「技能」を科学する(2):産学連携による技能熟達プロセスの解明 竹下 浩 筑波技術大学 保健科学部 要旨:視覚障害者の職域拡大に必要となる「移転可能技能」(既存職域以外でも汎用的に通用する技能)の発達メカニズムを解明するため,企業の「技能五輪」チームから質的データを収集,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)で分析した。分析の結果,準備段階(「2面的な発達」)では,選手の発達段階は「指示された動作の習得」から「動作の定着と精緻化」および「新しい動作の開発」へと進むことが判明した。当日(「3要素の相互作用」)は,「絶え間ない認知的処理」「感情バランスの揺れ」「環境からの断続的反応」が相互に影響していた。従来「暗黙知」「無心」とされてきたが,熟達者は作業中絶え間なく頭を使っていた。出来栄えの評価と反復練習ではなく,心理的発達に注目した練習設計が有効である。 キーワード:技能,熟達プロセス,指導法,M-GTA 1.はじめに 近年,個人向けパソコンや周辺機器の技術進歩・既存職種における視覚障害者有意性の喪失に伴い,視覚障害者の事務系職種への就労が期待されている [1] 。この状況を踏まえ,前稿 [2] では,事務系職種で必要とされる「3つの就労スキル(技術的・対人的・概念的)」について概説した。技術的スキルとは,例えばオフィス系ソフトウェアの操作,対人的スキルは例えば他者を支援し支援してもらうこと,概念的スキルは例えば作業段取りや期限の逆算である。在学中に学生に就労スキルを習得させることが,高等教育に求められている。 しかし前稿では,「実際に仕事で必要とされるスキルには具体的にどういうものがあるか」「それらのスキルを伸ばすにはどう指導すれば良いか」については教育・学習心理学の教育目標 [3] [4] [5] 及びスポーツ心理学のコーチ法[6] [7] を紹介するにとどまっていた。 そこで本稿では,実際のデータを収集し,「スキルの発揮プロセスとその準備プロセス」を解明する。晴眼者のデータを用いたのは,多様な職域における熟達例が豊富であること,M-GTA [8] の分析結果は隣接実践領域(例:健常者と障害者の職業能力開発)に応用可能なためである。 最高レベルの技能習得に挑戦している調査協力者からのデータを分析することで,効率・効果的な就労スキル開発プログラム開発に有用な示唆が得られると考えられる。 2.方法 2.1 調査協力者 2017 年9 月から2018 年2 月にかけて,過去「電気溶接」職種における入賞経験があり,社内に技能五輪チームを設置している企業5 社19 名からデータを収集した。 2.2 調査内容 「技能五輪全国大会前1年間の準備状況」及び「当日のパフォーマンス」について,身体(得意苦手・練習方法等/作業・成否等)・頭(練習への考え方等/考え・注意・判断等)・心(やる気・楽しさ等/緊張・焦り・不安等)のガイドラインを準備,半構造化面接を実施した。 2.3 分析方法 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下M-GTA)を用いた。分析手順は [9] [10] に従った。 2.4 倫理的配慮 研究目的であり個人・組織名は特定されないこと,個人情報の管理,複数協力者の語りで概念を生成するので特定ノウハウのや企業別比較は行わないこと,個人の評価には影響しないこと,不回答や中止の自由があることなどについて説明,同意を得た。 3.結果 技能五輪(電気溶接)選手の競技前1年間の準備プロセスは「2面的な発達」,当日のパフォーマンス・プロセスは「3要素の相互作用」という現象特性を有していた。分析の全体像(複数の概念で構成されるカテゴリーとそれらの関係)を次ページ図1に示す。 (図) 図1 技能五輪における準備と当日遂行のプロセス 準備段階では,選手は「指示された動作(作業要素)の習得」段階から,「動作の定着と精緻化」および「新しい動作の開発」段階へと進んで行く。 技能五輪当日は,「環境(製作物の出来や身体の状態等)からの断続的反応」「感情バランスの揺れ」「絶え間ない認知的処理」が相互に影響していた。 以下,カテゴリーごとに主な概念について説明する。 3.1 「2面的な発達」:準備期間の心理的プロセス  先ず,選手は「指示された動作の習得」を目指すことから始める。やがて「リズムで動かす」ことや「溶融池を形にする」ことが出来るようになる。  後者の定義は「選手にプールが見えて『こういう形にする』と考えながら溶接すること」である。以下に語りの例を示す。Aは分析者,Qは協力者である。 A:そうですね。その1,2,3は,ほんとに,縦のこう,動きですね Q:この,今のリズムみたいな A:はい。を,考えてて。で,最近とかでは,ほんとに,プールが見えるっていうか。溶接している,溶融池が,見えてるんで。「これを,この形にするんだ」とか。 Q:この理想の形があって A:そうですね。・・ま,今もこの,リズムとかも,やってるんですけど。・・はい Q:リズムと, A:リズムと,さらに,その,溶融池の,形。感じ,ですかね Q:目と,目と手の動き。ですね A:そう,そう!ですね  この指示された動作の習得段階から,選手はどのように発達していくのだろうか。熟練者は2つのパターンを示していた。1つめが「新しい動作の開発」で,「条件と手順の案出」やそれに基づく「試行錯誤」及び改善・修正である。 <条件と手順の案出>(選手が,準備期間中,自分で工夫して独自の課題作成手順を案出すること) A:あ,4課題なんですけれども。4課題のメイン。4課題の溶接方法で,やるんですけど Q:形が違う A:はい。形が全然違くて。それを,「一週間で仕上げて」って言われて。ま,そこでこう,自分で考えて,条件を出したりして。 (略) Q:ふうん。どうやって,やるものなんですか? A:は,もう,その課題に,課題とおんなじ姿勢になるように,要素材を合わして。練習ですね,ひたすら。 Q:推理するみたいな A:はい。「こういう時は,こうしよう」みたいな。「こういう運棒で」とか。「どういう棒が好ましい」とか。  2つめが「動作の定着と精緻化」である。選手たちは,上手く行くやり方を創り出すだけでなく,上手く行ったやり方の定着も行っている。 <作業要素のイメージ化>(選手が本番と同じ訓練を無数に繰り返した結果,一々考えずにできるようになること) A:はい。ほんと,多分,何百回みたいな。百何十回って,本番とおんなじ訓練をやるんですけど。 Q:身体の動き自体は A:もう,多分 Q:練習通りできると A:そうですね。ほぼ覚えてしまって。何も考えなくても,行こうと思えば次行けるんで。ぐらいは練習してますね <失敗因の分析と修正>(選手が課題を作成してから,生じた反省点に応じて修正すること) A:えーと。週,その,大会近づくとかによって変わるんですけど,基本的に週,1回から3回ぐらい,あのその大会の課題。作りますね Q:はい A:で,そこ,を,作って,で,その,作った課題に対して,絶対反省点が出るんで。それを次の課題を作るまでに,あの,要素練習っていう形で。やって (略) Q:この課題で,要素練習の前提となる,反省点?例えば1,2,3って言ったら,どんな例がありますでしょうか? A:えーと。例えば,この,溶接番号何番の,脚長が入らなかった。から,次は入れれるようにするだとか。脚長がはいら,あの,溶接の大きさって,決まってるんですね。ここの,溶接は,8ミリでやってくださいみたいな。 Q:それがたんなかったみたいな。盛りが足んなかったみたいな A:はい。8ミリ・7ミリみたいに,なってしまって 3.2 「3要素の相互作用」:当日の心理的プロセス  前節で述べたように,個々の作業要素のついてはほぼ無意識的に習得しているにも関わらず,当日の選手は「絶え間ない認知的処理」に追われていた。この処理プロセスは「状況評価と実行」と「動作ペースの安定化」で構成される。 3.2.1 絶え間ない認知的処理 <状況評価と実行:時間のモニタリング>(選手が,作業要素や課題ごとの所要時間をモニタリングすること) Q:取り戻すのって,どうやったら,取り戻せるんですか? A:ああもう,急ぐしか(笑)ないんですけど。手順を抜いたり,っていうのはできないんで。基本的に。 Q:はい。・・じゃあ,結構面白いですね。最初,緊張してるのは判るし,あと外したくないから,ゆっくりめにどうしてもやると。と,途中で,やりながら「遅れてきた」っていうのが判る? A:そうですね。時間もう,測ってるんで。自分で Q:あ。自分なりに,「4時間半のうち,何をやる」っていう,のがおよそ決まっていて A:はい。1つめの課題は,例えば,「30分で作りたい」。 Q:はいはい A:でも,32分とか33分とかかかってしまったってなったら, Q:はい。次で A:次の課題で,「2分早く終えたい」って。 <状況評価と実行:出来の評価と微調整>(選手が,普段と違うビードに気付き,速さや電流と微調整すること) Q:大会で,やっぱり,拙かったかなあっていうのは,どういう拙かったなんですか? A:例えば時間。時間でも変わってきて。熱,溶接って熱が大事なんで。 Q:そっか。うん A:時間が延びれば,その分,材料に熱が加わってしまって,いつもと同じ電流でやってるけど,違うビードになってしまった,とかもあるし(略) Q:じゃあ,そこは速度とやり方を,調整して A:そうですね。自分の,この辺の,微調整で,若干直していくってような感じ。 Q:でもそういうものを普段から練習されてるという。 A:そう,ですね。  選手たちは,絶えず生成される自分の出来栄え,つまり目標とのズレをモニタリングして次の動作を決定している一方で,トータルの動きを平準化する努力(「動作ペースの安定化」)も行っている。 <動作ペースの安定化:入口での注意点確認>(選手が,ビードごとに注意点を思い浮かべること) A:・・・まあ,溶接ごとに注意点,みたいな感じですね。僕は。例えば,「こうなり易いから,」「ここに,注意する」 Q:ああ。そっかそっか。この,一作業は,ここに気をつけなきゃな。みたいな A:そう,ですね Q:ああ。じゃあ,割と,常に,意識は,動いてる感じですね A:ああ,そうですね。 <動作ペースの安定化:次動作の想起>(選手が,少しでも早く次動作に移るため次の手順を常に思い起こすこと) A:注意点は,一本のビードごとに,とか。その,やる溶接ごとに,細かく。ありますね。・・ Q:何に気をつけられてます? A:えーと。それごとに,減点,され易い,部分 Q:あれですよね。ビードの,溶融点,溶融池を見て,あと,手を,細かく動かすように,意識を集中する A:そうですね。あとは,次の手順を常に,頭ん中で思い起こしながら。「これやってるけど,次はこの溶接やるから」「これ終わった瞬間にこう動いて」。で,「いかに速く,次に移るか」っていうのを考えてますね。頭の中では。  この絶え間ない認知的処理は,「感情の生起」や「気が散ること」で遅滞してしまう。 3.2.2 感情の生起 選手たちの「感情バランスの揺れ」は,競技特有の文脈による「失敗できぬ緊張と不安」に加え,突発的な「失敗や遅れの焦り」「成功の安心と喜び」によって引き起こされる。 <失敗できない緊張と不安>(選手が,本番特有の「失敗できない」緊張を感じ続けること) A:精神的な疲れになるんすかね。「用意,始め」で始まったら,1で,もう,失敗ができないんで。もう(略)あんまり無駄な時間が無くて,そのもう,自分が今まで練習してきた動きにいかないと,時間内で,仕上げれないんで。もう,初めからもう, Q:ピキピキピキって感じになってきますよね(笑) A:ピキピキになるんす。なんか,失敗した時とかに,もう一分とか,あの,いつもより遅くなったら,どんどんどんどん一分ずつ減っていくんで。流れが。 Q:最後までね A:なんで,一分一秒ぐらいまで結構, Q:失いたくない A:失いたくないっていうんですか,やっぱそれで,今までこう,練習してきたんで。やっぱそれがあるんで,常に緊張しているみたいな感じですねー。やる事やる事 <失敗や遅れの焦り>(選手が,本番中の失敗や遅れで,焦りを感じること) Q:作業,操作的にはどうでした?失敗したってことあった? A:ま,そうっすね。ま。組み立ての時に Q:おお。どうされました? A:ちょっと,仮付けっていうのがあるんですけど。それが,外れちゃって Q:え,でも,仮付けって,外れたら失敗になるの?あそうか A:それで溶接ができなくなっちゃう Q:そっか,だからもう1回やるんだ A:そうです。で,付け直したりして。ま,なんとか,大丈夫だったんですけど。それで,少し焦ってしまったのがあったんで。 3.2.3 環境による雑念  選手たちは,大勢の見学者や他選手のブースの気配などにより,予測しない事態にも影響を受ける。 <慎重さゆえの速度低下>(選手が,本番の雰囲気に影響されて練習より時間をかけてしまうこと) A:やっぱり,1回きりなんで。・・寸法とか外したくないし。練習よりも,なんですかね。慎重になってしまうみたいなのはありましたね Q:はいはい。ちょっと怖いっていう A:はい。そうすね。怖い,感じがあって,慎重になってしまって。 Q:時間かかっちゃう? A:そうっすね。ちょっと,かかりましたね。・・日頃より。 <音による集中の乱れ>(選手が,どうしても後ろにいる観客の話声が聞こえてしまうこと) A:基本的に,自分の後ろにしか,観客いないんで。 Q:ああ,意識しないようにすればいいんだ A:こっちにだけ。には集中できますけど。やっぱどうしても,声,聞こえてきたり,はするんで Q:あー。聞こえてきますよね。見えないけど,気配とかね A:はい。その辺,を,どれだけ無視できるかっていう。 3.3 準備期の発達が当日の認知的処理に及ぼす影響  結果図は,準備期の2面的発達が当日の認知的処理プロセスに及ぼす影響を示している。具体的には,「動作の定着と精緻化」を行うほど「動作ペースの安定化」が,「新しい動作の開発」を行うほど「状況評価と実行」が可能になる。  こうして認知的処理が優勢になることで,感情バランスの揺れや環境からの断続的反応を抑え込むことが可能になる。 4.考察 4.1 実践への示唆  スキル獲得の支援に際しては,出来栄えだけで評価,ひたすら反復練習させるのではなく,心理的な発達段階に応じた練習設計が技能熟達に有効であることが示唆された。「やるべきこと」「練習すべき作業」を指示することと異なり,心理的スキル(作業方略の案出や感情のコントロール)は,思考の言語化や疑似体験で訓練できる。結果図は,従来用いられてきた日誌や他流試合をより一層活用する方法を示している。  日頃の対策としては,毎日の「振り返りノート」の提出があり,当日訓練する作業要素や,やってみた結果の気付きや改善のアイディアが記録されている。漠然とした作業記録とメモではなく,結果図左部分を基に職種ごとの特性を加えた項目ごとに計画・練習・振り返りすることで,より効率・効果的な訓練が可能になる。  本番対策としては,ただ他者との「他流試合」を実施するだけでなく,結果図の右半分で示した要素を本番想定訓練に織り込むことで,当日の自己コントロール力を高めることが出来る。 4.2 理論的貢献  従来の技能熟練研究では,「熟達は暗黙知である」「熟練者は無心で作業している」と主張されてきたが,分析の結果はこれとは全く異なるプロセスを示していた。熟達者は作業中絶え間なく認知的な処理を行っていた。それだけでなく,意識の領域では様々な感情や雑念が絶えず発生しており,それらが認知的処理,ひいてはパフォーマンスに影響しているのだ。  さらに本稿は,前稿で提起された課題(職務タスクと必要スキル組み合わせの特定)に応えることができた。結果図で示されたカテゴリーや概念は,実際の職場でのタスク(与えられる1まとまりの仕事)に相当すると考えられる。これには,正確性や速度などの技術的スキルに加え,手順の案出やイメージ化,モニタリングや対処など概念的スキル,自己コントロールとしての対人的スキルが含まれていた。 4.3 障害者就労支援への応用  M-GTAの目的は,分析で得られた結果図(領域密着理論)を隣接する実践領域で応用・修正することである。具体的には,現在担当しているタスクに当てはめて考え,当てはまる概念や当てはまらない概念,あるべきカテゴリーなどを案出するトレーニングが考えられる。  本研究のデータは生産工程から収集したが,事務系職種についても技術的スキル主体であれば応用可能である。視覚障害者の表作成ソフトにおける「新しい動作の開発」を考えてみよう。例えば,画面に複数の表とタイトルがあり,毎年更新する場合,晴眼者はタイトルの年度を1つずつ修正していくが,見えない場合一部タイトルに修正漏れがあっても判らない。そこで先に語句を一括で置換してしまうという方法である。「作業要素のイメージ化」についても視覚障害特有の方略が浮上するだろう。「認知的処理」と「感情バランス」「環境による雑念」についても,晴眼者と比較することで上司の支援に有用な手がかりが得られるだろう。 注:本稿は,「技能五輪チームにおける短期的技能熟達プロセス」(日本教育心理学会第60回総会発表論文集 竹下 浩 2018:296-296)を加筆修正したものである。 参照文献 [1] 障害者職業総合センター.視覚障害者雇用の拡大とその支援―三療以外の新たな職域開拓の変遷と現状―,独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(千葉), 2006. [2] 竹下 浩.「技能」を科学する:視覚障害者雇用促進に向けて,筑波技術大学テクノレポート,26(2),全7頁 2019. [3] Bloom, B. S. Taxonomy of educational objectives, handbook 1: Cognitive domain, New York: Longman-Green, 1956. [4] Simpson, E. J. The classification of educational objectives, psychomotor domain. A report to U. S. Department of health, education and welfare, Office of education, 1966, p. 1-35. [5] 鈴木克明・渡邊あや.ブルームのタキソノミー(分類学)In 基盤的教育論〔2〕学習指導・評価論,2009,(cited 2018-11-25) http://www.gsis.kumamoto-u.ac.jp/opencourses/pf/2Block/04/04-1_text.html [6] 山崎勝男.スキルの習得,上田雅夫〔監〕スポーツ心理学ハンドブック,実務教育出版(東京),2000, p. 65-74. [7] Schmidt, R.A. Motor learning and performance: from principles to practice, Champaign, IL: Human Kinetics, 1991. (調枝孝治〔監訳〕.運動学習とパフォーマンス, 1994, 大修館書店(東京). [8] 木下康仁.グラウンデッド・セオリー・アプローチ―質的実証研究の再生 弘文堂,1999. [9] 木下康仁.ライブ講義M-GTA―実践的質的研究法 グラウンデッド・セオリー・アプローチのすべて― 弘文堂,2007 [10] Takeshita, H. Thoughts on and method used in M-GTA. In N. Ishiyama, Y. Nakanishi, K. Koyama, & H. Takeshita, Mechanisms of Cross-Boundary Learning: Communities of Practice and Job Crafting (pp. 58-89). Newcastle upon Tyne, UK: Cambridge Scholars Publishing, 2019. The Science of Skills (2): clarifying skill proficiency process through industry-academia collaboration TAKESHITA Hiroshi Faculty of Health Sciences Tsukuba University of Technology Abstract: In order to increase the employment of blind and partially sighted people, it is necessary to develop transferable (skills that can be used universally other than the three-therapies) skills. To clarify the skills development mechanism, we collected qualitative data from the ‘World Skills Competition’ participant teams and analyzed using the modified Grounded Theory Approach (M-GTA). As a result of the analysis, it was found that in the preparatory stage (‘Two-sided development’), the player’s development stage progressed from ‘acquisition of instructed movement’ to ‘fixation and refinement of movement’ and ‘development of new movement’. On the competition day, ‘continuous cognitive processing,’ ‘fluctuations in emotional balance,’ and ‘intermittent reactions from the environment’ had an effect on each other(‘Interaction of three elements’).Traditionally, it has been referred to as ‘tacit knowledge’ or ‘mindlessness,’ but the candidates have used his head constantly during the competition. Practice design that focuses on psychological development, rather than performance assessment and repetitive practice, is effective. Keywords: skills, proficiency process, training method, M-GTA