修士論文 あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうを提供する施術所の営業実態に関する調査 平成 28 年度衛生行政報告例隔報の施術所数との比較 平成29年度 筑波技術大学大学院 修士課程 技術科学研究科保健科学専攻 石上善彦 筑波技術大学 修士(鍼灸学)学位論文 目次 第Ⅰ章 緒言 1-2 第Ⅱ章 調査方法 1.名簿作成と施術所情報の収集方法 3 (1)調査対象業者の名簿収集 2. 標本設計 3-5 (1) 調査の対象と客体 (2) 標本抽出台帳の作成 (3) 都道府県の標本数の算出 (4)標本の抽出 (5)住所変更未届施術所数の抽出方法 (6)調査表 (7)未着票の扱いについて (8)回収率の算出方法 (9)調査票の配布と回収 3.営業あはき業者総数の推計方法 5-8 (1)営業施術所数の推計方法 1)届出住所地非現存施術所数と休業廃業施術所数の推計法 2)住所変更未届施術所数の推計法 (2)営業出張専門業者数の推計方法 4.倫理面への配慮 7 第Ⅲ章 結果 1.回収率 8 (1)全体 (2)企業形態別 (3)都道府県別 2.未着率 8-9 (1)全体 (2)企業形態別 (3)都道府県別 3.営業率と休業廃業率 9 4.営業施術所数の推計 9-10 (1) 届出住所地営業施術所数 (2)住所変更未届施術所数 (3)推定営業施術所数 5.営業出張専門業者数の推計 10 6.営業あはき業者の総数 10 第Ⅳ章 考察 1.本調査の意義 11 2.標本の質と結果の信頼性 11-12 3.回収率と未着率について 12 (1)回収率 (2)未着率 4.営業施術所数について 12-14 (1)平成 28 年衛生行政報告例隔年報との比較 (2)営業あはき事業者数について (3)全体の考察 5.本調査の課題と限界 14-15 第Ⅴ章 結論 15 謝辞 15 参考・引用文献 16-17 表・資料 18-33 第1章 緒言 研究の背景と意義について  あん摩マッサージ指圧、はり又はきゅう(以下、あはきと略す)の業に従事する業者の経営は年々厳しさを増している 1-3)。その背景は景気の低迷を含めて多様であるが、業者を取り巻く経営環境が急速に変化ないし悪化したことが最大の要因と考えられる。その変化をもたらした主たる要因として次の2点が挙げられる。  第一は、無免許であん摩・マッサージ・指圧(以下、あマ指と略す)の業を行う業者や整体・カイロプラクティック(以下、カイロと略す)等の医業類似行為(手技療術) を行う業者が急増したことである。  NTT タウンページ(株)の「iタウンページ」(2018 年1月版)から、「あマ指施術所」「鍼灸施術所」「あはき施術所」「接骨院」の法定4業種と、「カイロ」「整体」「リフレクソロジー」「アロマテラピー」の医業類似行為4業種を抽出し、施術所・店舗総数に占める各件数の割合を調べたところ、整体院の占有率は 15%で、接骨院の 28%、鍼灸院の 19%に次いで高かった。また、手技療術4業種(カイロ、整体、リフレ、アロマ)を合わせた店舗数でみると占有率は 30%に達し、あマ指を提供する施術所(あんま施術所とあはき施術所)の23%を7%も上回っていた(表1)。  「iタウンページ」は費用負担を伴う広告媒体であることから業界の実勢を占う指標の一つとして捉えることができると考える。したがって、上の数字は無免許業者の業勢を一定の精度で現しているといえるだろう。  矢野経済研究所のヒアリング調査(2017年3月~5月)の報告書 4)によると、国家免許非所持者が従事するボディーケア、クイックマッサージ、リフレクソロジーなどリラクゼーション系店舗の 2016 年の市場規模は事業者売上高ベースで前年比 101.2%の 1,093 億円、2017年の市場を前年比 101.0%の 1,104 億円と予測している。リラクゼーション市場だけでもあはき業の市場規模の3分の12)程と見込まれる。2014 年に「リラクゼーション業」が日本産業分類(総務相告示)に新設されたが、こうした市場の拡大を反映したものと思われる。  第2は、柔道整復(以下、柔整と略す)を行う接骨院の増加である。国の統計から接骨院数の推移を 1998 年から 2016 年までの 18 年間でみると、23,114 件から 48,024 件(2.08 倍)に急増している。これとは対照的に、視障業者が集中する「三療施術所」は 31,434 件から 37,780 件(1.2 倍)で微増、「あん摩施術所」は 20,424 件から 19,618 件(0.96 倍)に減少している 5-8)。 接骨院の増加は柔整師養成学校の自由化(1998 年福岡地裁判決)を契機として 2000年以降に顕著になったが、その市場規模を直近(2014 年)の柔整業に係る療養費の総額でみると 3,825 億円であった。漸減傾向にはあるものの、あはきの規模を凌ぐ高い水準を維持していた 9)。  ところで、柔整で療養費の支給対象となる負傷は急性の骨折、脱臼、打撲、捻挫に限られるため、接骨院からのレセプトの大部分(99%以上)は打撲と捻挫で占められる。しかし、腰椎捻挫、頸椎捻挫、肩関節打撲、膝関節打撲等の傷病名で請求される後療料の大部分が腰痛、肩こり、五十肩、膝関節症など「柔道整復では算定することができない傷病に対するマッサージ療法の施術料」10)とされ、接骨院が事実上、あん摩・マッサージを提供する施術所と化しているとの指摘がなされている。  上記、二つの要因に加えて、鍼灸師養成学校の自由化(同地裁判決)に伴う鍼灸院の急増も経営環境の悪化に拍車をかけている側面は否めない。  こうした無免許ないし医業類似行為業者による過当競争の激化を主たる要因に、あはき業者、とりわけ、競争力の乏しい視覚障害業者の経営状況は深刻の度を増している。 2015 年における視覚障害業者の年収の中央値は 128 万円 11)で 2013 年比 52 万円の減収だったが、経営悪化の一端を表しているものと思われる。  これらのデータから、あはき国家免許を有する正統な業者、とりわけあん摩・マッサージ・指圧業に従事する業者の市場規模の縮小化が進んでいる可能性が推察される。この現状を明らかにすることは、無免許業者の取締行政や市場の適正化に向けた政策論議に不可欠な最新の資料の整備に資するものであり、社会的な意義は大きい。  しかし、市場規模を推計する際の算定の基礎となる施術所数については、衛生行政報告例の隔年報(以下、隔報と略す)で公表されているものの、届け出た住所地に存在しない業者(営業実態が確認できない業者)が施術所総数の 25~27%含まれていることが藤井らの報告 2)で指摘されており、施術所の実態を示す統計データとしての隔報の信頼性に疑問が投げかけられている。  ただ、上記の藤井らの研究では、営業実態のない施術所数を推計する際の根拠となる休業率・廃業率の算出方法において、企業形態別(個人施術所・法人施術所・出張専門業者別)の営業数の推計がなされておらず、出張専門業者の営業実態も不明であった。  そこで、本研究では、上記先行研究の不足を補うべく営業施術所数の推計方法に改良を加えた上で、営業が確認できなかった業者への架電追跡調査を行い研究成果の精度の向上を図った。  本研究の成果は、あはき市場の適正化に関する議論の資料に資することはもとより、国の直近の統計値との比較・考察を通して、わが国の施術所統計の方法論にも一石を投ずる意義が期待される。  なお、本調査研究は、藤井らが平成 28 年度厚生労働行政推進調査事業補助金により行った「あん摩マッサージ指圧の受療状況と当該施術所の実態に関する調査研究」の分担研究の一環として実施したものである。 第Ⅱ章 調査方法  本調査は、調査対象名簿の収集とアンケート調査(資料1)により構成される。調査実施の流れを下図1に示す。なお、本調査で掲載している数値は、四捨五入しているため、合計が「総数」に合わない場合がある。 図1 調査実施の流れ 調査対象業者の名簿収集→標本抽出台帳の作成→都道府県の標本数算出→標本抽出→調査票の配布・回収→集計・解析 1.名簿作成と施術所情報の収集方法 (1)調査対象業者の名簿収集  厚生労働省医政局医事課に依頼し、全国保健所が所管しているあはき施術所名簿のエクセルデータ・PDF データを都道府県ごとに収集した。マイクロソフトエクセル 2010 for windows(日本マイクロソフト社製)で都道府県ごとの名簿シートを作成し情報を管理した。この「施術所名簿」は①名称、②所在地、③電話番号、④届出業種の4情報を収載した。 2.標本設計 (1)調査の対象と客体  全国で、あはき業を営む施術所 85,260(平成 26 隔報)と同業を出張専門で営む業者(以下、出張専門業者と略す)を調査の対象(母集団)とし、その中から層化二段無作為法により抽出した施術所 17,000(全国比 19.9%)と出張専門業者 3,000 の合計 20,000標本を調査の客体とした(表3)。出張専門業者については統計がとられていないため、その全国比は不明である。  なお、わが国のあはき業に係る施術所の統計は、衛生行政報告例で個人経営の施術所と法人経営の施術所が合算されて隔年に示されている。そこで本研究では、先行研究 1) で推計されている個人と法人の各施術所数の構成割合(88.9%対 11.1%)を参考に、17,000 件の施術所標本のうち、個人施術所に 15,000 件、法人施術所に 2,000 件を割り当てた。 (2) 標本抽出台帳の作成  標本抽出台帳は、厚生労働省医制局医事課から提供を受けた 102,831件(施術所76,505 件 出張業者 26,330 件)の業者のデータ(Word・Excel・PDF)を都道府県別に作成した。  前述Ⅱ-1の(1)で述べた「施術所名簿」には個人と法人が混在しているため、「○○会社」など法人と思われる名義が付された施術所を「法人施術所」とし、それ以外を「個人施術所」として仕分けした。  次に、都道府県ごとに「個人施術所」、「法人施術所」、「出張専門業者」の企業形態別シートを作成し、それぞれの標本抽出台帳とした。  なお、企業形態別シートには3桁の ID を付け(資料2)、上位2桁は都道府県を表す郵便番号とし末尾1桁は個人施術所を「1」、法人施術所を「2」、出張専門業者を「3」とした。 (3)都道府県の標本数の算出 ①施術所  都道府県に割り当てる施術所数(n)は、平成 26 年隔報の第2章・第2表(以下、H26隔報2表と略す)に記載されている都道府県別施術所数の施術所総数 85,260 件に対する比率(r1)で、個人施術所(n1)は 15,000 件、法人施術所(n2)は 2,000 件をそれぞれ案分して算出した(n1=15,000×r1、n2=2,000×r1)。(表4) ②出張専門業者  各都道府県に割り当てる出張専門業者の標本数(n3)は、集計された全ての出張専門業者の合計数に対する都道府県ごとの出張専門業者数の比率(r2)で 3,000 件を案分して算出した(n3=3,000×r2)。(表4) (4)標本の抽出  コンピュータ上でランダムに発生させた数字を起番号とする等間隔法 13・14)により、前項(3)で算出した企業形態別の標本数(n1, n2, n3)を抽出した。抽出間隔は、企業形態別シートに収載されたデータ件数を各標本数で除して算出し、この工程で作成した都道府県ごとの企業形態別データベースを宛名シール印字用の台帳とした。  なお、先行研究 1)の結果から、「宛先人不明」などの理由で未着信のまま返送された調査票(以下、未着票と略す)が、2割程度含まれることが予測されることから、未着票を詳細に把握するため、宛名シールに3桁の ID(資料2)を印字することで都道府県別・企業業態別の分析ができるようにした。 (5)住所変更未届施術所数の抽出方法  未着票 4,207 件の 10%(420 件)の封書を層化無作為法で抽出した。抽出方法は、コンピュータ上でランダムに発生させた数字を記番号とし、乱数抽出には乱数生成ソフト(RadGen,ver2.4 for iOS)を使用した。抽出数は、表512)を参考に信頼度 95%13-15)に設定した。 (6)調査票  調査票については個人情報に関わる項目が含まれていることから、回答形式を自記式・無記名式・選択式とした。全体の設問数は計 11 問(資料1)で構成されるが、本調査では、主に①営業 ②休業 ③廃業の結果を検討した。 (7)未着票の扱いについて  返送された未着票は、宛名シールに付された ID 情報により都道府県別と企業形態別に仕分けした。その後、電話による追跡標本調査を行う際の抽出未着標本抽出台帳とした。未着率は、[未着票÷送付数]の式で算出した。 (8)回収率の算出方法  アンケート調査の回収率は、一般的に[回収票数÷送付票数]で求めるが、今回の調査で有効回収率を算出する分母は、発送した全封書数 20,000 件から未着票を差し引いた封書数(以下、着信封書数と略す)とした。よって本調査における有効回収率は、(回収票÷着信票数)となる(表4)。 (9)調査票の配布と回収  調査票および趣意書を同封した封筒を 2016 年 10 月末に発送し、同年 11 月末日までに投函を依頼した。視覚障害を有する業者には点字または電話による回答を可とした。なお、調査票の発送と回収および集計は、株式会社中央調査社・有限会社アレスに委託した。 3.営業あはき業者総数の推計方法  営業施術所数の推計方法は、藤井らの先行研究 1-3)で実施された方法に依った。平成 28 隔報には、届出住所地に現存しない施術所数(X)と休業・廃業届を未提出のため名簿に残存している休業廃業施術所数(Y)が相当数含まれている 2)。営業施術所数は、届け出た住所地で現在営業を続けている施術所(以下、届出住所地営業施術所)に、住所地の変更を届け出ないまま、届出をした住所地以外の地域で営業している施術所(以下、住所変更見届施術所と略す)を加えた数と見込まれる。  この営業施術所数に営業出張専門業者数を加えた数が営業あはき業者総数となる。以下、営業施術所数の推計値を算出する手順をフローチャートで図示した(図2)。 図2 営業施術所数推計のフローチャート (1)営業施術所数の推計方法 1)届出住所地非現存施術所数と休業廃業施術所数の推計法  届出住所地で営業を続けている施術所数(A)は施術所総数(T)から X とY を除いた数となる。本稿では上記T を H28 隔報の 88,436 件で代用した。 届出住所地営業施術所数(A1)=88,436-(X1+Y1)   ①式  上式の X1 は未着票の割合(未着率)に 88,436 件を乗じて推計した。88,436 件から X1 を除外した施術所数は届出た住所地に現存する施術所数(Z1)を意味する。Y1 は、このZ1 に休業廃業率を乗じて推計した。 X1=未着率×88,436  ②式 Y1=休業廃業率×Z1  ③式 2)住所変更未届施術所数の推計法  一方、上記②式の X1には、住所変更を届け出ないまま転出先で営業している施術所が一定数含まれている。そこで本研究では、未着票の 10%の封書を層化無作為法で抽出し架電による追跡調査を実施した。  電話番号が不明な施術所は、インターネットで検索した。電話が不通ないし他名義であった場合は廃業とみなした。 住所変更未届営業施術所数は、この追跡調査で移転営業が確認された施術所の割合(追跡調査営業率)に②式で求めた X1 を乗じて算出した。 住所変更未届施術所数(B1)=追跡調査営業率×X1 ④式 よって、営業施術所の推計値は次式で求められる。 営業施術所数(T1)=(A1)+(B1) ⑤式 (2)営業出張専門業者数の推計方法  次に、営業出張専門業者数(T1)は、上記営業施術所の推計方法と同様に①~⑤式を用いて算出した。ただ、出張専門業者総数は統計がとられていないため不明である。そこで本研究では収集できた業者総数を出張専門業者総数とみなした。  したがって、出張専門業者総数から届出住所地非現存事業者数(X2)と休業廃業事業者数(Y2)を差し引いて届出住所地営業事業者数(A2)を算出し、A2 に転出先営業事業者数(B2)を加えて(T2)を推計した。  よって、営業している施術所と出張専門業者を合わせた営業あはき業者総数は以下の式で求められる。 営業あはき業者総数=T1+T2  ⑥式 4.倫理面への配慮  趣意書において、本調査が無記名であり回答情報から個人が特定されることはないこと、回答された情報は筑波技術大学において厳重に管理すること、回答内容の目的外使用を禁ずることについて確約し、倫理的な配慮を講じた。また、本研究で得られたデータは、実施責任者と実施分担者が学会などで発表するが、個人および法人が特定されるデータは一切公表しない。なお、本研究は、筑波技術大学研究倫理委員会の承認(承認番号 H28-17)を受けて実施した。 第Ⅲ章 結果 1.回収率 (1)全体  102,831 件の施術所名簿から抽出送付した 20,000 標本のうち着信したのは、15,793 通だった。そのうち 4,605 票より回答があったため有効回答率は 29.2%(4,605÷15,793)だった(表4)。回収された 4,605 件の地域的偏りを、平成 26 隔報統計値(85,260)に 対する都道府県ごとの当該施術所数の比率(表4「全国比」)と回収された標本数の比 率(表4「構成比」)との差で見てみると、大阪府 2.9% 福岡県 2.3%の差を認めたも のの、全体の 83%にあたる 39 都道府県で全国比と構成比の差が、0.5%以下の幅に収まっていた(表4)。 (2)企業形態別  また、回収率の企業形態別内訳は、個人施術所 24.8%(3,720÷15,000)、法人施術所 23.2%(465÷2,000)、出張専門業者 13.7%(411÷3,000)だった。回答のあった施術所と出張専門業者との構成割合は 90.9%対 8.9%だった。 (3)都道府県別  回収率を都道府県別にみると、40%を超えたのは、愛媛(44.5)、長野(42.6)、秋田(41.2)、山口(40.5)、岡山(40.1)の5県だったのに対し、回収率が 20%未満だったのは、徳島(8.8)、長崎(11.6)、福岡(12.1)、宮崎(13.4)、福島(17.1)、大分(19.8)の5県だった(表7)。 2.未着率 (1)全体  一方、調査票を送付したが、宛先人不明などの理由により返送された未着票は 4,207 通であったため、全送付数 20,000 通に対する未着率は 21.0%(4,207÷20,000)だった(表4)。 (2)企業形態別  未着率を企業形態別でみると、個人施術所の 20.4%(3,055÷15,000)と法人施術所19.0%(379÷2,000)に対し、出張専門業者は 25.8%(773÷3,000)だった。施術所全体では、20.2%(3,434÷17,000)だった。 (3)都道府県別  未着率が 10%未満だったのは、高知(0.8)、山形(5.3)、宮崎(5.5)、岩手(5.6)、富山(9.4)の5県が際立って低かった。次に 15%未満だったのは、静岡(10.2)、山梨(10.4)、福岡(11.4)、長崎(11.7)、熊本(12.1)、香川(12.2)、石川(12.4)、北海道(13.5)、大阪(13.8)、福島(14.6)、愛知(15.0)の 11 県だった(表6)。  一方、未着率が高く 40%を超えていたのは、栃木(45.8)、長野(43.0)、島根(40.1)、の3県が際立って高かった。次に 30%を超えていたのは、京都・神奈川(33.4)、徳島(33.3)の3県だった(表6)。 3.営業率と休業廃業率  回答のあった 4,605 票のうち営業率が 83.3%(3,836÷4,605)、回答票数に占める休業率は、8.0%(370÷4,605)、廃業率は8.7%(399÷4,605)だったので、休業または廃業を合わせた休業廃業率は 16.7%だった。これを企業形態別でみると、出張専門業者の休業廃業率 41.7%が最も高く、次いで個人施術所 14.7%、法人施術所 11.2%だった(表8)。 4.営業施術所数の推計 (1) 届出住所地営業施術所数  施術所総数88.436 件(平成28 隔報)の個人と法人の各施術所数は「2.標本設計(1)」で示した構成割合(88.9% 対 11.1%)から、概算で、78,620 件(88,436×0.889)と9,820 件(88,436×0.111)と仮定した。この施術所数と前述の「Ⅲ-2(2)」で示した企業形態別の未着率(個人施術所 20.4%・法人施術所 19.0%)をもとに営業形態ごとの住所地非現存事業者数を推計すると、届出住所地非現存事業所数(X1)は、それぞれ②式より、個人 16,038 件(78,620×0.204)、法人 1,865 件(9,816×0.190)と推計された。  したがって、届出現存施術所数(Z1)は、個人 62,582(78,620-16,038)、法人 7,951(916-1865)が算出された。  次に、休業・廃業者数(Y1)は、各休業廃業率(個人 14.7% 法人 11.2%)から③ 式より、個人 9,199(62,582×0.147) 法人 891(7,951×0.112)となった。  よって、(A1)は、①式より個人 53,383 件(78,620-(16,038+9,199)) 法人 7,060 件(9,816-(1,865+891))と推計された(表9)。 (2)住所変更未届施術所数  未着票 4,207 通の 10%にあたる 420 通に対して、架電調査を実施した。その結果、名義が一致し営業が確認された施術所は14.0%(59÷420)だった。営業が確認できなかった施術所は 85.9%(361÷420)だった(表 10)。  これを上記(X1)に挿入すると、④式より、住所変更を未届けのまま営業していた施術所(B1)は、個人 2,245 件(16,038×0.14) 法人 261 件(1,865×0.14)と推計された(表9)。 (3)推定営業施術所数  よって、平成 28 年 10 月末時点における個人と法人を合わせた営業施術所数(T1)は、⑤式より、個人 55,627 件(53,382+2,245)、法人 7,322 件(7,061+261)の合計 62,949件(55,627+7,322)と推計された(表9)。  したがって、平成 28 年末時点の統計値 88,436 件と比較すると、25,487 件(88,436-62,926)、率で 28.8%少ない結果となった。 5.営業出張専門業者数の推計  出張専門業者総数は国の統計がとられていないため、収集できた業者数 26,330 件と見なして推計を行った。 まず、X2は②式より6,793 件(26,330×0.258)、Z2 は 19,537 件(26,330-6,793)、Y2は③式より、8,147(19,537×0.417)がそれぞれ算出された。したがって、①式より届出た住所地で営業実態が認められた出張専門業者数(A2)は 11,390 件(26,330-(6,793+8,147))と推計された。  一方、転出先営業率と施術所と同率 14%とすると、当該の営業事業者数(B2)は、④ 式より、951 件(6,793×0.140)となる。  したがって、営業出張専門業者の総数 T2 は、⑤式より 12,341 件(11,390+951)が算出された。 6.営業あはき業者の総数  よって、営業あはき業者の総数は、⑥式より、概算で 75,290 件(62,949+12,341)と推計された。標本抽出台帳(母集団)102,831 件(施術所76,505 件 出張業者26,330件)と比較すると、率で 26.8%少ない結果となった。 第Ⅳ章 考察 1.本調査の意義  あはき業の実態を示す衛生行政報告例では、都道府県ごとの就業者数・施術所数が隔年で報告されているが、廃業・休業・休止しても届出を怠る業者や複数の免許(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師)を所持し、施術所を二重に登録している業者が多数含まれている可能性があることから信頼性に疑問が指摘されている1,2)。また受療状況、年収、市場規模など、あはき業態に関する報告 1-3,11,18,-29)も近年散見されるようになったものの、あはき業に係る実態把握は充分とは言えない。また、これらの先行研究では企業形態別の休業廃業率を推計していないなどの不備があったため、本調査では標本数を増やしたり、電話による追跡調査をおこなったりするなどの改良を加えたことで、より信頼性の高いデータを示すことができたものと考える。  これにより、あはき市場の適正化に関する議論の基礎資料に資する意義はもとより、わが国の施術所統計の方法論にも一石を投ずることができたのではなかろうか。  一方、あはき師養成課程の認定申請に対する国の不認定処分(厚労省発医政 0205 第 3号)の取消を求める裁判(非認定処分取消請求事件)の口頭弁論が続けられている。被告(国)が処分の根拠とした、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第 19 条1項(視覚障害業者の保護条項)が憲法第 22 条1項(職業選択の自由権) に反する違憲無効の法令であるか否かが本裁判の主な争点であるが、司法の場ではあマ指市場における需給の現状も論点となっている。本研究は、この論議に基礎資料を提供する意味でも寄与するところは少なくないものと考える。 2.標本の質と結果の信頼性  以下の①~⑧の理由から、標本の質と明らかにされた結果には一定の信頼性が担保されているものと考えられる。 ①本調査の母集団は、抽出台帳に収載した名簿 102,831 件(施術所 76,505 件 出張業者 26,330 件)は、過去最大規模で 2014 年の前回調査 60,386 件の 1.7 倍であったこと。 ②施術所 76,505 件の平成 26 隔報の施術所総数に対する収集率は9割を超えたこと。 ③標本規模を過去最大の 20,000 件(前回調査の2倍)としたこと。 ④企業形態別の廃業・休業率を推計し未着票に対する追跡架電調査の標本数を拡大するなどの改良を加えたこと。 ⑤標本抽出法を層化二段抽出法に依ったこと。 ⑥回答率が 29.2%で前回調査の 24.3%を約5%上回り過去最高となったこと。 ⑦営業施術所数(個人施術所・法人施術所)・出張専門業者施術所数を推計し、業態種別の施術所数を推計したこと。 ⑧回収標本の地域偏向が小さかったこと。全国のあはき施術所(平成 26 統計値 85,260 件)に対する都道府県比率と回収標本数(4,608 件)に対する都道府県ごとの回収標本数の比率の差の結果(表3「比較欄」)から、大阪府と福岡県を除き、全国の状況を縮約していると考えられ、地域的偏りは小さかった。 3.回収率と未着率について (1)回収率  本調査の有効回答率は 29.2%だった。この割合は、藤井ら 2)が平成 24 年に実施した(24.3%)よりも 4.9%高い結果だったが、約7割の業者の実態が不明であった。あはき業の実態を明らかにするためには、国の基幹統計に組み込み実施することが望まれる。 (2)未着率  本調査の未着率は 21%であった。平成 24 年調査の未着率(20%)と近似していたことから、届出住所地に現存しない施術所は、全体の約 2 割程度と推計された。また、都道府県別の未着率では、都道府県によって名簿の信頼性に差があることが示されたことから、監督機関である保健所の機能が十分果たされていない可能性が示唆された。 4.営業施術所数について (1)平成 28 年衛生行政報告例隔年報との比較  平成 28 年度末におけるあはき施術所の国の統計値(平成 28 年隔報)88,436 件であったが、あはき業を届け出た住所地に現存しない施術所が約 38%(休廃業率 16.7%・未着率 21%)にのぼったことから、市場の実態を反映していない可能性がある。  本調査で明らかになった平成 28 年度末時点の営業施術所数(個人施術所・法人施術所)62,949 件は、国が実施した平成 28 隔報を25,500 件(概算)、率で約 29%(25,487÷88,436)余り下回っていた。  この割合は、藤井らが平成 24 年に実施した推計値 2)(25%)よりも 4%高かった。平成 24 年調査2)との間に約 4 年の時差があることから、単純比較は難しいが、標本規模を拡大し、受取人不明事業所に架電追跡調査をするなど改良を加えたことや企業業態別に営業数を推計したことで、より信頼性が増したと考えられた。  本調査の未着票4,207 通で 21%と回収標本の約17%が休業・廃業していたことから、保健所の所有する名簿に登録されている事業者のうち、およそ 38%に営業実態がないことがわかった。  また、届出住所地に現存しなかった 4,207 通のなかには、住所地変更を届け出ないまま転出先で営業を継続している事業者が、本調査で 14%程度・平成 24 年調査2)で 10%程度と推計された。これを考慮しても公表されている国の統計値 88,436 件(平成 28 隔報)は、概算で 25,500 件余り少ない、63,000 件前後に下表修正する必要があると考える。 (2)営業あはき事業者数について  営業あはき事業者数 75,290 件(営業施術所数 62,949+出張専門業者数 12,341)を、母集団(標本抽出台帳)と比較すると、件数で 27,541 件(102,831-75,290)、率で約27%(27,541÷102,831)ほど少ない結果であった(図3)。  本調査で営業施術所は、概算で 25,500 件(88,436-62,949)、率で約 29%、出張専門業者は、母集団 26,330 件のうち、概算で 14,000 件(26,330-12,341)、率で 53.1%に営業実態がなかった。流動性の高い出張専門業者は、個人施術所や法人施術所よりも休廃業率が高いことが推測された。これらのことから、営業実態がない業者は平成 28 年末の88,436 件(平成28 隔報)と26,330 件(収集した出張専門業者数)を合計した114,766 件よりも概算で 39,500 件(25,500+14,000)、率で 34.4%(39,500÷114,766)も少ない可能性が示唆された。 (3)全体の考察  先行調査 1-3)と本調査によって、保健所の保有する施術所名簿の信頼性に問題があることが示唆されたわけだが、原因として以下の2点が考えられた。 1)あはき業者の倫理意識の低下  あはき法の第9条の2では、「施術所を開設した者は、開設後 10 日以内に、開設の場所、業務に従事する施術者の氏名その他厚生労働大臣省令で定める事項を施術所の施術所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。その届出事項に変更を生じたときも同様とする。施術所の開設者は、その施術所を休止し、又は廃止したときは、その日から 10 日以内に、その旨を前項の都道府県知事に届け出なければならない。休止した施術所を再開したときも、同様とする」16)と規定されている。この規定では、届出を怠った場合や虚偽の届出をした場合は、30 万円以下の罰金に処されるとあるが、本調査によりあはき法9条の2の規定が、遵守されていない状況も示唆されたと言える。  施術所の廃止・休止・再開をする場合、施術所の開設場所が変わった場合は、現在の施術所を廃止し、新たな開設届け(資料3)が必要であり、これを怠るとあはき業の正確な施術所数の把握が困難になり、あはき業の実態を示す資料として信頼性が欠けるものとなる。あはき師の倫理意識をどうやって高めるかが今後の課題である。あはき師に係る学校・養成施設、業界、関係団体等に本研究の結果を周知し、あはき法9条の2の遵守教育の一層の充実を働きかけていくことが必要と考えられた。 2)監督行政の課題  先行研究2)と本研究の結果から平成 28 隔報には、約 3 割の業者の営業実態がなかったことから、保健所の監督行政が充分機能していない可能性を示唆しており、その強化を期待したい。厚生労働は、病院・診療所を対象に 3 年毎に実施している医療施設静態調査を実施しているが、あはき施術所に対しても施術所登録名簿内容の確認や営業実態調査の早期実施が望まれる。 図3 平成 28 隔報と推計営業施術所数との比較 ※1 母集団=平成 28 統計値 88,436+出張専門業者 26,330 ※2 出張専門業者総数は統計が取られていないため、回収された 26,330 件で代用した。 5.本調査の課題と限界  本調査では、業の廃止・休業調査だけではなく、電話による追跡調査を実施し改良を加えたことにより統計的精度が向上したと考えるが、以下の課題がある。 ①未着票 4,207 件の休廃業理由が不明だったこと。 ②県外などで滞在業務を行っている業者の実態は不明だったこと。 ③回答をしても良い事業者・施術者に偏りが出た。本調査から導きだされた結果の信頼性には一定の限界があった。 ④アンケート回収率が 29.2%であったが、多くの未回答業者の約 7 割(11,188 件) 実態が不明であった。 ⑤郵送法アンケートの欠点 13)として、大量の質問は困難で調査に対する興味や回答者の属性が偏る傾向がある。集合調査法や訪問留め置き法と比べ一般的に回答率が30%~60%と低くなりやすい課題を含んでいる。郵送法による全国規模のアンケート調査の限界点と考えられた。 第Ⅴ章 結論  本調査結果から、平成 28 年末時点での営業施術所数(個人施術所・法人施術所)は平成 28 年度衛生行政報告例で公表された統計値第2表(88,436 件)よりも、おおよそ29%(25,500 件)ほど少ない、63,000 件(概算)と推計された。したがって、同統計値は施術所の実態を正しく反映しておらず下方修正が必要であることが示唆された  また、平成 28 年末時点の営業事業所数(個人施術所 55,600 件・法人施術所 7,300 件・出張専門業者 12,300 件)は、おおよそ標本抽出台帳(母集団)102,831 件よりも 26.8% ほど少ない 75,300 件(概算)と推計された。 謝辞  本論文は、筆者が筑波技術大学大学院技術研究科保健科学専攻に在籍中の研究成果をまとめたものである。本研究を遂行するにあたり、ご指導賜りました同専攻教授 藤井亮輔先生には、本研究の実施の機会を与えて戴いた。その遂行するにあたり終始、ご指導を戴いた。ここに感謝の意を表する。  同専攻教授 森 英俊先生には、副指導教員としてご助言を戴くとともに、細部にわたってご指導を戴いた。ここに感謝の意を表する。  明治国際医療大学教授 矢野 忠先生、筑波技術大学助教 近藤 宏先生、筑波技術 大学大学助教 福島正也先生には、調査票作成やデータ解析作業などご尽力を戴いた。 ここに感謝の意を表す。  筑波技術大学教授 野口栄太郎先生、筑波技術大学教授 緒方昭宏先生、筑波技術大学准教授 鮎沢 聡先生には、有益なご助言を戴いた。ここに感謝の意を表す。  ならびに資料を提供してくださった厚生労働省医制局医事課の皆様、ご多忙のなかアンケートに回答してくださった皆様に感謝の意を表す。なお本研究は、平成 28 年度厚生労働省行政推進調査事業費の交付を受けて実施した。 引用・参考文献 1)藤井亮輔,山下 仁,岩本光弘.あん摩業、はり業、きゅう業に係わる施術所数ならびに就業者数の実態に関する調査研究.全日本鍼灸学会雑誌,55(4),566-573.2005. 2)藤井亮輔.鍼灸按摩施術所の営業件数と市場規模に関する調査,全日本鍼灸学会雑誌,60(5),792-801.2010. 3)藤井亮輔,近藤 宏,矢野 忠 他.あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう全国施術所調査報告書.視覚障害者支援総合センター,2014. 4)矢野経済研究所.2017 年版リラクゼーション・温浴ビジネスの実態と展望: https://www.yano.co.jp/market_reports/C59101100.PDF.20171215.access. 5)厚生労働省大臣官房統計情報部.平成 26 年衛生行政報告例隔年報.表 6.2015. 6)厚生労働省大臣官房統計情報部.平成 26 年衛生行政報告例隔年報.第 2 表.2015. 7)厚生労働省大臣官房統計情報部.平成 28 年衛生行政報告例隔年報.表 6.2017. 8)厚生労働省大臣官房統計情報部.平成 28 年衛生行政報告例隔年報.第 2 表.2017. 9)厚生労働省.柔道整復の施術に係る療養費に関する現状と課題.2016.3.29. 10)会計検査院.平成 22 年度決算検査報告.柔道整復師の施術に係る療養費の支給について.http://report.jbaudit.go.jp/org/h04/1992-h04-0129-0.htm. 2017.12.3 access. 11)藤井亮輔,矢野 忠,近藤 宏,福島正也.あん摩マッサ-ジ指圧業の実態に関する調査研究-需給の現状と業者の年収を中心に-.日本東洋医学系物理療法学会雑誌 . 2018;42(2):87-95. 12)社会科学・システム工学-人間と機械が共存する「人にやさしい情報システム」を目指して-滋賀大学 中川雅央氏 HP:教材・資料,付表サンプルサイズ, http://www.biwako.shiga-.ac.jp/sensei/mnaka/ut/samplesizetab.html.2017123 1 access. 13)鈴木淳子 著:質問紙デザイン技法,ナカニシヤ出版,第2版第1刷,41-63,2016. 14)杉山明子 編著:社会調査の基礎,朝倉書店,第3版,36-71,2014. 15)DJ・トーガーソン 著:ランダム化比較試験(RCT)の設計-ヒューマンサービス、社会科学領域における活用のために-,日本評論社,第 1 版第 1 刷,167-168.2010. 16)徳竹忠司 著:医療と社会,医道の日本社,第5版,214-215,2017. 17)宮城県 HP:あん摩マッサージ指圧,はり,きゅう業及び柔道整復業に関する手続き(様式第6号): https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/iryou/shisei03.html.(20170110access). 18)藤井亮輔,矢野 忠,近藤 宏 他.あん摩マッサージ指圧の受療状況と当該施術所の実態に関する調査研究-平成28年度総括研究報告書-.2017:2-38. 19)藤井亮輔,指田忠司,吉泉豊晴,原島雅之.第 1 部鍼灸マッサージ施術所をめぐる動向.独立行政法人(編).調査研究報告書69.鍼灸マッサージ業における視覚障害者の就業動向と課題.千葉.独立行政法人高齢機構.2005:19-72. 20)藤井亮輔,矢野 忠.鍼灸療法の受療率に関する調査研究-鍼灸の単独療法と按摩・マッサージ・指圧を含む複合療法(三療)との比較-,明治国際医療大学誌8号,1-12,2013. 21)管 万希子,鍼灸マッサージ師業界のニーズ-現状分析から医療観光へ-,帝塚山大 学,2014:4-6,PDF(20170116access) 22)矢野 忠,川喜田健司,石崎直人,丹澤章八:国民に広く鍼灸医療を利用してもらうためには今、鍼灸界は何をしなければならないのか その1,医道の日本743,138-146:医道の日本社,2005. 23)矢野 忠,川喜田健司,石崎直人,丹澤章八:国民に広く鍼灸医療を利用してもらうためには今、鍼灸界は何をしなければならないのか 総集編その1,医道の日本,767(12),169-176:医道の日本社,2007. 24)矢野 忠,坂井友美,安野富美子,鍋田智之:我が国における鍼灸療法の受療状況に関する調査-年間受療率と受療関連要因について-,医道の日本 74(8),209-219:医道の日本社,201508. 25)安野富美子,藤井亮輔,石崎直人ら:医療機関内での鍼灸療法の実態調査-2010 年度調査結果より-,医道の日本 70(11),167-176:医道の日本社,2011. 26)Yamashita H.Tsukayama H.Sugishita C:popularity of complementary and alternative medicine in japan a telephone survey. Complement Ther med. 10:83-93,2002. 27)矢野 忠,安野富美子,藤井亮輔,川喜多健司:国民生活基礎調査「健康票」における 「最も気になる症状」の治療に対する あんま・はり・きゅう・柔道整復師(施術所)の利用状況,医道の日本 76(4),126-134:医道の日本社,2017. 28)矢野 忠,安野富美子,藤井亮輔,近藤宏ら:大都市圏の柔道整復施術所におけるあん摩マッサージ指圧療法、鍼灸療法等の実態に関する調査研究(その 1)主として単純集計による検討,医道の日本 76(11),136-144:医道の日本社,2017. 29)矢野 忠,鍋田智之,安野富美子,石崎直人,藤井亮輔:我が国における鍼灸療法の受療状況について 10 年間で受療状況は好転したのか?, 医道の日本,72(11),202-213:医道の日本社,2013. 表・資料 表1 NTTiタウンページ掲載施術所・店舗数の業の構成割合 表2 衛生行政報告例隔報による施術所数の推移 表3 施術所・出張業者回収名簿数(母集団)と標本規模 表4 調査票の着信状況と回収率(都道府県別) 表5 サンプルサイズ表 信頼度(1-有意水準)と許容誤差 および 母集団の大きさから、最小限必要なサンプルサイズを求める表. 表6 未着率順位 表7 回収率順位 表8 営業率と休廃業率 表9 営業あはき業者総数 表 10 電話追跡調査結果(都道府県別) 資料1 平成28年度あはき業態調査のアンケート用紙 平成28年度あはき業態調査について < 事前にお読みください > ・本調査は、平成28年度厚生労働行政推進調査事業費の交付を受けて実施するものです。 ・この調査票は、厚生労働省から提供された、全国のあはき業者名簿から無作為に抽出した20,000件の事業所様に送付させていただいています。 ・休業または廃業している方も、裏面のF1の質問にお答えください。 このアンケートは無記名ですので個人が特定されることはありません。 調査票左上の3桁のコード番号は都道府県と事業形態を識別するものです。 アンケートには事業所(者)の開設者か代表の方がお答えください。 回答は該当する番号に○をつけるか、数字を書き込む方法です。 設問数は11問です。おおむね5~10分で回答いただける内容です。 回答票は返信用封筒に封入し、切手を貼らずに、下記の締め切り日までに投函してください。 ◎ 締め切り:11月18日(金) ◎ 読み書きが困難な視覚に障害のある方へ  恐れ入りますが、代筆または点字で回答されるか、下記の電話におかけください。どの電話も不在の場合は、こちらからかけなおしますので「留守電」にお電話番号を録音してください。 【電話番号】(略) 調査票 該当する番号に○をつけるか、数字をご記入ください F1 あなたの事業所は、現在、営業していますか。 1.営業している → 【F2にお進みください】 2.休業している → 質問はこれで終わりです。ご協力ありがとうございました。 3.廃業している → 質問はこれで終わりです。ご協力ありがとうございました。 F2 あなたの性別をお聞きします。 1.男 性 2.女 性 F3 あなたの今の年齢をお書きください。 歳 F4 あなたがお持ちの医療関連の免許をお聞きします。→【いくつでも】 1.あん摩マッサージ指圧師 2.はり師・きゅう師 3.柔道整復師 4.その他( ) F5 あなたは「視覚障害」の身体障害者手帳をお持ちですか? お持ちの方は手帳に記載されている障害等級をお書きください。 1.持っていない 2.持っている → 級 ◎複数の事業所を開設している場合でも、問 1~問3の設問には、本状が着信した事業所1カ所の現況をお書きください。 問1 あなたの事業所で、「先月」(10月)の1ヵ月間に扱った患者さま(顧客)の数はおおよそ何人でしたか?実人数と延べ人数をお書きください。 実人数 人 延べ人数 人 問2 標準的な施術を行ったときの1回あたりの料金(往診料を除く)は、およそ、いくらですか? 保険施術だけの場合は療養費の金額と自己負担額の合計額をお書きください。 円 問3 昨年1年間(平成27年 1 月~12月)の売り上げ(事業所・事業者の施術料収入の総額)は、おおよそいくらでしたか? 雇用者分を含む1事業所(者)あたりの税込みベースでお答えください。 約 万円 問4 今の経営状況をお聞きします。 1.おおいに順調である。 2.まあ順調である。 3.少し苦しい。 4.とても苦しい。 5.どちらともいえない。 問5 経営の今後に不安を感じていますか? 1.おおいに感じている。 2.まあ感じている。 3.あまり感じていない。 4.まったく感じていない。 5.どちらともいえない。 問 6 経営の改善や増収に向けた日ごろの営業努力についてお聞きします。 1.おおいに取り組んでいる。 2.まあ取り組んでいる。 3.あまり取り組んでいない。 4.まったく取り組んでいない。 5.どちらともいえない。 ◎アンケートにご協力いただき誠にありがとうございました。 資料2 平成28年度あはき業態調査の郵送封筒レイアウト 〒981-1105 宮城県仙台市太白区○○-○○ ○○ 治療院 様 981(業態識別コード) 平成28年度 厚生労働行政推進調査事業 全国あはき業態調査プロジェクト 代表:藤井亮輔 国立大学法人 筑波技術大学保健科学部内 〒305-8521 つくば市春日4-12-7 電話:029―858―9532 資料3 宮城県施術所開設届事項変更届出書 様式第6号 様式第6号(第7条関係) 施術所開設届出事項変更届出書 年 月 日 宮城県知事 殿 開設者の住所 開設者の氏名 印 (法人にあっては,名称,主たる事務所の所在地及び代表者の氏名)  下記のとおり施術所開設届出事項の一部を変更したので,あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第9条の2第1項後段(同法第 12 条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により届け出ます。 記 1施術所の名称 フリガナ 2開設の場所 〒 電話 ( ) 3変更した事項 (該当する番号を○で囲むこと。) (1)開設者の住所及び氏名 (2)施術所の名称 (3)開設の場所 (4)業務の種類(あん摩,マッサージ,指圧,はり,きゅうの別) (5)業務に従事する施術者の氏名,免許種別 (6)構造設備の概要及び平面図 4変更の内容 変更後 (3の(5)に該当する場合であって,新たに業務に従事する施術者 が目が見えない者である場合には,その旨も併せて記載すること。) 変更前 5変更の年月日   年 月 日 添付書類 1 3の変更した事項が(5)に該当する場合は,施術者の免許証の写し(開設者が法人であって郵送により届け出る場合は,業務に従事する施術者の免許証の写し及び本人であることを確認するに足りる書類の写し(これらの写しには原本と相違ない旨の開設者の証明を付すこと。) 2 3の変更した事項が(6)に該当する場合は,変更前及び変更後を明らかにした構 造設備の概要及び平面図 3 開設者が法人であって変更した事項が3の(1)に該当する場合は,登記事項証明書 届出に当たっての注意事項 1 3の変更した事項が(5)に該当する場合は,施術者の免許証及び本人であるこ とを確認するに足りる書類を持参すること。 2 開設者が個人であって3の変更した事項が(1)に該当する場合は,開設者の本 人であることを確認するに足りる書類を持参すること。 ※宮城県あん摩マッサージ指圧,はり,きゅう業及び柔道整復業に関する手続き(様式第6号)より引用。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――