欧州の視覚障害学生サマーキャンプICC2019 参加報告 小林 真 筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科 要旨:英国Hereford(ヘレフォード/ヘリフォード) にて開催された欧州の視覚障害学生サマーキャンプ,ICC2019 に学生2 名を引率して参加した。同キャンプは,各国引率者によるワークショップやスポーツを中心としたイブニングアクティビティを連日こなすほか,エクスカーションデイが1 日設けられている。学生たちはキャンプを通して欧州各国に友人を作ることができ,また英語の重要性を再認識した様子が伺えた。 キーワード:英国,視覚障害学生サマーキャンプ,ワークショップ 1.はじめに  2019 年度も,欧州の視覚障害学生を対象としたサマーキャンプ,ICC2019(International Camp on Communication and Computers)へ学生たちを引率して参加した。毎年場所を変えて開催されているICC の今回の開催地は英国であった。大学間交流協定を結ぶリンツ大学の統合教育支援センター(IIS: Institut Integriert Studieren)が運営に関わっていることから,本イベントには,2003 年度のスイス開催時より参加させてもらっている。 学生の希望者が出なかった2004 年と開催自体がなかった2008 年を除き,本学からの学生は2005 年チェコ・2006 年ドイツ・2007 年フィンランド・2009 年オーストリア・2010 年ギリシャ・2011 年イタリア・2012 年ルーマニア・2013 年チェコ・2014 年ラトビア・2015 年オランダ・2016 年ドイツ・2017 年ベルギー・2018 年クロアチアと参加してきており,今回の英国で15 回目となった[1]-[8]。参加した学生は情報システム学科2 年次の君島翔平さんと村田勇樹さんの2 名である。本事業は国際交流加速センター運営委員会が主催して実施された。 (写真) 図1 ICC2019参加者らの集合写真 2.キャンプの概要 2.1 日程および開催場所 ICC2019 の開催日程は2019 年7 月22 日の月曜日から翌週31 日の水曜日までの10 日間であり,後述するように初日と最終日は到着と出発日に割り当てられている。また帰国日は8月1日となった。  期間中,主な活動はHerefordにあるRNC(Royal National College for the Blind)で行われた。RNCは1871年創立の視覚障害学生のための王立教育機関であり,就労につながる様々な教育を施している。興味深いのは視覚障害者への教育施設であるとともに,キャンパス内の運動施設が「thePoint4」という名称で一般市民にも公開されているところである。そしてRNCの最寄り空港はBirmingham空港であり,最寄り駅のHereford駅まではいくつか電車を乗り継いで2時間半程度かかる。更に駅前から数キロ離れた立地であるため空港から現地までは,かなり時間が必要となる。  一方,キャンプの主催すなわちローカルスタッフは主にVICTAという視覚障害者支援団体のメンバーが担っていた。VICTAはMilton Keynesを拠点に活動する団体で,ロンドンマラソンでの寄付金を主な資金源として視覚障害の若者の各種活動を支援している。当然今回のICCにはRNCの教職員たちも協力しているが,基本的にRNCは場所の提供,主催はVICTAという形式で行われていた。 2.2 参加者について  参加者の内訳を表1に示す。昨年と比べるとモンテネグロ・セルビア・スイスからの参加がなく参加国数は13ヶ国,総数は62名であった。各国からの引率者は支援機関や協会の職員,大学の教職員,ボランティア団体職員など様々な顔ぶれが揃う。期間中のワークショップは各引率者が担当するため,それぞれの専門領域やバックグラウンドを活かした多種多様なワークショップが開催されることになる。 表1 参加者数 (表) 2.3 期間中のスケジュール  ICCの期間中は1日だけエクスカーションが用意されているが,毎日の基本的な構成は午前と午後とに行われる3時間のワークショップと夕方のイブニングアクティビティである。ワークショップは,到着日と出発日,エクスカーションデイの3日間を抜いた7日間,合計14コマの枠がある。このうち最初の1コマはスターターワークショップと称してオリエンテーションとコンピュータの初期設定などが行われ,また日曜の午前は教会に行くなど礼拝関係を考慮してワークショップは実施されず,更に最終日のフェアウェルパーティ前の時間も練習時間に割り当てられる。そのため,参加学生たちは11コマのワークショップに参加できることになる。過去に報告したようにワークショップには「2コマ続きの必修(compulsory)」と「選択」の2種類があり,選択にも2コマ続き6時間のものもある。そして昨年まで必修ワークショップは2種類合計4コマ受ける必要があったが,今回は「Media Day」と称して全員がニュース執筆を2コマ行なうように変更された。結果として選択ワークショップの枠は7コマである。表2に以上のスケジュールをまとめたものを示す。 表2 全体スケジュール 日付 午前 午後 夕方 7/22(月) 到着・受付・オリエンテーション(午前・午後) 夕食 7/23(火) スターター・WS(午前) 必修WS1(午後) 夕食・アクティビティ 7/24(水) 必修WS1(午前) 選択WS1(午後) 夕食・アクティビティ 7/25(木) 選択WS2(午前) 選択WS3(午後) 夕食・アクティビティ 7/26(金) エクスカーション(全日) 7/27(土) Media Day WS(午前・午後) 夕食・アクティビティ 7/28(日) 礼拝時間(午前) 選択WS4(午後) 夕食・アクティビティ 7/29(月) 選択WS5(午前) 選択WS6(午後) 夕食・アクティビティ 7/30(火) 選択WS7(午前) パーティの準備(午後) フェアウェルパーティ(夕方) 7/31(水) 各国それぞれに帰国  ここでMedia Dayについて少し解説する。ICCでは毎年参加者の学生たちが期間中に書き起こした記事をまとめ,冊子にして墨字と点字で印刷し,最後のパーティの時に全員に配るということを行なってきている。主な執筆者は「ICC News」というワークショップに参加したメンバーであるが,ここ数年は記事の数があまり多くなく,編集担当者すなわちワークショップ担当者が苦労している様子であった。そのため参加者のコミュニケーションを促進し,ニュース冊子の拡充をする目的でMedia Dayを設けたと思われる。個人的には,宿泊施設と実施会場の距離およびコンピュータルームが夕方から夜にかけて利用可能かどうかが要因の一つであったのではと考えている。オランダの施設の場合,夜は施錠され,ドイツ・ベルギー・クロアチアの時は宿泊場所が離れていたため自由時間に記事を投稿できなかったのである。 (写真) (a)A glimpse into your life-I.C.C.の様子 (写真) (b)I love cookingの様子 図2 ワークショップの様子 2.4 学生たちの参加したワークショップ  以上のようなスケジュールで行われたキャンプ期間中,君島さんと村田さんの参加したワークショップを以下に示す。 君島さん: A Studying in Europe, Studying Abroad(必修) B Basic of geometry, 3D modeling, 3D printing C VoICC - Free your body through your voice D Men’s Guide - Style & Etiquette E Alexa, Cortana and other speech Assistants F Yummy OREO - Nutella Truffles G A glimpse into your life - I.C.C= Inter Cultural Communication 村田さん: H Effective Web Browsing and Information Retrieval(必修) I ICC Newspaper J I love cooking K Accessible graphics: Why should I care and what is possible? L Yummy OREO - Nutella Truffles M Guide dogs? myths and truth これらのうちB・I・Jは2枠使うものである。また全体の種類を大別するとA・G・MはいわゆるTalking Workshopすなわち参加者で話し合うスタイル,F(L)・Jはキッチンを使って料理を楽しむワークショップ,C・Dは発声の仕方や仕草などコミュニケーションをとりながら何かしらの活動を行うタイプ,Iは前述のニュース作成である。ICCは以前「コンピュータ・キャンプ」と呼ばれたこともあり(実際にCamp on Computersであった),IT技術やコンピュータを扱う内容だと思われがちであるが,実際には上記のうちIT系のものはB・E・H・Kのみとなっている。 いずれにせよ本学からの参加学生は同じワークショップに割り当てられない限りは,単独で4名から10名程度のグループの中に放り込まれるため,英語でのコミュニケーションが必須である。図2にワークショップに参加している学生たちの様子を示す。(a)は君島さんの参加した“A glimpse into your life-I.C.C.”におけるディカッションの様子, (b)は村田さんの参加したI love cookingの一場面である。 2.5 アクティビティ ICCでは,毎日夕方にアクティビティの時間が用意されている。その参加希望者の調整に関しては,数年前までは限定された参加人数枠の紙が掲示板に貼りだされ,引率者が名前を書き込むという形式で行われていた。しかし全盲の引率者らにとって不公平であり,また参加者の希望が通らないなどトラブルも多かった。そこで2015年のオランダ開催の時に,国ごとに書き込み優先順位が割り当てられ,公平になるよう日によって順位が入れ替わるという方法に改められた。しかし今回,運動系はRNC併設のthePoint4の施設を使うこともあり,基本的に自由参加という方法で行われた。用意された運動系はGoalball, Outdoor/Indoor Football, Cricket, Gym, Spa, それ以外はChill in halls, Walking trail, Town Walkであった。また,これら定常的なアクティビティとは別に森林の中に用意されたアスレチック施設Oaker Woods(https://www.oakerwoodleisure.co.uk/)で様々なアトラクションを体験するというイベントが,4~5ヵ国をまとめたグループに対して3日間別々に実施された。日本はイタリア・チェコ・ポーランドのグループと共に24日に参加した。その他の日は,君島さんも村田さんもCricketに興味を持ったため,27日と28日の2日間,参加した。それ以外の夕方はハンガリーやギリシャのチームと共に街歩きを楽しんだ。図3にクリケットの様子を示す。 (写真) 図3 他の参加者とクリケットを楽しむ本学の学生 2.6 エクスカーション  7月26日のエクスカーションデイには,Brecon Beacons国立公園へのツアーが企画されていた。現地で用意されたアクティビティは「rock climbing」「kayaking」「raft building 」の3つであることがキャンプ参加前に知らされており,このうち2つを事前に選んでおき午前と午後に楽しむという内容であった。君島さんと村田さんはkayakingとraft buildingを選んでいた。  2人乗りのカヤックで静かな川面に浮かび移動を楽しむkayakingを午前にこなし,午後はグループに分かれてのraft buildingとなった。Raft buildingとは,中空のドラム缶や木材,ロープを使って筏を作るアクティビティで,仮想的にグループに予算が配分され,その予算内で組み上げるというゲーム要素も加わっていた。材料に値段がついているのは当然のことながら,ロープの結び方といったアドバイスをスタッフから受けることも(仮想的に)有料というのがよく考えられていた。各グループはグループ内において英語で議論しながら協力して筏を作り上げていく。そして最後は進水式。作成した筏で川に繰り出すのである。2つのグループともなかなかしっかりした作りに仕上がっており,川でバラバラになるということはなかった。図4はこのエクスカーションデイの様子である。(b)Raft buildingの筏は村田さんのチームのものであるが,漕ぎ手希望者が少なかったため君島さんも乗ることになった。 (写真) (a)Kayakingの様子 (写真) (b)Raft buildingで作った筏に乗る参加者たち 図4 エクスカーションデイの様子 2.6 フェアウェルパーティ  最終日のフェアウェルパーティは天気の関係もあり,食堂内で行われた。今年のパーティプレゼンテーションは国別に行われ,君島さんと村田さんはクロアチア人の参加者の意見をもとに,アニメ主題歌を歌い踊るという出し物をした。事後にドイツの参加者からWhatsApp上で”Japanese presentation was the best!”と褒められる程盛り上がり,大成功であった。図5にその様子を示す。 3.学生たちの感想  最後に本学からの参加学生たちから寄せられた感想を記す。また,図6は彼らが他国参加者らと交流する様子である。 (写真) (a)英国やハンガリーの参加者らと礼拝へ (写真) (b)ギリシャの学生と談笑する村田さん (写真) (c)3Dプリントのワークショップリーダーから作品を受け取った君島さん (写真) (d)オーストリア・ポーランド・スイスのスタッフらと 図6 交流の様子 3.1 君島翔平さんより  「今回のICCでは,英語に関する能力とコミュニケーションそのものへの課題,また外国の方々の温かみを見出すことができました。  英語に関する能力は,基本的に単語の知識が不十分であったことから,耳が英語に慣れて相手がどの単語を発しているのか理解できるようになっても,それが何を意味して いるのかが理解できず,結果的に会話にならないといった状況が終始続きました。またこちらから発言したい際にもそれが単語レベルで素早く英語にできないことが最大の問題でした。文法に関しては自分の言いたい内容と全く別の文法を選んでいない限りは相手が理解してくれることが多々あったため強いて言えば問題はありませんでした。  初めて会話をする人でこちらから話を振る場合に,ICCで定番となっていた「何時間飛行機に乗ったか」や「時差はどれくらいか」などの話題は振れるものの,例えば趣味を聞き出した後そこから展開させることができませんでした。これは言語の壁が原因だったのではなく,全く話題が見つからなかったためでありました。日本では基本的に相槌を打っているだけか話題を振られる側だったためこの能力が鍛えられていなかったのだと考えられます。  あまり英語での会話が成り立たない私に対して,最後まできちんと接してくれた他国チームの方々には本当に感謝したいです。彼らは何度聞き返してもそれに応えてくれたうえに,機嫌を損ねず私の拙い英語もしっかりと聞いてくれました。マナー面ではなにかと世界から褒められる日本人ですが,パーソナル面は外国人の方が遥かに優れていると感じました。そんな彼らと自由なコミュニケーションができなかったことや,終始任せっきり頼りっきりであったことが非常に悔しく,そして申し訳なく思います。今後国内外問わず外国人とコミュニケーションを交わす機会があった際に,二度とこのような思いをしないよう,今回のICCで見出した課題に取り組んでいきたいと思います。」 3.2 村田勇樹さんより  「はじめに,今回のICCサマーキャンプに参加させていただけたことに対しまして,関係機関及び教職員の方々に深く感謝いたします。  ICC2019での主な1日の活動内容は,午前と午後それぞれのワークショップに加えて,夕食後のアクティビティになります。夜は公式な活動はなく,参加者同士で自由に交流をする時間が設定されており,ワークショップ等で親睦を深めた友人と毎晩のように会話を楽しむことができました。また,期間中には,エクスカーションデイが設けられており,参加者同士でチームを組み共同作業を行う貴重な経験を積むこともできました。  まず,印象に残っている2つのワークショップについてご紹介します。1つ目は,「I love cooking」というもので,イタリアの方を講師にパスタやサラダ,ティラミスなどをグループのメンバーと一緒に調理実習を行うワークショップでした。日ごろから料理が好きな私は,言語の壁を多少感じながらもギリシャやイタリアからの参加者とともに,おいしい食事を作ることができました。このワークショップで感じたことは,「障害をもっていることに対する日本と欧州の考え方の違い」です。刃物や火を扱う作業であっても,見える・見えないという問題は彼らに存在せず,むしろ見えない・見えにくいという私たちのハンディを一つの武器として堂々と話す欧州からの参加者に私は驚きました。具体的に言えば,全盲の参加者が嗅覚を使いながら食材を判別し,手の感覚を使いながら包丁作業を手早く披露する場面があり,彼は「これは,神様が与えてくれた僕だけのスキルだ」と堂々と話すのです。自らの障害にどこか引け目を感じていた私は,彼の言動一つ一つがとても新鮮かつ印象的であり,日本の身近な価値観と違った新しい価値観を見聞きすることができて本当に嬉しかったです。2つ目は,「ICC Newspaper」という恒例のワークショップです。参加者が体験したことや発信したいことを記事にして投稿します。実際に掲載されるには,「面白い記事」を書かなくてはなりません。残念ながら私が書いた記事は今回掲載されることがありませんでしたが,英語を使った表現の難しさ,そして,基本的な語彙や文法が身についていても,それを生かすだけの実践力が足りなかったことを痛感する大変有意義な経験となりました。この経験を力に変え,今後の語学学習に生かそうと思います。  次に,滞在中に見つけることができた「友達」について紹介します。あまり多くの人と会話をすることができませんでしたが,ハンガリーやギリシャ,ポーランドなど複数の国からの参加者と毎日交流する中で,私はギリシャ人の参加者ととても仲良くなることができました。休憩時間になると,お互いの部屋へ行き来し,出身国や家族,友人や趣味など,本当にたくさんのことについて話ができたことは,私の一番の思い出です。おぼつかない私の英語をくみ取り,会話を盛り上げてくれた彼に心から感謝をしています。そして,彼との交流の中で,「頭で考える前に言葉に出してみよう」という思いがわいてきたのです。完璧な英文を伝えるのではなく,伝えたいことを相手に伝える英語を話すことで,会話の幅がずっと広がることに気づきました。  今回のイギリスでの経験は,私にとって非常に大きな衝撃や経験となりました。この経験を1つの思い出に留めるだけでなく,今後の大学生活や社会に出てからの糧となるよう今後も語学の習得,参加者との交流を続け,さらなる「発見」や「学び」へとつなげていけるよう,何事も努力していきたいと思います。」 4.謝辞  学生の旅費に関して筑波技術大学基金および日本学生支援機構より多大な支援を頂きました。記して深く感謝します。 参照文献 [1] 加藤宏,小林真,原俊介,塩谷純.ヨーロッパの視覚障害者コンピュータ・キャンプに参加して.筑波技術短期大学テクノレポート,2004; 11,p.85-91. [2] 小林真,川村祥子,東川恭子.International Camp on Communication and Computers 06 参加報告. 平成18年度国際交流活動成果報告書,国立大学法人筑波技術大学国際交流委員会,2007; p.29-34. [3] 永井伸幸,吉田有希,吉永円.International Camp on Communication and Computers 参加報告.筑波技術大学テクノレポート,2006; 13,p.95-99. [4] 小林真.欧州の視覚障害学生サマーキャンプICCの変遷 ―本学からの10回の参加を振り返って―.筑波技術大学テクノレポート,2014; 22(2), p.24-28. [5] 小林真,福永克己.欧州の視覚障害学生サマーキャンプICC2015参加報告.筑波技術大学テクノレポート. 2016; 23(2): p.60-64. [6] 小林真,福永克己.欧州の視覚障害学生サマーキャンプICC2016参加報告.筑波技術大学テクノレポート. 筑波技術大学テクノレポート.2017; 24(2): p.45-51. [7] 小林真,笹岡知子.欧州の視覚障害学生サマーキャンプICC2017参加報告.筑波技術大学テクノレポート. 2018; 25(2): p.51-57. [8] 小林真,笹岡知子.欧州の視覚障害学生サマーキャンプICC2018参加報告.筑波技術大学テクノレポート. 2019; 26(2): p.57-62. Report on Participation in the International Camp on Communication and Computers 2019 KOBAYASHI Makoto Department of Computer Science, Faculty of Health Sciences Abstract: Two students from our university participated in the International Camp on Communication and Computers 2019 (ICC2019), which was held in Hereford, UK. The camp is primarily designed for visually impaired European youngsters; its aims is to help these young people create communities and human networks with each other. The camp included a variety of workshops, evening activities, and a one-day excursion. The two students who attended made many friends at the camp. Following their attendance at the camp, these students seemed to have a renewed awareness for the importance of communication in English. Keywords: UK, International camp for visually impaired students, Workshops