ブラインドゴルフの競技支援に関する研究 平成25年度 筑波技術大学大学院修士課程技術科学研究科 保健科学専攻 鈴木 一士 目次 第1章 ブラインドゴルフとは 1 1-1ブラインドゴルフの誕生と歴史 1 1-2 日本におけるブラインドゴルフ 1 1-3ブラインドゴルフのルールとプレー方法 1 第2章 課題1:アンケートによる現状調査 4 2-1研究背景と調査目的 4 2-2対象と方法 4 2-3アンケート結果 5 2-4考察 10 2-5課題と展望 11 第3章 課題2:アプローチショットの距離調整に及ぼすフィードバックの検討 12 3-1研究背景 12 3-2フィードバックの定義と概要 12 3-3仮説 14 3-4実験対象 14 3-5方法 16  3-5-1実験課題 16  3-5-2実験機器・測定項目 16  3-5-3予備実験 19  3-5-4本実験方法 19 3-6結果 19  3-6-1予備実験結果 19  3-6-2目標からのずれ 21  3-6-3重心動揺面積 24 3-7考察 26 第4章 本研究の限界と今後の展望 29 第5章 結論 30 謝辞 31 参考文献 32 資料(アンケート用紙・聞き取り調査表) 36 筑波技術大学 修士(理学療法学)学位論文 第1章 ブラインドゴルフとは 1-1 ブラインドゴルフの誕生と歴史  ブラインドゴルフ(視覚障害者によるゴルフ)は,米国を発祥の地としている.1924年(大正13年)に,事故で失明したミネソタ州クリント・ラッセルが,たぐいまれなチャレンジ精神でゴルフに挑んだのが,ブラインドゴルフの歴史の幕開けであった.困難にめげず練習を続けたラッセルは,1930年には18ホールを84というスコアで回ることができるようになり,この記録は,2年後に刊行されたロバート・リプライの“Believe It or Not”にも紹介された1).  その後,ロンドンでもビーチ・オクセンハム博士がブラインドゴルフを始めて普及のきざしを見せ,1938年の8月20日,ミネソタ州リッジビュー・カントリークラブで,世界最初のブラインドゴルフ大会・USブラインドゴルフチャンピオンシップが開催された1,2,3).  その後,このラッセルの働きにより,米国の退役軍人管理局では,第二次世界大戦の終わりから失明軍人のセラピーにゴルフを採用している.それにより.競技人口も増加し,1953年にはUSブラインドゴルフ協会が誕生した.1998年には5か国による世界ブラインドゴルフ協会が発足し,現在では世界ブラインドゴルフ協会に13ヶ国が加盟し4ヶ国が準加盟国となっている3).2016年のリオデジャネイロでのオリンピックでゴルフが正式競技となることが決定したことから,ブラインドゴルフも将来のパラリンピックにおける正式競技化が検討されている.   1-2 日本におけるブラインドゴルフ  日本でのブラインドゴルフの歴史は,1988年に半田晴久氏により伝えられ,3人の視覚障害者を募りブラインドゴルフクラブが発足され始まった1).その後,20年余りを経て,国内のプレー人口は100人超となっている.日本にはいくつかの協会があり練習会や大会が定期的に行われている.平成24年度岐阜県で開催された国民体育大会(全国障害者スポーツ大会)では障害者ゴルフのカテゴリーの1つとして,全盲の部,弱視の部もオープン競技となった.   1-3 ブラインドゴルフのルールとプレー方法  競技は,一般のゴルフクラブを用いて,ゴルフ場にて行われる.プレー方法は,視力補償をする介添者(ガイド・パートナー)にコース内の移動,ボールに対するクラブフェイスのセッティング,方向や距離などの情報収集といった援助を受けながら行われる(図1).この介添者を伴うことと,ハザード内でのソールが許されていること,プレーの線上に介添者を置いたままストロークをしても良いことの3点以外は,全く全英ゴルフ協会の公式ルールに基づいて行われる4).しかしながら,グリーン上では競技者と介添者で歩数により距離を測定し,ラインは介添者により判断されパッティングが行われることが多い.また,コース場の移動やスイングの際のセッティング,打数の多さなどから,競技時間の遅延が発生することも多く,その対策として,多くの大会でダブルパーやトリプルパー(そのホールのパー打数の2倍,3倍の打数)でpick upとしてそのホールを終了することもある.これらのことを考慮しても他の障害者スポーツと比べ特別なルールは少なく,ノーマライゼーションの典型といえる障害者スポーツである. 図1.プレーの様子 (上:ボールとクラブフェイスのセッティング,下:コース内の移動) 第2章 課題1:アンケートによる現状調査 2-1 研究背景と調査目的  ゴルフは,レクリエーションレベルから競技レベルまで,幅広いレベルのプレーヤーが存在する.その研究は,プロゴルファーとアマチアゴルファーを対象にした研究5)や,中高年ゴルファーの報告6,7).そして,ジュニアゴルファーの報告8)など老若男女,技術レベルを問わず研究されている.キネティクスとして,部位別に肩関節周囲の報告9,10),体幹の報告11),下肢の報告12)がされている.医療や安全面について,プロゴルファーに対するアンケート調査による障害の報告13),ゴルフのスポーツ障害と外傷についての報告14),ゴルフ場へのアンケート調査による安全対策の報告15)もなされている.ゴルフに対する各感覚器の影響の研究は,触覚に関する報告16,17),視覚に関する報告18,19,20,21),聴覚に関する報告22,23)と研究されている.しかし,障害者ゴルフやブラインドゴルフについては,障害者ゴルフでの障害の考え方24)や日本ブラインドゴルフ振興協会の紹介25),ボランティア活動からの紹介26)と競技を紹介したものであり,ブラインドゴルフの競技者や介添者に関する研究は著者の確認する範囲では存在しない.そこで,ブラインドゴルフ競技者のプレー状況やプレーによる効果,安全性確保や視力補償に関する考えなど,今後の競技力向上のための基礎資料収集を目的として,アンケートによる現状調査を実施した. 2-2 対象と方法  対象は,平成24年6月に福島で開催された第16回全国視覚障害者ゴルフ大会,7月開催の千葉支部ラウンド練習会,9月開催の関東支部ラウンド練習会の参加者で,競技者49名(延べ人数),介添者49名(延べ人数)であった.その中で回答がえられたのは競技者28名,介添者36名であった.アンケート回収率は競技者66.7%,介添者75.0%であった.  方法は,大会および練習会当日にアンケート用紙を配布し,直筆または代筆にて回答を得た.調査内容は,坂井田らの視覚障害ランナーへのアンケート調査27)を参考にし,競技者のプロフィール,プレー状況,プレーの目的,プレーによる効果(心身の健康,社会的交流などに対する影響),視力以外の情報補償への考え,ブラインドゴルフによる障害・外傷の有無などであった.介添者に対する調査内容は,プロフィール,介添者による目的と効果,プレー中に説明することであった.回答は,選択方式(一部複数回答;以下,MA)とし,自由記述欄も設けた(資料1,2).  なお,今回の調査に際し,研究説明書と同意書を作成し,筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター「医の倫理委員会」の承認を受けた.アンケート配布時に対象者に研究趣旨,個人情報の管理,研究への参加や撤回は任意であり,それによる不利益は生じない旨などについて,口頭および研究説明書にて説明し,同意書の署名をもって同意を得た. 2-3 アンケート結果  アンケートの回答が得られたのは,競技者が男21名,女7名,年齢62.1±12.7歳(平均±標準偏差,以下,同様),介添者は男23名,女13名,年齢63.6±9.1歳であった.競技者のゴルフ歴は13.9±9.9年で介添者の介添者歴は6.3±5.7年でゴルフ歴は23.0±15.7年であった.競技者の視力分類は,B1(全盲~光覚弁まで,どのような距離においても手の形を弁別し得ない)13名,B2(手動弁~視力0.03まで)10名,B3(~視力0.1まで)5名であった(表1).  プレー状況は,ラウンド頻度が月に0~1回24(85.7%),2回3(10.7%),無回答1(3.6%)で,練習場への頻度が月に0~1回10(35.7%),2回5(17.9%),3回4(14.3%),4回5(17.9%),5回以上4(14.3%),指導者からレッスンを受ける頻度は0~1回11(39.3%),2回11(39.3%),3回2(7.1%),4回2(7.1%),無回答2(7.1%)であった.自宅でのトレーニング(回答数N=38,MA)では,素振り13(46.4%),ストレッチング10(35.7%),パター練習7(25.0%),筋力トレーニング5(17.9%),練習器具によるトレーニング1(3.6%),その他(イメージトレーニング)2(7.1%)であった.練習時の介添者の有無については,いつもいる17(60.7%),ときどきいる4(14.3%),いなくて困っている4(14.3%),無回答3(10.7%)であった.介添者の内訳(回答数N=30,MA)では,協会の介添者13(46.4%),友人6(21.4%),ヘルパー5(17.9%),夫婦3(10.7%),親子1(3.6%),その他(レッスンプロ)2(7.1%)であった.ブラインドゴルフを知った理由(回答数N=30,MA)では,知人から聞いた18(64.3%),インターネットで知った3(10.7%),雑誌で知った2(7.1%),家族から聞いた1(3.6%),その他(自分で協会を起こした,無記名など)6(21.4%)であった.ブラインドゴルフの目的(回答数N=68,MA)については,趣味21(75.0%),健康16(57.1%),交流11(39.3%),自己挑戦10(35.7%),充実感8(28.6%),その他2(7.1%)であった.効果(回答数N=86,MA)は健康維持増進18(64.3%),交流関係拡大17(60.7%),楽しみが増えた15(53.6%),向上心がついた10(35.7%),行動範囲が広がった9(32.1%),明るくなった6(21.4%),積極的になった5(17.9%),自信がついた5(17.9%)であった(図2).  視力以外の情報補償については,スイングの時(回答数N=40,MA)が,スイングイメージ12(42.9%),リズム11(39.3%),重心の位置9(32.1%),関節の位置6(21.4%),その他(足裏からの感覚,音)2(7.1%)であり,打球の方向や距離を知る手がかり(回答数N=38,MA)は,打球音14(50.0%),クラブからの打感14(50.0%),スイングの大きさ5(17.9%),周りの声5(14.3%),その他(手応え,フィニッシュの位置)2(7.1%)であり,パターの時(回答数N=33,MA)は,足底からの感覚18(64.3%),介添からの説明11(39.3%),距離のみ考える4(14.3%)であった(図3).ブラインドゴルフによるスポーツ障害・外傷の有無は,なし22(78.6%),あり5(17.9%),無回答1(3.6%)であった(図4).  介添者のブラインドゴルフの目的(回答数N=61,MA)は,プレーのお手伝い25(69.4%),ゴルフの楽しみを伝えたい15(41.7%),交流13(36.1%),健康6(16.7%),その他2(5.6%)であった.効果(回答数N=76,MA)は,交流関係拡大20(55.6%),プレーヤーに感銘を受けた18(50.0%),行動範囲が広がった12(33.3%),健康維持増進8(22.2%),楽しみが増えた8(22.2%),自分のプレーが上達した8(22.2%),その他2(5.6%)であった(図2).介添者が競技者に対してプレー中説明する内容(回答数N=110,MA)は,ターゲットまでの距離20(55.6%),打球の方向19(52.8%),体の向き16(44.4%),ルール・マナー14(38.9%),精神的フォロー12(33.3%),コースレイアウト10(27.8%),芝の状態9(25.0%),スイングの状況7(19.4%),その他(安全)3(8.3%)であった(図5). 表1.アンケート回答者のプロフィール 図2.ブラインドゴルフによる効果(上:競技者,下:介添者) 図3.視力以外の情報補償 上:スイング時,中:打球の方向や距離を知る手がかり,下:パター時 図4.プレー中のスポーツ障害・外傷の有無(N=28) 図5.介添者のプレー中の説明内容 2-4 考察  今回のアンケート調査結果が示唆した特徴として,以下の項目が挙げられた.①競技者,介添者ともに年齢が高い,②練習時の介添者が不足している,③競技者,介添者双方に交流関係拡大など良い効果がある,④スポーツ障害・外傷は少なく,プレーは比較的安全に行われている,⑤視力補償として聴覚,触覚などを複合的に使用している.  今回の競技者の年齢は,平均62.1歳(18-78歳)であった.坂井田ら27)の視覚障害ランナーの報告では男44名の平均44.4歳(15-72歳),女11名の平均41.0歳(20-58歳)であり,木下ら28)のブラインドサッカーの報告では日本代表選手15名の平均年齢は29.9歳であった.これら他の視覚障害スポーツと比較し,平均年齢が高い理由には,競技特性として運動量が少ないこと.また,競技にある程度の経済的負担が必要なことなどが推測された.  競技力向上において,プレー頻度を増やすことは不可欠であると考えられる.ネットリサーチDIMSDRIVEの公開アンケート調査結果(ゴルフをしている人:N=747)29)によると一般ゴルファーのラウンド頻度は2~3ヶ月に1回26.1%が最も多く,月に1回程度19.5%,半年に1回程度18.9%であり,ブラインドゴルフにおいても月に0~1回が85.7%と大きな違いはなかった.しかしながら,ブラインドゴルフでは,コース破損の問題やプレーの遅延の懸念から,現在の所,ゴルフ大会など開催できるゴルフ場は限定されている1).また,今回の調査結果より,介添者の確保も困難であり,今後,ブラインドゴルフ競技者に対する門戸の拡大や理解の普及が期待される.そのためにも社会的認知度の向上や更なるラウンド頻度の増加が必要であると考えた.  視覚障害者におけるブラインドゴルフの意義について,三木は,以下のように紹介している.①視覚障害者がハイクオリティ・オブ・ライフを享受しつつ,明るく発展的な生き方を可能にする多くのチャンスを得ることができる.②晴眼者(健常者)のボランティア活動が,奉仕者自身の精神的,かつ肉体的向上につながる26).今回の調査結果からも,ブラインドゴルフは競技者・介添者双方に交流関係拡大などの良い効果があり,QOL(Quality of life)の向上に効果があると考えられた.  ゴルフにおけるスポーツ障害について菅谷らは,プロゴルファーへのアンケート調査によりプレーに支障を来す障害を起こした経験があると回答した選手は,レギュラー選手73.9%(85名),シニア選手76.4%(42名),女子選手68.1%(77名)であったと報告している13).また,ゴルフにおける安全管理に関して,吉原らは,ゴルフ場からのアンケートの回答により,1年間にカートによる事故が起こったゴルフ場は37.7%,ボールやクラブでの事故が起きたゴルフ場は53.1%,さらに転倒や滑落による骨折などの事故は46.2%であったと報告している15).これらと比較してもブラインドゴルフによる外傷や障害の発生は17.9%であり,安全性が確保されていると考えられた.この理由としては介添者や主催者の安全面への意識が高いためであると推測した.  視覚補償として,スイングの時は,スイングイメージ,リズム,重心の位置を各々30~40%の回答者が利用していると回答し,回答数は67.8%が単一選択であった.また,打球の手がかりとしては,打球音,クラブからの打感を半数が頼りにしており,スイングの大きさや,周りの声などは20%弱と少なかった.回答数による割合では,半数近くの回答者(46.4%)が複数の回答を選択しており,打球の結果を知るために,いくつかの感覚を複合的に利用していることが分かった.この中で,介添者など周りからの声は競技力を向上させる上で,有用な情報となりうると考えられるが,あまり利用されていなかった.また,介添者は,36名中19名(52.8%)が打球の方向を説明している.この介添者の説明や周りからの声を質的に改善すれば,競技力向上に利用できると考えられた. 2-5 課題と展望  ブラインドゴルフの発展には,若い競技者を増やすこと.また,競技力を向上させるためにラウンド頻度をさらに増やすことが必要であると考えられた.そのためには,社会的認知度を向上させることで,プレー可能なゴルフ場の増加や練習への介添者の協力も受けやすくなると考えられる.また,競技力が向上することでプレーの遅延などからゴルフ場が限定されることも減少すると思われる.  ブラインドゴルフの競技者は,視覚情報がない,あるいは,制限が大きい.人間の視覚は大脳視覚関連領野における機能特性から,物体の形態認識に係わる領域と,運動や空間的な位置に係わる領域が存在するという視覚システム仮説が提唱されている30,31).このような視覚システムの機能特性は,スポーツの分野においても,優れたパフォーマンスを発揮するために重要である32,33).アンケート結果より,ブラインドゴルフでは,プレーをする上で視覚補償のために,いくつかの感覚を複合的に利用していることが分かった.ブラインドゴルフでは,視力補償として介添者もしくは指導者から,スイング前の情報収集を受け,スイング後にフィードバックを受けることがある.これらの方法が競技力に及ぼす影響は大きいと考える.このフィードバックは,本人の感覚器からの内在的フィードバックと介添者や指導者からの外在的フィードバックが存在する.今後,競技力向上をめざす上で,競技者に対する外在的フィードバックの方法を明らかにすることが必要である. 第3章 課題2:アプローチショットの距離調整に及ぼすフィードバックの検討 3-1 研究背景  ゴルフのようにターゲットを目標とするスポーツにおいて方向性や距離感という要素は重要である.特にグリーン周辺からホールにボールを寄せるアプローチショットで,能力が必要となる.ブラインドゴルフでは,視覚障害のため競技者自身だけで,ターゲットの位置や目標までの距離,そして,打球の結果を認知することが困難である.競技者は,介添者より目標までの距離の情報を受け,目標方向へ体を向け,スイングを行う.このときの距離調整に様々なフィードバックが行われている.  第2章で実施したアンケート調査より,視覚保障としてスイング時には,スイングイメージ,リズム,重心の位置などを用い,打球結果を知る手がかりとしては,競技者のクラブからの打感,打球音,スイングの大きさを頼りにしていることが分かった.これらの情報は,競技者本人の内在的なフィードバックと考えられるが,距離調整にどの程度関与しているかの判断が難しい.また,競技者自身の飛距離予測と実際の結果は異なることも珍しくない.一方,介添者など周囲からの声は,有用な外在的フィードバックとなりうると考えられた.その付加的価値は大きく,スイングの修正・調節など競技力に及ぼす影響が大きいと考えられる.  スポーツにおける競技力向上のためには,パフォーマンスの改善が必要であるが,その過程で運動学習が行われる.運動学習は,パフォーマンスを即時的のみでなく永続的に熟練した状態へ導く,練習や経験に関係した一連の過程である34).より効果的に運動学習を行うために,教示やフィードバックの付与が重要であるといわれている35).運動学習と外在的フィードバックに関する研究は,著者が専攻する理学療法学の分野でも多く行われている35,36,37,38,39).  そこで,ブラインドゴルフにおけるアプローチショットの距離調整に競技者の内在的フィードバックが関与しているかを検証し,また,理学療法と関連深い外在的フィードバックが競技力向上のための視力補償として寄与するかの検討を試みた. 3-2 フィードバックの定義と概要  フィードバックの定義は,運動の遂行後に,学習者が運動の結果として受けとることが可能な情報全般を指す35).フィードバックは,ある運動の課題において,目標値とパフォーマンスとの間におきる差異についての情報であるが,この情報を利用し目標とする課題の習得まで練習の中で試行錯誤がなされる40).  フィードバックは,原理の違いから次のように分類される.内在的フィードバック(intrinsic feedback)は,ときに生得性フィードバックと呼ばれ,行為を行って,その当然の結果として提供される情報である.特殊な装置や方法なしに直接的に知覚可能で,視覚,聴覚,触覚,固有感覚など,その情報源が学習者自身に内在したフィードバックである.外在的フィードバック(extrinsic feedback)は,増幅フィードバック,付加的フィードバックとも呼ばれる.100メートル競争のタイムなど,指導者や外部の機器からの何らかの人工的手段による運動結果からの情報である.外在的フィードバックは,さらに,結果の知識とパフォーマンスの知識に分類することができる.結果の知識(knowledge of results; 以下,KR)は,運動の目標に対する行為の結果について得られた情報のこと(学習者の目的とする運動がうまくいったかどうかの情報),これは内在的フィードバックと重複することが多い.しかし,学習者が内在的フィードバックから情報収集が困難なときは,外在的フィードバックであるKRがエラー情報を伝えるため運動学習やパフォーマンスの向上に重要となる.パフォーマンスの知識(knowledge of performance; 以下,KP)は,ときに運動学的フィードバックと呼ばれるが,学習者が行った直後の運動パターンについての付加的情報である.KPは,リハビリテーションやスポーツの場で理学療法士や指導者によって頻繁に使われている34).  これらのフィードバックの分類をブラインドゴルフに当てはめると,競技者自身のスイングイメージ,リズム,重心の位置・移動,クラブからの打感,打球音,足底からの感覚などが内在的フィードバックとなる.また,介添者からの打球の結果(方向,飛距離,ボールの場所,ショットの良否など)が結果の知識(KR)となり,スイングの状況(軸がぶれないようにしましょう,ヘッドアップに注意して下さい,体が早く開いています等)がパフォーマンスの知識(KP)となると考える.これらのKRとKPが,ブラインドゴルフにおける外在的フィードバックに相当する(表2). 表2.フィードバックの分類 3-3 仮説  ブラインドゴルフにおいて,距離調整に様々なフィードバックが行われる.競技力の向上を考え,スコアメイクで最も重要といわれるアプローチショット41)を想定した.内在的フィードバックの指標としてスイング時の重心移動による重心動揺面積を用いた.距離調整に重心移動を利用すると考えられていることから41),重心動揺面積と推定飛距離との間に正の相関が認められるという仮説を立てた.  また,各種の外在的フィードバックをスイング結果に与えることで,エラー情報を受け取り,次のスイング施行までに運動プログラムの修正を行い34),目標からの「ずれ」が減少するという仮説を立てた. 3-4 実験対象  被験者は,関東在住のブラインドゴルフ競技者のうち筆者の電話説明により,当研究への協力が得られたもの9名とした.そのプロフィールは,年齢:平均57.9±14.0歳(29-75歳),全員男性,身長:平均165.5±6.0cm(160.6-180.0cm),体重:平均68.6±10.1kg(56.4-85.1kg),視力分類はB3:3名,B2:2名,B1:4名,ブラインドゴルフ歴:平均10.9±7.2年(3-25年),ハンディキャップ(以下,HDCP)は平均38.6±12.8(22-56)であった.また,9名のうち3名は先天的な視力障害であり,6名は後天的に視力障害となった.この6名のうち,5名は視力障害になるまえにゴルフ経験が8.5±7.4年(0.5-16年)を有していた(表3).また,全員聴覚に口頭によるフィードバックに支障となるような問題はなかった.  なお,今回の研究に際し,研究説明書と同意書を作成し,筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター「医の倫理委員会」の承認を受けた.実験前に対象者に研究趣旨,個人情報の管理,研究への参加や撤回は任意であり,それによる不利益は生じない旨などについて,口頭および研究説明書にて説明し,同意書への署名をもって同意を得た. 表3.被験者のプロフィール 3-5 方法   3-5-1 実験課題  ゴルフのスコアメイクで最も重要と言われるアプローチショットを想定し,使用クラブは,PW(ピッチングウェッジ)とした.目標距離はPWで一般的なゴルファーでも狙うことが可能な50ヤード,70ヤードとした.今回の実験では,安全性を考慮し,室内でゴルフスイング距離測定機による推定飛距離を用いたため,方向性は加味せずディスタンス(距離)のみに焦点を当て検討した.  被験者の課題はアプローチショットで50ヤードと70ヤードを目標とした距離調整をコントロールしたスイングとした.スイングの方法は多種類あるが任意とし,被験者が好むアドレス,スイング方法を選択させた.   3-5-2 実験機器・測定項目  実験は,当大学運動療法検査室にて行った.クラブは著者の用意した一般的に市販されているものを用いた.ボール付練習用マット(株式会社タバタ社製)のボールを目標とし,重心動揺計付トレッドミルシステム(株式会社インターリハ社製ZEBRIS Win FDM‐T Version 2.0.1x)の上でアドレスをとり,スイング時(アドレスからフィニッシュまで)の重心動揺面積を測定した(図6)  距離測定は安全性を考慮し,実際の打球距離ではなく,ゴルフスイング距離測定機(株式会社ユピテル社製アトラス ゴルフスイングトレーナーGTS‐3アドバンス,図7)を用いて推定飛距離を測定した.この機器は予め使用クラブを選択し,飛球線上の後方1~2mに置くことで測定できる.マイクロ波センサーを用いてヘッドスピードやボールスピードを測定し,使用クラブの係数から推定飛距離を産出する.ボールスピードが検知できない場合,ヘッドスピードとクラブの係数から推定飛距離を表示するものである.本機器の説明書による飛距離産出基準は,市販の一般的なクラブによるデータを数多く収集し,得られた係数により推定飛距離を産出しているということである.条件は,平均的なスピン量,無風状態,フラットな地形,ランを含めた値であった.しかし,打球の方向性は加味されていない. 図6.重心動揺計付きトレッドミルとゴルフスイング距離測定機を用いた実験風景重心動揺計付きトレッドミルの上でアドレスし,ボール付き練習用マット(赤矢印)のボールを打ち,重心動揺面積を測定した.同時に,飛球線の後方にゴルフスイング距離測定機(白矢印)を置き,推定飛距離を測定した. 図7.ゴルフスイング距離測定機(ゴルフスイングトレーナーアトラスGTS-3アドバンス)(白矢印)   3-5-3 予備実験  本実験に先立ち,ゴルフスイング距離測定機の性能評価を目的として予備実験を実施した.被験者はブラインドゴルフ競技者,晴眼のシングルハンデプレーヤー,ティーチングプロの3名とした.一般のゴルフ練習場にて実施した.内容は,PWのゴルフ倶楽部を用いて30ヤード,50ヤード,70ヤードを目標に合計110回の実打を実施した.ゴルフスイング距離測定機による推定飛距離は被験者に伝えることなく,測定された推定飛距離と目視による実距離を記録用紙に記入した.2つの距離の相関を検討した.   3-5-4 本実験方法  実験は,被験者9名に対して,スイング後に①距離のフィードバックをかけない(以下,FBなし),②目標からのずれが3ヤード(ワンピン以内:次のパッティング1打でカップインする可能性が高いと言われている距離)を「ナイス」,それよりも大きいときは「大きい」,それよりも小さいときは「小さい」とフィードバックをかける(以下,三段階法),③飛距離をヤード数値によってフィードバックをかける(以下,数値法),の3種類を比較した.  各被験者は籤によりフィードバックの順番を決めた.その後,測定前に練習としてスイング毎にヤード数値による推定飛距離のフィードバックをかけて10回以上の練習を実施した.1人ずつ1つのフィードバック毎に50ヤードと70ヤードを交互に目標とし,5回ずつ10回スイングし,これをローテーションで3セットずつ,合計30回のスイングを測定した.これにより3種類のフィードバックの順番による偏りを排除した.フィードバックは毎スイングごとに口頭により実施した.  測定値をもとに,推定飛距離と目標飛距離の差の絶対値を,目標からの「ずれ」として外在的フィードバック間と試行回数での変化を二元配置分散分析反復測定法で検討した.また,重心動揺面積は推定飛距離との相関をピアソンの相関係数で求め,外在的フィードバック間と試行回数の変化を二元配置分散分析反復測定法で検討した.統計解析ソフトウェアは,IBM SPSS Statistics (version 21)を使用した. 3-6 結果   3-6-1 予備実験結果  ゴルフスイング距離測定機による推定飛距離と目視による実距離の相関を求めた.相関係数r=0.955(p<0.01)で有意に正の強い相関が認められた(図8). 図8.ゴルフスイング距離測定機による推定飛距離と実距離の散布図   3-6-2 目標からのずれ  目標からの「ずれ」は,測定された推定飛距離から目標飛距離を引き,その値を絶対値にして,ディスタンスの数値として用いた.50ヤード,70ヤードにおける「ずれ」の平均値をフィードバック別に比較した.被験者別の目標からの「ずれ」の平均値において,50ヤードの三段階法で「ずれ」の平均値が少なかったが,有意差は認められなかった(図9,表4). 図9.被験者別の目標からのずれの平均値(上:50ヤード,下:70ヤード) 表4.フィードバック別の目標からのずれの平均値(ヤード)  各被験者のスイング第1打はフィードバックがなかったため,フィードバック後の1回目から4回目までの「ずれ」の平均値の変化を検討した(図10).50ヤードでは,3つのフィードバックの間で有意に異なる変化パターンを示した(交互作用:p<0.05).フィードバックの三段階法における「ずれ」の平均値が少なかった.70ヤードでは,3つのフィードバックの間で交互作用は認められなかった(p=0.068). 図10.フィードバック後のスイングにおける目標からの「ずれ」の平均値(N=9)(上:50ヤード,下:70ヤード) *:50ヤードでは,3つのフィードバックの間で有意に異なる変化パターンを示した(交互作用:p<0.05).フィードバックの三段階法における「ずれ」の平均値が少なかった.70ヤードでは,3つのフィードバックの間で交互作用を認めなかった(p=0.068).   3-6-3 重心動揺面積  重心動揺面積とゴルフスイング距離測定機で測定された推定飛距離との相関を求めた.相関係数r=0.153(p<0.05)で相関は認められなかった(図11). 図11.重心動揺面積と推定飛距離との相関  次に,フィードバックによる重心動揺面積の平均値(表5)とフィードバック後のスイングにおける変化を検討した.各被験者の1回目はフィードバックがなかったことから,フィードバック後の1回目から4回目の結果を用いて,フィードバックによる重心動揺面積の変化を50ヤードと70ヤードの距離別に検討した(図12).平均値,スイング後の変化において,50ヤード,70ヤードともにフィードバック間で統計的に有意差は認められなかった. 表5.フィードバック別重心動揺面積の平均値(mm2) 図12.フィードバック後のスイングにおける重心動揺面積の平均値(上:50ヤード,下:70ヤード) 50ヤード,70ヤードともに統計的に有意差は認められなかった. 3-7 考察  今回の実験では,ゴルフのスコアメイクで最も重要と言われるアプローチショットを想定し,50ヤード,70ヤードを目標にしたアプローチショットにおいて推定飛距離と重心動揺面積との相関を調べ,内在的フィードバックの影響を検証した.また,スイング施行後に,口頭による外在的フィードバックをかけ,その効果を検討した.外在的フィードバックの内容は実際のラウンドでも発声されることが多い「ナイス」「大きい」「小さい」を用いた三段階法.この「ナイス」の範囲は通常のゴルフでアプローチの際目標とされるワンピン以内(±3ヤード)とした.また,もうひとつは飛距離をヤード数値によって与える数値法とした.  フィードバックと運動スキルに関する研究は,長い歴史があり,練習を通じてパフォーマンスをより効果的にするために必須だと考えられている42).初期の研究では,より正確に,より頻繁に,より即時的に,より情報を豊富にといったフィードバックが学習を最適化すると考えられていた43,44,45,46).  しかし,これらの考えは徐々に疑問視され,運動スキル学習においてフィードバックが与えられたときに多くの要因が関与しており,単純ではないとされている.運動学習における保持テストは,フィードバックのない状態で行われるが,操作の一時的な違いに左右されないため学習内容を評価するには必須である34).初期の多くの研究において,このテストがなされていないことを指摘し,Salmoniらはガイダンス仮説を提唱した47,48).ガイダンス仮説とは,フィードバックは学習者を正しい運動に導くガイドとなるが,頻繁にフィードバックを与えすぎると過度にそれに依存し,内在的フィードバックを無視するようになり,悪影響を与えるというものである(依存性産出:the dependency-producing effects of feedback).また,頻繁なフィードバックは練習時のパフォーマンスを不安定にする.運動システムが本来持っている可変性と思われる小さな誤差でさえも修正を促してしまうからである(不適応修正:maladaptive short-term correction).このフィードバックの否定的特性である依存性産出や不適応修正の発生を防ぐために帯域幅フィードバック,要約フィードバックなどが考案された.  帯域幅フィードバックは,目標値に対して一定の帯域幅を持たせて,学習者の試行結果がこの幅を外れたときのみエラーの量と方向のフィードバックを付与する方法である.これは,すべての試行に対してフィードバックを与えるより学習効果が高い49,50,51)とされる.帯域幅については,課題が困難なほど帯域幅を広く設けた方がよいとされるが,その設定は徐々に帯域幅を変化させた研究52),標準偏差から設定した研究53)などが行われている.  要約フィードバックは,数試行分の結果をまとめてグラフなどで与える方法である.要約フィードバックを付与された群は,毎試行フィードバックを与える群より練習中のパフォーマンスは劣るものの,保持テストにより逆転現象が起こり高い学習効果をみせる54).また,この要約フィードバックを変形した平均フィードバックはいくつかの施行の平均を伝えるものである.これも要約フィードバックと同様に施行ごとのフィードバックより学習効果があるとされる55).  ゴルフスイングのような運動時間の短い分離運動では,運動の開始前に環境や課題にあった運動プログラムが準備され,そのプログラムによって運動が行われる.これに対するフィードバックによって,反射的に,あるいは,随意的に運動制御が行われるが,外在的フィードバック,内在的フィードバックのいずれもが関与していると考えられる34).  内在的フィードバックに関して,推定飛距離と重心動揺面積との間には相関は認められなかった.また,スイング後の外在的フィードバックによる効果も見られなかった.アプローチショットにおいて30ヤード程度の短い距離では,アドレスで両足をそろえて重心移動を使用せずにスイングする方が良いとされるが,50ヤード,70ヤードになると飛距離を大きくするために重心移動を少なからず利用する.重心移動は飛距離を大きくするための推進力として考えられている5,41).距離をコントロールしたスイングでは,重心移動の関与は少なかったものと考えた.また,スイング時,特にインパクトの時に作用する筋の収縮タイミングが飛距離に関与すると考えられている5)ことや実験後の被験者への聞き取り調査(資料3)より,スイングの大きさで距離調整を考えていると回答が多かったことから,意識的に重心移動を距離調整に使用することは少ないと考えられた.アプローチショットの距離調整には,内在的フィードバックである重心移動は関与せず,他の機能が用いられているものと推察された.  外在的フィードバックに関して,目標からの「ずれ」の50ヤードで三段階法にて効果が認められ,数値法では効果が認められなかった.実験後の聞き取り調査にて,被験者の多数は,数値法が一番やりやすく,その理由としては具体的な数値が分かりやすいとの解答であった.また,距離調整は10ヤード刻みで考えているとの回答が多かった.以上より,1ヤード刻みでの数値によるフィードバックは詳細なエラー情報として有用であるが,プロゴルファーのように1,2ヤード刻みでの調整をすることが可能なスキルレベル41)ではない.そのため距離調整の運動プログラムを過剰に修正しスイングが不安定となり51),目標からの「ずれ」の減少に生かされなかったと考えた.三段階法では帯域幅を設け,エラー情報を簡略化した.そのことにより,過剰な修正を小さくし,不適応修正を軽減したのではないかと考えた.この結果は帯域幅フィードバックを支持する先行論文49,50)と同様の結果であった.  70ヤードにおいては,外在的フィードバックによる効果が認められなかった.その一つの理由としては,三段階法で70ヤードでも50ヤード同様に±3ヤードの帯域幅を設けた.これはパフォーマンスの目標に対する割合が,50ヤードの6%に対し,70ヤードでは4.3%であった.運動学習の効果が出やすい帯域幅といわれている5~20%に相当せず52),難易度が高すぎたと考えられた.帯域幅の設定については,被験者のスキルや課題特性を考慮した検討が必要であったと反省している.  また,今回の実験で使用したボールは材質や重量など通常のボールとは異なり,クラブからの打感や打球音が普段と違った点,クラブが本人のものではなかった点,実験場所がインドアであり,周りに物が多かったことで集中できなかったなど,実験後の聞き取り調査で環境面での違和感についての解答があった.これらも実験結果に影響したと考えられた.  本研究の結果は,仮説とは異なり,内在的フィードバックである重心移動は関与せず,外在的フィードバックにおける50ヤードの三段階法のみ効果がみられ,その他の条件では効果が見られなかった.今後,フィードバックの条件を変えて,効果的な外在的フィードバックの研究を重ねていく必要があると考えた.  ゴルフのアプローチショットにおける運動学習には,事前の目標や課題のイメージ形成,実行計画や動作のまとまり,誤差修正のためのフィードバックなどに関する情報処理過程のコントロールが重要であるとされている56).また,運動学習の時期について一般に学習には,認知段階(cognitive stage),連合段階(associative stage),自動化段階(autonomous stage)の3つの段階があるとされている57).フィードバックは段階が進むにつれ,頻度を減少させるとともに,内在フィードバックの依存を視覚から固有感覚に切り替えていくのがよいとされている.視覚的フィードバックは,学習時期の初期に使われることが多いことから,視覚的フィードバックを補償することは,熟練した自動化段階へと技術向上していくために重要であると考えられた56). 第4章 本研究の限界と今後の展望  本研究において,距離測定は,実打ではなく,ボール付き練習マットのボールを目標としたスイングのゴルフスイング距離測定機にて測定された推定飛距離を用いた.そのため,ボールスピードは測定されず,クラブのヘッドスピードと機器の係数からのみの推定飛距離であった.この測定された推定飛距離の結果は,方向性,ミート率,クラブフェイスの向きなど飛距離に関与すると考えられる要素が排除されているため,結果への影響も無視できず,今回の実験の1つの限界であると考えた.  内在的フィードバックの指標として,スイング時の重心動揺面積を用いたが,アプローチショットの距離調整には重心移動は関与していないことが明らかとなった.内在的フィードバックは,客観的に表すことが難しいが,今回の重心動揺面積だけでなく,実験後の聞き取り調査で回答のあったスイングの大きさ(バックスイングの高さ)やグリッププレッシャーの強さなど他のパラメーターでの検証も必要であると考えた.  外在的フィードバックは,スキルレベルに応じて与える情報を考慮する必要があると言われている42,58).そのため,被験者数を増やし,ハンディキャップなどを考慮したスキルレベルによる検討を行う必要があると考えられた.また,今回は実験室のみの即自的なパフォーマンスの結果であり,その後の保持テストは実施できていない.運動学習の効果を判断するためには,スキルの保持能力も確認する必要があると考える.  本実験で使用したゴルフスイング距離測定機は,視覚障害者には使用が困難である.しかし,音声による認識や操作が可能になれば単独での使用も考えられる.これにより練習機会の増加が期待できる.これら関連機器のユニバーサルデザイン化もブラインドゴルフ競技者の競技支援の一助として重要であると考えられる.また,GPS端末などの科学技術の発展から外在的フィードバックの情報補償の拡大も期待される.  ブラインドゴルフでは,視覚という有用な情報収集手段に制限がある.このような視覚障害に対する情報補償に関して,外在的フィードバックによる即時的なパフォーマンスへの効果や保持的な学習効果の研究が積極的に行われ,そのエビデンスが構築されていくことが期待される.アプローチショットの技術が向上することによりブラインドゴルフの競技性が高まり,パラリンピックなどの競技大会の正式競技となれば幸いである. 第5章 結論 1,アンケート調査によりブラインドゴルフの現状調査を実施した.調査結果より,競技環境の整備,競技支援のための研究(視力補償)の必要性が課題として考えられた. 2,アプローチショットの距離調整に及ぼすフィードバックの検討を行った.内在的フィードバックの指標として,重心動揺面積測定による重心移動を用いた.アプローチショットの飛距離と重心動揺面積には相関がなく,距離調整に内在的フィードバックである重心移動は関与していないことが分かった. 3,外在的フィードバックの指標として,アプローチショット時にフィードバックがない場合と2種類のフィードバックを行った場合における目標飛距離からの「ずれ」を測定した.全体として,フィードバックがない場合と比べ,2種類のフィードバックを行った場合の目標飛距離からの「ずれ」の有意な減少は認められなかったが,50ヤードのアプローチショットにおける三段階法の外在的フィードバックで「ずれ」の減少が認められた. 4,内在的フィードバックよりも,外在的フィードバックがブラインドゴルフの競技力向上の視力補償として寄与する可能性が示唆された. 謝辞 指導教官の筑波技術大学技術科学研究科 木下 裕光教授には,本研究の実施および修士論文の執筆にあたり,終始暖かい激励とご指導,ご鞭撻をいただきました.心より厚く御礼申し上げます. 副指導教官の同研究科 大沢 秀雄准教授には終始暖かい激励とご指導を頂きました.心より感謝申し上げます. 同研究科 松下 昌之助教授にはご指導ならびにご鞭撻を頂きました.心より感謝申し上げます. 筑波技術大学大学院コース長 薄葉 眞理子教授には,筑波技術短期大学在学中よりお世話になり,入学前,入学後とご助言ならびに精神的支援をしていただきました,心より感謝申し上げます. 筑波技術大学理学療法学科 石塚 和重教授,井口 正樹講師,中村 直子助教,附属東西医学統合医療センター佐久間 亨助教,技術科学研究科 田崎 浩司さんには研究実験にあたり貴重なお時間を割き,細やかなところまでご指導ならびにご支援を頂き,大変お世話になりました.心より感謝申し上げます. 研究を進めるにあたり貴重なご助言をいただきました筑波技術大学の多くの先生方に心より感謝申し上げます. 研究を進めるにあたり,文献の収集やテキスト化でご支援して頂き,お世話になりました筑波技術大学視覚障害系図書館の職員の皆様に心より感謝申し上げます. 研究を進めるに当たり,アンケート結果や実験結果を音読して下さった障害者高等教育研究支援センターの納田 かがりさんに心より感謝申し上げます. 本研究の実施にあたり,被験者を快く引き受けていただき,ご協力くださいましたNPO法人日本ブラインドゴルフ振興協会,NPO法人日本視覚障碍者ゴルファーズ協会のゴルフを愛する皆様に心より感謝申し上げます. 最後に陰ながら支えてくれた家族父(照一),祖母(ふみ)に感謝いたします. 参考文献 1)半田 晴久:ブラインドのみなさん,外へ出てゴルフをしよう!.たちばな出版,東京,2006;pp6-76. 2)チャールズ・メイヨー:感動の盲人ゴルフ.橘出版,東京,1993;pp45-50. 3)United States Blind Golf Association:http://www.usblindgolf.com/history.htm. 4)日本ブラインドゴルフ振興協会:ブラインドゴルフ競技規定(2012年11月度版). 5) 川上 泰雄,井出 敦他:ゴルフスイング中の筋活動およびキネティクス-プロゴルファーの事例研究.スポーツ科学研究2006;18-29. 6)尾県 貢:飛ばすための体力.ゴルフの科学2002;22-23. 7)山本 唯博,白河 善美 他:中年ゴルファーの股関節筋力測定‐内・外転筋力について.臨床スポーツ医学2008;676-681. 8)森 悟,朝山 正己:ジュニアゴルファーのスイング能力の分析.ゴルフの科学2004;41-42. 9)Pink,M.,Jobe,F.W.,et al.:Electromyographic analysis of the shoulder during the golf swing.Am.J.Sport Med 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52)Goodwin,J.E.,Meeuwsen,H.J.:Using bandwidth knowledge of results to alter relative frequencies during motor skill acquisition.Research Quarterly for Exercise and Sport 1995;99-104. 53)石倉 忠夫:帯域幅法による結果の知識提示がタイミング習得に及ぼす効果‐パフォーマンス結果の安定度に基づく帯域幅設定方法の有効性.同志社スポーツ健康科学2009;39-44. 54)Lavery,J.J.:Retention of simple motor skills as a function of type of knowledge of results.Can J Psychol 1962;300-311. 55)Yao,W.,Fischman,M.G.,et al.:Motor skill acquisition and retention as a function of average feedback, summary feedback, and performance variability.Journal of Motor Behavior 1994;273-282. 56)坂本 和丈:ゴルフスキルの学習過程における認知的方略の変化について.鳴門教育大学実技教育研究2007;21-26. 57)Fitts, P.M.:Perceptual-motor skills learning.In A.W.Melton (Ed.),Categories of human learning,Academic Press,New York,1964;pp243-285. 58)Perkins-Ceccato,N.,et al.:Effects of focus of attention depend on golfers'skill.J Sports Sci 2003;593-600. 資料(アンケート用紙・聞き取り調査表) 資料1. ブラインドゴルフについてのアンケート(競技者用) <プロフィール> ①性別:男・女 ②年齢:  歳 ③視力(クラス):B1・B2・B3・その他 ④ゴルフ歴:  年 ⑤視力障害になる前のゴルフ歴:  年 ⑥ハンディキャップ: <プレー状況> Ⅰ-1 ラウンドの頻度(1カ月):0~1回・2回・3回・4回・5回以上 Ⅰ-2 指導者にレッスンを受ける頻度(1カ月):0~1回・2回・3回・4回・5回以上 Ⅰ-3 練習場の頻度(1カ月):0~1回・2回・3回・4回・5回以上 Ⅰ-4 練習での介添者はいますか?   いつもいる・ときどきいる・いなくて困っている Ⅰ-5 練習時どなたに介添者をお願いしていますか?(MA可)   協会の介添者,友人,家族(夫婦),家族(親子),家族(兄弟),ヘルパー,その他() Ⅰ-6 自宅ではどのような練習をしていますか?(複数回答可)   ストレッチ,筋力トレーニング,素振り,パター練習,練習器具でのトレーニングその他() <全般> Ⅱ-1 ブラインドゴルフを何で知りましたか?   家族から聞いた,知人から聞いた,インターネットで知った,雑誌等で知った,その他( ) Ⅱ-2 ブラインドゴルフの目的は何ですか?(複数回答可)   健康,趣味,自己挑戦,充実感,交流,その他( ) Ⅱ-3 ブラインドゴルフの効果は何ですか?(複数回答可)   交流関係拡大,健康維持促進,積極的になった,自信がついた,行動範囲が広がった,明るくなった,楽しみが増えた,向上心がついた,その他( ) <視力の代わり> 以下の時,視力の代わりにどのような感覚で情報を得ているとお考えですか? Ⅲ-1 スイング時(複数回答可)   スイングイメージ,関節の位置,重心の位置,リズム,その他( ) Ⅲ-2 ボールの飛距離や方向(複数回答可)   打球音,クラブからの打感,雰囲気,スイングの大きさ,周りの人の声,その他( ) Ⅲ-3 グリーン上の起伏やライン(複数回答可)   足底からの感覚,ガイド説明からのイメージ,距離感のみ考える,その他( ) <障害・外傷> Ⅳ-1 ブラインドゴルフにより怪我をしたことはありますか?   なし・ある(以下にお答え下さい)   ①部位:頭,顔,首,背中,腰,肋骨,肩,肘,手首,股,膝,足首 ,その他( )   診断:捻挫,打撲,骨折,慢性疼痛,その他( )   どんな状況で怪我をしましたか?   ゴルフ場までの移動中,ラウンド中の転倒,カートの乗り降り,クラブ・ボールがぶつかった,オーバースイング,疲労,その他( )   ②部位:頭,顔,首,背中,腰,肋骨,肩,肘,手首,股,膝,足首 ,その他( )   診断:捻挫,打撲,骨折,慢性疼痛,その他( )   どんな状況で怪我をしましたか?   ゴルフ場までの移動中,ラウンド中の転倒,カートの乗り降り,クラブ・ボールがぶつかった,オーバースイング,疲労,その他( )   ③部位:頭,顔,首,背中,腰,肋骨,肩,肘,手首,股,膝,足首 ,その他( )   診断:捻挫,打撲,骨折,慢性疼痛,その他( )   どんな状況で怪我をしましたか?   ゴルフ場までの移動中,ラウンド中の転倒,カートの乗り降り,クラブ・ボールがぶつかった,オーバースイング,疲労,その他( )   *怪我が3件以上ある場合は用紙をコピーしてご記入下さい.ご協力有難うございました. 資料2. ブラインドゴルフについてのアンケート(介添者用) <プロフィール> ①性別:男・女 ②年齢:  歳 ③介添者歴:  年 ゴルフ歴:  年 ④介添者(パートナー・ガイド)講習会受講の有無:有・無 <介添者としての状況> Ⅰ-1 介添者でのラウンド頻度(1カ月):   0~1回・2回・3回・4回・5回以上 Ⅰ-2 介添者での練習(会)頻度(1カ月):   0~1回・2回・3回・4回・5回以上 Ⅰ-3 どなたの介添者についていますか?(複数回答可)   家族(夫婦),家族(親子),家族(兄弟),友人,協会会員,その他( ) <全般> Ⅱ-1 ブラインドゴルフを何で知りましたか?   家族から聞いた,知人から聞いた,雑誌等で知った,インターネットで知った,その他( ) Ⅱ-2 ブラインドゴルフの目的は何ですか?(複数回答可)   健康,交流,プレーのお手伝い,ゴルフの楽しみを伝えたい,その他( ) Ⅱ-3 ブラインドゴルフの効果は何ですか?(複数回答可)   交流関係拡大,健康維持促進,行動範囲が広がった,楽しみが増えた,プレーヤーに感銘を受けた,自分のプレーが上達した,その他( ) <視力の代わり> Ⅲ-1 プレー中の説明で重点を置く所は何ですか?(複数回答可)   コースレイアウト,ターゲットまでの距離,打つ場所のライ,打球の方向,体の向き,スイングの状況,精神的なフォロー,ルール・マナー,その他( ) ご協力有難うございました. 資料3. 実験に関する聞き取り調査 問1 実験時に打ったボールは普段のボールと比べ,どんな感じでしたか?打球結果の手がかりになりましたか? ①クラブからの打感は? ②打球音は? 問2 実験で行った3種類のフィードバック「なし」,「三段階法(ナイス,大きい,小さい)」,「数値法(距離を伝える)」でどのような感じを受けましたか? ① やりやすかった順番を教えてください. やりやすかった順番1:  2:  3:   ②その理由を教えてください. 問3 自分の距離感覚と伝えられた距離とでどのような感じを受けましたか? 問4 普段のゴルフで距離の打ち分けではどのぐらいを目標としてアプローチしますか? (例),20ヤード,15ヤード,10ヤード,5ヤード,3ヤード,1ヤード) 問5 通常のゴルフ環境とはいろいろな面で違いがあったと思いますが,何か印象的に違った点,これがあればやりやすかったというものがあれば教えてください. 問6 今後の参考にご意見ご感想をご自由にお書きください. 重ね重ねのご協力,有難うございます. ご不明な点がございましたら,お気軽に鈴木まで問い合わせください.