視覚と聴覚によるバイオフィードバックの違いがヒラメ筋筋疲労に及ぼす影響 平成26年度 筑波技術大学大学院修士課程技術科学研究科 保健科学専攻 田崎 浩司 目次 第Ⅰ章 緒言 Ⅰ-1 本研究の背景と目的 1 第Ⅱ章 筋疲労 Ⅱ-1 筋疲労の定義 3 Ⅱ-2 筋疲労の種類 3 Ⅱ―3 疲労課題の種類 4 Ⅱ―4 筋疲労の生理学的変化 4 Ⅱ―5 筋疲労の影響因子 5 Ⅱ―6 EMG 5 第Ⅲ章 バイオフィードバック(biofeedback;BF) Ⅲ―1 BFの定義 6 Ⅲ―2 BFを用いたリハビリテーション 6 Ⅲ―3 視覚と聴覚を用いたBFの先行研究 6 第Ⅳ章 視覚と聴覚によるバイオフィードバックの違いがヒラメ筋筋疲労に及ぼす影響 Ⅳ-1 研究目的 8  1)目的 8  2)仮説 8 Ⅳ―2 研究方法 9  1)対象 9  2)倫理 9  3)MVC測定 9  4)疲労課題 10  5)BF方法 11  6)測定項目 14  7)測定手順 16  8)データ処理 17 Ⅳ―3 結果 18 Ⅳ―4 考察 23 第Ⅴ章 結論 25 謝辞 26 参考文献 27 筑波技術大学 修士(理学療法学)学位論文 第Ⅰ章 緒言 Ⅰ―1 本研究の背景と目的  立位の筋活動は重力に対抗して立位姿勢を保持する働きがあり、それを抗重力機構という。そこで働く筋群を抗重力筋と呼んでいる。その中で身体の腹側に位置する筋は前脛骨筋・大腿四頭筋・腹筋群と頚部屈筋群がある1)。身体の背側に位置する筋は下腿三頭筋・ハムストリングス・大殿筋と脊柱起立筋群がある。通常の立位姿勢の保持には腹側の筋群よりも、背側の筋群のほうが相対的に重要な働きをする。脊柱起立筋・ハムストリングスとヒラメ筋をとくに主要姿勢筋群と呼んでいる。抗重力筋の働きは、基本的立位姿勢からの重心のずれを補正するためにある。どの筋が活動するかは、重心線と各関節との位置関係により異なる。理想とされる正常な立位姿勢を保持するときの、主要な関節に関係する筋活動は足関節では重心線は足関節より前方を通るため、ヒラメ筋、ときに腓腹筋が活動する1)。  立位保持に関与する抗重力筋であるヒラメ筋は不動や不活動により筋萎縮を起こしやすい筋の一つであると知られている。安静臥床などの不動や不活動は関節拘縮・筋力低下などの廃用症候群を引き起こす2)。廃用による体力低下から易疲労が安静臥床を招き一層の安静、さらに一層の廃用と悪循環をおこし、結果として「寝たきり」となる例もある3)。廃用性の筋力低下は日常生活に影響を及ぼし4)、安静状態を続けると生命予後の不良まで示唆されている5)。リハビリテーションを受ける患者の中で廃用症候群の割合が年々増加傾向にある6)。脳血管疾患等リハビリテーション料の廃用症候群の算定件数が平成22年と比し平成23年度が1.15倍、平成24年も1.34倍と急速な伸びを示している。廃用症候群以外の脳血管疾患等リハビリテーション料の伸びが平成23年は1.10倍、平成24年が1.14倍であることと比べて、廃用症候群の伸び率が高いということが示されている7)。今後は廃用をきたす前に予防的なリハビリテーションを行う必要性がある6)と考えられる(図1)。  不動や不活動に起因した筋萎縮を廃用性筋萎縮と呼び、速筋化を伴った筋線維の筋萎縮とそれに伴う筋力低下が特徴である8)。日常生活ではヒラメ筋や脊柱起立筋群などの骨格筋は重力に抗した活動が求められる。不動や不活動により抗重力筋本来の活動が不要となる。この抗重力筋活動の抑制が廃用性筋萎縮の大きな原因と考えられ、抗重力筋に顕著な筋萎縮が認められる8)。  廃用症候群の予防や治療のために早期離床や早期リハビリテーションを実施する9)。しかし、訓練意欲や体力が低下していること6, 10)や訓練時間は限られており、関節可動域訓練・筋力増強訓練・自発的な運動を促し体動・運動を進め11)、効果的な運動学習を実施する必要があると考える。それには筋疲労しにくい筋力増強訓練や立位保持訓練などが行えることが望ましい。私は視覚と聴覚のバイオフィードバック(biofeedback;BF)を用いた立位訓練が行える重心動揺計を使用した経験もあり、BFを用いたリハビリテーションの効果に関心を持っていた。BFよる運動学習は効果的であるが、運動学習は反復動作を行うため筋疲労が発生する。ヒラメ筋では安静臥床などによる不動や不活動により、筋疲労を起こしやすい状態になる。BFによる運動学習とヒラメ筋の筋疲労との関係に注目し、視覚BFと聴覚BFの違いがヒラメ筋の筋疲労にどのような影響を及ぼすか探求し、早期リハビリテーションにおける廃用性筋萎縮の予防と治療のための効果的な立位保持訓練にBFを役立てることを目的とし、本研究を実施した。 図1 脳血管疾患等リハビリテーションの廃用症候群算定状況について 脳血管疾患等リハビリテーションの実施件数は増加しており、特に廃用症候群のリハビリテーション実施件数の伸び率は、廃用症候群以外より高くなっている。厚生労働省中央社会保険医療協議会総会資料2013より引用 第Ⅱ章 筋疲労 Ⅱ-1 筋疲労の定義  筋疲労とは運動による最大随意収縮筋力の低下である12)。岩部らは力を産生する能力の減少と定義している13)。また小宮山らは、随意的な努力にもかかわらず、筋・神経系の筋力発揮能力が低下する現象を「筋疲労」と定義している14)。  持続的な随意筋収縮を行うと時間経過と共に発揮筋力の低下が観察される。この現象は日常生活において体験するものであり、たとえば立位姿勢を長時間保ち続ければ下腿筋や腰部の筋に疲労感を覚えることがある。また上肢で荷物を持ち続けると荷物の重さが最初に比べると重たく感じるようになる。これは疲労に伴う筋自身の機能的変化や、末梢からの感覚情報に変化が生じることに他ならない。この発揮筋力の低下はあらゆる持続的な随意運動の遂行時に観察されるものである。  筋疲労は筋収縮に関わる神経系や筋内の複数の過程で発現する可能性があり、その部位としては脳からアクチンーミオシン連結に至るまでの過程が考えられている。この中には脊髄運動ニューロンレベルの入出力機構、運動神経から神経筋接合部、興奮収縮連関、筋のエネルギー供給機構等が含まれる。筋疲労は運動中に進行し、運動を停止したときに回復を開始する。筋疲労が発現する時間は運動中の筋活動の強度に依存する14)。 Ⅱ―2 筋疲労の種類  筋疲労の種類には末梢性筋疲労と中枢性筋疲労がある。末梢性筋疲労は神経筋接合部より末梢側の筋による疲労で、随意的な筋収縮力も電気的刺激の筋収縮力も同じように失われる状態となる。末梢性筋疲労では、単一筋線維に活動電位のブロッキングが生じていることからの神経筋接合部の伝達不全、細胞外K+濃度の増加・Na+濃度の低下・細胞内H+の増大等による活動電位の伝播の障害と、M波の減衰から考えられる興奮収縮連関の障害が生じて発生する。中枢性筋疲労とは、神経筋接合部より中枢側にある末梢神経・脊髄・脳により発生する筋疲労のことである。随意的に発生する筋収縮力が電気的刺激により発生する筋収縮力を下まわる状態で、運動単位の数ないし刺激頻度を維持できないことがそのメカニズムとして考えられる15)。遅筋は中枢性疲労を起こしやすいことから14)、長時間の立位保時では遅筋であるヒラメ筋が持続的に活動するので、ヒラメ筋は末梢性筋疲労より中枢性筋疲労を起こしやすいと考えられる。 Ⅱ―3 疲労課題の種類  筋疲労の課題には間欠的収縮と持続的収縮、最大随意収縮(Maximum Voluntary Contraction;MVC)と最大下随意収縮に分けられる。随意的筋収縮により筋疲労を誘発しようとする場合,疲労課題の筋収縮の時間や強度等が筋疲労の時間経過に大きな影響を与える15,16)。間欠的収縮とは、例えば歩行時の下肢における反復的な筋収縮のことであり、持続的収縮とは、例えば立位における姿勢保持のための連続した筋収縮のことである。MVCとは人が最大努力で発揮する筋収縮のことである。疲労課題の目標となる随意収縮力が小さければ小さいほど課題持続時間が延長し、逆に大きければ大きいほど課題持続時間が短縮される17)。日常生活動作においてMVCを必要とする場面は少なく、20~30%MVC程度の筋活動水準で姿勢保持、姿勢変換や体重移動動作を行っている18)。先行研究における低負荷強度の静的筋収縮を持続させるための疲労課題では30%MVCが比較的多く用いられている19, 20, 21)。 Ⅱ―4 筋疲労による生理学的変化  筋疲労による生理学的変化には筋電図(Electromyogram;EMG)振幅の変化・筋トルク安定性低下・心拍数増加がある。筋疲労の原因は、筋収縮に関与する電気生理学的変化やエネルギー供給の変化にあると考えられており22)、筋力が一定に保たれている最大下収縮時にも生理学的な意味での疲労は生じている23)。  持続的な収縮に伴って徐々に進行する筋疲労の状態を電気生理学的に定量化する手段として、EMGは有用な方法であり24)、EMG振幅の変化について古くから知られている。MVCでは時間経過に伴い発揮筋力と筋活動量が減少するが,最大下随意収縮では発揮筋力が一定もしくは低下しても、疲労に伴って筋活動の振幅が増大する25, 26)。これは筋疲労に伴う筋張力の低下に対する代償的な運動単位の活動動員の増加や、インパルスの同期化によると考えられている25)。静的や動的に持続して30%MVC以下の筋出力で疲労すると運動単位の動員が、30%MVC以上では発火頻度調節が優位となって制御するとも言われている20)。  筋疲労により筋トルクは低下する。筋トルクの安定性低下は筋トルクの保持時間が長くなると筋トルクの平均を一定に保つことができても、トルク平均からのばらつきが多くなる状態27)を示している(図2)。  筋疲労による心拍数増加は骨格筋の収縮作用による大脳の運動中枢の興奮と、骨格筋の収縮に伴う筋紡錘の活動が心臓交感神経の活動を増加させることで起こる27,28)。 図2 疲労課題による大腿四頭筋と大腿二頭筋振幅増大と膝伸展トルク安定性低下  20%MVCの持続的収縮にて膝関節伸展トルク(下)が徐々に不安定になり、大腿四頭筋と大腿二頭筋EMG振幅(上から5つ目まで)は徐々に増大している。文献27)より引用 Ⅱ―5 筋疲労の影響因子  筋疲労に関係する影響因子に「難易度」や「力の入れ方の違い」によるものがある。難易度の影響としては、同一の肩関節外転筋トルクの疲労課題であっても、課題中に計算を行わせて難易度を高くすると同一トルクを維持する持続時間が短くなる29)。力の入れ方の影響としては、同一の膝関節伸展筋トルクであっても、固定物に対して押す場合と重錘をつけて下肢を保持する場合とで負荷のかけ方を変えて筋力を出すと、課題持続時間がことなる27)。これらから同じ課題であっても計算により難易度が高い場合と重錐で保持した場合の方が筋疲労しやすくなり、課題の持続時間が短くなることが知られている(表1)。 Ⅱ―6 EMG  EMGは、筋線維から発生した個々の活動電位が容積伝導により電極に到達した時点の活動電位を加算(複合活動電位)し、図として表現したものである。したがって、EMGは筋力と同等ではなく、筋が収縮し筋力を発揮しているときに筋活動電位がどの程度、そしてどのように発生したか、すなわち運動単位の参加度合いを表現している24,25,26)。 第Ⅲ章 バイオフィードバック Ⅲ―1 BFの定義  BFとは、通常では認識することが困難な生体内の生理現象を視覚・聴覚・体性感覚で感知できる知覚信号に変換し、随意的には制御できない現象をその知覚信号に基づいてコントロールさせようとする行為である30)。 Ⅲ―2 BFを用いたリハビリテーション  リハビリテーション医療の分野では、神経学的異常により運動機能に障害を持つ患者が多く、1960年代に筋電図を視覚や聴覚にフィードバックすることで、その運動の調節が可能であることが示された。その後、運動機能障害患者に対する、BFを用いたリハビリテーションが行われるようになっている31)。  BFは筋緊張の軽減、筋力増強や自動関節可動域の改善などのリハビリテーションに用いられ、最近では運動学習のためにBFを利用している。感覚入力の方法は視覚あるいは聴覚が多く用いられている31)。  臨床においてBFを用い重心動揺計で立位訓練を行った経験がある。立位重心位置が患者自身に伝わりやすく、評価結果が数値化され目標の達成度も確認できるため効果的に立位訓練が実施できた。しかし視覚BFでは患者が常にモニタを見るために体幹が前傾あるいは前屈姿勢になり易い傾向があり注意が必要であった。 Ⅲ-3 視覚BFと聴覚BFを用いた先行研究  視覚や聴覚を用いたBFの研究が多く行われている。等尺性収縮による肘屈曲筋力を計測した研究では、聴覚BFは視覚BFと同じ認知能力があるという結果がえられた32)。しかし、動的な課題では視覚BFよりも聴覚BFの方が向いており、聴覚BFの利点として歩行状態を音響信号によりBFを行い、モニタを見続けることなく訓練が実施でき歩行にメリハリがでたこと、歩行状態の把握がしやすいという結果が得られている33)。またBFの難易度の研究では、ハンドル回しの追跡運動課題中の脳波分析により聴覚BFより視覚BFのほうが難易度が低いという結果が述べられている34)。  しかし、まだ視覚BFと聴覚BFの違いが筋疲労に異なる影響を及ぼすかは明らかになっていない(表1)。 表1 筋疲労の影響因子の先行研究と視覚BFと聴覚BFの先行研究 第Ⅳ章 視覚と聴覚によるバイオフィードバックの違いがヒラメ筋筋疲労に及ぼす影響 Ⅳ-1 研究目的 1) 目的  立位保持の主要姿勢筋群であるヒラメ筋は立位時に持続的に活動する筋である。ヒラメ筋は安静臥床などの不動や不活動により廃用性筋萎縮を起こしやすい筋の一つであると知られている。廃用性筋萎縮による筋力低下は日常生活に影響を起こし、安静状態を続けると「寝たきり」を招き、生命予後不良まで示唆されている。  廃用症候群の予防と治療のために関節可動域訓練、筋力増強訓練などのリハビリテーションを実施する。しかし、訓練時間は限られており、立位保持は疲労のため訓練意欲やパフォーマンスが低下することもあり、基本動作や日常生活動作の維持・改善のためにも筋疲労しにくい筋力増強訓練や立位保持訓練などが行えることが望まれる。  私自身、視覚・聴覚のBFを用いた立位訓練で重心動揺計を使用した経験もあり、筋持久力向上を目的としたリハビリテーションにおけるBFの運動学習の効果に関心を持っていた。そこで本研究では視覚または聴覚からの筋トルクBFの違いによるヒラメ筋等尺性収縮で保持した場合、筋疲労下での筋力制御への影響を調べ比較した。  立位保持に活動するヒラメ筋のため、持続的等尺性収縮を疲労課題とし、BFの違いによる難易度を筋疲労の影響因子として考え、中枢性筋疲労の研究に設計された30%MVCを運動課題の目標とした。 2) 仮説  視覚BFと聴覚BFは同じような認知能力があり同じように筋力制御が可能なことから32)、視覚BFと聴覚BFを用いて持続的等尺性収縮の疲労課題を同じように遂行できると考えた。  次に、追跡課題における難易度は視覚BFより聴覚BFの方が高いとされ34)、これより疲労課題においても視覚BFより聴覚BFの難易度が高いと仮説した。  さらに、同じトルクの疲労課題であっても、筋力発揮の方法や計算による難易度の条件を変えることにより課題持続時間が異なるとされる27,29)。この難易度の条件を変化させることで筋疲労の持続時間が異なるならば、ヒラメ筋等尺性30%MVCの疲労課題においても、視覚と聴覚というBFの違いが筋疲労の生理学的変化に影響すると仮説した。 Ⅳ―2 研究方法 1) 対象  健常成人男性9名を対象とした。9名の年齢と身体特性の平均値と標準偏差値は年齢31.7±5.8歳、身体特性は身長173.2±3.2㎝、体重64.9±6.2㎏、BMI21.6±1.9であった。  除外基準は視覚または聴覚に障害がある者、中枢性疾患がある者、過去3年以内に下肢に外傷や整形外科疾患などの既往のある者とした。 2) 倫理  本研究は、ヘルシンキ宣言に則り国立大学法人筑波技術大学統合医療センター研究倫理委員会(平成25年9月27日)に承認を得て実施した。任意性と同意撤回の自由、利益・不利益、研究結果の公表、個人情報の保護について、説明文書と口頭による説明を行った。  説明内容は、文章による同意を行い、途中で同意を撤回しても不利益は生じない。参加された方の秘密は守られ、名前や個人を識別する情報は非公表とする。この研究で得られた情報は筑波技術大学大学院を通じて、関連学会や医学雑誌などへの投稿を予定している。個人を識別する情報は非公表とする。この研究に係わる関係者、この研究を審査する委員会担当者が対象被験者の個人記録等を閲覧する場合があるが、この場合であってもプライバシーは保護される。以上の説明内容について同意が得られた。 3) MVC測定  疲労課題を実施する前に左足関節底背屈トルクのMVC測定を行った。被験者を多用途筋機能評価運動装置(BIODEX社製Biodex SYSTEM4)に椅子座位をとらせ,リクライニング55度、左下肢挙上、股関節内外転中間位、左膝関節屈曲50度、左足関節底屈0度を測定肢位とした(図3)。  予備実験において膝関節屈曲0度、30度と50度にてヒラメ筋の筋活動をEMGにて調べたところ、膝関節屈曲50度がヒラメ筋の活動が最も大きく現れたので、腓腹筋の影響を受けにくい膝関節屈曲50度を膝の測定姿位と設定した。  MVC計測時の体幹のずれ防止と、疲労課題時の下肢と体幹の筋緊張緩和のために、足関節トルク標準測定肢位は座位リクライニング70度であるが、リクライニング設定を15度低い55度とした。これは疲労課題時にハムストリングスが緊張しやすく疼痛が発生する場合もあったために調整を要した。  MVC測定は3秒間の等尺性左足関節底屈と背屈運動の収縮を交互に行わせた。そのときの足関節トルクのアナログ信号をデジタル信号に変換して出力しパソコンに記録した。左足関節底屈トルクのMVC測定は3回19)、左足関節背屈トルクのMVC測定は2回行った。ヒラメ筋筋電図振幅の最大値が得られたトルクをヒラメ筋MVCとした。 4) 疲労課題  MVC測定後30%MVCの強度を目標として持続的等尺性収縮を終了の指示があるまで保持し続けるように左足関節底屈を行わせた。27%MVC以下の状態が3秒間持続した時点で終了とした。 図3 MVCと疲労課題の測定肢位測定はリクライニング座位55度で左下肢挙上し、膝関節屈曲50度と足関節底屈0度の肢位にて実施した。 5) バイオフィードバック方法  視覚BFで使用した液晶モニタは(図4)センチュリー社製PLUS ONE 8インチUSB接続サブモニタ(LCD-8000U2)を被験者正面の目の高さ床から約1.5mの位置で、被験者の目からの距離は約2.0mにモニタを設置し視覚BFを行った。30%MVCである赤い目標水平線をモニタ中央に固定し、足関節トルクにオンラインで連動する青いBF水平線の上下により視覚BFを行った。BF水平線は40%MVCから20%MVCの範囲で上下させた。被験者に赤い線の目標に青い線を合わせて長く保持するように指示をした(図5)。  聴覚BFはヘッドホンは(図4)ソニー社製MDR-CD900STを使用し、ヘッドホン左から500Hzのパルス波で30%MVCに準じた目標音を出し続け、ヘッドホン右より足関節トルクの40%MVCから20%MVCの高低を1000Hzから250HzまでのBF音として提供した。また30%MVCから3%ずれ始めた時に警告音を出し、ずれが目標より大きくなると警告音の音量を大きく出すように設定した。左からの目標音に右からの音の高さを合わせ長く保持するように被験者に指示をした(図6)。  MVC測定による足関節トルクとEMG信号から30%MVCの運動課題遂行中におけるトルクBFを行う(図7)ための実験用に開発を依頼したソフトウエアを用いた。 図4 視覚BF用モニタと聴覚BF用ヘッドホン  左側は視覚BFに用いた8インチ(130×165㎜)液晶モニタ(解像度800×600dpi) 右側は聴覚BFに用いたステレオヘッドホン(インピーダンス63Ω) 図5 視覚BFモニタ  20%MVCから40%MVCの範囲で上下する青い水平線を合わせるように指示した。 図6 ヘッドホンからの聴覚BF  左からは30%MVCの目標音を500Hzで提供し、右からは足関節トルクが40%MVCから20%MVCの間に連動したBF音を1000Hzから250Hzの範囲にて提供した。被験者に左の音に右からの音の高さを合わせるように指示した。 図7 足関節トルクBFシステム  足関節トルクは多用途筋機能評価運動装置(A)で計測しアイソレーションユニット(B)でアナログ信号として出力した。EMGとECGはEMG電極(G)とECG電極(H)から筋電計(I)にて1000倍に増幅したアナログ信号を導出した。それぞれのアナログ信号はA/D変換器(C)にてデジタル信号に変換、PC(D)にて記録し、PCから足関節トルクの信号を視覚BFではモニタに、また聴覚BFではヘッドホンに出力しBFを行った。 6) 測定項目  課題持続時間、足関節トルク安定性、ヒラメ筋筋電図振幅、心拍数、BF難易度とヒラメ筋疲労度の6項目を測定した。  課題持続時間は多用途筋機能評価運動装置を使用して足関節トルクを測定し、パソコンへ記録した。実験終了後足関節トルクデータを解析した。  足関節トルク安定性は多用途筋機能評価運動装置を使用して足関節トルクを測定し、サンプリング周波数1kHzでアナログ信号をデジタル信号に変換する装置であるA/D変換器を介してパソコンに記録した。足関節筋トルクを一定に保持している状態の足関節筋トルク平均からのばらつきを調べるために、実験終了後オフラインにて足関節トルク安定性(変動係数)を算出した。  ヒラメ筋EMG振幅は筋電計(Delsys社製Bagnoli-4 EMG System)を用いて、左ヒラメ筋のEMG波形を1000倍に増幅して導出し,疲労課題中の変化を記録した。EMG電極は電極間距離1㎝のアクティブ電極を使用し、ヒラメ筋電極は左大腿骨内側上顆と左脛骨内果を結ぶ線の遠位2/3に貼り付けた。  心拍数は筋電計に心電図(Electrocardiogram;ECG)電極を接続して双極誘導により1000倍に増幅して導出した。電極は両側鎖骨下に貼り付けた。EMGとECGのアース電極は左膝蓋骨中央に貼り付けた。筋電計からのEMGとECGのサンプリング周波数を1kHzでA/D変換器を介した後、10Hzから450Hzのバンドパスフィルタを通しパソコンに記録した。  BF難易度の測定はVisual Analog Scale(VAS)を用いた。疲労課題本番で行った視覚BFまたは聴覚BFの目標値と足関節トルクの合わせやすさについて疲労課題終了時に被験者が100㎜の線上の任意の位置に✔印を記入した。とてもわかりやすいを0㎜地点、ふつうを50mm地点、わかりにくいを100㎜地点とした(図8)。  ヒラメ筋疲労度は主観的運動強度(Rating of Perceived Exertion;RPE)を用いた。疲労課題本番前に被験者にRPEの説明を行い、ヒラメ筋電極を貼り付けている場所の筋肉痛、重さ、だるさの感覚を疲労課題実施中30秒間ごとに合図を出し口頭にて聴取して記録した(表2)。 図8 VAS記入例 疲労課題終了直後に視覚BFまたは聴覚BFの難易度を任意のところに被験者が✔印をつけた。実際のスケールには数字の表示はない。 表2 RPE修正ボルグスケール  疲労課題中のヒラメ筋のみの疲労度合を修正ボルグスケールを用いて0~10点で表現した。30秒ごとに口頭で聴取し記録した。(Borg GAV.Psychophysical bases of perceived exertion. Med Sci Sports Exerc,1982;14:377-381より引用) 7) 測定手順  測定は電極貼付、測定肢位の設定、MVC測定、目標計算、疲労課題リハーサル、疲労課題本番の順に行なった。  各被験者は視覚BFと聴覚BFの実験日を1週間あけて実施した。視覚BFの実施日にはリハーサルと本番で視覚BFのみ行い、聴覚BFの実施日はリハーサルと本番は聴覚BFのみ行なった。視覚BFと聴覚BFの実施順序は被験者の実験順番ごとに交互に入れ替えて実施した。 8) データ処理  課題持続時間は足関節トルク記録より、疲労課題開始から30%MVC目標に到達するまでの立ち上がり時間と、30%MVC目標トルクより低下を始めてから終了までの時間を除いた時間をデータ処理に用いた(図9)。 図9 足関節底屈トルク生データAは疲労課題開始から目標値までの時間を、Bは目標値である30%MVCの課題持続時間を、Cは目標値から終了までの時間を表す。  足関節トルク安定性、EMG振幅、心拍数とRPEは課題持続時間における最初と最後30秒間の平均値を算出した。視覚BFの最初と最後、聴覚BFの最初と最後、視覚BFの最初と聴覚BFの最初、視覚BFの最後と聴覚BFの最後をそれぞれを比較し検討した。  足関節トルクの標準偏差を足関節トルク平均値で割り変動係数を求めトルク安定性を導いた。ヒラメ筋筋活動を表すEMG振幅を二乗平均平方根(Root Mean Sqare;RMS)処理をおこないMVC値より正規化した。心拍数はECGのR-R間隔から算出した。  課題持続時間、足関節トルク安定性、EMG振幅と心拍数は数値解析ソフトウエア(MATLAB、Mathworks社製)を用いて解析を行った。統計処理として課題持続時間とVASは対応あるt検定を用いた。足関節筋トルク変動係数・EMG振幅と心拍数は2元配置分散分析を用いた。RPEはWilcoxonの符号順位検定を用いた。危険率は5%未満を統計的有意とした。統計処理ソフトはマイクロソフト社製エクセルとIBM社製SPSS Ver.21.0を使用した。 Ⅳ―3 結果  被験者9名すべての足関節トルク、EMGとECGの生データより、すべての測定値を分析に用いた。足関節トルクとヒラメ筋EMG振幅の生データを図10に示す。 図10 30%MVC疲労課題生データ  視覚BF時の生データを示す。上から足関節トルク、ヒラメ筋EMG振幅(1000倍に増幅)、前脛骨筋EMG振幅(1000倍に増幅)、ECG(1000倍に増幅)を表示した。課題持続時間の経過に伴って徐々に変化していく様子が確認できる。  課題持続時間は聴覚BFが9.7±5.9分、視覚BFが11.4±6.6分であり、平均値は視覚BFが2分程度長く持続できたが、BF間に有意差は認められなかった(p=0.32)(図11)。 図11 聴覚BFと視覚BFの課題持続時間の比較  足関節トルク安定性の平均値と標準偏差は聴覚BFの最初が3.1±1.6、最後が5.7±2.7で有意(p=0.024)に増加し、視覚BFの最初が2.5±0.9、最後が6.5±4.7と有意(p=0.03)に増加した。BF間においては有意な差は認められなかった(図12)。 図12 聴覚BFと視覚BFにおける足関節トルク安定性の最初と最後の比較  EMG振幅は聴覚BFが最初26.0±8.8%MVCから最後は36.1±12.8%MVCと有意(p=0.024)に増大した。視覚BFは最初が25.3±7.1%MVC、最後は35.1±14.3%MVCで有意(p=0.036)に増大した。BF間においては有意な差は認められなかった(図13)。 図13 聴覚BFと視覚BFにおけるヒラメ筋EMG振幅の最初と最後の比較  心拍数では聴覚BFの最初が68.8±9.9bpm、最後が90.8±14.3bpmと有意に(p=0.0004)増加し、視覚BFも最初が69.0±7.9bpm、最後は89.7±14.2bpmと有意に(p=0.0019)増加した。BF間においては有意な差は認められなかった(図14)。 図14 聴覚BFと視覚BFにおける心拍数の最初と最後の比較  VASでは聴覚BFが46.9±32.4㎜、視覚BFが15.7±15.8㎜となり、視覚BFより聴覚BFの難易度が有意(p=0.023)に高くなった(図15)。 図15 聴覚BFと視覚BFの難易度の比較  RPEでは聴覚BFの最初が2.3±1.5、最後が9.2±1.6と有意(p=0,007)に増加した。視覚BFの最初が2.1±1.6、最後が9.3±1.3と有意(p=0.008)に増加した。BF間においては有意な差は認められなかった(図16)。 図16 聴覚BFと視覚BFにおけるRPEの最初と最後の比較  各測定項目の平均値と標準偏差値を聴覚と視覚のBF間とBF内について比較した表3に示す。 表3 各測定項目における聴覚BFと視覚BFおよび最初の30秒間と最後の30秒間の平均値と標準偏差値の比較(n=9) Ⅳ―4 考察  聴覚と視覚のBF間で有意差はBF難易度を表すVASのみで認められた。BF内での疲労課題の最初と最後の比較では足関節トルク安定性(変動係数)、ヒラメ筋EMG振幅、心拍数とヒラメ筋疲労度(RPE)で有意な増加が認められた。視覚と聴覚を用いた追跡課題の難易度の違いを脳波により比較した先行研究結果と同じように聴覚の難易度が高いという結果になった。そして視覚と聴覚によるBFの違いはヒラメ筋筋疲労への影響なく同じように疲労課題を遂行できたと考えられた。  本実験で聴覚BFは先行研究に準じた方法で行ったがMVC30%の疲労課題が正確に行えるように聴覚BFに30%MVCから3%以上ずれたときに警告音が発生するように設定してあり、視覚BFでは30%MVC目標線を赤く目立つように表示したのみであった。これより難易度が高いとされる聴覚BFの提示方法を工夫したことが難易度の差を縮め、聴覚BFによる疲労課題の遂行が正確にできると考えた。そして聴覚BFの提示をわかりやすくし難易度が下がったことにより本実験結果の課題持続時間はBF間にて有意差がでなかったとも考えられた。この工夫により聴覚BFが視覚BFと同じ認知能力があるという結果がえられた等尺性肘屈曲筋力を計測した研究32)と同様に、本実験の持続的な課題でも聴覚BFと視覚BFは同程度の認知能力が同じようにあったと考えられた。  また課題持続時間の平均は約11分であるが、聴覚と視覚のそれぞれの平均は2分程度の差が出た。これに聴覚BFの難易度が高いことを考慮すると、疲労課題の強度を低く20%MVCや10%MVCにすることで持続時間が長くなることが予想され、聴覚BFの方に中枢性筋疲労を発現しやすくなり、聴覚BFと視覚BFの課題持続時間に有意な差が出てくるかもしれない。  先行研究において同一疲労課題で計算を行わせて難易度を高くした方は持続時間が短くなり筋疲労を早く起こすことがわかっているが、本実験では難易度の差が持続時間や筋疲労の生理学的変化に影響を与えるほど高くなかったと考えられた。よって視覚BFと聴覚BFには難易度の差が認められるが筋疲労には影響しないことが確認できた。たとえ筋疲労への影響があったとしても、BFの提示方法により難易度が筋疲労に影響しないように設定できることも考えられる。  難易度は聴覚BFが高くなっており、聴覚BFの難易度の高さは実際の臨床場面では意欲低下をまねく可能性が高いと考えられる。体力低下や障害などを持つ高齢者や患者は難易度の高さにより、リハビリテーション実施時の意欲低下が予測されBF難易度を下げるためわかりやすくするための工夫が必要となる。さらにBFをわかりやすくするために例えば、本実験ではBFの提示が聴覚BFと視覚BFどちらもアナログ形式だったので、デジタル形式の数値による表示と音声でBF提示する方法も考えられた。  足関節トルクの安定性についてBF間で有意差はなく、BF内で有意に増加した。疲労課題が20%MVCで大腿四頭筋を等尺性持続収縮にて行った研究27)では持続時間に有意な差が出た場合でもBF間トルクの変動係数に有意差は認められなかった。本実験では持久性がある遅筋のヒラメ筋であっても目標の30%MVCの疲労課題を平均して維持できたが、最後ではトルク平均のばらつきが増加し筋疲労の生理学的変化を起こしていたことが確認できた。そして本実験の足関節トルク生データを観ると最初から最後にかけて徐々にトルクのばらつきが大きくなっていることも観察できた。これらよりトルク安定性については疲労課題の運動強度にも影響されやすいとも考えられた。  ヒラメ筋EMG振幅もBF内のみで有意な増大が認められた。持続的な最大下随意収縮におけるEMG振幅の増大は運動ニューロンの動員を示す筋疲労の生理学的変化の一つであるが、この筋疲労の種類はヒラメ筋が遅筋で持久性があり疲労しにくいことと運動強度の低い30%MVCの疲労課題であることから、中枢性筋疲労を引き起こしたと考えられた。  心拍数増加は疲労課題による生理学的変化が現れたことを確認できた。しかしBF間の変化がないことから、BFの違いが心拍数への影響が少ないと思われた。今回の疲労課題ではヒラメ筋を対象とし局所的な筋疲労の結果であるが、エルゴメーターや歩行など下肢全体の運動を行うような課題と同じように心拍数が増加28)することが確認できた。  RPEと心拍ではBF内での最初と最後の有意な増加が認められたが、これはRPEで使用したボルグスケールが心拍数と関係があり、そのことが確認できた。またRPEと心拍ではBF間での有意な差がなく、聴覚BFと視覚BFの難易度の違いがRPEと心拍に影響を与えにくいと考えられた。また聴覚BFと視覚BFのどちらを使っても同じように疲労すると思われた。  本研究の限界として、ヒラメ筋EMG振幅が増大し中枢性筋疲労と思われたが、ヒラメ筋を支配する脛骨神経に電気刺激を行い、中枢性か末梢性の筋疲労なのか確認できていない。立位保持に活動するヒラメ筋のため、測定肢位が立位ではなかったので、立位での測定も行う必要があり、また年齢別・疾患別の筋疲労への影響も明らかにしていくこと、視覚BFと聴覚BFの相互作用についても検討していない。  本研究の展望として聴覚BFや視覚BFをさらにわかりやすく工夫すること、また聴覚BFと視覚BFを同時に使用することで、静的な立位保持訓練以外の動的な歩行・日常生活動作訓練およびスポーツなどの運動学習への有用性が出てくると考えられた。 第Ⅴ章 結論  本研究では視覚BFと聴覚BFの違いよるヒラメ筋等尺性30%MVCの疲労課題が筋疲労に及ぼす影響を調べた。その結果として課題持続時間、足関節トルク安定性、ヒラメ筋EMG振幅、心拍数とヒラメ筋疲労度は視覚BFと聴覚BFによる差は認められなかったが、BF難易度に有意な差が認められ視覚BFより聴覚BFの難易度が高いことが確認でき仮説が支持された。また、トルク変動係数、ヒラメ筋EMG振幅、心拍数とヒラメ筋疲労度がBF内の最初と最後で増大し筋疲労の生理学的変化が確認できた。視覚BFと聴覚BFは疲労課題実施中の約11分間において、BFの違いが筋疲労へ及ばす影響はなく同等の運動学習が行えることが示唆された。そのためヒラメ筋に対する廃用症候群のリハビリテーションでは視覚を用いたBFを行うことが推奨される。そして廃用性筋萎縮の予防と治療のためにさらに改善を加えたBFを用いる運動学習の発展を期待したい。 謝辞  本研究を行うにあたり、多くの方々のご支援を頂きました。研究指導を頂きました筑波技術大学大学院技術科学研究科 薄葉 眞理子 教授、三浦 美佐 准教授には、謹んで感謝の意を表したいと思います。本実験施行に際し、ご協力頂きました筑波技術大学大学院技術科学研究科 井口 正樹 講師に心より感謝申し上げます。  筑波技術大学大学院技術科学研究科主査 松下 昌之助 教授、副査 石塚 和重 教授にはご指導ならびにご鞭撻をいただき心より厚くお礼申し上げます。  BFシステムのプログラムを作成して頂いた筑波大学図書館情報メディア系副主任研究員 松原 正樹 先生に心よりお礼申し上げます。  また、被験者として協力していただいたお花茶屋ロイヤルセンターの職員の皆様、筑波技術大学職員の皆様に心より感謝申し上げます。  最後に、大学院へ通うことを理解し、支えてくれた家族と林外科病院の職員の皆様に深く感謝します。 参考文献 1) 中村 隆一、斎藤 宏:基礎運動学.医歯薬出版株式会社:289-389,1992 2) 奈良 勲、浜村 明徳:拘縮の予防と治療.医学書院:60-70, 2003 3) 上田 敏:廃用・過用・誤用症候の基礎と臨床.PTジャーナル.27:76-85, 1993 4) 猪飼 哲夫:廃用性筋力低下・筋萎縮の病態生理と予防.Medical Rehabilitation 10:7-13, 2001 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