来1),磯田恭子1),白澤麻弓1),萩原彩子1),中島亜紀子1),石野麻衣子1),関戸美音1),三好茂樹1),河野純大2) 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 障害者支援研究部1)筑波技術大学 産業技術学部 総合デザイン学科2) 要旨:筑波技術大学に事務局を置く,日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(以下,PEPNet-Japan)では年に 3回,運営委員会を開催している。2020年度,第 1回目となる「第 41回運営委員会」は新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で,オンライン会議での開催となり,情報保障も遠隔で行うこととなった。本稿ではこうした実践を元にオンライン会議実施時の情報保障事例について報告する。 キーワード:オンライン会議,遠隔情報保障,聴覚障害,手話通訳,パソコン文字通訳 1.はじめに 日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(以下,PEPNet-Japan[1])は,本学の呼びかけにより平成 16年10月に結成された高等教育機関間のネットワークである。PEPNet-Japanは,本学障害者高等教育研究支援センター内で行う「聴覚障害学生支援・大学間コラボレーションスキーム構築事業」の一部として運営されており,高等教育機関および高等教育機関で学ぶ聴覚障害学生に対する相談対応・情報提供,支援に関する情報やノウハウの蓄積および全国の大学に対する発信を行っている。 運営体制としては,正会員大学・機関,準会員大学・機関,個人会員の 3種類の会員制度を設け,そのうち正会員大学・機関から幹事大学・機関ならびに運営委員を選出している。その他,聴覚障害者を含む障害学生支援の専門家等の有識者によって運営委員が構成され,年に3回,各大学・機関の取り組みについて情報を交換するとともに,活動の方向性について協議するため,運営委員会を開催している。 PEPNet-Japanでは設立当初から聴覚障害者の参画を重視しており,運営委員会にも,聴覚障害のある委員が含まれるため,すべての参加者が平等に参加できるような環境を目指して,手話通訳や文字通訳を依頼し,情報保障を行ってきた。しかし,2020年度,第 1回目となる「第 41回運営委員会」は,新型コロナウイルス感染症の影響のためオンライン会議での開催となり,情報保障も遠隔で行う必要性が生じた。そこで,第41回運営委員会では,手話通訳ブースからの遠隔手話通訳と,文字通訳団体による遠隔文字通訳による情報保障を実施することとなった。 PEPNet-Japanでは,他大学からオンラインでの授業や会議時の情報保障について相談を受けることがあり,新型コロナウイルス感染症感染拡大後は特に増加したことを受け,かねてからオンライン会議時の情報保障について検討を重ねてきた。 本稿は,こうした知見を元に検討した本会議開催時の情報保障体制について,準備した内容や機材構成,運用のポイントを中心に報告する。 2.運営委員会および情報保障体制 2.1 第 41回運営委員会の概要 日時:2020年 5月22日(金)10:00~ 12:00(準備時間含まず) 参加者数:25名 使用したシステム:  ・オンライン会議システム「Zoom」(以下,Zoom)  ・遠隔情報保障システム「T-TAC Caption[2]」  (以下,T-TAC Caption/開発:筑波技術大学  三好茂樹教授)  情報保障:手話通訳,文字通訳   2.2 情報保障の体制今回の会議に配置した情報保障の体制について以下にまとめる。 2.2.1 手話通訳手話通訳は 2名体制で実施した。今回は本学職員が手話通訳を担当したため,学内に設けた通訳ブースに 2名が同席し,感染対策を講じた上で手話通訳を実施し,その映像を参加者に向けて配信した。 2.2.2 文字通訳 文字通訳は T-TAC Captionを使用して,外部団体に遠隔地からの入力を依頼した。T-TAC Captionでは入力者に音声を送信する機能を有しており,現地開催の会議で遠隔情報保障を行う場合はタブレット端末で取得した音声を入力者に送り,その音声を聞きながら入力する。しかし,今回は運営委員会がオンライン会議となったため,入力者もZoomにログインすることで,会議の音声を聴取しながら入力を行った。文字通訳利用者は文字通訳表示システムとして,T-TAC Caption WebUser [3]を使用した。このT-TAC Caption WebUserは,2020年度にオンライン授業での情報保障に対応すべく開発されたもので,ウェブブラウザ上で閲覧することが可能である。1台の端末でオンライン授業や会議システム(Zoom,Microsoft Teams等)の映像と並べて表示することが可能なシステムである。 3.オンライン会議の実施に伴うシステム概要 今回使用したシステムならびに機材セッティングの工夫点について以下にまとめる。当日は,Zoom管理者(ホスト),手話通訳ブース,司会進行の 3つを学内にセッティングした。今回はやりとりの利便性を考慮し,感染対策を講じた上で,Zoom管理者と手話通訳者を隣接してセッティングした(図1)。なお,インターネットは,同時間帯に学内で複数のオンライン授業が行われていたため,遅延や切断等のトラブルを避けるため全て学外プロパイダのネットワークを有線で接続し,使用した。 図1 管理者(ホスト)と手話通訳者の機材配置の様子 3.1 オンライン会議管理者のセッティング Zoomではオンライン会議管理者(ホスト)と,管理者同様の権限を持つ共同ホストを設定することができる。管理者が担う役割は以下が挙げられる。 ・ミーティングルームの設定・共同ホスト指定 ・ブレークアウトの設定 ・画面共有の許可 ・参加者の音声停止(消音),消音解除 ・参加者のビデオ停止,停止解除 ・メインルームへの入室許可 ・参加者からのチャットでの連絡対応 ・投票機能の操作 ・会議の録画(記録用)の操作 等 管理者が使用した機材は以下の通りである(図2)。 ・ノートパソコン 2台 ・字幕表示用端末(Apple社製iPad(以下,iPad)) Zoom管理者(ホスト)用パソコンは手話通訳側の大型モニターと接続し,手話通訳者もZoomメインルームの映像を確認できるように設置した。ブレークアウト用のノートパソコンは,手話通訳撮影用のビデオカメラと接続し,iPadは手話通訳者にも内容が確認できるようにモバイルモニターに複製して表示した(図 2)。また,手話通訳が手話話者の発言を読み取る際には,手話通訳の音声をメインルームに入力するための切替操作を行うとともに,手話通訳利用者の手話を読み取りやすくするため,Zoomのビデオ固定機能を使用した。 図2 管理者(ホスト)の機材レイアウト 3.2 司会進行用のセッティング 司会進行は,管理者および手話通訳と音声が重なったり,ネットワークが集中することによるトラブルを避けることと,一室に職員が密集するのを避けるため,管理者(ホスト)や手話通訳者と別室にて行った。司会の他,進行上の機器の操作や参加者の挙手などの確認を行うため,司会進行補助者が 1名同席した。司会進行側で使用した機材は以下の通りである。 ・ノートパソコン 2台 ・モニター ・Webカメラ・スピーカー ・マイク ・USBオーディオ変換アダプタ ・バックスクリーン(色:緑) 司会進行の音声は,クリアに取得する必要があるため,パソコンの内蔵マイクは使用せず,外付けのマイクを使用した。これは指向性の高いマイクで音声をクリアに取得することと,手元で消音の操作をしやすくするためである。カメラについてもパソコン内蔵のカメラは使用せず,外付けのWebカメラを使用することで,カメラ位置をモニター近くに配置し,違和感のない視線での撮影ができるようにした。また,スピーカーおよびマイクは,ヘッドセット端子にオーディオミニジャックを利用して,直接パソコンに接続することも可能だったが,まれにパソコン内部からのノイズが入ってしまうことがあるため,影響の受けにくい USBポート経由で接続を行った (図3)。 図3 司会進行の機材レイアウト また,映像としては,Zoomの司会者映像と資料および文字通訳(T-TAC Caption WebUser)の 3画面を合成して送信する形をとった。これには Zoomの画面共有機能を活用し,上記 3画面を図 4のように配置したのちに,このデスクトップ画面をそのまま参加者に共有する方法を用いた。この方法を用いることで簡便に必要な情報を共有することが出来た。ただし,参加者同士で意見交換を行う場面では,参加者同士がお互いの表情を見られるように,画面共有は解除した。この間,文字通訳利用者は文字通訳を見ることが出来なくなるため,Zoomミーティング用端末とは別の端末で文字通訳を確認できるよう依頼した。 図4 画面共有時の画面構成 また,必要に応じて Zoomのメモ機能を活用し,テキスト入力や枠囲みなど,資料の説明箇所に補足情報を加えるようにした。(図 5)。 図5 メモ機能の活用例 3.3 手話通訳のセッティング 3.2で述べたように,手話通訳は管理者と同室で行った。手話通訳にあたっては,「手話が読み取れる」程度の画面の大きさや画質の確保が課題となるが,手話通訳映像をZoomのメインルームに参加者と同じようにギャラリービューで表示した場合,映像が小さくなり,手話通訳が読み取りにくくなるという問題が生じてしまう。また,画面共有機能を使用すると,共有画面が大きく表示され,スピーカービューの表示となるため,発言者の映像が右上に小さく表示される形となってしまう。画面共有時に設定が可能な「左右表示モード」では,数名の映像を並べて表示することが可能だが,この場合も手話通訳者の映像が小さくなり,手話通訳は読み取りにくいという問題が残る。そのため,手話通訳および手話通訳利用者は 2つの端末からZoomにログインし,メインルームとブレークアウトルーム 2つを同時に視聴する方法とした。Zoomのブレークアウト機能は,メインルームから一部参加者をブレークアウトルーム(いわゆる別室)に振り分けることができるため,手話通訳者と手話通訳利用者のみを少人数のグループに振り分ける形をとった。手話通訳で使用した機材は以下の通りである。 ・大型モニター ・ビデオカメラ ・ビデオキャプチャー ・スピーカー ・Bluetoothマイク ・USBオーディオ変換アダプタ ・学外プロパイダのネットワーク ・バックスクリーン(色:グレー) 手話通訳者向けのセッティングとしては,まず Zoom管理者(ホスト)用ノートパソコンの映像を大型モニターに投影し,Zoomメインルームの映像を見られる形にした。同様に音声についても,Zoom管理者(ホスト)用ノートパソコンから,スピーカーを用いて出力した。手話通訳の様子はビデオカメラ(HDMI出力)を用いて撮影し,ビデオキャプチャーを介してデジタルデータ(USB入力)に変換して,ブレークアウト用のノートパソコンに取り込んだ。その際に Zoomで表示するマイビデオ(カメラ選択)の設定はビデオキャプチャー映像を選択した。 このように,ビデオカメラを使用することで,手話通訳の手や顔の表情の動きをスムーズに撮影することができるとともに,手話の表出範囲でのセッティングが容易となる。大型モニターとビデオカメラをセッティングする際には,ビデオカメラの高さと手話通訳者の目線を合わせ,大型モニターをビデオカメラの後ろに配置することで,自然な目線で手話表現ができ,且つ手話通訳者の視線移動範囲を狭くすることができた。 マイクは読み取り通訳を行う際に使用した。音声をクリアに取得するため,内蔵マイクではなく,Bluetoothマイクを選択した。 バックスクリーンは緑色とグレーの 2種類を用意したが,事前接続テスト時に,緑色は画面が明るく手話を見続けると目が疲れる印象があったことから,落ち着いた色味のグレーを選択した。 機材レイアウトは以下の通りである(図6)。 図6 手話通訳の機材レイアウト 3.4 文字通訳のセッティング 文字通訳は,Zoomとは別に遠隔情報保障システム 「T-TACCaption」を使用し,入力は外部団体に依頼した。あわせて本学職員 1名も入力補助として入力者ページからシステムにログインし,人名・専門用語など,入力者が聞き慣れない言葉が出てきた時のフォローや,通信トラブルへの対応ができるような体制を整えた。また,管理者側の文字通訳表示用に使用した機材は以下の通りである。 ・iPad ・モバイルモニター ・学外プロパイダのネットワーク ・ノートパソコン iPadとモバイルモニターについては,図 5で述べたように,管理者および手話通訳者の閲覧用に使用した。ノートパソコンは,入力補助の本学職員が使用した。 なお,司会進行側の画面上でも文字通訳を共有したが,司会進行が使用したノートパソコンのウェブブラウザで T-TAC Caption WebUserを立ち上げたため,文字通訳のみで使用した機材はなかった。 3.5 手話通訳利用者側のセッティング 手話通訳利用者はブレークアウトセッションに入ると,メインルームの様子を確認することが出来なくなる。そのため,手話通訳利用者はメインルームとブレークアウトセッションに参加するための端末を各1台,合計2台を用意し,会議映像と手話通訳映像を並べて視聴する方法を推奨した(図7)。 図7 手話通訳利用者の様子 3.6 文字通訳利用者側のセッティング 文字通訳は,司会者映像内で補助的に文字通訳画面を合成し配信していたが,会議の進行上,画面共有を解除して参加者の顔のみを表示する時間が生じてしまう。また,小さいフォントサイズで,長時間読み続けることは負担が大きい。このことから,文字通訳利用者には Zoomでの会議参加用とは別の端末を用意し,T-TAC CaptionWebUserをウェブブラウザで開き,文字通訳を見る方法を推奨した(図8)。 図8 文字通訳利用者の様子 4.その他の準備 会議開催にあっては,これまでに述べてきた以外にも,以下のような事前準備を行った。 4.1 機材やネットワーク環境等に関する事前調査 各参加者の視聴環境および Web会議システム使用経験を把握するため,会議開催の約 6週間前に会議参加者にアンケート調査を行った。アンケートは Googleフォームで作成し,表 1のような質問内容とした。 表1 質問内容 ① カメラ・音声マイク機能付のPC(またはそれに代わるもの)はありますか?  (はい/いいえ) ② 職場またはご自宅に,インターネット環境はありますか?  (はい/いいえ) ③ Zoomで会議に参加したことはありますか?   (使ったことがある(サポート不要)/使ったことがある(事前に接続テストやサポートがほしい)/使ったことがない(事前に接続テストをさせていただきます)) 4.2 会議当日の進行方法に関する連絡 会議当日は,情報保障利用者の疲労軽減のために,対面での会議時には 4時間で行ってきた会議を 2時間以内におさめることとした。そのため,参加者に対し,当日の進行方法を事前に伝え,進行への協力を依頼した。依頼した内容は表 2の通りである。 特に情報保障を含む進行にあたって,手話通訳および文字通訳の状況を判断し,進行を止める可能性もあることを事前に伝えた。 4.3 接続テストの実施 4.1の回答を基に,必要と思われる内容を盛り込んだ接続方法の説明資料を参加者に送付するとともに,Zoomを使用した会議が初めての参加者や手話通訳および文字 表2 会議進行方法に関する連絡内容 ① Zoomミーティング参加時のお名前に,大学・機関名(略称可)と名字を必ず入れてください。不審者の侵入を防ぐため,ご協力をお願いいたします。(例:○○大学△△) ② マイクは「ミュート」,ビデオは可能な方は 「オン」,難しい方は「OFF」にしてください。ただし,会議中に通信が高負荷になった場合は,事務局からビデオの「OFF」をお願いする可能性があります。 ③ 発言を希望する場合は,「手を挙げる」機能で挙手し,運営委員長または事務局から指名されましたら,マイクとビデオをともに「ON」にしてからご発言ください。発言が終わりましたら,マイクをミュートにし,手を下ろしてください。 ④ 協議事項の最後に採決をとります。投票機能を使用しますので,投票画面が表示されましたら速やかに投票をお願いいたします。⑤ 会議中に休憩時間を設定いたします。休憩時間にはマイクとビデオをともに「OFF」にしてください。 ⑥ 万が一音声での発言がうまくいかない場合や,アクシデントがあった場合には,チャット機能で入力し,お知らせください。 通訳を利用する参加者を対象に接続テストを行った。併せて,文字通訳者の協力も得て音声や文字表示の確認を行った。接続テスト参加者とは,以下の項目の確認を行った(表3)。 表3 接続テスト時の確認事項 ① ミーティングルームへの入室方法 ② スピーカービューとギャラリービューの切り替え方法 ③ ビデオのON・OFF,マイクのON・OFFの操作方法 ④ 資料提示時の画面表示の確認(左右表示モードの設定方法) ⑤ 挙手ツールの使用方法 ⑥ 投票機能の使用方法 ⑦ (手話通訳利用者対象)  ブレークアウトセッションの設定と手話通訳の見え方 ⑧ (文字通訳利用者対象)  T-TAC Caption WebUserの起動,ログイン方法, 配置(Zoomと並べて表示できるか) ⑨ (文字通訳者対象)  音のきこえ方,資料提示時の見え方 等 4.4 会議資料の事前送付 会議資料は当日の画面共有を最低限にするため,会議資料を事前にメールにて送付し,印刷して手元に置くか,Zoomとは別の端末で確認できるよう参加者に準備を依頼した。 5.当日の様子 当日は,ブレークアウトセッション(手話通訳映像)の接続が途中で切れてしまうというトラブルはあったが,通訳者がメインルームのカメラに入って復旧までの時間,通訳をすることで対応した。その他は大きな問題はなかった。 6.まとめ 今回,PEPNet-Japanでは初めての試みとして,オンライン会議になったことで,遠方からの参加者も移動時間や費用をかけずに参加することができた。これにより,参加者の拘束時間も短くなり結果として運営委員およびオブザーバーとして通常よりも多くの参加を得ることが出来た。このため,各大学・機関との情報交換では,学内の困難事例についての質問に対して,運営委員のみならずオブザーバーからも有益な情報を得ることが出来た。しかし,対面での会議実施時には可能だった,顔を合わせて交わす挨拶やインフォーマルな会話がオンライン会議では難しいため,こうした繋がりの確保については今後の課題となった。 一方,本稿の主題である情報保障については,オンラインで多くの参加者が参加することから,より複雑な情報保障が求められることとなり,事前準備の段階から,全ての参加者が平等に情報を得られることを目指して,運用方法および機材セッティング等の検討を行った。例えば,安定した音声や映像を送ることができる機材の選定・事前アンケート・接続テスト等,様々な試みを取り入れた。また平行して,複数の参加者がテレワークで仕事をしていることから,自宅に所持しているパソコンやタブレット等の使用できる機器の制限があることを想定しながら,できるだけ参加者にとって負担のない方法を選定した。その結果,軽微な機材トラブルはあったものの,参加者からは概ね好意的な意見をいただき,情報保障利用者からも,通常の対面での会議と同じように参加することが出来たとの感想をいただいた。 機材トラブルについては,ある程度起きうるものと考え,バックアップしておくことが重要であり,事前の入念な準備が功を奏したと言えよう。 また,手話通訳については,今回が初めてのオンライン会議をということで,本学職員が行ったが,今後は外部の手話通訳者に依頼をすることを想定し,遠隔地から通訳を実施および配信する方法を検討する予定である。 今後もオンライン会議におけるよりよい情報保障の運用について検討を重ねるとともに,全ての方が参加しやすいオンライン会議のあり方を模索していきたい。 参照文献 [1]日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク,日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(cited 2020-9-16), http://www.pepnet-j.org/ [2] 遠隔情報保障システム「T-TACCaption」概要説明,日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク, (cited2020-9-16), http://www.pepnet-j.org/web/file/online/t-tac%20caption%20overview.pdf [3] T-TAC CaptionWebUser(利用者用)操作マニュアル:オンライン授業対応,日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク, (cited 2020-9-16),http://www.pepnet-j.org/web/file/online/t-tac%20caption_manual_webuser.pdf Effective Remote Sign Language Interpreting and Captioning in Online Meetings YOSHIDA Miku1), ISODA Kyoko1), SHIRASAWA Mayumi1), HAGIWARA Ayako1), NAKAJIMA Akiko1), ISHINO Maiko1), SEKITO Mio1), MIYOSHI Shigeki1), KAWANO Sumihiro2) 1)Division of Research on Support for the Hearing and Visually Impaired, Research and Support Center on Higher Education for the Hearing and Visually Impaired, Tsukuba University of Technology 2)Department of Synthetic Design, Faculty of Industrial Technology, Tsukuba University of Technology Abstract: The Postsecondary Education Programs Network of Japan (PEPNet-Japan) based at Tsukuba University of Technology has been holding board meetings regularly three times a year. These meetings are usually held face to face. However, this year, we had to hold the 41st board meeting online for the first time due to the COVID-19 pandemic. We provided sign language interpreting and captioning remotely to ensure communication access for all participants. In this paper, we report on providing remote interpreting in online meetings based on our practice. Keywords: Online meeting, Remote-captioning system, Deaf and hard of hearing, Sign language interpreter, Captioning