p.59 第4章 実践編  実践編は、基礎編で学んだことを活かし、あなた自身が行動を起こすためのワーク集です。自分にとって必要なワークから始めてみましょう。  ワークシートは、PDFファイルの形でこの巻末のCD-Rにも保存してあります。何度かやってみたい、書き直したい時には、プリントアウトしてご利用ください。 ワーク1 大学の情報を集めよう p.60  対象者:高校生 ワーク2 自分らしく学ぶために p.74  対象者:高校生、大学生、社会人 ワーク3 支援について相談しよう p.89  対象者:大学生、社会人 ワーク4 身の回りのリソース・相談先を知ろう p.111  対象者:大学生、社会人 ワーク5 セルフアドボカシースキルを確認しよう p.126  対象者:大学生、社会人 p.60 実践編 ワーク1-1 大学の情報を集めよう―インターネットで調べよう― 【まずは、情報収集から!】  「大学に行きたいな」と思ったら、まずは情報収集から始めてみましょう。興味のある大学、行きたい大学のウェブサイトを閲覧したり、資料を取り寄せたりして、どんどん情報を集めましょう。学べることは何か、取得できる資格は何か、どんな環境で学ぶのか、など、自分が知りたいことはもちろん、その大学で、障害のある学生へどのような支援が行われているのかを知ることも大切です。それぞれの大学でどのような支援が行われているのか、このワークを通して調べていきましょう。 【やってみよう!】  興味のある大学の状況を調べて、ワーク1-1を埋めてみましょう。今は埋められる範囲で構いません。わからなかったことは、オープンキャンパスや個別の質問でこれから確認していきましょう。 【どうやって?】 □検索エンジンで検索  インターネットの検索エンジン(Google、Yahoo!など)で「大学名障害支援」と入力して検索すると、その大学の支援担当部署がわかります。支援担当部署のウェブサイトがある場合は、提供している支援メニューや相談窓口などが掲載されています。 画像:検索エンジンの検索窓の絵に、キーワードとして「○○大学 障害 支援」と書かれている。 p.61 □PEPなびで検索  PEPNet-Japanが運営する「聴覚障害学生支援MAP(通称PEPなび)」には、各大学の支援に関する情報が掲載されています。  大学の支援体制や聴覚障害学生の在籍状況、支援事例などが掲載されているので調べてみるといいでしょう。 URL:http://pepnavi.net/ 画像:QRコード(上記URLをQRコードに変換したもの) □ウェブサイトを見ても支援の様子がわからない場合  もし大学のウェブサイトに支援に関する記載がない場合は、 ・オープンキャンパス担当部署(入試課など) ・支援担当部署(障害学生支援室、学生課など) などに直接連絡をしてみましょう。 <ポイント> ・受験勉強で忙しくなる前に、早い段階から情報収集をしておきましょう。 ・保護者任せにするのではなく、主体的に自分から動いていきましょう!主役は自分です! →ワーク1-1 p.70へ ページが少し飛びます p.62 実践編 ワーク1-2 大学の情報を集めよう―メールを送ろう― 【オープンキャンパスに行ってみよう!】  志望校が少しずつ定まってきたら、オープンキャンパスに行ってみるのも良いでしょう。オープンキャンパスは、模擬授業を受けたり、その大学の学生や教職員と話すことができたりと、大学の雰囲気を直に感じることができる貴重な機会です。また、大学の障害学生支援について直接質問ができることもあります。ワーク1-1を踏まえて、もっと深く知りたいこと、直接聞いてみたいことが出てきた場合には、ぜひオープンキャンパスに足を運んでみましょう。 【やってみよう!】 ・オープンキャンパスで個別相談を希望したい ・オープンキャンパスに行けないけれど、支援について聞きたことがある など、大学に直接問い合わせてみたいことがある場合には、メールを送ってみましょう。 p.63 【どうやって? 】 □大学のウェブサイトをチェックする  ウェブサイトのオープンキャンパスのページで、障害学生を対象とした個別相談があるかどうかをチェックしましょう。個別相談が設けられている場合は手順にしたがって申し込みをしましょう。 ※大学によっては、オープンキャンパス時の模擬授業の情報保障など、支援を提供しているところもあり、支援を体験できる機会にもなります。こちらもあわせて確認しましょう。 □大学に直接問い合わせてみる  サイトなどを見ても個別相談があるかどうかわからない場合には、事前に入試担当部署や支援担当部署にメールをしてみましょう。その場合には、 ①個別の相談が可能かどうかを聞き、 ②聞きたい事柄はなにかを伝えましょう。  そうすることで、障害学生支援に詳しい担当者が対応してくれる場合もありますし、担当者ではなくても、質問の内容に答えられるように、事前に学内の情報を集めておいてくれると考えられます。  ワーク1-2を参考に、問い合わせのメールを作成してみましょう。 画像:学生(女性)がパソコンでメールを打ち、送信している。 p.64 <ポイント> ・個別相談や、模擬授業での支援の申し込みは早めに締め切られることがほとんどです。 余裕を持って情報を集め、申し込みをし、必要があれば、早めに大学へ問い合わせましょう。 ・個別相談では、事前に聞きたいことの優先順位をつけておきましょう。相談時間に限りがある場合もあります。 聞きそびれてしまったことは、後日、直接メールをして尋ねてみても良いでしょう。 →ワーク1-2 p.65へ p.65 【ワーク1-2 大学に問い合わせメールを送ろう】  メールを送る前に、聞きたいことを箇条書きで整理しましょう。 ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) <解説>  メール作成のポイントとして、以下のことに気をつけましょう。 1.件名  必ず件名を入れましょう。件名がないと何についてのメールなのかわかりません。 例1)オープンキャンパスでの個別相談について 例2)貴学の障害学生支援について 2.宛名  本文の初めに、誰に対してメールを送っているのかがわかるよう、宛名を書きましょう。 例1) 〇〇大学 入試課  ご担当者様 例2) △△大学 障害学生支援室  ご担当者様 3.自己紹介  誰からのメールかわからないと、受け取る側も困惑します。 きちんと自己紹介をしましょう。 例) 初めてご連絡を差し上げます。 私は△△高校2年の田中太郎と申します。 p.66 4.メールの目的  なぜ、メールを送ったのか、簡潔に理由を述べます。   例1) 私は、○月○日に開催されるオープンキャンパスに伺う予定ですが、その際に貴学の支援について、直接ご相談させていただきたいと思っております。 例2) 私は現在、貴学の受験を検討しており、情報を集めているところなのですが、聴覚障害があるため、貴学でどのような支援が行われているのか、お伺いしたく思っております。 5.相手の都合  オープンキャンパスなど、直接伺って相談を希望する場合には、相手の都合を確認しましょう。   例) つきましては、オープンキャンパスに伺った際に、個別相談のお時間を設けていただくことは可能でしょうか。 6.当日聞きたいこと  当日、聞きたいことを簡潔に書きましょう。 例) 相談の際、お尋ねしたい内容は以下の通りです。 1. 2. 3. <p.65で整理した内容を書きましょう> 7.相談時の情報保障・コミュニケーション  直接相談する際、手話通訳やパソコンノートテイクなどの情報保障が必要な場合は、手配してもらえるかどうかを確認しましょう。  また、普段のコミュニケーション手段を伝えておくと、相手もコミュニケーションのイメージがしやすくなります。 p.67 例1) 私は普段から手話でコミュニケーションをとっているため、ご相談時の情報保障については、できれば手話通訳の利用を希望しています。この点について、大学側でご準備いただくことは可能なものでしょうか。難しい場合には、対応を相談させていただければと思いますのでご検討のほどお願いします。 例2) 私は普段、補聴器を使用し、口話でコミュニケーションをとっております。ご相談時は、口元を見せてはっきりお話ししていただけますと助かります。聞き取れない際には、筆談をお願いすることもありますので、よろしくお願いいたします。 8.所属、名前、連絡先  最後に自分の所属、名前、連絡先を記載します。 例) ○○高校 田中太郎 ~~~@~~~~.jp FAX 01-2345-6789 p.68 実践編 ワーク1-3 大学の情報を集めよう―情報を整理しよう― 【集めた情報を整理しよう】  ワーク1-1、1-2を通して、大学ごとにたくさんの情報を集めてきたと思います。情報を集めたら終わり…ではなく、それらを整理し、振り返り、比較してみましょう。 【やってみよう!】  オープンキャンパスや個別の質問でわかったことを、ワーク1-1で記入したシートに追加で記入し、比較してみましょう。 【どうやって?】 □自分の希望と大学の現状を比較してみよう  自分の足で情報を集め、自分の目で確かめてくると、自分の理想と現実の間にギャップが生まれることもあるでしょう。  あなたが大学で学びたいこと・チャレンジしたいこと、大学の環境、希望する支援などを、集めてきた情報と比較し、一つ一つ、丁寧に確認しましょう。その上で、譲れないこと、妥協できることを整理すると、より明確に先を見据えることができるかもしれません。 □複数の大学で比較してみよう  複数の大学のオープンキャンパスへ足を運んだ方も多いでしょう。大学間で比較することにより、それぞれの大学の良いところ、足りないところが浮き上がってくると思います。  支援体制についても同様です。大学ごとに支援体制、支援室の雰囲気、提供している支援など、様々な違いがあります。それらをよく確かめましょう。理想と現実の比較も同様ですが、大学間でも比較することで、自分にとって必要なものの見極めにつながることがあるかもしれません。 p.69 <ポイント> ・支援の有無で志望校を変える必要はありません。 ・まずは「自分が行きたい!」と思った大学に向かって頑張りましょう。 ・比較した上でもっと知りたいと思ったことは、早めに問い合わせましょう。 <解説> 「支援体制が整っているから、ここにしよう」 「支援があるなら、これにしよう」  こうした考えを持ってしまうこともあるかもしれませんが、支援の有無ばかりにこだわってしまうと、自分がやりたいことにチャレンジできなくなってしまうこともあります。  支援体制が整っていなくても、大学と交渉を続け、少しずつ支援体制が整い始め、自分が受けたい授業を受けられるようになるまで、道を切り拓いてきた先輩たちもたくさんいます。  自分の「やりたいこと」を大切に、これからの進路をじっくり考えていきましょう。 画像:大学の講堂のような大きな建物。 →ワーク1-3 p.70へ p.70 【ワーク1-1、ワーク1-3大学の情報整理シート】  このシートでは3大学までの情報を記入できます。整理し、比較してみましょう。大学の数が3校より多い場合は、書き込む前にコピーするか、または巻末のCD-Rの中におさめられているシートのPDFファイルをパソコンで開き、印刷して使用してください。 ※テキスト化にあたっての補足説明 実際のワークシートは、縦4列になっています。一番左の列は、記入すべき項目が縦に並んでおり、その右3行に各大学の情報を書き込むレイアウトになっています。これは、3大学の比較を容易にするためです。以下のテキストでは、3大学分を並べると、音声読み上げ時に何度も同じ内容が繰り返し読み上げられてしまうため、1大学分を記載しています。複数大学を比較したい場合は、該当部分をコピー&ペーストする等工夫して使用してくだい。 ===ここからワークシート=== 大学名:(記入してください) 興味のある学部:(記入してください) 取得可能な資格:(記入してください) 大学としての支援体制の有無:(どちらか選択してください)あり(→いつから(  年頃))・なし 支援担当部署名:(記入してください) 支援担当部署の連絡先:メールアドレス:(記入してください) FAX:(記入してください) 提供している支援:(当てはまるものを選択してください)  1 ノートテイク(手書き・PC)  2 手話通訳  3 座席の配慮  4 補聴援助機器の利用・貸出  5 映像教材への字幕挿入  6 ICレコーダーの持込  7 配慮依頼文書の配布  8 その他:(記入してください) p.71 聴覚障害学生の在籍:(当てはまるものを選択して記入してください)  あり→在籍学部:(記入してください)、利用中の支援:(記入してください)  なし→過去あり:((記入してください)年頃)、全くなし 支援申請の流れ 申請先、提出書類などを確認しましょう。  受験:(記入してください)  入学式:(記入してください)  履修時:(記入してください) p.72 入試上の配慮(大学の個別入試):(記入してください) 困難が予想される場面と過去の対応例 ★実習、実験、実技、留学など:(記入してください) 支援室の雰囲気:(記入してください) サークルの様子 ★手話サークル、その他興味のあるサークル:(記入してください) 食堂の様子:(記入してください)   寮の様子:(記入してください) 先輩たちのアルバイトの様子:(記入してください)   p.73 その他(センター入試での配慮など)★ワーク1-3で書きましょう:(記入してください) 良いなと思ったところ ★ワーク1-3で書きましょう:(記入してください) イメージと違ったところ ★ワーク1-3で書きましょう:(記入してください) 今回担当してくれた人の部署・名前 ★ワーク1-3で書きましょう:(記入してください) 自由欄 ★ワーク1-3で書きましょう:(記入してください) p.74 実践編 ワーク2-1 自分らしく学ぶために―“自分”発見!― 【自分のこと、どれくらい知ってる?】  皆さんは、普段の生活の中で、自分の「聞こえ」のことを、どれくらい相手に伝えられているでしょうか。友達にうまく理解してもらえられず、コミュニケーションで悩んでいる。あるいは、大学で、なかなか自分が思うような支援が得られずに悩んでいる。悩みはないけれど、進学・就職のことを考えると少し不安を感じている、そんな思いはありませんか。  伝えられない、あるいは、どのように伝えればよいのかわからないこともあるでしょう。しかし、伝えなければ何も始まりません。伝わらなければ何も変わりません。このワークを通して、「自分」を他者に伝えるために必要なことを身につけていきましょう。 【やってみよう!】  ワーク2-1(p.76)の枠の中のテーマについて、あなたが思っていること、わかっていることを書いてみましょう。最初は全てを埋められなくても大丈夫です。書けなかった部分は後から調べたり、自分で状況を整理してから書きましょう。 【どうやって?】 □自分の障害について整理しよう  あなたは、自分の「聞こえ」を、自分でどれくらい把握していますか?  「私は100dBの難聴です。」  これだけを言えても、相手には何も伝わりません。聴力レベルだけでなく、自分の聞こえ方、コミュニケーションのとり方など、総合的な「聞こえ」を相手にわかるように伝えるスキルがこれから必要になってきます。  あなたの「聞こえ」は、あなた自身にしかわかりません。相手にきちんと伝えられるように、自分の障害や聞こえを少しずつ整理していきましょう。 p.75 □できること・できないことを整理しよう 聞こえない/聞こえにくくても、できること。 聞こえない/聞こえないために苦手なこと。 それぞれ自分で説明できますか?  「聞こえないので支援してください。」だけでは、何をどう支援すればよいのか、相手もわかりません。支援を利用するためには、「自分は○○ができないから、こういう風に支援してほしい。」、「ここは自分でもできる。」というように、何が必要/不要なのかを具体的に伝える必要があります。  自分の障害や聞こえの整理とあわせて、自分ができること・できないことについても整理していきましょう。 <ポイント> ・整理をする時は、客観的な視点も大切です。いろんな人と話しながらまとめましょう。 ・高校までに支援を利用してきた学生の場合は、学校の先生と高校生活を振り返りながらまとめるのも有効です。 <解説>  自分の聞こえの管理を、これまで保護者や学校の先生に任せていた人も多いと思います。  ですが、あなた自身のことです。他人任せではなく、「自分ごと」として、少しずつ向き合っていきましょう。聴力検査の結果を見てみたり、補聴器や人工内耳の調整に、病院へひとりで行ってみたり…  できることからやってみませんか。 →ワーク2-1 p.76へ 次のページ p.76 【ワーク2-1“自分”発見シート】 画像:真ん中に万歳している人。その周りに自分の情報を書き込むコメント欄が配置されている。 年齢:(記入してください) 出身地:(記入してください) 小学校:(記入してください) 中学校:(記入してください) 高校:(記入してください) ろう学校の在籍経験の有無: □なし □あり 家族構成:(記入してください) 自分以外の家族の聴覚障害の有無: □なし □あり(誰?(記入してください)) 大学生活で楽しみにしていること:(記入してください) 大学生活で不安なこと:(記入してください) 性格:(記入してください) 得意なこと:(記入してください) 苦手なこと:(記入してください) 趣味:(記入してください) p.77 画像:右上隅に万歳している人。 普段のコミュニケーション方法(手話、口話、筆談、聴覚活用など) 家族:(記入してください) 友人(1対1):(記入してください) 友人(1対複数):(記入してください) 先生:(記入してください) コミュニケーションしやすい環境:(記入してください) コミュニケーションしにくい環境:(記入してください) 聞きとりやすい声:(記入してください) 聞き取りにくい声:(記入してください) ★どんな人と話している時が、わかりやすいですか?自分にとってコミュニケーションがとりやすい環境を振り返ってみましょう。る時が、わかりやすいですか?自分にとってコミュニケーションがとりやすい環境を振り返ってみましょう。 家族・友人・先生のコメント:(記入してください) p.78 画像:左側中央に真ん中に万歳している人。その周りに自分の情報を書き込むコメント欄が配置されている。 【聴覚障害について】 難聴が発覚した時期:((記入してください))歳頃 □先天性 □後天性 聴覚障害の種類: □伝音性 □感音性 □混合性 聴力(裸耳):(右 dB) (左 dB) ※「裸耳」とは補聴機器を装用していない状態のことです。 聴力(装用時):(右 dB) (左 dB) <装用機器 右:  左: > ★聴力検査の結果用紙を持っている場合は、大切に保管しておきましょう。 ★わからないところは主治医の先生や保護者などに尋ねてみましょう。 高校までに支援を利用した経験: □あり  利用した支援の内容:(記入してください) □なし  支援がない場合の勉強法:(記入してください) 障害者手帳の有無 □あり: □身体障害者手帳(等級: ) □精神障害者保健福祉手帳(等級: ) □療育手帳(区分: )  □なし 診断書の有無 □あり □なし 学校が作成する「個別の教育支援計画」の有無 □あり(内容の把握 □している □していない) □なし ※「個別の教育支援計画」というのは、一人ひとりのニーズに合わせた教育支援計画です。学校で作成していることが多いので、可能であれば先生に相談して手に入れておきましょう。 ★手帳や診断書がなくても支援を利用することは可能です。ただし、根拠資料として提出が求められる場合もあります。 p.79 画像:上段に万歳している人。その下に自分の情報を書き込むコメント欄が配置されている。 【聞こえについて】 補聴機器の使用: □なし □あり(下に詳細を記入しましょう) □補聴器(右・左) 装用開始時期((記入してください))歳頃 製品名((記入してください) ) 使用場面 □一日中 □特定の場面((記入してください) ) 聞こえ方((記入してください)) □デジタルワイヤレス補聴システム(FMシステムなど) 使用開始時期((記入してください))歳頃 製品名((記入してください) ) 使用場面 □一日中 □特定の場面((記入してください)) 聞こえ方((記入してください)) □人工内耳(右・左) 装用開始時期((記入してください))歳頃 製品名((記入してください)) 使用場面 □一日中 □特定の場面((記入してください)) 聞こえ方((記入してください)) □その他((記入してください))(右・左) 装用開始時期((記入してください))歳頃 製品名((記入してください)) 使用場面 □一日中 □特定の場面((記入してください)) 聞こえ方((記入してください)) 家族・友人・先生のコメント: p.80 実践編 ワーク2-2 自分らしく学ぶために―発見!学びたいこと・必要な支援― 【自分にとって必要な支援は何だろう?】  ワーク2-1では、自分の状況を整理しました。これまで深く考えていなかったけれど、シートを通して改めて気づかされたことも多かったのではないでしょうか。こうして少しずつ「自分」や「聞こえ」を知ると、自分にとって必要なものは何なのかを考える材料になります。このワーク2-2では、自分が学びたいことを学ぶために、やりたいことを実現するために、必要な支援は何かを一緒に考えましょう。 【やってみよう!】  あなたが学びたいこと、やりたいことを書き出し、そのアプローチ方法を考えてみましょう。  わからないところは情報収集し、わかった時点でどんどん追記していきましょう。 【どうやって? 】 □やりたいこと・学びたいことが決まっているなら  自分がやりたいことにチャレンジするために、あるいは、自分が学びたいことをとことん学ぶために、もしかすると、聞こえない/聞こえにくいことが、ハンディキャップになることもあるかもしれません。しかし、ハンディキャップは支援を上手に活用することで解消できる部分もあります。  自分の目標を実現するために、どのようなアプローチが必要か、考えてみましょう。 □自分の好きなことを考えてみよう  やりたいことや、学びたいことがぼんやりしていても、将来の目標が決まっていなくても大丈夫!自分の好きなことは何か考え、好きなことを大事にしましょう。大学生活の間にさまざまな経験をすることで、将来の目標が見えてくることもあります・  その時に、ワークに戻ってきて、実現するためのアプローチを考えてみましょう。 <ポイント> ・既に同じ道を進んでいる先輩がいるのであれば、お話を聞いて参考にしましょう。 ・支援だけでなく、実現するための手続きや過程についても下調べしておきましょう。 ・時には、勇気を出して自分からコンタクトをとり、繋がりをつくることも大切です。 <解説>  自分がやりたいことを実現するために、どんなプロセスを踏み、どんな支援が必要なのか、最初から全てわかる人はいません。例えば、「小学校の教員」になりたいという目標があるなら、大学ではどういう授業をとらなければならないのか、必要な免許・資格は何か、そして、必要な支援は何か・・・考えなければならないことはたくさんあります。そのためにはまず、情報収集が必要になります.わからないことは、自分で調べたり、先生や先輩、大学の担当者などに聞いたりしていきましょう。  支援については、よくわからないこともたくさんあるでしょう。そんな時は、自分がどんな状況で聞き取りにくくなるのか、困るのか、整理した状況を大学の支援担当者に伝え、入学が決まった後で一緒に支援方法を考えていくこともできます。  自分一人で抱え込まずに、周りを活用して、みんなで実現のための方法を考えていきましょう。 →ワーク2-2 p.82へ 次のページ p.82 【ワーク2-2“学びたいこと””必要な支援”発見シート】 画像:人差し指のみを伸ばした手 将来の夢/目標/希望する進路:(記入してください) 目標(1) やりたいこと/学びたいこと:(記入してください) 例)留学したい そのために必要なこと:(記入してください) 例)留学に関する情報を集める、語学力を上げる 心配なこと/必要な支援:(記入してください) 例)聞こえない人も留学しているの?語学でリスニングがあったら? 目標(2) やりたいこと/学びたいこと:(記入してください) そのために必要なこと:(記入してください) 心配なこと/必要な支援:(記入してください) アルバイトをしたい、○○になるために勉強したい、など自由に書いてみましょう。 p.83 実践編 ワーク2-3 自分らしく学ぶために―自分の”トリセツ“を作ろう― 【自分のことをどうやって他の人に伝える?】  ワーク2-1、2-2を通して、自分の状況や必要な支援を整理しました。整理したら、次は、他者に伝える番です。大学で、社会の中で、支援(合理的配慮の提供)を利用し、自分らしく生活していくためには、自分の状況とニーズを的確に他者に伝え、建設的対話(支援の内容に関する話し合い)を重ねることが必要になります。このワーク 2-3では、これまでに整理したことを、相手に分かりやすく伝えるための工夫を考えましょう。 【やってみよう!】  ワーク2-1、2-2で書いた内容を参考にしながら、自分の “トリセツ”(取扱説明書)を作ってみましょう。 【どうやって? 】 □相手によって「伝え方」を変える  全ての人に同じ伝え方をして、伝わるわけではありません。  例えば、「私は先天性の重度難聴で、聴力は100dBです。」と説明した時、聴覚障害に詳しい支援担当者であれば、それがどのような状態か理解することができるでしょう。けれども、全ての人が聴覚障害に詳しいわけではありません。初めて出会ったクラスメート、大学の先生や職員、アルバイト先のスタッフ・・・これらの人に同じような伝え方できちんと伝わるでしょうか。どのように説明すれば、理解してもらえるでしょうか。  相手によって伝え方が変わってくる、ということを覚えておきましょう。 p.84 □相手によって伝える内容を変える  自分と向き合って、整理したあなたの状況。  誰に、何を、伝えたいですか?わかってもらいたいですか? 「支援担当者には、わかる範囲で全ての状況を伝えたい」 「授業を担当する先生には、自分のコミュニケーション方法と、聞き取りにくい状況を知ってもらいたい」 「友達には・・・」  相手によって、伝えたい内容も少しずつ変わってくると思います。また、伝えたくないこともあるかもしれません。その時は無理に話さなくてもいいのです。  ワーク2-3では、誰に、何を伝えたいか、伝える人とその内容を整理しましょう。 <解説>  伝えたいことが詳しく、多くなる程、その都度口頭で伝えるのは、あなたも相手も大変ですね。そこで、自分の状況を紙面にまとめた、いわゆる「トリセツ」(取扱説明書)を作る、という方法があります。紙面にしておけば、あなたも口頭で詳細に説明する手間が省けますし、相手も、時間のある時にゆっくり読むことができます。  あなたなりの、あなたらしい伝え方を考えてみましょう。 画像:大学の職員に障害のトリセツ(取り扱い説明書)を渡す聴覚障害学生 →ワーク2-3 p.85へ 次のページ p.85 【ワーク2-3 自分の“トリセツ”を作ろう】 (※事務局注:p.87以降に記入例を記載しています) タイトル:私の「聞こえ」について 名前:(記入してください) 渡す相手:(記入してください) 前置きの文章:(記入してください) 現状とこれまで ○聴覚障害について:(記入してください) ★ワーク2-1を元に作成してみましょう。 ★dBや難聴の種類だけを伝えてもわかりにくいので、どれくらいの大きさの音が聞こえないか、どんな聞こえ方をするのか、具体的に説明してみましょう。 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) ○生まれてから高校まで:(記入してください) ★ワーク2-1を元に作成してみましょう。 ★ろう学校の通学経験や、小・中学校での支援利用経験などもここに書きましょう。 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) ○高校での様子 先生とのコミュニケーション:(記入してください) 支援の有無、支援方法:(記入してください) 勉強方法:(記入してください) 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) p.86 ○日常生活で困ること:(記入してください) 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) お願いしたいこと ○普段のコミュニケーション:(記入してください) 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) ○授業:(記入してください) ★講義形式の時、実習形式の時、グループワークの時、外国語の授業の時など、授業スタイルによって、お願いしたい配慮が変わってくると思います。どんな配慮が必要か、可能な範囲で説明してみましょう。 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) 大学生活とこれからのこと ○将来の夢:(記入してください) 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) ○大学での目標:(記入してください) 公開可能範囲 □支援担当教職員(はい・いいえ) □授業担当教員(はい・いいえ) □支援学生(はい・いいえ) □友人(はい・いいえ) □他の学生(はい・いいえ) どうぞ、よろしくお願いいたします。 p.87 【自分のトリセツ作成例】 ★あくまで作成例です。自分の言葉とアイディアで作りましょう!  私の「聞こえ」について  名前:技大太郎  支援担当職員さんへ  大学で学んでいくにあたり、ぜひ知っていただきたいことをまとめました。ご一読いただけるとうれしいです。不明な点は「失礼かな?」と思わずに遠慮なくなんでもご質問ください! 現状とこれまで ○聴覚障害について ・聴力は、右耳80dB、左耳100dB(左耳は飛行機の騒音が間近で聞こえないくらい) ・感音性難聴なので、音が小さく聞こえるだけでなく、ことばが歪んで聞こえます。 ・両耳に補聴器を装用しています。主に右耳を活用し、左耳は音が鳴っているのを感じる程度です。 ・高い声は特に聞き取りづらく、低い声の方が聞き取りやすいです。 ・手話は簡単な挨拶程度しかわからないので、これから勉強したいと思っています。 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) ■他の学生(はい) 画像:頭を中心にどの方向から、どの程度聞き取ることができるか示している。上から見た頭を中心に、右上は「だいたい聞こえます」、右下は「ときどき聞こえます」、左は「ほとんど聞こえません」と書かれている。  ○生まれてから高校まで 生まれてすぐの聴覚スクリーニングで陽性。 6ヶ月~ 〇〇ことばの教室に通う 1歳~ 〇〇聴覚特別支援学校幼稚部 6歳~ 普通小学校に通いながら、週1回難聴学級に通級 12歳~ 普通中学校に通学 15歳~ 普通高校に通学部活は野球部 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) □他の学生(いいえ) ○高校での様子 先生とのコミュニケーション:担任とは口話が中心でした。口話の慣れない教員の場合は、筆談も交えて話していました。 座学の授業:最前列に着席。主に教科書と参考書で勉強しました。 体育:授業前に今日は何をするか、個別に指示を受けました。 集会:校長の話は事前に紙でもらうことができましたが、他はわからないため、周囲をよく見て合わせて動いていました。 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) □友人(いいえ) □他の学生(いいえ) p.88 ○日常生活で困ること  左耳と比べて、右耳の方が障害の程度が軽く、音は聞こえて反応ができるため、言葉の聞き取りもできていると勘違いされやすいです。実際は、言葉として聞き取れるのは3割程度で、7割は判断ができないか、頭の中の言葉の引き出しから近い言葉を探して検討をつけています。 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) ■他の学生(はい) お願いしたいこと ○普段のコミュニケーション ・目を合わせて、口元を見せながら、ゆっくりはっきり話してください。 ・ゆっくりしすぎて、「勉強」という言葉を「べ・ん・きょ・う」と区切ってしまうと、逆にわからなくなります。ある程度スムーズに話していただいて大丈夫です。 ・大切なことは、紙に書くかパソコンで打っていただけるとありがたいです。 ・対面で座れないときは、可能であれば右隣に座ってください。 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) ■他の学生(はい) 画像:2人の学生がおしゃべりしている。 ○授業 ・具体的な支援はご相談しながら決めたいと思いますが、文字による情報保障を配置していただければ、文字を読んで内容を把握することができます。 ・ディスカッションがある場合は、今発言しているのが誰かを確実に把握するため、1人ずつ発言していただけるとありがたいです。 ・重要なことば板書するか、紙に書いていただけますと幸いです。 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) ■他の学生(はい) 大学生活とこれからのこと ○将来の夢  聴覚特別支援学校の体育の教員になりたい!聴覚障害のある生徒にチームスポーツのすばらしさを伝えたい! 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) □他の学生(いいえ) ○大学での目標 ・教員免許取得!(普通免許(体育)、特別支援教育免許) ・しっかり勉強して、子どもたちに教える基礎を作りたい!教育実習も充実させたい。 ・手話を学びたい! 公開可能範囲 ■支援担当教職員(はい) ■授業担当教員(はい) ■支援学生(はい) ■友人(はい) □他の学生(いいえ)   どうぞよろしくお願いいたします。 p.89 実践編 ワーク3-1 支援について相談しよう―初めての相談編― 【合理的配慮の検討(初めて相談する場合)】  大学への入学が決まったら、支援関係者とともにあなたが受ける支援(合理的配慮)について相談します。相談するときに伝えるべきことは、その場の思いつきで話すのではなく、事前に書いてある程度整理していきましょう。そうすることで、相手との話し合いがスムーズになります。 【やってみよう!】 (1)入学が決まった大学に合理的配慮について相談する前に、ワーク3-1「合理的配慮検討シート【初めての相談】」p.91の1~3と、p.92~94の3-1~5の左半分を埋めてみましょう。今ははっきりと決められない内容があっても構いません。 (2)シートを使いながら、相談をしましょう。 (3)大学と話し合った後、右半分とp.95に記入して内容を整理してみましょう。 【どうやって?】 □自分の“トリセツ”と、このシートを、相談相手と一緒に見ながら話そう。  このシートを使って、あなたが十分に大学で学ぶことができるように、合理的配慮の内容について事前に考えてみましょう。 画像:職員と聴覚障害学生が、机に置かれているトリセツとシートを見ながら話し合っている。 p.90 □「初めての相談」の場での情報保障と記録の方法について、事前に確認しよう。  合理的配慮を検討するための話し合いでは、あなたの意図を十分に伝え、また相手の話を正確に理解することが大切です。また、あとあと「あの時ああ言っていた。」「いや言っていない。」というやりとりは避けたいところです。話し合った内容をその場で記録する方法を考える、または、話し合った内容を後日まとめて共有し、間違いがないか双方で確認するといったことも必要でしょう。 <ポイント>  聴覚障害学生の希望が通ることが望ましいです。でも、合理的配慮の検討段階では、「その支援を提供することは難しいです。」と言われることもあるかもしれません。  「○○の内容(支援)を提供するのは難しい。」と言われた時・・・どのような対応がいいでしょうか? (1)「じゃあ、いいです。」と言う。 →大学は良い印象を持ちません。あなたも大学に対して不満を持ち続けるでしょう。不満を持ち続けたままだと、大学生活が楽しめないかもしれません。また、大学と話し合いを続けることが難しくなってしまうかもしれません。 (2)何が理由で難しいのかを確認する。 →「一度考えさせてください。」と言って、家で冷静になって対策を練ることも大切です。その上で、「じゃあ別の方法ならどうですか?」など、提案していくのも一つの方法ですね。問題解決の方法は一つではありません。ワーク3-3なども参考に、対話を続けることが大切です。 画像:大学教員、職員、聴覚障害学生が、手話通訳を使って話し合いをしている。 →ワーク3-1 p.91へ 次のページ p.91 【ワーク3-1合理的配慮検討シート(初めての相談)】 <1.基本情報> 1)氏名(よみがな):(記入してください) 2)学部・学科・専攻 :(記入してください) 3)連絡先 メールアドレス(携帯):(記入してください) メールアドレス(パソコン): (記入してください) FAX(所有している場合):(記入してください) <2.コミュニケーション手段> 日常的なコミュニケーション手段:(記入してください) 相談時に希望するコミュニケーション手段: (記入してください) <3.私の夢・目標> 1)将来の夢:(記入してください) 2)大学在学中の目標:(記入してください) 3)大学で学びたいこと:(記入してください) <大学と話し合った時の様子を書き込んでみよう!> ※話し合い後に記入してください。 2.コミュニケーションについて (1)相談時のコミュニケーション方法は何でしたか?:(記入してください) (2)あなたは相手の話がどのくらい理解できましたか?:(記入してください) p.92 <3-1.受けたい支援の内容(講義)> (※事務局注:希望する支援方法を残してください) □ノートテイク □パソコンノートテイク □手話通訳 □補聴援助システム(具体的に:(記入してください) ) □板書・資料を増やす □話速の調整(ゆっくり・はっきり) □座席の確保 ※教室内の希望する座席位置を伝えましょう。 画像:スクール形式の座席配置。教室の前に板書、スライドと書かれており、並行に3列5行の机が配置されている教室。最前列に「前方」、3行目の机に「中央」、5列目の机に「後方」と書かれている。 画像:ロの字型の座席配置。板書、教室の前方に板書、スライドと書かれており、ロの字型に机が配置されている。 □その他:(記入してください) <大学と話し合った内容を書き込んでみよう!> ※話し合い後に記入してください。 3-1.あなたが「受けたい支援の内容」を伝えた時、大学はどんなことを言っていましたか?:(記入してください) <3-2.受けたい支援の内容(ディスカッションのある授業)> (※事務局注:希望する支援方法を残してください) □ノートテイク □パソコンノートテイク □手話通訳 □補聴援助システム(具体的に:(記入してください) ) □板書・資料を増やす □話速の調整(ゆっくり・はっきり) □座席の確保(教室の希望する場所に〇) 画像:ロの字型の座席配置。板書、教室の前方に板書、スライドと書かれており、ロの字型に机が配置されている。 □その他:(記入してください) <大学と話し合った内容を書き込んでみよう!> ※話し合い後に記入してください。 3-2.あなたが「受けたい支援の内容」を伝えた時、大学はどんなことを言っていましたか?:(記入してください) p.93 <3-3.講義またはディスカッションのある授業以外で受けたい支援の内容>:(記入してください) <大学と話し合った内容を書き込んでみよう!> ※話し合い後に記入してください。 3-3.あなたが「受けたい支援の内容」を伝えた時、大学はどんなことを言っていましたか?:(記入してください) <4.不安なこと、気になっていること>:(記入してください) <大学と話し合った内容を書き込んでみよう!> ※話し合い後に記入してください。 4.大学に「不安なこと、気になっていること」を伝えましたか? その時、大学から言われたことは何でしたか?: (記入してください) p.94 <5.自分が知りたいこと集めたい情報は何か?(支援のルール、その他)>:(記入してください) <大学と話し合った内容を書き込んでみよう!> ※話し合い後に記入してください。 5-1.支援内容について (1)大学から合理的配慮について説明を受けましたか? (はい・いいえ) (2)大学ができることは何でしたか?:(記入してください) (3)大学ができないことは何でしたか?:(記入してください) (4)大学から何を聞かれましたか?:(記入してください) 5-2.支援を受ける時のルール ※話し合い後に記入してください。 (1)大学から配慮を受ける時のルールについて説明を受けましたか? (はい・いいえ) (2)どのような内容でしたか?:(記入してください) (3)あなたは支援を受ける時のルールについて理解できましたか? (はい・いいえ) 5-3.その他、知りたかったことを聞くことはできましたか?残された疑問はありませんか? ※話し合い後に記入してください。 :(記入してください) p.95 <話し合った内容を整理しよう!話し合った内容を整理しよう!> ※話し合い後に記入してください。 話し合った内容: (1)話し合った相手:(記入してください) (2)あなたは相手に何を伝えましたか?:(記入してください) (3)相手からどのようなことを言われましたか?:(記入してください) (3)-1:「難しい」と言われた場合、その理由についての説明を受けましたか? (はい・いいえ) (3)-2:直前の質問に「はい」と答えた場合、説明された理由を書きましょう。:(記入してください) (3)-3:理由の説明がなかった場合、理由を尋ねることができましたか? (はい・いいえ) (3)-4:直前の質問に「いいえ」と答えた場合、尋ねることができなかったのはなぜでしょうか?考えてみましょう。:(記入してください) (4)あなたはどのように思いましたか?:(記入してください) 次に何を、いつしますか?:(記入してください) 自分が知りたいこと、集めたい情報は何ですか?:(記入してください) p.96 実践編 ワーク3-2 支援について相談しよう―現状の整理編― 【合理的配慮の検討(今どのような状況か?)】  大学入学前後において、支援担当部署と入学後の支援について相談して、その結果、入学前後の様々な行事、そして授業などで合理的配慮が提供されたと思います。初めて合理的配慮を受けて、あなたが十分に学ぶことができたかどうかを振り返り、現状について客観的に考えてみることも大事になってきます。 【やってみよう!】  3-2の「合理的配慮検討シート【現状整理】」(p.98)を使って、あなたが受けた合理的配慮の内容について評価してみましょう。 画像:聴覚障害学生が、ノートテイクの紙をながめて(もう少しこんなノートテイクだといいな・・・)と考えている。 【どうやって?】 □合理的配慮を受けて前期が終わりました  実際に授業でノートテイク等の支援を受け始めた後、受けている支援が自分に合っていない、授業の内容が理解しにくいと感じる場面はありましたか?この機会に振り返ってみましょう。 p.97 □客観的に捉えたらどうなるのでしょうか?  ノートテイカーに「何を言えばいいのかわからない」と悩む聴覚障害学生は少なくありません。  提供された合理的配慮内容について、どこが良かったのか、どこがわかりにくかったのか、など客観的に捉えてみましょう。その時に、「どのような状況で困難な状況が起こっているのか」、「このように改善してくれたら理解しやすくなる」等、具体的な提案ができるようになると、支援室の担当者も一緒に対応方法を考えてくれます。そのためにも、まずは現状について整理してみましょう。 <ポイント>  ノートテイクや手話通訳、補聴援助システムなどの支援だけでは十分に情報が行き届かないこともあります。 ・ノートテイカーさんや手話通訳者たちは、聴覚障害学生に情報をきちんと伝えるために毎回、ノートテイク技術や手話通訳技術の工夫をしています。その一方で、聴覚障害学生にきちんと情報が伝わったかどうかという不安を抱えています。 →聴覚障害学生から「ここのところは○○という手話表現だとわかりやすい」「もっと文字を大きく書いたらわかりやすい」「専門用語は略語を使っても大丈夫」などのフィードバックをすることが大事になってきます。 ・今受けている合理的配慮の内容について、ちょっと客観的に評価してみましょう。 →ワーク3-2 p.98へ 次のページ p.98 【ワーク3-2合理的配慮検討シート(現状整理)】  あなたの満足度を、星の数で表してみましょう。 (事務局注:満足度が低い場合は星の数を少なく、満足度が高い場合は最大4つの星をつけましょう) <手書きノートテイク・パソコンノートテイクについて> 1 手書きノートテイクやパソコンノートテイクで授業を理解することができていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 2 手書きノートテイクは適度に要約された内容になっていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 3 手書きノートテイクの文字の読みやすさはどうですか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 4 支援者(ノートテイカーなど)との関係は良好ですか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 5 支援者に言っていいかどうか迷っていることはありますか?どんな内容ですか? 理由・内容:(記入してください) <手話通訳について> 1 手話通訳で授業を理解することができていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 2 先生の言いたいことはあなたに伝わっていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 3 専門用語は正しく伝わっていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 4 手話通訳者に話していいか迷っていることはありますか?どんな内容ですか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 5 教員や受講生に話していいか迷っていることはありますか?どんな内容ですか? 理由・内容:(記入してください) p.99 <補聴について> 質問内容 1 補聴機器・補聴援助システムは十分に機能していますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 2 補聴援助システムの専用マイクを担当教職員は活用してくれていますか? また、発言者(受講生など)は補聴援助システムの専用マイクを使ってくれていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 3 もう少しこうなったら良いのに、と思うことはありますか?どんな内容ですか? 理由・内容:(記入してください) 4 担当教職員や受講生に伝えてもいいかどうか迷っていることはありますか?どんな内容 ですか? 理由・内容:(記入してください) <字幕について> 1 映像教材を使用するとき、字幕をつける、あらかじめ内容をえてもらうなど、必要な支援を受けていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 2 教員や支援担当者に伝えてもいいかどうか迷っていることはありますか?どんな内容で すか? 理由・内容:(記入してください) p.100 <座席について> 1 座席位置はあなたの希望通りになっていますか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 2 実際に座ってみて、担当教員の声や周囲の声が聞き取りやすい位置でしたか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 3 座席位置は、担当教職員の顔や全体が見えやすいところでしたか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) 4 実際に座っている座席は、ノートテイクや手話通訳が見えやすい位置でしたか? 満足度 ☆☆☆☆(0から4つまで星を選択してください) 理由・内容:(記入してください) p.101 実践編 ワーク3-3 支援について相談しよう―問題解決編― 【合理的配慮の再検討(問題を解決するために)】  合理的配慮を受けてみてどのように感じましたか?満足できましたか?それとも物足りなかったでしょうか?配慮に対して色々な気持ちが出てくるのは当然です。ワーク3-2を使って、現状を整理して、色々な問題点が出てきたかもしれません。現状に対して解決しなければならないことが出てきたかもしれません。その問題の解決に向けて考えてみましょう。 【やってみよう!】  ワーク3-3のシートを使って問題の解決策を考えてみましょう。 【どうやって? 】 □問題解決に向けて思考の整理をしてみましょう  一般的に、問題解決への取り組みには、下記のような手順があります。この手順を省略したり、順番を違えたりすると正しい解決ができない可能性があるかもしれません。問題が起きた要因の分析を行わずに、先入観や過去の事例のみで判断することで、自分の望む内容とは違う対策をとってしまうことになります。その結果、問題は解決されずに繰り返されることもあります。早く解決をしたいがために手順を省略したことが、逆に解決まで何倍もの時 間が取られてしまうこともあります。この機会にじっくりと整理をしてみましょう。 画像:問題解決の手順を6つの段階で示している。 問題の明確化→ブレインストーミング→解決策の決定→実行→結果の評価→解決 結果の評価をした結果、解決に至らない場合は、問題の明確化や、ブレインストーミングに立ち戻り、戻ったところから再度同じ手順を踏んで進んでいく。 p.102 <ポイント>  現状では不満がなくても、学年が上がる、授業形態が変わるとそれに伴って合理的配慮の内容も変わってくるのは自然な流れです。  また「建設的対話」をするためには、あなた自身も問題解決の案を考えることが大事になってきます。  問題点、困っていることに気づかない、もしくは気づいていても何もせずにいると、授業の内容を理解するのがどんどん難しくなります。単位を落としてしまう可能性もあります。早めに支援室に相談することで、問題を解決することができます。  そのために、問題解決の案を考えて、遠慮せずにどんどん支援担当教職員に相談してみましょう。 画像:頭の後ろで手を組んだ学生が(こんな方法なら解決出来るかな?あんな方法はどうかな?)と考えている。 p.103 【問題解決ワークシートの記入例 】 <1.問題の明確化(状況の把握)> (1)困りごとはどんなこと? 【記入例】  ○○先生の○限の卒業研究ゼミ「○○○○」で、自分だけディスカッションに追いつくことができなかった。 ★理由を決めつけずに「起こったことだけ」を考えよう。 ★5W1Hを意識しながら整理しよう。 ※まずは、何に困っているのかだけをシンプルに捉えよう。次の項目に基づいて、整理するといいですよ。 1)いつ 2)どこで 3)何が 4)どのように 5)誰が (2)困りごとが起きている理由・原因は? 【記入例】 ・ノートテイクを見ても誰が発言したかがわからない。 ・自分の発言タイミングがわからない。 ★「(2)ゆえに(1)が生じる」という理論が成り立っているか確認しよう。 <2.解決策の検討(ブレインストーミング)> (3)取り得る解決策は? 【記入例】 ・みんなで筆談する ・みんなが手話を使う ・手話通訳をつける ・ゼミ向けのノートテイクの練習をする ・文字チャットを導入する ※どんなアイディアでもいいので、できるだけたくさん選択肢をあげてみよう。 ★非現実的な案でもバカバカしい案でもいいから、思いつくものからとにかくたくさん書き出してみよう。 p.104 <3.解決策の決定> (4) (3)のうち最初に試してみたい解決策は? 【記入例】 ・文字チャットをしてみる! ※ポイントはすぐ着手できる実現可能である効果的であること! (5) (4)で選んだ方法の実現性や妥当性は? 【記入例】 ・ゼミ生の人数分のPCはあるのか? ・PCは誰がどうやって用意するのか? ・どうやってPC同士を接続するのか? ★明日からでも実行できるアイディアになっているか検証しよう。3W1H(誰が、いつ、 どのようにして実現するか?)を意識して。 ※周りの理解は得られるか?自分の力で実現できるか?リスクは何か?などの視点から検討しよう。 (6)解決可能な方法に修正するとしたら? ※複数の案が出てきた場合は、優先順位をつけてみよう。 この案で大丈夫か、先輩や友人の意見を聞いてみるのもいいですね(→p.118参照)。 【記入例】 ・ひとまずゼミの先輩に相談してみる。 (7)具体的な行動計画は? 【記入例】 ・〇日の放課後、●●先輩に会う機会があるので、その際に文字チャットについて相談する。 ・実現できそうであれば、一緒にゼミの先生に話に行ってもらう。 p.105 <4.実行> (8)実際にやってみた結果は? 【記入例】 ・〇月○日●●先輩に相談したところ「とにかくやってみては?」と言ってくれたので、一緒に先生に相談に行ってもらうようにお願い。 ・○月○日先生に話をしたところ「試験的にやってみましょう」と言ってくれた。 ・〇月○日ゼミの時間に 5台のパソコンを用意して文字チャットを行った。自分にとってはわかりやすかったが、周りの学生には負担が大きかったかも。今後どうするかは、○日に先生や●●先輩らと相談する予定。 ※実際に行った経過を記録しておこう。 <5.結果の評価> (9)結果と計画を比較した評価は? 【記入例】 ・自分にとっては、想像以上にわかりやすかった! ・「みんながこんなことを考えていたのか」とわかった。 ・でも、周りの学生に負担になっているんじゃないかと気になることもあった。 ・ゼミ生によって、文字入力のスピードが異なり、遅い学生は大変そうだった。 ・ゼミ生の中には「疲れた」という人もいた。 ※先生や周囲の学生にとってはどうだったかな?自分だけでなく周りの反応や評価も記入してみよう。 →次にとるべき行動は? 新たに出てきた課題を(1)に記入して、再度解決策を検討してみよう! p.106 <ポイント-考えがいきづまったとき->  問題解決について、自分の考えが行き詰まったら、下記の方法を使って調べてみましょう。 ・他の大学の状況を調べる PEPなび(p.61参照) ・各大学支援室のウェブページを確認する 他大学の学生・卒業生に聞く他大学の教職員に聞く ・同じ大学の他の学生に相談する・学内のリソース(資源、サービス、人など)で使えそうなものがないか調べる ・他に味方になってくれそうな人を見つける(支援担当教職員、担任の先生、ゼミの先生、保健センターの先生など) ・日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan;ペップネットジャパン)のホームページで参考になる資料があるか調べる URL:http://www.pepnet-j.org/ 画像:QRコード(上記URLをQRコードに変換したもの) →ワーク3-3 p.107へ 次のページ p.107 【ワーク3-3 問題解決ワークシート 】 <1.問題の明確化(状況の把握)> ※まずは、何に困っているのかだけをシンプルに捉えよう。次の項目に基づいて、整理するといいですよ。 1)いつ 2)どこで 3)何が 4)どのように 5)誰が (1)困りごとはどんなこと?:(記入してください) (2)困りごとが起きている理由・原因は?:(記入してください) <2.解決策の検討(ブレインストーミング)> ※どんなアイディアでもいいので、できるだけたくさん選択肢をあげてみよう。 (3)取り得る解決策は? ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) ・(記入してください) p.108 <3.解決策の決定> (4) (3)のうち最初に試してみたい解決策は?:(記入してください) ※ポイントはすぐ着手できる実現可能である効果的であること! (5) (4)で選んだ方法の実現性や妥当性は?:(記入してください) ※周りの理解は得られるか?自分の力で実現できるか?リスクは何か?などの視点から検討しよう。 (6)解決可能な方法に修正するとしたら?:(記入してください) ※複数の案が出てきた場合は、優先順位をつけてみよう。 この案で大丈夫か、先輩や友人の意見を聞いてみるのもいいですね(→p.118参照)。 (7)具体的な行動計画は?:(記入してください) p.109 <4.実行> (8)実際にやってみた結果は?:(記入してください) ※実際に行った経過を記録しておこう。 <5.結果の評価> (9)結果と計画を比較した評価は?:(記入してください) →次にとるべき行動は? 新たに出てきた課題を(1)に記入して、再度解決策を検討してみよう! p.110 実践編 ワーク3-4 ロールモデルを見つけよう 「こんな人になりたい!」と思える人生の先輩はいますか?大学生活で、また何か問題が起きた時にも、あなたの道しるべになってくれる存在。それが「ロールモデル」です。特に聴覚障害学生の場合は、同じ聴覚障害のあるロールモデルを得ることで、多くのことを学ぶことができるでしょう。ぜひロールモデルを見つけて、あこがれの存在に一歩近づきましょう。 <Q.あなたの身近に、迷ったときやわからない時に聞くことができるような、聴覚障害のある先輩(ロールモデル)はいますか?> ★「いる」か「いない」かどちらかを選択してください。 →いる場合 あなたのロールモデルのいいところはどこですか?:(記入してください) ロールモデルに近づくためにあなたにできることは何ですか?:(記入してください) →いない場合 ロールモデルを紹介してくれそうな人は誰ですか? ロールモデルに出会えそうな場はどこだと思いますか? :(記入してください) p.111 実践編 ワーク4-1 身のまわりのリソース・相談先を知ろう 【実はたくさんあるリソース】  高校生までは、家族や学校の先生などと頼れる人に相談しながら過ごしてきたと思います。しかし、高校卒業後、大学に進学すると、自分が学ぶための支援について主体的に動き、相談先を決めて、話し合う必要があります。また、実家を離れて一人暮らしを始めると、これまで気付かなかった困りごとが生まれ、どうしたらよいか途方に暮れることがあるかもしれません。  そんなとき、身のまわりのリソースを知ることが大事になります。 【やってみよう!】  自分の身の周りや住んでいる地域(または、これから住む地域)にはどのようなリソースがあるか調べ、シートにまとめてみよう。 【どうやって? 】 □リソースあれこれ  自分の大学の身の回りや住んでいる地域(または、これから住む地域)には、たくさんの相談窓口や情報源などがあります。それらを活用することで、自分の困りごとを解決する手がかりになります。また、新たな知見を得ながら、自分なりにリソースを開拓していくことで、自信につながったりスキルアップになったりするでしょう。 p.112 画像:聴覚障害学生のリソースのイメージ図。ページ全体が卵形に3つの層に分かれており、それぞれカテゴリー名がついている。中心は人のイラストがあり、「自分」とカテゴライズされている。その周りの中間層は、「人」とカテゴライズされている。その周りの、最も外側の層は「様々な窓口・情報源」とカテゴライズされている。「人」と「様々な窓口・情報源」の層には、それに関わる物事が「自分」の人型を中心に配置されている。 1層目「自分」 2層目「人」 ・仕事のこと 同僚 上司 産業医 ・耳・健康のこと 家族 友人 医者 言語聴覚士 ・大学での支援のこと 高校の先生 担任・ゼミの教員 コーディネーター ・就職活動のこと キャリアカウンセラー キャンパスソーシャルワーカー ・福祉制度のこと ろうあ者相談員 手話通訳者 文字通訳者 ・その他全般に関わること ゼミ仲間 大学の先輩後輩 3層目「様々な窓口・情報源」 ・仕事のこと 障害者就業・生活支援センター 障害者職業センター 画像:センターの建物の外観 ・耳・健康のこと かかりつけの病院 補聴器販売店 ・大学での支援のこと 支援担当部署 学生課 教務課 学生相談室 ・就職活動のこと 大学の就職支援相談窓口 障害者雇用就活情報サイト ハローワーク インターンシップ先 画像:ハローワーク職員と学生が机に座り向かい合って相談している。学生は何か気付いたことがある様子。 ・福祉制度のこと 社会福祉協議会 市役所 福祉課 ・その他全般に関わること 手話サークル 当事者団体 p.113 <ポイント> ・全ページの図では、場面ごとに相談できる人や場所が一目でわかるように一覧にしています。 ・これを参考に自分でも身の回りにあるリソースを書き出してみましょう。 (1)「人」の内側に、普段から相談に乗ってもらっている人の名前や場所などを書いてみましょう。 (2)同じように「様々な窓口」にも、名前や場所を書いてみましょう。書きながら、気づいたことがあればどんどん書き込みましょう。 ★書き終えたら、こういう困り事はこの人に相談する、ここに行ってみるといったイメージがつくと思います。これをもとに新しい場所(進学先や就職先など)でも応用してみてください。 →ワーク4-1p.114へ 次のページへ p.114 【ワーク4-1 自分の身の回りのリソースを書いてみよう】 画像:聴覚障害学生のリソースのイメージ図。ページ全体が卵形に3つの層に分かれており、それぞれカテゴリー名がついている。中心は人のイラストがあり、「自分」とカテゴライズされている。その周りの中間層は、「人」とカテゴライズされている。その周りの、最も外側の層は「様々な窓口・情報源」とカテゴライズされている。「人」と「様々な窓口・情報源」の層には、それに関わる物事が「自分」の人型を中心に配置されている。 1層目「自分」 2層目「人」 ・仕事のこと (記入してください) ・耳・健康のこと (記入してください) ・大学での支援のこと (記入してください) ・就職活動のこと (記入してください) ・福祉制度のこと (記入してください) ・その他全般に関わること (記入してください) 3層目「様々な窓口・情報源」 ・仕事のこと (記入してください) 画像:センターの建物の外観 ・耳・健康のこと (記入してください) ・大学での支援のこと (記入してください) ・就職活動のこと (記入してください) 画像:ハローワーク職員と学生が机に座り向かい合って相談している。学生は何か気付いたことがある様子。 ・福祉制度のこと (記入してください) ・その他全般に関わること (記入してください) p.115 【(参考1)身の回りのリソースを知ろう大学生活編】  ここでは、大学生活を送る上で参考になりそうな文献やパンフレットなどを紹介していきます。ほとんどのものが無償でダウンロードできるので、ぜひ活用してみてください。 こんなときに:自分が住む地域の福祉制度を知りたい 冊子名・パンフレット名:福祉制度利用の手引き *名称は各市区町村により異なります 入手先:各市町村の福祉課窓口 *自分が住んでいる市区町村のウェブサイトを確認しよう! こんなときに:聴覚障害学生向けの支援について知りたい 冊子名・パンフレット名:トピック別聴覚障害学生支援ガイドPEPNet-JapanTipSheet集(改訂版) 画像:冊子の表紙 入手先:URL:http://www.tsukuba-tech.ac.jp/repo/dspace/handle/10460/1582(筑波技術大学機関リポジトリ) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) こんなときに:どのような支援の方法があるか知りたい 冊子名・パンフレット名:教職員のための障害学生修学支援ガイド(平成26年度改訂版) 画像:冊子の表紙 入手先:URL:http://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/guide_kyouzai/guide/index.html(日本学生支援機構ウェブページ) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) こんなときに:どのような支援方法があるか知りたい 冊子名・パンフレット名:合理的配慮ハンドブック~障害のある学生を支援する教職員のために~ 画像:冊子の表紙 入手先:URL:http://www.jasso.go.jp/gakusei/tokubetsu_shien/hand_book/index.html(日本学生支援機構ウェブページ) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) p.116 【(参考2)身の回りのリソースを知ろう就労編】  ここでは、就労する上で参考になりそうな文献やパンフレットなどを紹介していきます。ほとんどがダウンロードできるパンフレットや冊子ですので、ぜひ活用してみてください。 こんなときに:仕事での悩みどう解決したらいいんだろう 冊子名・パンフレット名:聴覚障害学生のエンパワメントモデル研修会報告書 画像:冊子の表紙 入手先:URL:http://www.tsukuba-tech.ac.jp/repo/dspace/handle/10460/1172(筑波技術大学機関リポジトリより) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) こんなときに:仕事での悩みをどう解決したらいいんだろう 冊子名・パンフレット名:聴覚障害学生のエンパワメント事例集(ウェブコンテンツ) 入手先:URL:http://www.pepnet-j.org/web/modules/tinyd7/index.php?id=42(PEPNet-Japaウェブページ) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) こんなときに:助成金(障害者雇用)について知りたい職場に手話通訳担当者を配置する場合(障害者介助等助成金)など 冊子名・パンフレット名:各種助成金のごあんない(リーフレット) 画像:冊子の表紙 入手先:URL:http://www.jeed.or.jp/disability/subsidy/index.html(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構ウェブサイト) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) p.117 【(参考3)身の回りのリソースを知ろう法律編】  ここでは法律に関する情報を紹介します。 こんなときに:障害者差別解消法について知りたい 冊子名・パンフレット名:障害を理由とする差別の解消の推進 入手先:URL:http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html(内閣府ウェブサイト) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) こんなときに:大学における「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮」の考え方を知りたい 冊子名・パンフレット名:障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)について 入手先:URL:ttp://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/074/gaiyou/1384405.htm(文部科学省ウェブサイト) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) こんなときに:障害者雇用促進法について知りたい 冊子名・パンフレット名:(障害のある方向け)周知用パンフレット(事業主向け)周知用パンフレット 入手先:URL:http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/shougaisha_h25/index.html(厚生労働省ウェブサイト) 画像:QRコード(上記のURLをQRコードに変換したもの) p.118 実践編 ワーク4-2 もし相談につまずいたら?相談先を知ろう!  支援に関する相談をしていると、どうしてもうまくいかずに、つまずいてしまうことがあるかもしれません。あきらめずに繰り返し説明し、お互い納得ができる着地点を探すことが大切です。でも、どうしても難しい場合は、相談先を変えてみるのもよいでしょう。  ここでは、スムーズに相談を進めるために、相談相手の選び方や相談の順序について知りましょう。 □ステップ1学内で一番話しやすい人に相談する  最初に相談するのは、学内であなたが一番話しやすいと思う教職員がいいでしょう。あなたの話を親身になって聞いてくれそうな方はいますか?  例えば、学内に障害学生支援の担当部署がある場合は、そこに話を持っていくのが一番スムーズでしょう。支援担当部署がどこにあるかは、大学によって異なります。多くの場合、ホームページ等に記載されているので、検索してみるといいでしょう。  聴覚障害学生を受け入れるのが初めてで、学内で担当部署が決まっていない場合には、所属学部の学生課(大学生活全般を担当する部署)や教務課(授業のカリキュラムを管理する部署)に相談してみるのがいいでしょう。  あるいは、担任の先生や所属するゼミ(研究室)の先生が話しやすいようなら、その先生方でもいいでしょう。先生にアドバイスをもらって、適切な部署に一緒に相談に行くのもいいですね。 →基礎編 p.22、ワーク1-1 p.60 ステップ1で誰に相談しましたか? または、これから誰に相談する予定ですか? その方の肩書きと名前を書きましょう。:(記入してください) p.119 □ステップ2学内で他に相談できそうな人を探してみる  最初に相談した先で何度か話し合いをしても、なかなか納得できる結論に至らなかった場合は、学内で他に力になってくれそうな人はいないか、探してみましょう。保健センター、学生相談室、担任やゼミの先生、学生課や教務課などが考えられます。あるいは、学科長、学部長、〇〇センター長など、一定の肩書きを持った方に相談するという方法もあります。  相談ごとは、あなた一人で抱え込む必要はありません。「支援室などの相談先があってもうまく話せる自信がない」という時は、信頼できる先生や職員、友人と一緒に相談に行ってもかまいません。一人でも多くの味方を見つけて、一緒に問題解決に協力してもらいましょう。  このように、ステップ1、ステップ2で重要なのは、あなたにとってのキーパーソンを見つけることです。その人をきっかけとして、学内の関係する人とつながり、どんどん巻き込んでいきましょう。  もしかすると、今まで支援を受けずに過ごしてきた人は、他の人に動いてもらうこと、人を巻き込むことに、抵抗を感じる人もいるかもしれません。そう感じるのはとても自然なことで、その気持ちを否定する必要はありません。  けれども、これまでにも説明してきたように、聞こえない学生が合理的配慮を受けることは、当然認められるべきことで、法律でも保障されたあなたの権利です。だから、それを遠慮する必要はありません。  社会に出たら、聞こえない学生もみんな自分で自分が働けるための環境を整える必要があります。就職して初めて、それを実践するのは大変です。でも、学生の間であればいくらでも失敗が許されます。だから、社会に出る前の練習だと思って、少しずつ「自分の力が発揮できる環境を整える力」を身に付けていきましょう。それが、あなたの権利を護る力にもつながるはずです。 画像:3人の学生が並んで、笑い合っている。 p.120 【ステップ1・2】相談先チェックリスト 相談をした人・組織にチェックを入れよう! ※名称は大学によってさまざまです。似た機能をもつ人・組織と相談ができた場合にはチェックを入れましょう。 ※話し合いがスムーズに進んだ場合は、一部の相談先にチェックが入れば大丈夫です。もしうまくいかない場合は、チェックの入っていない相談先で話しやすそうなところから話に行ってみましょう。 □支援担当部署 (障害学生支援室、修学支援ルーム、サポートセンターなど、名称はさまざま) □学生課 □教務課 □保健センター □学生相談室(カウンセリング室など) □ボランティアセンター □ゼミの先生 □担任の先生 □授業の担当教員 □学部長、学科長、専攻長など肩書のある先生 □手話サークル、ボランティアサークルの友人 □手話サークル、ボランティアサークルの顧問の先生 □聴覚障害学生 □学部の先輩・友人 画像:学生が、支援室の職員、教員、男性の先輩、女性の先輩を思い浮かべている。 p.121 <ポイント>  最初の一人に断られても、あきらめずにいろいろな人に話をして動いてくれるキーパーソンを見つけることが大切です。ある人に断られたとしても、それが大学としての総意であるとは限りません。その人が知らないだけで、実は他に実現可能な方法がある場合もあります。あなたのために動いてくれる人は、きっといます。 □ステップ3学内外の頼れる人を探して相談する  ステップ1、2で相談した相手と行き詰まってしまったら、次は学内外で頼れる他の人を探しましょう。例えば、同じ大学にいる聴覚障害学生には会いましたか?学内にいなければ、別の大学の聴覚障害学生に会ってみましょう。全国ろう学生懇談会など、聴覚障害のある大学生に出会える当事者団体もあります。他の聴覚障害学生がどのように支援を受けながら学んでいるかを知ることは、あなたに合った支援を考える上でヒントになります。  特別支援学校(ろう学校)出身の学生の場合は、高等部の先生に相談してはどうでしょう。先生に大学に来てもらい、どのような支援があれば学ぶことができるのかを、客観的な視点で話してもらう方法もあります。 <ポイント>  解決策は一つだけではありません。自分が譲れない線は守りながら、自分と大学にとってベターな方法を探しましょう。  話し合うにあたり、他大学の情報を得たくなったり、専門家の意見が聞きたくなったりすることがあるでしょう。そんなときは、学外の障害学生支援の専門機関に相談することができます。この教材を作った「日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)」もその一つです。ステップ1~5の段階に応じて情報を提供することもできますし、」場合によっては、話し合いに同席して助言することも可能です。 p.122 □ステップ4に進む前に・・・他に取り得る手はないかチェック!  なかなか解決方法が見つからない間は、苦しい思いをすると思いますが、合理的配慮 (支援)に関する相談は、学内や身近な人との相談で解決できるのが望ましい形といえます。相談先のリストをもう一度見てみましょう。もしまだチェックが入らない相談先があったら、まずはそこに話をして、一人でも多くの協力者を見つけられるようにしてみましょう。 【ステップ1・2・3】相談先チェックリスト 相談をした人・組織にチェックを入れよう! ※名称は大学によってさまざまです。似た機能をもつ人・組織と相談ができた場合にはチェックを入れましょう。 ・学内 □支援担当部署の教職員 (障害学生支援室、修学支援ルーム、サポートセンターなど、名称はさまざま) □学生課 □教務課 □保健センター □学生相談室(カウンセリング室など) □ボランティアセンター □ゼミの先生 □担任の先生 □授業の担当教員 □学部長、学科長、専攻長など肩書のある先生 □手話サークル、ボランティアサークルの友人 □手話サークル、ボランティアサークルの顧問の先生 □聴覚障害学生 □学部の先輩 ・学外 □聴覚障害学生 □聴覚障害学生の当事者団体 □地域の聴覚障害学生支援団体 □特別支援学校(ろう学校) □日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan) p.123 □ステップ4どうしても難しい場合は・・・調整機関を利用する  ステップ3で学内外の相談先に相談しても、どうしても話し合いが進まない。また、不当な差別的取扱いを受けていると感じる。合理的配慮の内容やそれを決めるまでの流れに納得ができない。  そのようなときは、支援担当部署やその関係者、学内外の相談できる先生方等に申し出てください。  それでも、一向に改善される気配がない場合、ステップ4として、学内の「調整機関(第3者機関)」に相談してみるという選択肢もあります。  文部科学省は、学生と支援担当部署(部署がない場合には、支援関連の業務を担当する人や学部・学科)の双方の話を聞き、間に立って調整を行う窓口の設置と周知を求めています。  大学によっては、障害学生支援に関わる調整を専門的に取り扱う機関を設置したり、ハラスメント防止委員会や人権委員会など、似た機能を持つ委員会がこの役割を担っている場合もあります。  第三者機関が決められていない場合、また、学内の第三者機関で相談してもなお解決出来ないこともあるかもしれません。その場合は、都道府県または市町村の障害者のための相談窓口に連絡するという道も残されています。この窓口は、障害者差別解消法やその関連法案に基づき、各自治体に設置されています.もし学生の皆さんが相談すれば、大学の事情を確認し、調整や助言をしてくれるでしょう。  ただし、このように第三者が介入することは、大学にとっても学生にとっても、必ずしも望ましいこととは限りません。第三者機関に相談することで、大学との信頼関係が崩れてしまったり、親身になって相談に乗ってくれた教職員の方々が、びっくりしてしまう可能性もあります.慎重に判断しましょう。 <ポイント>  何回か話して、どうもここでの解決は難しそうだ、となったら、次の相談先に状況を話してみましょう。学内の相談だけで諦めて、障害学生が存分に学ぶことのできない状況が発生するのは問題です。学内で解決出来ない場合は、学外にも相談できる機関があります。でも、相談先を変える前に、そこで十分な話し合いをしたかどうか、振り返りましょう。どのタイミングで、どこに相談したら良いのか、判断に迷うときは、一度PEPNet-Japanにも相談してください。 p.124 <地域の窓口に相談した場合の流れ(例)>」 画像:学生→地域の窓口の女性 学生「パソコンノートテイクによる支援を受けたいが、大学には『支援はできない』と言われ、取り合ってもらえません」 画像:地域の窓口の女性→大学の職員 窓口「大学はどのような状況ですか?」「障害者差別解消法を知っていますか?」 大学「本学の状況は・・・」 画像:地域の窓口の女性→学生 窓口「大学の状況は・・・でした。そこで障害者差別解消法について説明し、建設的対話を促しました」 画像:学生、地域の窓口の女性、大学の職員がそれぞれ双方向の矢印(左向き矢印と右向き矢印)でつながっている。 三者面談を重ね、合理的配慮を検討(建設的対話)。 画像:学生と大学の職員の間が双方向の矢印でつながっている。 合理的配慮の合意! ※流れは学生・大学・地域の実態によって異なります。 ※お住いの地域の相談窓口は、インターネットで検索できます。 画像:検索エンジンの検索窓に、キーワードとして「障害者差別 相談 地域名」と書かれている。 p.125  第三者機関や地域の相談窓口を通しても、どうしても解決できない場合、地域の相談窓口等から、大学を管轄している文部科学省や、障害者の人権問題を取り扱う法務省に申し出るという選択肢も用意されています。これらは、大学との話し合ってもどうしても解決できない時に、皆さんの権利が守られるためのしくみです。実際にこのしくみを利用する機会がないことを望んでいますが、知識の一つとして知っておいてください。 【やってみよう】 相談に行き詰まったら、ワーク 4-1(p.114)で書いたリソースの中で、すでに相談した人・組織を丸で囲いましょう。 (事務局注:視覚障害学生の場合は、自分がわかる形で記録しましょう)  ワーク4-1をしたときは思いつかなかった相談先に気付いたら、赤字で書き足してみましょう。これから自分が誰にアプローチしたら良いかが見えてくるはずです。 →ワーク4-1 p.114 ページが少し戻ります。 p.126 実践編 ワーク5セルフ・アドボカシースキルを確認しよう 【セルフ・アドボカシースキルとは】  「セルフ・アドボカシー」は、アドボカシー(権利擁護)の一形態です。アドボカシーにセルフ (自己)という語が加わることで、権利のために訴える行為を、誰か他の人にやってもらうのではなく、権利主体である自分自身が行うという点が強調されています (橋本、1996)。  聴覚障害学生にとって、「合理的配慮」は卒業した後も向き合っていく課題になるでしょう。大学で学ぶためには「わからない」ことに気づき、言えるようになることが大切です。人によっては、他人に頼ることへの葛藤も経験するかもしれませんが、「それでもこういう支援が私には必要だ」ということを学びながら、その都度、意思表明していくことが必要になってきます。  そしてこの過程の中では、自らの障害特性を肯定的に受容し、ニーズを明確化した上で他の人に説明していく力が必要になってくるわけです。これが「セルフ・アドボカシースキル」です。 【やってみよう!】 (1)ワーク5(p.128)質問項目にそって、当てはまる数字に丸をつけ、自分のセルフ・アドボカシースキルをチェックしてみましょう。 (2)「あまり当てはまらない」「全く当てはまらない」と回答した場合は、該当するワークに記入した内容をもう一度眺めてみましょう。 【どうやって?】  深く考えずに、感じるままに丸をつけましょう。このワークをすることで、自分ができていること・今はまだ苦手なことを客観的にチェックしましょう! p.127 <ポイント>  ワーク5を通して、自分のセルフアドボカシースキルがどのくらいかを客観的に捉えることができます。もしかしたら、下記のようなことを思うかもしれません。 「うまく思いを発信できなかった自分。でも実はこんな視点で合理的配慮に関して考えていたなんて!」 「これだけの文を書けるなんで!」 「これだけの思いを他の人に伝えることができるなんて思いもよらなかった!」  適切な理解と支援と環境が整えば、今までなかなか表に出せなかった、または、自分が気付きもしなかった能力を発揮できることに気づくかもしれません。  一方、こんなことを思う人もいるかもしれません。 「あぁ、私はこんなこともできないんだ・・・」 「できないことだらけで、自信を失うなぁ・・・」  こんな人も、大丈夫。聴覚障害のある先輩たちは、みんなはじめからこれらを身に付けていたわけではありません。セルフ・アドボカシースキルは、周りの人と関わり、試行錯誤を繰 り返すことで、少しずつ身に付くものです。  もし自分の「あ、これはまだできてない」に気付いたら、「参考ページ」をめくってみてください。一歩前に進むことができたら、それはあなたのセルフ・アドボカシースキルが、また少し高まったと言えるのではないでしょうか。 画像:聴覚障害学生が支援課の職員と手話で話しているイラスト。 →ワーク5 p.128 p.128 【セルフアドボカシースキルチェックk】 ※質問項目に対して、4つの選択肢からあてはまるものを一つ選んでください。選択肢は「よくあてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「全くあてはまらない」の」4つです。 1.自分が何か助けてほしいときに、負担に思わず助けてくれる人を思い浮かべることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク2-3(p.83) ワーク4-1(p.111) ワーク4-2(p.118) 2.誰かの助けが必要なときに、よりよい援助をしてくれそうな人を選ぶことができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク2-3(p.83) ワーク4-1(p.111) ワーク4-2(p.118) 3.自分が困っていることや助けてほしいことを直接人に話すことができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク2-3(p.83) ワーク3-1(p.89) 4.助けてほしい人に直接お願いができないときに、誰か代わりの人に話をしてもらうことができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク3-3(p.101) ワーク4-1(p.111) ワーク4-2(p.118) 5.直接人にお願いできないときに、手紙など、別の方法を使って助けを求めることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク2-3(p.83) ワーク3-1(p.89) 6.困ったときの助けの求め方や頼み方を何通りか思い浮かべることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク3-3(p.101) 7.自分が助けてほしい時に、その理由を伝えることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク2-2(p.80) ワーク2-3(p.83) ワーク3-1(p.89) 8.助けを求めたときに、その相手に何をしてほしいかをわかりやすく伝えることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク2-2(p.80) ワーク2-3(p.83) ワーク3-1(p.89) 9.情報保障など、ニーズがあるときに、すぐに大学に相談することができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク3-2(p.96) ワーク3-3(p.101) 10.自分が知らないところで支援内容が決定されたときに、その理由を尋ねることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク3-3(p.101) 11.自分の希望とは異なる支援が提供されたときに、すぐにその理由を尋ねることができる。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ ワーク3-2(p.96) ワーク3-3(p.101) 12.障害者の権利について知っていることは、自分にプラスに働くと思う。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ 基礎編(p.6) ワーク4-1(p.111) ワーク4-2(p.118) 解説編(p.130) 13.障害者差別解消法などの法律について知っていることは、自分にプラスに働くと思う。 よくあてはまる ややあてはまる あまりあてはまらない 全くあてはまらない →参考ページ 基礎編(p.6) ワーク4-1(p.111) ワーク4-2(p.118) 解説編(p.130) 本チェックリストは、本田ら(2010)、竹村(2009)、Brashers etc.(1999)を参考に、平成28-30年科学研究費助成事業「聴覚障害学生の認知特性から捉えた多様な情報保障モデルの検討」(研究代表者:甲斐更紗)において作成した尺度を、編集グループにて高校生・大学生向けに修正・加筆し作成しました。