平成30年度 科学研究費助成金研究報告書 聴覚障害児の英語指導のためのCAN-DOリストの作成 研究代表者:松藤みどり まえがき 本書は平成 27 年度から 29 年度の科学研究費基盤研究(C)の助成を受けた「聴覚障害児の英語指導のためのCAN-DO リストの作成」の報告書である。 平成 25 年(2013 年)に文部科学省から「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」が発表され、2020 年の東京オリンピック、パラリンピックを見据え、新たな英語教育を本格展開できるように平成 26 年度(2014 年度)から逐次改革が推進されることになった。その中には小学校高学年からの教科としての英語導入や、外部検定試験を活用して生徒の英語力を検証するとともに、大学入試においても4技能を測定可能な英検、TOEFL 等の資格・検定試験等の活用の普及・拡大も含まれた。新たな英語教育の目標の指標として CEFR (ヨーロッパ共通言語参照枠)の6つの段階が取り入れられ、「英語を用いて~することができる」という形式による目標設定(CAN-DO リスト)に対応する形で4技能を評価することになった。 一方で教育委員会の人事異動の方針により、聴覚障害児に対する指導技術を身につけた教員が長く聾学校(聴覚特別支援学校)にとどまることができず、指導法の継承や蓄積が難しくなってきたという間題が聾学校にはある。特殊教育が特別支援教育に移行した平成 19 年(2007 年)以降、その傾向はますます顕著になり、大学の教員養成学部の中でも、聴覚障害教育は、特別支援教育という大枠に組み込まれてしまいつつある。少子化と普通学校 志向のために、聾学校に在籍する生徒数が減少し、英語科教員が全校に 1 人か 2 人という学校も珍しくない。そうした背景の中で、聾学校に初めて赴任する英語教師の参考になる手引書のようなものを作成する必要性が生まれた。そこで個々の学校ごとに作成するよう 指令が出たCAN-DO リストを、聾学校として共通の観点から作成することはできないかと考えたのが本研究の発端である。 聾学校の英語教員が多数所属する「聴覚障害英語教育研究会」の研究集会やメーリングリストを通じて協力者を勢り、聾学校等を会場として研究協議を重ね、小学校-小学部、中学部、高等部に分けて、CAN-DO リストの作成に取り組んだ。完成は 30 年度に持ち越したが、結果的には具体的な指導方法や指導案の提示も含んだ、初任者向きの手引き書が完成したといえる。 執筆した9人は、いずれも聾学校勤務を長年続けてきた教員であるが、聾学校を離れ聴覚以外の特別支援学校に異動した者もいる。 小学校と小学部については、元千葉聾学校(現大網白里特別支援学校)の村上理恵子が小学校と聾学校小学部に分けた学年別のCAN-DO リストを作成し、ALT との活動に関しても提案した。旭川聾学校(元筑波大学附属聴覚特別支援学校)の高田史子が聾学校小学部の外国語活動・外国語について Q&A の形でまとめ、小学部5年生を対象とした実際の授業の指導案も示した。ALT の参考になるように英語による説明もつけてある。 中学部については、熊本聾学校の山田京子が指導者向けの詳細なCAN-DOリストと、そのリストに対応したチェックリスト形式の生徒向けリストを提案した。筑波大学聴覚特別支 援学校の広瀬由美が長年の研究に基づいて、音声的な側面に関わる指導について詳細な報告と考察を行った。 高等部は学力差が出てくる時期でもあり、職業還択や進路に応じた指導が必要ある。高等部に長年勤務したあと、千葉聾学校(元筑波大学聴覚特別支援学校)の鈴木初美と、都立中央聾学校の牛嶋文が、長年の経験と実績に基づいた進学希望者向きの指導についてまとめた。大宮ろう学園の対馬降司と元熊本聾学校(現黒石原支援学校)の井芹孝恵が職業科に在籍する生徒を対象としたCAN-DO リストの教師用、生徒用を作成した。 最後に、自身が聴覚に障害があり、神奈川県立平塚聾学校を経て、川崎市立聾学校に勤務している秋山奈巳が、当事者視点からCAN-DO リストヘ提言を執筆した。 初年度には折しも、千葉県立千葉聾学校の村上理恵子が長期研究生として松藤研究室に配 属になった。村上は中学部英語教員としてキャリアを積んでいたが、当時は支援部に籍を樅き、小学部の外国語活動に関わりながら、小中学校に在籍する難聴児童生徒の通級による指導を担当していた。一年間の研究成果報告書として「きこえにくいこどもも楽しむ外国語活動一手立て集一」というカラー印刷の冊子が作成された。立派な冊子でありながら、配布先が千葉県内のみ、というのはもったいないとことであった。研究期間が重複していることから、本報告書の最後に付録の形で再掲し、コピーして使用できる3枚のリーフレットもその資料として添付した。 報告書は印刷体で 100 部発行し、WEB ページでも閲覧できるようにする予定である。聾学校(聴覚特別支援学校)に勤務することになった英語の教員や、通常校で聴覚に障害をもつ生徒の指導を担当することになった英語や外国語活動を担当する教員の参考となれば幸いである。 研究代表者 筑波技術大学 松藤みどり 研究分担者 筑波技術大学 大塚和彦 目次 聴覚特別支援学校(聾学校)小学部及び小学校で学ぶきこえにくい子どもの外国語活動・外国語 CAN-DO リスト試案 1 聾学校小学部外国語活動・外国語 Q&A と指導案例 11 中学部における書くことを中心にした CAN-DO リスト 25 聾学校中学部における英語科 CAN-DO リストの作成にあたって ~音声的な側面に関わる指導について~  53 聾学校高等部CAN-DO リストを作成するにあたって ~聾学校の出口である高等部において自律した学習者になるために~  69 高等部 職業科における「コミュニケーション英語基礎」を基にしたCAN-DO リストの作成  89 当事者視点からのふりかえりと CAN-DO リストヘの提言 101 参考 きこえにくい子どもも楽しむ外国語活動 ー手立て集ー 外国語活動授業者用 難聴理解リーフレット 学級担任,外国語活動授業者用 難聴理解リーフレット リーフレット説明書 聴覚特別支援学校(聾学校)小学部及び小学校で学ぶきこえにくい子どもの外国語活動・外国語 CAN-DO リスト試案 千葉県立大網白里特別支援学校支援部 通級指導教室(聴覚)担当 村上 理恵子  2020年度に全面実施される新学習指導要領、文部科学省によるその改訂のポイントでは「小学校中学年から、聞くこと、話すことを中心とした「外国語活動」(年間35単位時間)を導入し、外国語に慣れ親しみ、学習への動機付けを高めた上で、高学年から段階的 に文字を読むこと、書くことを加え、系統性を持たせた指導を行うため教科「外国語」(年間70単位時間)が導入。」と書かれています。完全実施に向け、高学年では教科書が配布されるまでのものとして、中学年ではこれから使用していくものとして平成30(2018) 年度に新教材が配布されました。このCAN-DOリスト試案は、その新教材を使う状況を念頭に作成しました。表の中の「U2」等の「U」は「Unit」を表わしています。  「きくこと」「話すこと[やりとり]」「話すこと[発表]」の口領域における言語活動を通して、コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成することをめざす中学年用の教材、“Let’s Try!”のページをめくると、色とりどりのイラストが広がる中に、言語活動の見出しのようなものが簡潔な日本語や英語で示されています。前述の口領域における言語活動ができるよう冊子が構成され、デジタル教材も準備されています。中学年で、まず音声から入り、音声的に慣れ親しんだものを高学年で書き言葉につなげていくという流れで、きこえにくい子どもにとっては、その入門期から分かりにくくつまずきやすくなってしまっています。  しかし、きこえにくい子どもも適切な手立てや支援があれば、楽しく言語活動に参加でき、外国語に親しむことができます。教室に入る複数の大人(学級担任、ALT、支援員等)が手立てや支援について指導が始まる前に共通理解を図っておくことで、授業中にきこえにく い子どもが置き去りにされたり、先生方の思いが空回りしてしまったりすることを防ぐことができます。CAN-DO リスト試案の最後には、聴覚障害児に英語を教える ALT向けのものも載せています。学年のものと併せてご覧になり、指導にあたる先生方が共通理解を図る上で参考になるところがあればと思います。  また、平成27(2015)年度、千葉県立千葉聾学校在職当時、筑波技術大学障害者高 等教育研究支援センター松藤みどり教授に御指導いただきながら、千葉県長期研修生として作成した資料「きこえにくいこどもも楽しむ外国語活動―手立て集―」を本報告書の巻末に添えております。先生方が授業を組み立てられる上で何かお役に立つことが出来れば幸いです。 Let’s Try!①(3年生)CAN-DO リスト試案 (表) 項目          聴覚特別支援学校 小学校 参照 理解 聞くこと 音 [両校共通] 音声やリズムについて、英語にふってあるカタカナのルビを参照したり、手拍子を打ちながら英語を口にしたりするなど、視覚的に捉えやすい方法を用いて、日本語とちがうものがあることに気がつき、そのように発音しようとすることができる。 [参照] U1 U4 U8 理解 聞くこと 意味 [両校共通] 視覚的に意味を捉えやすい絵カード等を使いながら名詞の言い方を導入した後で、 [聴覚特別支援学校] 教師が併せて用いる、キュードスピーチや指文字等を見て、 [小学校] ゆっくり、はっきり話された際に、 [両校共通] 言い方からそれが意味するカード等を選ぶことができる。 [参照] U3 U5 理解 読むこと 音 [両校共通]ルビを参照しながらアルファベットの大文字の形と読み方に慣れ親しみ、自分のイニシャルを友達に伝えようとすることができる。[参照]U6 理解 読むこと 意味 [両校共通]簡単な単語を含む物語から、知っている単語を探しだし、挿絵などの視覚的な情報も用いて、ある程度の意味をつかむことができる。[参照]U9 話すこと やりとり  [両校共通]授業の最初の挨拶などパターン化された簡単なクラスルームイングリッシュでは [聴覚特別支援学校]教師の口形を参照し、ASL を用いて適切に反応しようとすることができる。 [小学校]サポートを受けて、適切に反応しようとすることができる。 [参照]U1 [両校共通] 表情やジェスチャーを工夫しながら挨拶をしあうことができる。(How are you?) [聴覚特別支援学校] アルファベットの指文字を覚えて、やりとりに使おうとすることができる。 [参照]U2 話すこと 発表 実物やイラスト、写真などを見せながら、前もって準備された英文の一部に自分の選んだ単語をあてはめて発表することができる。 [参照]U7 書くこと 書くこと [両校共通] (設定されていない) Let's Try!②(4年生)CAN-DO リスト試案 (表) 項目 聴覚特別支援学校 小学校 参照 理解 聞くこと 音 [両校共通] 既習の単語等について、覚えたものについてはルビを外されても読み方が分かり、発音することができる。(新出単語は3年生に同じ) 理解 聞くこと 意味 [両校共通] 視覚的に意味を捉えやすい絵カード等を使いながら、様々な動詞や食材の言い方などを導入した後で、 [聴覚特別支援学校] 教師が併せて用いる、キュードスピーチや指文字等を見て、 [小学校] ゆっくり、はっきり話された際に、 [両校共通] 言い方からそれが意味するカード等を選ぶことができる。 [参照]U2 U7 読むこと 音 [両校共通] ルビを参照しながらアルファベット小文字の形と読み方に慣れ親しみ、身の回りにある小文字を探し出し、友達とクイズを作ろうとすることができる。 ヘボン式ローマ字に慣れ親しみ、読み方の参考 とすることができる。 [参照]U6 読むこと 意味 [両校共通] 一日の生活について簡単な2,-.3の英文で書 かれたまとまりのある文章を読んで、挿絵なども参照しておおよその内容を理解することができる。 [参照]U9 話すこと やりとり [両校共通] 天気、曜日、時刻について、その表し方とたずね方を学んだ後で、授業の最初の活動として取り入れられた場合は、教師の口形や授業の流れも考慮に入れつつ、 [参照]U2 U3 U4 [聴覚特別支援学校] キュードスピーチや指文字Singed English 等を用いたりしてやりとりしようとすることができる。 [小学校] サポートを受けて、やりとりしようとすることができる。 [両校共通] 文房具等の持ち物について、伝わりにくいときには例文を指し示しながらたずね合うことができる。 [参照]U5 話すこと 発表 [両校共通] 方向を表わす表現のカードを示しながら、平易な英語で自分が気に入っている場所までの道案内ができる。 [参照]U8 書くこと 書くこと [両校共通] (設定されていない) We Can!①(5年生)CAN-DO リスト試案 (表) 項目 聴覚特別支援学校 小学校 参照 理解 聞くこと 音  [両校共通] (3、4年生に同じ) 理解 聞くこと 意味 [両校共通] 教師が英単語を発音した絵を指で指すゲームでは、 [聴覚特別支援学校] 教師が併せて用いる、キュードスピーチや指文字、ルビ付き単語カード等を見て、指し示すことができる。 [小学校] 読み方のみのカードや英単語のカードを併せて見せてもらう等、サポートを受けて、参加することができる。 [参照]U7他 理解 読むこと 音 [両校共通] ヘボン式ローマ字の知識を用いて、簡単な語句を推測しながら読もうとすることができる。 ルビをふったアルファベットジングルを繰り返し読み、文字がもつ音について理解を深めることができる。 [参照]U5 U3以降 理解 読むこと 意味 [両校共通] 助動詞 can が入っている英文を読んで、自分や第口者が何か「できる」ことを表わしている文であることが分かる。 [参照]U5 話すこと やりとり [両校共通] 誕生日や好きな教科、日課などについて、例文をもとにやりとりできる。例文を指し示したり、 [参照]U2 U3 U4 [聴覚特別支援学校] キュードスピーチや指文字Singed English 等を用いたりしてやりとりしようとす ることができる。 [小学校] サポートを受けたりして、やりとりしようとすることができる。 [両校共通] 例文カード等を併せて示しながら丁寧な表現を用いて接客のロールプレイができる。 [参照]U8 話すこと 発表 [両校共通] 例文を参考にしながら、名前や好きなものを入れて、自己紹介することができる。 [参照]U1 原稿を用意し、きき手に伝わるように、音声以外の手段も併せながら、自分のあこがれの人についてスピーチすることができる。 [参照]U9 書くこと 書くこと アルファベット大文字、小文字を書くことができる。例を参考にしながら、バースデーカードを書くことができる。 [参照]U2 U4 We Can!②(6年生)CAN-DO リスト試案 (表) 項目 聴覚特別支援学校 小学校 参照 理解 聞くこと 音 [両校共通] (3、4年生に同じ) 理解 聞くこと 意味 絵や写真、キーになる英単語のカードを貼って指し示してもらったり、 [聴覚特別支援学校] 教師が併せて用いる、キュードスピーチや指文字、ルビ付き単語カード等を見たりすることで意味を理解しようとすることができる。 [小学校] キーワードにルビをふった英文の原稿を示してもらったりすることで意味を推測しようとすることができる。 [参照]U2 U6他 読むこと 音 [両校共通] ヘボン式ローマ字の知識や、アルファベットジングルを覚えることで得た知識を用いて、新しい語も推測しながら読もうとすることができる。 巻末4つのアルファベットジングル全てを繰り返し読み、ルビがなくても言い方が分かる。 読むこと 意味 [両校共通] 中学校生活について書かれた6文を、挿絵や中学校について知っている情報も用いて、意味を推測しながら読むことができる。 [参照]U9 話すこと やりとり [両校共通] 夏休みの思い出について、用意された語彙や表現を用いて原稿を作成し、それを相手に示しながらやりとりすることができる。 [参照]U5 世界の子ども達の自己紹介を参考に、できることを含めた自己紹介をしあうことができる。 [参照]U1 [聴覚特別支援学校] キュードスピーチや指文字Singed English 等を用いたりしてやりとりしようとす ることができる。 [小学校] サポートを受けて、やりとりしようとすることができる。 話すこと 発表 [両校共通] 例文の「主語+動詞+目的語」の語順を意識して、第□者の人物紹介をすることができる。 [参照]U3 小学校生活を振り返って、思い出の学校行事などについて、例文を参考にしながら原稿を書き、原稿を示しながら、音声以外の手段も併せながらスピーチをすることができる。 [参照]U7 書くこと 書くこと [両校共通] 例文を参考にし、基本的な表現を用い、語順や語と語の間隔に注意しながら英文を書き写すことができる。 [参照]U4 U8 聴覚障害児に英語を教える ALT CAN-DO リスト試案 (表) 項目 子どもが 聴覚特別支援学校小学部 小学校 理解 聞くこと  音 [両校共通] ・補聴援助システムのマイク等を適切に使うことができる。 [聴覚特別支援学校] ・板書や歩行など、何かしながら話すことを避け、話すときは口の形を児童にしっかりと見せることができる。 ・日本人教師が英語にカタカナのルビをふることを認めることができる。 ・アルファベットの指文字を覚えてそれを用いながら発音できる。 ・英文のどこを読んでいるか分かるよう示すことができる。 [小学校] ・板書や歩行など、何かしながら話すことを避け、話すときは口の形を児童にしっかりと見せることができる。 ・支援員等が英語にカタカナのルビをふったものをきこえにくい子どもに示すことを認めることができる。 ・リピートさせても言えない場合、自分の言っている音がきこえていないのかもしれないと考えて、更なるリピートを求めず、さらっとその場を流すことができる。 理解 聞くこと 意味 [聴覚特別支援学校] ・あなたが発音する英文をきいて意味を取ることは難しいことが多いので、児童の様子により、聞き取って行うゲーム等の進め方を日本人教師と相談し、どうしたら英語を楽しめるか考えることができる。 [小学校] ・きこえにくい子どもは、あなたが発音した英語を支援員経由で知るので時差がある。ゲーム等で辛い思いをしないために、間をしっかりとることができる。また、スムー ズな支援のために、支援員に次回使う単語や表現の情報を伝えておくことができる。 理解 読むこと 音 [両校共通] ・正しい英語の発音にこだわりすぎず、児童の努力を認めることができる。 ・イントネーションは教えるが正確さを求めすぎず、児童の努力をみとめることができる。 ・アクセントについては、動作を添えるなどして児童が捉えやすいように伝える事ができる。 理解 読むこと 意味 [両校共通] ・日本語に樅き換えられれば良しとするのではなく、意味として捉えられているか確認することができる。 話すこと やりとり [聴覚特別支援学校] ・話すこと→何らかの方法で相手に伝えやりとりできること、と解釈する柔軟さをもち、児童の発音が聞き取りにくかった際は、カードを示したり、ホワイトボード等に単語や短い英文、絵等をかいて示し反応を見たりして、なんとかやりとりを成吃させようとすることができる。 [小学校] ・雑音の多い教室内で、きこえにくい子どもが音声だけでやりとりをすることは大変難しいことを理解し、絵や文字のカード、小さいホワイトボードなどをきこえにくい子どもや支援員が多用するのを認めることができる。また、授業用の部屋があれば掲示物を工夫して、きこえにくい子どもが指し示しながら参加できるようにすることができる。 話すこと 発表 [聴覚特別支援学校] ・あらかじめ黒板等にはりだせる大きさで原稿を作らせたり、それができないときは拡大投影機やiPad とTV等を用意したりして、児童が発表している内容が互いに分かるようにすることができる。 [小学校] ・発表原稿は、A4のワークシート等に作らせ、拡大投影機や iPad とTV等を用意して、発表者全員がそれを使うようにすることで、お互いに分かりやすくできる。 ・発表方法等について日本人教師や支援員等と前向きな話し合いができる。 書くこと 書くこと The CAN-DO LIST for ALTs who teach at elementary schools for the Deaf and general elementary schools A.Elementary School for the Deaf 1.Listening (1)Sound ・ALTs can appropriately use microphones which transmit to cochlear implants and hearing aids. ・ALTs should clearly enunciate showing their lip movements. ALTs should not speak while moving or facing away from students. ・ALTs should allow Japanese teachers to write furigana, phonetic pronunciations, above English words. ・ALTs can use finger spelling to emphasize pronunciation. ・ALTs should show students where they are reading as they read. (2)Meaning ・ALTs should have a meeting with Japanese teachers in order to find the best way to instruct students because it is difficult for deaf students to understand English pronunciation. This is especially important for games using spoken words. 2.Speaking (1)Sound ・ALTs should not expect exact pronunciation and intonation from students, and should praise students effort. ・ALTs should teach students accent visually. It is easier for students to understand visual demonstrations than verbal ones. (2)Meaning ・It is more important for students to understand the meaning of a sentence than it is for them to translate it word to word. 3.Conversation ・ALTs should try to communicate with students even when it is difficult to understand what they say. ALTs should facilitate conversation using flash cards, picture cards, whiteboard, and so on. 4.Presentation ・ALTs should help prepare presentation aids for students to use in class. This could include an iPad and TV, overhead projector, or laptop. The goal is to help students understand each other’s presentation. (Translated by Michael Bugajski, an ALT at the Kamikawa Board of Education, and Fumiko Takada, a teacher at Asahikawa School for the Deaf) The CAN-DO LIST for ALTs who teach at elementary schools for the Deaf and general elementary schools B.General Elementary Schools 1.Listening (1)Sound ・ALTs can appropriately use microphones which transmit to cochlear implants and hearing aids. ・ALTs should clearly enunciate showing their lip movements. ALTs should not speak while moving or facing away from students. ・ALTs should allow Japanese teachers or support staff to write furigana, phonetic pronunciations, above English words. ・If the student did not respond to a group pronunciation practice, you should not call attention to a student’s disability and instead move on with class. (2)Meaning ・Be aware that hearing-impaired students will require more time for support staff to assist them. You should plan games and activities with this time delay in mind. ・Please inform the support staff in advance of the vocabulary or expressions you will use in class to help ensure smooth operation of class. 2.Speaking (1)Sound ・ALTs should not expect exact pronunciation and intonation from hearing-impaired students, and should praise students effort. ・ALTs should teach hearing-impaired students accent visually. It is easier for them to understand visual demonstrations than verbal ones. (2)Meaning ・It is more important for students to understand the meaning of a sentence than it is for them to translate it word to word. 3.Conversation ・ALTs should allow students who are hard of hearing and support staff to use visual aids because it can be very difficult for the students to understand what other classmates are saying in a noisy classroom. ・If there is an English classroom, please set up the room in advance to allow hearing-impaired students to be able to participate in activities by using visual materials. 4.Presentation ・ALTs should help prepare presentation aids for students to use in class. This could include an iPad and TV, overhead projector, or laptop. The goal is to help students understand each other’s presentation. These aids should be accessible to all students, not just hearing-impaired students. ・ALTs should have a meeting with Japanese teachers and support staff in order to find the best way to instruct students. (Translated by Michael Bugajski, an ALT at the Kamikawa Board of Education, and Fumiko Takada, a teacher at Asahikawa School for the Deaf) 聾学校小学部外国語活動・外国語 Q&A と指導案例 北海道旭川聾学校 高田 史子 小学部の外国語活動・外国語(以下外国語活動)について、聾学校で初めて教える先生方が疑問に思われるであろうことを Q&A にしました。ここに記載されていることがすべてではなく、他にも考え方ややり方があると思います。こちらに書いたことをたたき台にしてさまざまなやり方に取り組んでいただき、その情報を今後共有していくことができればと思います。 また、平成29(2017)年に聾学校の小学部5年生に対して行った授業の指導案を載せました。外国語指導助手(ALT)と一緒に行った授業ですので、英文も載せています。教材は"Hi, Friends!"です。現在は"Let's Try!"と"We Can!"ですので、教材が違いますが、聾学校の授業としての配慮事項を「支援と留意事項」に載せていますので一案として参考にしていただけると幸いです。 〇 聾学校小学部外国語活動・外国語 Q&A Q1 発音はどのように教えたらよいですか。 学習指導要領(平成29年告示)の外国語活動のH標に「日本語と外国語との音声の違い等に気付く」という記載があります。聴覚に障がいのある児童にとって、音声を聞いてその違いに気付くことは、難しい場合が多いでしょう。そのため、英文にルビをふるとよいと思います。発音記号ではないので、ルビで発音をすべて正確に表記することは難しいです。それでも、ルビをふることは発音の学習の助けになると思います。 その際に、学校で統一した辞書を使うことが望ましいです。辞書によって発音の表記の仕方が異なるからです。辞書を選ぶ時に、以下の点を参考にしてください。①日本語にない音 子音 th, f, V などの発音が、日本語の「ス」「フ」「ブ」と異なる表記になっている。 ② l と r の発音が区別されている。③母音の表記が日本語の母音との違いを表しており、なおかつそのルールが指導者(と児童)にとってわかりやすい。以上、3点です。  また、母音の指導では、指導者側が、二重母音に気をつけて指導してください。「地球、地球儀」 globe の下線部は [ou][オウ]であって、[(c を逆さまにした記号):][オー]ではありません。一つ一つを児童に説明する必要はありませんが、ルビをふる際に必ず辞書を確認して、指導者側が正しい知識を持って授業に臨んで下さい。  また、発音のやり方についても、簡単でよいので触れてください。そして、指導者が発音をする際には、必ず口元の動きを見せて下さい。s と th の発音のやり方が違うことを知り、児童自らがそのやり方で筋肉を動かして発音することで、「日本語のように舌の先を上の歯ぐきに近づける方が s」、「日本語にはないけれど、舌の先を上の歯先に軽くあてる方が th」と理解できます。違いを理解して、違いを意識して発音することが、将来 sink と thinkのスペルを正しく書き分けることにつながります。l とr の発音の違いについても同じです。l と r の発音が違うことを意識することが、link と rink のスペルの違いの理解につながります。 Q2 音の強弱はどのように教えたらよいですか。 音の強弱を特に取り出して教える時には、手をたたく動作(と音)の大小で視覚的にわかるようにする方法があります。英文を示して、その英文の上に音の強い部分には大きな黒丸を少し音が強い部分には小さな黒丸を書き、音が弱くなっているところには何も印をつけないという方法もあります。その英文を指し示しながら、強弱を意識して発音させるとよいでしょう。英語は内容語(名詞、動詞、形容詞など)を強く読み、機能語(助動詞、前岡詞、接続詞など)を弱く読みますが、そのことは指導者側が理解しておくのでよいと思います。  単語のアクセント(強勢、強く読むところ)については、強く読むところの発音(ルビ) を丸で囲んだり、太字で書いたりすると視覚的にわかりやすいです。このやり方についても、中学部の英語担当の先生と相談をして、学校で共通にすると児童が中学生になった時にも勉強しやすいと思います。 また、対話文では、質問されていることに対する答えの部分が強めに読まれます。このことについても、指導者が意識として持っているとよいと思います。下の例では、「何時に」と聞かれているので、当然「6時に」の部分が少し強い発音になります。 <例> A: What time did you get up this morning? (あなたは何時に起きましたか。) B: I got up at six this morning. (私は6時に起きました。) Q3 イントネーションはどのように教えたらよいですか。 イントネーション(抑揚)の高低については、手で示したり、英文の下に矢印を書いたりして示すとよいと思います。また、Yes/No 疑問文は語尾が上げ調子で、疑問詞のつくWH 疑問文は語尾が下げ調子である、という基本的なことは知識として教えるとよいと思います。  ただ、一般的に人工内耳の児童はイントネーションの聞き取りが苦手だと言われています。正しいイントネーションを求めるのではなく、児童がイントネーションを意識して発音しようとしていることを大切にしてください。 Q4 児童の発音について、どのように評価したらよいですか。 Q1から Q3で触れてきましたが、発音の違いや強弱、イントネーションには、言語学的な意味があります。児童が正しい発音をしているかではなく、発音の違いや意味の違いを意識して発音しようとしているかを評価してください。 Q5 Let's Try! や We Can! には、たくさんの単語が出てきますが、どのように覚えさせたらよいですか。 単語を覚えるには繰り返しが大切です。単語を使ったゲームなどの活動を通して、楽しく繰り返しができるようにしましょう。その際、初めは、絵・文字・ルビの3つがそろった状態で単語やフレーズの確認を行い、活動を繰り返す中で手がかりを減らしていきます。絵・文字・ルビ→絵・文字→絵のみまたは文字のみなどです。ただし、児童が忘れた時に見ることができるように、絵・文字・ルビの手がかりは教室内に掲示しておきましょう。 ゲームの具体例は、書籍などで探すことができると思います。"Point to" "What's this? (Missing Game)" "What's on my forehead?" "Gesture Game" "Matching Game" "Go Fish"など多くの種類があります。いずれも、ゲームの前に使う単語やフレーズを視覚的な教材で確認して口慣らしをしておくことと、ゲーム中にお互いが話している英語が伝わるように視覚的にわかる方法を工夫して行いましょう。  まずは、指導者側が自分でゲームを体験して楽しさを味わっておくことと、そのゲームを通して何の語彙を身につけさせたいのかという目的をはっきりさせておくことが大切だと思います。私自身、先輩の先生に「ゲームは3回Hくらいでうまくいくつもりでやると いい。」と言われました。1回Hに失敗しても、2回H、3回Hと目的に近づけるように工夫をして楽しんでやってみましょう。 また、英語の歌も工夫することで活用できると思います。英語の歌詞にも始めはルビをふりましょう。歌詞がしっかり言えるように口慣らしをしてから、初めはゆっくりのテンポで歌い、慣れてきたら通常の速さに近づけましょう。歌だけでなく、手遊びや身体の動きを伴うものだと、全員で楽しむことができると思います。"Rain Rain Go Away" "Hokey Pokey" "Eentsy Weentsy Spider" "Head Shoulders Knees and Toes"などの曲から少しずつ試してみてはどうでしょうか。ネット上で動画を探すこともできますし、アニメなどに字幕のついた DVD も発売されています。 さらに、英語の絵本もぜひ活用してください。使用語彙や使用文型を少しずつレベルアップしていくタイプのものが使いやすいと思います。短いお話でも最後に「オチ」がつくようなものであれば、児童も喜んで多くの冊数を読むと思います。「多読」というキーワードで本を探すといろいろなタイプの本が出てきます。今教えている児童の興味・関心に合わせて本を選んでください。 最後に、「多聴・多読」に続き「多書き」に焦点をあてた教材が出ています。聴覚に障がいのある児童にとっては、最終的に読み書きができることが重要になってきます。今後、書くことをターゲットとした面白い教材が出てくると思いますので、情報を集めてみてください。 Q6 文法について、どのように教えたらよいですか。 外国語活動の場合には、単元H標を達成するために、まずフレーズごと覚えて、単語を人れ替えて自分の言いたいことを表現する流れになると思います。文法として意識するようになるのは、6年生になって語順について単元H標に含まれるようになってからだと思います(We Can! 2 Unit 2 Welcome to Japan.「例を参考に語順を意識しながら」、 Unit 3「「主語+動詞+目的語」の分の語順に気付き、・・・聞いたり言ったりすることができる」、「語順を意識して、・・・文を書いたりする。」) 文法についても、視覚的にわかりやすくするとよいと思います。たとえば、主語は青、動詞は赤、目的語は緑、補語は黄色、修飾語は黒で波線などのように、約束事を決めて、 英文の下に線を引きます。主語・動詞・目的語・補語については、それぞれの色で囲って、「~は、~が」は青の箱、「~する」は赤の箱という言い方をしてもよいと思います。  語順に気付かせるためには、日本語訳にも色をつけて、色の並び方を比べさせるとよいでしょう。色分けについては、児童の実態に合わせて、Unit 2 の前から導人をしておいて、説明については Unit 2 や Unit 3 でという方法もあると思います。  いずれにしても、自分で英文を書くときには、語順(文法)を意識させて書く必要があります。児童が自分で文を書くことを指導者側が意識して指導をしていくとよいでしょう。また、主語、動詞と色分けして考えることが、将来英語の長文を読むときのスラッシュ読みにもつながっていきますので、非常に大切な指導となります。将来の基礎を作る大切 な指導ということを頭に人れて授業の準備をしましょう。 Q7 ALT とはどうやって授業をしたらよいですか。 まず、その授業の目的をはっきりさせてください。異文化理解が目的なのか、can を使った言語活動が目的なのかなどです。異文化理解が目的であれば、ALT に写真や実物を持ってきて話をしてもらい、日本人の指導者は通訳に徹するというのも一つのやり方です。言語活動が目的であれば、ターゲットとなる英文(ルビつき)や使用する単語カード(ルビつき。必要に応じてルビを隠せるようにしておく。)、単語の写真や絵など視覚的教材を準備して、授業を行いましょう。児童同士や児童と ALT で質問をし合う場合には、事前に打合せをして、ALT が答える単語や文の視覚的教材も準備しておきましょう。 児童に聴覚障がいがあることや、授業での配慮事項についても、事前にしっかり打合せをしておきましょう。(詳しくは、村上理恵子先生のリストをご覧下さい。) 児童は ALT との授業をとても楽しみにしています。ALT と話をしたいという気持ちが外国語学習の動機付けとなりますし、ALT が来ることで、外国語を使う必然性が生まれます。ぜひ、できるだけ多くの授業を ALT と一緒に行ってください。 小学部5年 外国語活動 学習指導案 Teaching Plan for Foreign Language Activities 日時 平成29年10月11日(水) 2校時 9:45 - 10:30 場所 小学部5年1組教室 児童 男子1名、女子3名 計4名 授業者 高田 史子(MT)     マイケル バガイスキ (Michael Bugajski : ALT) 1 単元名 Unit Lesson 5 What do you like? (Hi, friends! 1 [文部科学省]) 2 単元について About unit (1)単元内容 contents  本単元では、身近な色や形の言い方と ”What ~ do you like?” という表現を知り、既習の ”I like ~” という表現を使って答えることでこれらの表現に慣れ親しみ、”What ~ do you like?” の “~” の部分に別の単語を入れて好きなものについて積極的にたずねたりこたえたりしようとすることがねらいとなっている。また、Lesson 4 に続き、日本語と英語の音の違いに気付くこともねらいとなっている。    In this unit, first, students learn names of colors and shapes, the phrase “What - do you like?” and answer the question using “I like ….” the phrase they learned before. They will also learn the differences between Japanese pronunciation and English one.  色や形については身近であるとともに「ブルー」「イエロー」「ハート」などカタ カナ語として使われるため、活動の中で慣れさせていきたい。ただし、一部「トライアングル」、「サークル」などは形そのもの以外の意味で使われる場面が多い。「トライアングル」には、形の名前から楽器名に結び付いた時には児意をほめてやる気につなげ、「サークル」については単に形の名前として触れるにとどめたい。また、音の違いについては、yellow [jelou]([e]に強勢)の二重母音については指導者側で意識をもって指導したいと考えるが、その他は単語の強弱のつけ方が日本語と違う程度に とどめ、細かな音の違いよりも英語を使って意図を伝えることに重点をおきたい。   They are familiar with the colors and shapes, and they use “blue”, ”yellow” and ”heart” as Japanese words. I'd like to familiarize them with names of colors and shapes in English through activities. Some words are used not only for the names of shapes but also for the names of musical instruments or groups such as “a triangle” or “a circle.” If the students consider “a triangle, a name of a shape” in relation to “a triangle, a name of a musical instrument,” we praise them and encourage them to learn more. On the other hand, we just teach “a circle” as a name of a shape. About the differences between Japanese pro- nunciation and English one, teachers should know the differences such as “ イ エ ロ ー ” in Japanese and a diphthong of yellow [jelou] in English, and pronounce the word correctly, and also show students the difference by writing furigana, phonetic pronunciations, above English words, but we don’t ask students to pronounce it correctly. We just try to show students that we pronounce a word with its proper stress in English, though we pronounce a word with beats in Japanese. We think conveying our intention or feelings in English is more important than sticking to small differences of pronunciations.  ”What ~ do you like?” という表現については、色と形を用いて尋ねる活動を十分に行った上で、動物やその他児意が尋ねたいと思うものを尋ねる活動につなげていきたい。本学級は児意数も少なく、幼少のころから一緒の児意が多いため、外国語活動では、日本語ではすでに知っている内容を尋ねたり答えたりする活動になりがちである。そのため、”What ~ do you like?” という表現を色と形を用いて行う活動を2時間行った後、教室外で動物やその他児意が尋ねたいと思うもの(好きな食べ物や好きなテレビ番組など)について尋ねたい相手に質間する活動を行いたい。そのことで、英語を用いてインフォメーションギャップを埋める経験をさせ、今後の活動につなげていきたい。   About the phrase “What ~ do you like?”, first we do many activities using the names of colors and shapes. Then, we do activities that students can ask questions they really want to ask such as “What food do you like?” or “What TV program do you like?” These questions will have them experience using English as a tool of communication. They will get the information they want in English. This experience will encourage them to use English as a communication tool. (2)単元目標 Goals of this unit ① 好きなものについて、積極的に尋ねたり答えたりしようとする。 ② 色、形、好きなものは何かを尋ねる表現に慣れ親しむ。 ③ 日本語と英語の音の違いに気付く。 ① Try to ask and answer questions about what they like. ② Familiarize students the phrases “What ~ do you like?” ③ Know the differences between Japanese pronunciation and English one. 3グループ研究との関わり Relation to our group research (1)研究テーマ Theme: “How to cultivate students language usage abilities - To enrich their emotions- ことばの力を高めるためのアプローチ ~豊かな気持ちを育てるために~ (2)研究の仮設 The hypothesis of this research  指導者が伝えあいへの配慮をすることによって、子ども同士の伝えあいがより確かになり、豊かな気持ちが育つことへとつながっていくのではないか。   If a teacher pays close attention to hearing-impaired students’ communication and gives them proper help, they will convey their intention and feelings more properly and that will lead to enrich students feelings. (3)研究の内容と方法 The contents and the way of research  日常の関わりや授業を通し、伝えあいに関する実態把握を行い、配慮すべきだと考えたことを取り入れた実践を行う。   Grasp the situation of students accurately through daily lives and classes, and do classes with due consideration for the help they needed. ア 配慮事項や大切なことがらに考慮した授業実践を各自が行う。 A)Each teacher does classes with due consideration for the help hearing-impaired students needed and the important things when we teach them. イ ことばに関する聴覚障害教育の専門性を再認識し、実践に取り入れていく。 B)Recognize that a deaf education is a highly specialized work and put theory into practice. (4)児意の実態と日常配慮していること The situation of students and the things we take into consideration in classes  外国語活動は今年度から学習している。塾に通い外国語に触れる機会がある児意も いれば、学校以外ではあまり外国語に触れない児意もいる。ローマ字についても、パソコンで入力するときにローマ字表が手放せない児意もいれば、濁点や拗音以外はほぼ覚えている児意もいる。また、聴覚からある程度チャンクのリズムをつかみ、復唱することができる児意とそうではない児意がおり、実態は様々である。ただ、活動と いう点からすると、非常に積極的な児意たちで、特にALTととても楽しんで活動を行っている。ALTが来校した際には、授業以外でも自分の聞きたいことの英語表現を他の教員に尋ねて、英語でALTに質間する様子が見られた。   Students have been doing foreign language activities since this April. The situations differ from one student to another. Some students learn foreign languages outside school such as a cram school, but others don’t. About romaji, a method of writing Japanese in Roman letters, some students can type them except special one such as voiced consonants or contracted sounds without any help, others can't. Some students can hear English words to some extent and repeat chunks of sentences, but others can't.   They, however, have the same enthusiasm for foreign language activities. They really enjoy doing activities with ALT. When ALT comes to our school, they ask many questions to ALT. They don’t know many English expressions, so they ask a Japanese teacher how to express their questions in English and ask ALT their questions.  小学校の外国語活動では「聞く・話す」を中心に活動を行うが、聾学校の児意にとっては非常に難しい活動となる。絵、写真、実物、身振りなどをつけたとしても、ロ頭のみでのやりとりには限界がある。そのため、授業で扱う単語や文は、絵などに加えて英単語や英文で示し、中学部で用いられている教科書の出版社の辞書に基づいて発音を書き、それらを手掛かりに活動がスムーズに行えるように配慮している。   In general elementary schools, students do foreign language activities through listening and speaking, but these activities are very hard for hearing-impaired students. Even if we use visual aids such as pictures, photos, real things and gestures, it is almost impossible for hearing-impaired students to understand English through listening and speaking. So we take these situations into consideration and use written words and sentences as aids. We write down all the words we use in our class and put their pronunciations above or beside them. Using phonetic symbols will make our students in an elementary department confused, so we use the pronunciations written on the dictionary which is used in a junior-high department of our deaf school as furigana.  コミュニケーションという点では、普段から、日本語でも、授業中児意同士というよりも教員をとおしてコミュニケーションを取ろうとする傾向がみられる。このため、児意同士の活動を増やし、活動で使う英語表現と発音を書いた紙を配布するなど 必要な支援をして、児意同士でコミュニケーションをとることができるように配慮している。   From the perspective of communication, students in this class tends to communicate through a teacher rather than communicate directly from a student to a student. So we try to encourage them to communicate with each other by doing many activities done by themselves and giving them papers which English expressions and their pronunciations are written on. 4 指導計画(4時間扱い) Teaching Plan for this unit (4 hours) (1)色や形の言い方を知ろう。 (1時間) (2)好きな色や形をたずね合おう。 (2時間) 本時 2/2 (3)多くの人に、色、動物などで好きなものをたずねよう。 (1時間) (1)Know the names of colors and shapes. (1 hour) (2)Ask each other about what color and shape they like. (2 hours) (3)Ask many people about what they like. (1 hour) 5 本時の目標 Goals of this class 好きな色や形は何かを尋ねる表現とそれに答える表現に慣れ親しむ。 Familiarize students with the phrases “What ~ do you like?” using names of colors and shapes. 6 本時の展開(4時間扱いの3時間目) Procedures (3/4 hours) (表) 学習活動 procedures 児意の活動 students 教師の働きかけ teachers 支援と留意事項 considerations = matters of concern 導入 1.あいさつ greeting 児童の活動 students ・日直が授業の始まりのあいさつをする。The person on day duty greet in Japanese. 教師の働きかけ teachers ・授業の始まりのあいさつをする。もし、英語でのあいさつが授業の前に終わっていなければ、英語であいさつをする。First, greet in Japanese. Then, if we haven’t greeted in English, we greet in English. 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・教室内に手掛かりとなる掲示をしておく。Put some cards up which show greetings in English beforehand. 児童の活動 students ・ALTのあいさつに英語でこたえる。 Greet in English with ALT. 教師の働きかけ teachers ALT: Hello, how are you, (student's name)? Ss: I’m fine / happy /sleepy / tired. 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・ALTの発言について、MTが掲示物を指し示すか、指文字やカードを用いて示す。Main Teacher (MT) points out sentences written on the cards or shows Japanese finger spelling whey ALT speaks. 2.前時までの復習 児童の活動 students Review ・カードを見ながら、色や形の英語名を思い出して発音する。Watch cards and pronounce the names of colors and shapes. 教師の働きかけ teachers ・カードを見せ、児童が思い出した後正しく発音する。(ALT) Show cards, make students recall the names of the colors and shapes, then pronounce them. 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・できるだけ色や形の絵から発音させるが、忘れている場合には文字と発音を見せて言わせる。また、絵を見て言えた場合でも必ず文字で確認する。テンポよく行う。 Make students pronounce the names of colors and shapes by showing colors and shapes. In case they can't recall the names, show them words and let them pronounce the names. Even if they can recall the names, make sure of the names by showing written words. We'll do this activity at a quick tempo. ・前時の宿題で児童が「好きな色」や「好きな形」としてあげたものについても加える。 Add some colors and shapes which students say they like in their homework. 児童の活動 students ・ALTの例を見た後、前時に作ったTシャツを1名が発表する。 First, watch ALT’s demonstration, then, one student shows his or her T-shirt and say what colors and shapes are on it. 教師の働きかけ teachers ・ALTが例をみせた後、児童に発表させる。First, ALT do the demon- stration, then a student do the same thing using his/her own T-shirt. ・“I got ~.”という表現を用いて発表させる。Make him/her use thephrase “I got ....” 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・必要な表現とTシャツにつ いてはあらかじめホワイトボードに掲示しておく。We put some phrase cards and T-shirts they made on a whiteboard in advance. ・発表者以外の「私(ぼく) も発表したい」という気持ちを、本時の最後のズボンとスカートの発表につなげる。When other students say “I want to show my T-shirt, too!” accept their feeling and let them know they will have an opportunity to show other students what they made at the end of this class. 展開 3.本時の学習内容を知る。 児童の活動 students ・学習課題を知る。Know what they learn in this class. 教師の働きかけ teachers ・学習課題を提示する。(MT) MT shows what they will learn in this class. 児童の活動 students・教師の働きかけ teachers 友だちにズボンやスカートを作ろう。Let's make pants or skirts for our friends. 児童の活動 students ・教員のロールプレイをみて学習課題を把握する。必要な表現について想起した上でロールプレイを見る。Watch teacher's role play and know what they will do. Recall the phrases they will use in this class in advance. 教師の働きかけ teachers ・ロールプレイを行い、学習課題を児童に把握させる。必要な表現については事前に想起させる。 Do role play and let the students know what they will do. Recall the phrases they will use in this class in advance. 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・ロールプレイで話す内容は、ホワイトボード裏面に準備しておき提示するとともに、プリントでも配布し、活動の際の手助けとする。 (別紙資料参照) Put a big script paper on the back on the whiteboard and show it when we do the role play. We also hand out the script paper to students. They can use this script when they do activities. (See materials) 児童の活動 students・教師の働きかけ teachers 何色が好きかたずねるときは What color do you like? 答えるときは I like _____. どんな形が好きかたずねるときは What shape do you like? 答えるときは I like _____. 「いくつ」とたずねるときは How many (~s)? 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・必要に応じて、意味をロ頭で確認する。MT makes sure they under- stand the meaning of the script if needed. ・英語には発音を書くことで児童が自信をもって活動に取り組めるようにする。Write pronunciations of English sentences and help students to do activities confidently. 児童の活動 students 4. 友だちにズボンやスカートを作る 。 Make pants or skirts for their friends. ・ペアでお互いのズボ ンやスカートを作る活動をする。画用紙のズボンやスカートに相手の好きな色と形を書き加える。Make pairs, and make pants or skirts with each other, adding the colors and shapes they like. 教師の働きかけ teachers ・活動の様子をみながら、必要な助言をする。Give advice if needed. 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・店員の役にはエプロンを着せて仕立て屋の雰囲気を出し、楽しく活動させる。Make sure they can do activity lively using an apron as a tailor. ・前時とは違う児童がペアになるようにして、できるだけ違う人と活動できるようにする。Make sure they can make new pairs. Have students do activities with other students, not the same person as the previous class. まとめ 5. 作ってもらったズボンやスカートを発表する。Show and tell their pants or skirts. 児童の活動 students ・作ってもらったズボンやスカートを黒板 に掲示し発表する。Put the pants or skirts they got on a blackboard and do show-and-tell. 教師の働きかけ teachers ・発表の表現を事前に確認する。Make them rehearse beforehand. 支援と留意事項 considerations = matters of concern ・教員が表現を確認してから発表させることで、児童に 自信をもって発表させると ともに、リハーサルさせ、表現を言い慣らしさせる。 By making them rehearse, have them practice the phrase beforehand and have them show and tell confidently. ・児童が、黒板に掲示した英文と作ったズボンの模様をさし示しながら発表することで、どの部分を言っているのかが他の児童にわかるようにする。 MT points out the sentences written on the blackboard and the colors and shapes on the pants or skirts so that other students understand what the student says. 児童の活動 students ・次時に”What ~ do you like?” の表現を使って、先生方に質間することを知る。Know what they will do on the next class. They will ask teachers what they want to know using “What ~ do you like?” 教師の働きかけ teachers ・次時に”What ~ do you like?” の表現を使って、先生方に質間することを伝える。 Let the students know what they will do on the next class. They will ask teachers what they want to know using “What ~ do you like?” 6. あいさつ Greeting 教師の働きかけ teachers ・授業の終わりのあいさつの後に児童が英語であいさつした場合には英語で返す。If students greet in English, teachers also greet in English. 7 本時の評価 Evaluations for today's lesson 好きな色や形は何かを尋ねる表現とそれに答える表現に慣れ親しむことができたか。 Can students be familiarized with the phrases “What ~ do you like?” using names of colors and shapes. 8 板書計画 a plan for a blackboard demonstration (表) [表の左側] 友だちにズボンを作ろう 何色が好きかたずねるときは What color do you like? 答えるときは 「いくつ」とたずねるときは How many (~s)? (※英語には発音を書く。) [表の中央] 買ったものを紹介するときは、I got __. (最終的に前時のTシャツと本時のズボンを提示する。) (Students will use this space when they do their presentations.) [表の右側] (児童とのやりとりのためのスペース) (We use here to write down what we talked about in class.) ※児童とのやりとりの中で出てきた確認したい語句については、黒板の右端に欄を設けて書く。 We'll write down key words or the words students didn’t know in our conversations on the right side of a blackboard. ※向かって左のホワイトボードに色と形の名前の一覧と数字の一覧を掲示する。右のホワイトボードには前時のTシャツを掲示する。 We'll put some sheets of paper on which the names of colors and shapes, and numbers are written on the left blackboard, and put T-shirts on the right blackboard. 9 教室配樅図 (図) 名 前 (  ) 20ページ れスン ふァイヴ (フ)ワット ドゥ ユ らイク Lesson 5 What do you like? 〇友達にズボンやスカートを作ろう。 マイケル先生は、どんなズボンを注文するでしょうか。 メ イ ア イ ヘ る プ ユ 高田先生: May I help you? イエス ア イ ワ ン ト ア ペ ア ア ヴ パぁンツ マイケル先生: Yes. I want a (pair of) pants. ア スカ~ト (↑スカートの人は a skirt ) (フ)ワット カ ら ドゥ ユ らイク 高田先生: What color do you like? アイ らイク グリーン アン(ド) レッド マイケル先生:I like green and red. (フ)ワット シェイプ ドゥ ユ らイク 高田先生: What shape do you like? アイ らイク スターズ マイケル先生: I like stars. ハ ウ メ 二 グリーン スターズ 高田先生: How many green stars? スイックス プ り ー ズ マイケル先生:Six, please. ハ ウ メ二ィ レッド スターズ 高田先生:How many red stars? ワ ン プ り ー ズ マイケル先生:One, please. オウケイ ユア パぁンツ ヒ ア ユ ア ー 高田先生:O K. Your pants. Here you are. サ ン キ ュ マイケル先生:Thank you. ユ ア ウ ェ る カ ム 高田先生:You're welcome. 中学部における書くことを中心にしたCAN-DO リスト 熊本県立熊本聾学校 山田京子 1 はじめに  各中学校におけるCAN-DO リスト の作成のために、各教科書会社や各市や県の英語部会で作成されているリストの例を見ると、「自分のことを紹介できる」、「自分の住んでいる町について紹介することができる」といった抽象的な文で表現されており、学習事項のどの文法事項を用いて表現でき たらどのレベルの到達度が得られたのか評価が難しい点があげられる。また、「聴いたり、尋ねたりしよう」というリスニングや会話の学習活動でも、聴覚に障がいがある生徒達にとっては、「書くこと、読むこと」を通して表現したりされたりする活動に置き換わることが多い。そこで、聴覚障害生徒の英語学習の表現力、理解力の到達度を「書くことを」と中心として評価できる CAN-DO リストを作成することとした。 2 研究の目的  聴覚障害特別支援学校中学部における英語学習のCAN-DO リスト を作成する。作成にあたっては、表現力、理解力の観点を「書くこと」を中心に据えて作成する。文法事項の確認を多様なチェック方法を用いることにより、理解が難しい生徒にとっても、どのような支援があれば、どこまで表現で きるのか手立てを合わせて提供することで、生徒の理解をスモールステップで評価できるようにする。 3 研究の方法 (1)中学校における英語の学習事項の洗い出しをする。 (2)学習事項の文法事項をまとめる、 (3)Can-Do-例文を用意し、ターゲット文法の明確化を図る。 (4)到達度のチェックのために、選択穴埋め間題、語順並び替え間題、英文和訳和文英訳間題等を作成する。 (5)生徒用 CAN-DO リスト も作成し、生徒が自分の到達度を客観的に判断したり、自分の学習状況を把握したりできるようにする。 (6)実際に授業で使用し、生徒の活用状況を把握し、さらに改善を図る。 4 研究の結果 (1)教師の資料となるCAN-DO リスト の作成  教師用 CAN-DO リスト は、表現、理解のリストを作成した。例文を中心に、学習状況が厳しい状況にある生徒のためにいろいろな支援のあるチェック間題を用意した。つまり( ) 付きの穴埋め間題、選択間題、語順並び替え間題、英文和訳・和文英訳等数種類を準備することにより到達度を測るための課題を設定した。これにより、理解度の段階だけでなく、単語は正確には書けないが文法事項は理解している生徒の評価もできることになる。 (2)生徒の資料となるCAN-DO リストの作成  生徒が自分でCAN-DO リストを持ち、自己評価を記入していくことで、自分の課題を知ることができる。また、CAN-DO 例文を常によりどころとし、暗記したり手話や音声等を組み合わせながら表現したりして、体全体で文法事項を身につけることに役立っている。  さらに、学習事項が進むときに、既習事項や自分のつまずきの流れを確認することができる。例えば、2 年生で過去進行形の学習でつまずいたときは、1年生の時のbe 動詞の学習やing の付け方の学習はきちんと習得できていたかを確認することができる。また、これが正確に習得できていれば、3年生での関係代名詞での従属節での進行形の形や現在分詞の修飾的用法がスムーズに表現できることになる。どの段階で自分はつまずいているかのチェックをCAN-DO リスト を遡ることで確認することができる。 (写真) チェック問題による到達度を3段階で評価している。 (3)評価用チェック間題  CAN-DO リスト を効果的に自己評価に活かすために、チェック間題を準備した。これは、教師用 CAN-DOリストにあるように、文法事項は理解しているが、単語が正しく書けない生徒が少なくないことから、穴埋めや選択、語順並び替えの間題などをパターン化して準備す ることで、教師も生徒自身も自分の課題を明確に把握することができることにつながる。  また、これはチェックテストとして実施してもよいが、定期テストや実力テストなどにもこれらのCAN-DOリストの意識を持って出題することで、常に自分はどこまで到達しているのか、何が自分の課題なのかを把握することに役立っている。 5考察  今回、中学部CAN-DO リスト を作成して、文法の学習事項の明確化を行い、それを生徒と共有することができた。生徒達はCAN-DO リスト を用いることで、自分の到達度やどこでつまずいているかの把握をすることができてよかった。特に中3では、複文や重文等の文章をよく扱うが、1つ1つの文や節は中1,2での学習が基になっている。これまでは、中3の授業の時も、中1,中2の教科書やノートを常に全て準備させていつでも振り返りができるように授業を行っていたが、CAN-DO リスト 1 冊を常に持参することで負担を減らすことができた。  教師も生徒も1つの道先案内板を持つことにつながったと言える。今回作成したCAN-DO リスト は、細かく記述しているが、そのことが自分の到達度を把握できる手がかりになったといえる。 CAN-DO リスト中学部指導者用 1 アルファベットやローマ字の確認 (表) 学習内容 1 アルファベット 表現・理解 1 アルファベットの大文字を見て、読み方がわかる。 2アルファベットの小文字を見て、読み方がわかる。 3読み方を見て、アルファベットの大文字を書くことができる。 4読み方を見て、アルファベットの小文字を書くことができる。 5アルファベットの大文字のA~z までを順番通りに書くことができる。 6アルファベットの小文字のa~zまでを順番通りに書くことができる。 表現・理解(書くこと、指文字や手話などで表現すること中心) 1アルファベットの大文字を見て、読みを選択することができる。 2アルファベットの小文字を見て、読みを選択することができる。 3読みを見て、アルファベットの大文字を選択することができる。 4読みを見て、アルファベットの小文字を選択することができる。 5アルファベットの大文字の読みを順序よく表現することができる。 6アルファベットの小文字の読みを順序よく表現することができる 7アルファベットの大文字を順序よく書くことができる。 アルファベットの小文字を順序よく書くことができる。 表現理解 学習内容 2ローマ字 表現・理解 1清音の日本語をローマ字で書くことができる。 2ローマ字で表された日本語〔清音のみ〕を日本語で表すことができる。 3濁音や拗音、促音の混じった日本語をローマ字で書くことができる。 4濁音や拗音、促音の混じった日本語をローマ字であらわしたものを日本語で表すことができる。 表現・理解(書くこと、指文字や手話などで表現すること中心) 1清音の日本語の文字をローマ字で書くことができる。 2ローマ字で書かれた清音の日本語を日本語の指文字や文字で表すことができる。 3濁音や拗音、撥音、促音が混じった日本語をローマ字で書くことができる。 4濁音や拗音、撥音、促音の混じった日本語をローマ字で表したものを日本語の指文字や文字で表すことができる。 表現理解 2 中学部学習内容の確認 (書くことを中心に表現や理解を確認する) (表) 学習内容 1 主語 が thisやthat で、be動詞を用いた文 文法事項 表現 1「これは、~です。あれは、~です。」と表現することができる。 2「これは、~ですか?あれは、~ですか?」という疑問文やそれに対する応答を表現することができる。 3「これは、~ではありません。あれは、~ではありません」という否定文を表現することができる。 4 身の回りの物を友達に紹介したり、尋ねたり答えたりすることができる。 文法事項 理解 1 主語が thisやthat の文は、be のis が続くことで、表現することができることを理解している。 2 be 動詞が文頭に来ることによって、疑問文を作ることができることを理解している。 3 be 動 詞 に notが付くことにより、否定文を作ることができることを理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1主語と動詞や、示されている物を正しく選択したり、書き込んだりすることができる。 並び替え 1 示されている物の名前を英語で表現することができる。 2 正しい文になるように単語を並べることができる。 書き換え・和訳英訳 1 this や that が主語の肯定文を書くことができる。 2 1の疑問文を正しく書くことができる。 3 2に対する応答として、主語を it に置き換えて返事を書くことができる。 3 1の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 This is a book. That is a car. 2 Is this a book? Is that a car? 3 Yes, it is. No, it is not. No, it's not. 4 This is not a book.  That is not a cat. (表) 学習内容 2 主語が thisやthat で、what を用いたbe 動詞の文 文法事項 表現 1「これは何ですか、あれは何ですか。」の疑問文を尋ねたり答えたりすることができる。 2 身の回りの物について、尋ねたり、答えたりすることができる。 3「これは何でしょう。」のクイズを作り、周りの人たちに問題を出したり、答えたりすることができる。 文法事項 理解 1 疑問詞 what を用いた疑問文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 疑問詞what を用いた疑問文の作成で、適切な単語を選び、正しく表現することができる。 並び替え 1 疑問詞 whatを用いた疑問文の作成で、単語を正しく並び替えて書くことができる。 書き換え・和訳英訳 1 疑問詞 what を用いた疑問文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 What is this? It is a bike. It's a bike. 2 What is that? It is a ball. It's a ball. 学習内容 3 主語が this や that で、形容詞を用いたbe 動詞の文 文法事項 表現 1 形容詞を用いて、「これは、~い(な)~です。あれは、~い(な)~です。」の文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の回りの物や人について、形容詞を用いて、紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 いろいろな形容詞を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1人や物の様子を表す形容詞を正しく選択することができる。 並び替え 1人や物の様子を表す形容詞を用いた英文を作成するために、英単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1人や物の様子を表す形容詞を用いた英文を正しく書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 This is a big dog. That is a new car. That's a new car. 2 Is this a big dog? Yes, it is. Is that a new car? No, it is not. No, it's not. 3 This is not a big dog. That is not a new car. (表) 学習内容 4 主語が「この~は、あの~ は」で、形容詞を用いたbe 動詞の文 文法項目 表現 1 形容詞を用いて、「この~は、~ です。あの~は、~ です。」の文を表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の回りの物や人について、紹介したり、尋ねたりすることができる。 理解 1いろいろな形容詞を使って正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1人や物の様子を表す形容詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 人や物の様子を表す形容詞を用いた英文を作成するために、英単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 人や物の様子を表す形容詞を用いた文を正しく書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 This dog is big. That car is new. 2 Is this dog big? Yes, it is. Is that car new? No, it is not. No, it's not. 3 This dog is not big. That car is not new. 学習内容 5 主語 が this や that で、代名詞の所有格を用いたbe 動詞の文 文法事項 表現 1 代名詞の所有格を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3  代名詞の所有格を用いて、身の回りの人や物について、紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 代名詞を正しく活用させることができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 文中の代名詞んp 所有格を正しく選択することができる。 並び替え 1 代名詞の所有格のある文を作るために、単語を並び替えて正しく書くことができる。 書き換え・和訳英訳 1 代名詞の所有格を用いた英文を正しく書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 This is my book. That is his car. 2 Is this your book? Yes, it is. Is that his car? No, it is not. No, it's not. 3 This is not my book. That is not his car. 学習内容 6 主語 が I やyou を用いた be 動詞の文 文法事項 表現 1「私は~です。あなたは~です。~ にいます。」などの主語が I や you でbe 動詞の文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 自分や周りの人について、紹介や尋ねたりすることができる。 理解 1 I と you の 主 語に応じた be 動詞を使い分けながら、正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 I とyou の主語に応じた be 動詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 I と you が主語でbe 動詞を用いた文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 I と you の主語に応じた be 動詞を使い分けながら、正しく文を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I am Keiko. I am from Tokyo. You are tall. You are a tennis player. 2 Are you tall? Yes, I am. No, I am not. No, I'm not. 3 I am not Keiko.  I am not from Tokyo.  You are not tall. 学習内容 7 主語が三人称単数形でbe 動詞を用いた文 文法事項 表現 1「彼は~です。あ彼女は~です。トムは~にいます。」などの主語が he や she や Tom などの三人称で単数形の be 動詞の文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の回りの第三者について、紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 heやshe やTom などの主語に応じた be 動詞を使い分けながら、正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 he やshe やTom などの主語に応じた be 動詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 he や she や Tom などの主語で be 動詞を用いた文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 he や she や Tom などの主語に応じた be 動詞を使い分けながら、正しく文を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 He is Ken. He is in the park. She is my sister. Tom is strong. 2 Is he Ken?  Is he in the park?  Is she your sister?  Is Tom strong? 3 He is not Ken.  He is not in the park.  She is not my sister.  Tom is not strong. 学習内容 8 主語が複数形のbe 動詞を用いた文 文法事項 表現 1「私たちは~です。あなたたちは ~です。彼らは~ にいます。」などの主 語 が we や you や They などの複数形の be 動詞の文を正しく表現することができる。 21の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の回りのいろいろな人について、紹介したり尋ねたりすることが できる。 理解 1 we や you やthey などの主語に応じた be 動詞を使い分けながら、正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 we やyou やthey などの主語に応じた be 動詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 we や you や they などの主語で be 動詞を用いた文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 we や you や they などの主語に応じた be 動詞を使い分けながら、正しく文を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 We are tall. You are students. They are kind. 2 Are we tall? Yes, you are. Are you students? No, we are not. Are they kind? Yes, they are. 3 We are not tall.  You are not students. They are not kind. 学習内容 9 代名詞の所有格を用いた「~の~は、」のbe 動詞の文 文法事項 表現 1「私の~は~です。あなたの~は~です。彼の(彼女の)~は~です。」などの代名詞の所有格を使った文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 いろいろな代名詞の所有格を用いた節を主語にして、人や物を紹介したり、尋ねたりすることができる。 書くことを中心としたチェック問題 理解 1 my やyour やhisなどの代名詞の所有格を使い分けながら、正しく表現することができる。 選択・穴埋め 1 my やyour やhis などの代名詞の所有格を正しく選択することができる。 並び替え 1 my や your や hisなどの代名詞の所有格を使った文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 my や your や hisなどの代名詞の所有格を使った文を正しく文を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 My bike is old. Your car is big. His dog is cute. My books are good. His balls are new. 2 Is my bike old? Is your car big?  Is his dog cute? Yes, it is.  Are my books old? No, they are not. 3 My bike is not old.  Your car is not big.  His dog is not cute.  My books are not good.  His balls are not new. 学習内容 10 疑問詞 who を用いて、誰かをたずねる疑問文 文法事項 表現 1「これは誰ですか。あの少女は誰ですか。」など、who を使った疑問文を正しく表現することができる。 2 身の回りの人についてクイズを作り、問題文を発表したり、答えたりすることができる。 理解 1 who を使った文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 who を使った文を正しく選択することができる。 並べ替え 1 who を使った文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 who を使った文を正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 Who is this ? He is my father. Who is that girl?   She is my sister.  Who are those girls?   They are my friends. 学習内容 11 whose を 用いて、誰の物かを尋ねる疑問文 文法事項 表現 1「これは誰の~ ですか。あれは、誰の~ですか。」など、whose を使った文を正しく表現することができる。 2 身の回りにあるものを用いて、周りの人たちに尋ねたり答えたりすることができる。 理解 1 whose を使った文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 whose を使った文を正しく穴埋めしたり、選択したりすることができる。 並び替え 1 whose を使った文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 whose を使った文を正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 Whose bike is this? It is hers. It's his. Whose car is that? It is mine. It's ours. 学習内容 12 主 語 が I やyou や複数形で、一般動詞を用いた文 文法事項 表現 1 「私は~します。あなたは~ します。私たちは~します。」などの主語が I や you や we などの文を正しく表現することができる。 2 do や don't を 使って、1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 周りの人たちと自己紹介をしたり、do を使って尋ねたりすることができる。 理解 1 主語が I や you や we などの文を正しく表現することができる。 2 内容に応じた動詞を選択することができる。 2 1の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1の文の否定文を正しく書くことができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 主語が I や you やwe などの文で内容に応じた動詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 主語がI やyou やwe などの文を正しく表現するために、単語を並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 主語がI やyou やwe などの文を正しく書くことができる。 2 1の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I play tennis. You eat bananas. We study math. 2 Do you eat bananas? Yes, I do. Do you study math? No, we don't. 3 I don't play tennis.  You don't eat bananas.  We don't study math. 学習内容 13 主語が三人称単数形で、一般動詞を用いた文 文法事項 表現 1 「彼は~します。彼女は~します。トムは~します。」などの主語が he や she や Tom などの三人称単数形の文を正しく表現することができる。 2 s を付ける動詞、es をつける動詞、y を i に変えて es を付ける動詞を判断できる。 3 does やdoesn't を使って、1の疑問文や否定文を表現することができる。 4 第三者について、紹介したり尋ねたりすることができる。 文法事項 理解 1 heやshe やTom などの主語に応じて、一般動詞に三単現の s,es を付けて、正しく表現することができる。 2 1の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1の文の否定文を正しく書くことができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 he やshe やTom などの主語に応じた一般動詞の文を正しく選択することができる。 2 正しく三単現のs,es がついた単語を選ぶことができる。 並べ替え 1 he や she や Tom などの主語に応じた一般動詞の文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 he や she や Tom などの主語に応じた一般動詞に三単現のs,es が付いた文を正しく書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 He plays soccer. She studies math. Tom has two balls. 2 Does he play soccer? Yes, he does.  Does she study math? No, she doesn't.  Does Tom have two balls? Yes, he does. 3 He doesn't play soccer.  She doesn't study math.  Tom doesn't have any balls. 学習内容 14 疑問詞 what を用いた一般動詞の疑問文 文法事項 表現 1「あなたは何をしますか。彼は何が好きですか。」など what を使った疑問文を正しく表現することができる。 2 what で尋ねられた文に、三単現の s に気をつけながら正しく答えることができる。 3 what を用いて、相手に尋ねることができる。 理解 1 what を使った一般動詞の疑問文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 what を使った疑問文を作るために、正しく穴埋めしたり選択したりすることができる。 並び替え 1 what を使った疑問文を作るために、正しく穴埋めしたり選択したりすることができる。 書き換え・和訳英訳 1 what を使った疑問文を作るために、正しく穴埋めしたり選択したりすることができる。 CAN-DO 例文 1 What do you play ? I play soccer. What does he like? He likes baseball. 学習内容 15 いろいろな疑問詞を用いた一般動詞の現在形の疑問文 文法事項 表現 1「あなたは、いつ~しますか。彼女はどこで~しますか。トムはなぜ~しますか。あなたはいくつ~しますか。」などいろいろな疑問詞を使った文を正しく表現することができる。 2 いろいろな疑問詞を使って、周りの人たちに尋ねたり、答えたりすることができる。 理解 1 いろいろな疑問詞を使った文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 when や where やwhy やhow many ~s などの疑問詞を使った疑問文を正しく選択したり、穴埋めしたりすることができる。 並び替え 1 when や where やhow many ~s な どの疑問詞を使った疑問文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 when や where やhow many ~s な どの疑問詞を使った疑問文を、正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 When do you play tennis? Where does she do her homework? Why does Tom go to the library? How many cats do you have? 学習内容 16 現在進行形の文 文法事項 表現 1「私は今~しています。」などいろいろな動詞を使った現在進行形を使った文を、主語に応じた be 動詞の現在形の選択や一般動詞の ing の変形を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 現在進行形の文を使って、周りの人に説明したり、尋ねたりすることができる。 理解 1 いろいろな一般動詞を使った現在進行形の文を正しく表現することができる。 2 動作動詞は進行形になるが、状態動詞は進行形の文にならないことを理解することができる。 3 主語に応じたbe 動詞を選択することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 一般動詞を使った現在進行形の文を表す文の穴埋めや選択をすることができる。 並び替え 1 一般動詞を使った現在進行形の文を表す文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 一般動詞を使った現在進行形の文を正しく活用して、現在進行形の文を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I am eating ramen now. You are studying math now. She is playing tennis now. 2 Are you eating ramen? Yes, I am. Are you studying math? Yes, I am. Is she playing tennis? 3 I am not eating ramen. You are not studying math. She is not playing tennis. 学習内容 17 いろいろな疑問詞を用いた現在進行形の疑問文 文法事項 表現 1「あなたは今なにをしていますか。彼は、どこで~ をしていますか。」など疑問詞を使った現在進行形の文を正しく表現することができる。 2 いろいろな疑問詞を用いた現在進行形の文を使って、周りの人たちに尋ねたり答えたりすることができる。 理解 1 いろいろな疑問詞を使った現在進行形の文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 when や where やwhy などの疑問詞を使った現在進行形の疑問文を正しく選択したり、穴埋めしたりすることができる。 並び替え 1 when や where やwhy などの疑問詞を使った疑問文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 when や where やwhy などの疑問詞を使った疑問文を、正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 What are you eating now? What is he doing now? Where are you playing tennis now? Why are you making sushi now? 学習内容 18 一般動詞の過去形を用いた文 文法事項 表現 1「私は~しました。彼女は~しました。」などの一般動詞の過去形の文を正しく表現することができる。 2 不規則変化動詞を正しく使うことができる。 3 1の過去形の文の疑問文や否定文を正しく書くことができる。 4 一般動詞の過去形を用いて、説明をしたり、尋ねたりすることができる。 理解 1 規則変化をする一般動詞の過去形の文を正しく表現することができる。る。 2 不規則変化をする動詞の過去形の文を正しく表現することができる。る。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 一般動詞の過去形を正しく活用して、過去を表す文の穴埋めや選択をすることができる。 並び替え 一般動詞の過去形を正しく活用して、過去を表す文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 一般動詞の規則変化動詞の過去形を正しく活用して、過去の文を書くことができる。 2 一般動詞の不規則変化動詞の過去形を正しく活用して、過去の文を書くことができる。 3 1 や2 の文の疑問文を正しく書くことができる。 4 1 や2 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I cooked lunch yesterday. She cleaned her room. 2 I went to school. He read that book last week. 3 Did you cook lunch yesterday? Did she clean her room? Did you go to school? Did he read that book? 4 You didn't cook lunch yesterday. She didn't clean her room. You didn't go to school. He didn't read that book. 学習内容 19 一般動詞の過去形で、疑問詞を用いた疑問文とその応答文 文法事項 表現 1「あなたは何をしましたか。彼はどこで~をしましたか。彼女は、いつ~しましたか。」など、疑問詞を使って一般動詞の過去の疑問文を表現することができる。 2 疑問詞を用いた過去の文章を使って、周りの人に尋ねたり、答えたりすることができる。 理解 1 疑問詞を使った一般動詞の過去の疑問文を、正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 疑問詞を使った一般動詞の過去の疑問文を、正しく表現する文を作るために、正しく穴埋めや単語の選択ができる。 並び替え 1 疑問詞を使った一般動詞の過去の疑問文を、正しく表現するために、単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 疑問詞を使った一般動詞の過去の疑問文を、正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 What did you study yesterday? Where did he play soccer? When did she do her homework? (表) 学習内容 20 助動詞canを用いた文 文法事項 表現 1「~することができる」という文をcan を使って表現することができる。 2「~してもいいですか。」「~してくれませんか」という文を can を使って表現することができる。 3「~してもいいですか。」「~してくれませんか」という文を can を使った文やその応答文を正しくいろいろなパターンで表現することができる。 理解 1 can を使って、「できる」という文を表現できることを理解している。 2 can を使って、「~してもよい、~してくれませんか」という文表現できることを理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 can を使った文を正しく表現するために、正しく穴埋めや単語の選択ができる。 並び替え 1 can を使った文を、正しく表現するために、単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 can を使って「~することができる。」という文を正しく書くことができる。 2 can をつかって、「~してもいいですか。~してくれませんか」という文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I can swim in the river. Can you play the piano? I can't swim. 2 Can you open the window? Sure. OK. No problem. 学習内容 21 命令文 命令、禁止、一般動詞の場合 be動詞の場合 文法事項 表現 1「~しなさい、~ してはいけません、~でありなさい。」のような命令文を正しく表現することができる。 2 「~しなさい」「~してはいけません」を使って、周りの人たちと楽しくゲームをすることができる。 理解 1 一般動詞や be 動詞の命令文の正しい作り方を理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 命令文を正しく選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 命令文を作るために、単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 命令文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 Drink milk. 2 Don't run here. 3 Be a good boy. 4 Don't be noisy. (表) 学習内容 22 勧誘や依頼の文 文法事項 表現 1「~しましょう。~してください。」のような勧誘や依頼の文を正しく表現することができる。 理解 1 勧誘や依頼の文の正しい作り方を理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 勧誘や依頼の文を正しく選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 勧誘や依頼の文を作るために、単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 勧誘や依頼の文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 Let's eat lunch. Let's go to school. Please open the window. Can you open the door? 学習内容 23 be 動詞の過去形の文 文法事項 表現 1「私は~でした。あなたは~ でした。 ~ にいました。」など be 動詞を使った過去の文を正しく表現することができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 be 動詞の過去形を用いて、いろいろな物や人について紹介をしたり、尋ねたりすることができる。 理解 1 be 動詞を使った過去の文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 be 動詞を使った過去の文を正しく表現するために、適切な語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 be 動詞を使った過去の文を正しく表現するために、適切な be 動詞を選択したり、単語を正しく並び替えたりすることができる 書き換え・和訳英訳 1 be 動詞を使った過去の文を正しく書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I was late. You were tall. He was in the library. 2 Was I late? Yes, you were. Were you tall? No, I was not. Was he in the library? Yes, he was. 3 I was not late. You were not tall. He was not in the library. (表) 学習内容 24 過去進行形の文 文法事項 表現 1「私はその時~ していました。あなたはその時~していました。彼はその時~していました。」などの主語に応じて be 動詞の過去形の選択や一般動詞の ing の変形を正しく表現することができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 過去進行形の文を用いて、周りの人に発表したり、尋ねたりすることができる。 理解 1 I やyou やhe などの主語に応じてbe 動詞の過去形を使い分けながら、正しくing 形に変えて、現在進行形を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 I や you や he な どの主語に応じて be 動詞の過去形や ing 形を正しく選択することができる。 並び替え 1 I や you や he などの主語に応じてbe 動詞過去形の選択や ing 形の活用を正しく選択し、過去進行形の文を並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 I や you や he などの主語に応じてbe 動詞の過去形やing 形を正しく活用させ、過去進行形の文を作ることができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I was playing tennis then. You were eating ramen then.  He was running in the park then. 2 Were you playing tennis then? Were you eating ramen then? Was he running in the park then? 3 I was not playing tennis then. You were not eating ramen then.  He was not running in the park then. (表) 学習内容 25 いろいろな助動詞を用いた文(肯定文、疑問文、否定文の時の文意の変化を含む) 文法事項 表現 1「私は~することができます。トムは~するつもりです。彼女は~しなければならない。」などのいろいろな助動詞を使って、正しい文を表現することができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 must など、否定文で意味が異なる表現があることを理解し、使い分けることができる。 4 いろいろな助動詞を用いて、周りの人たちに尋ねたり、紹介したりすることができる。 理解 1 can, will, may, must, などの助動詞を使って、正しく文を表現することができる。 2 否定文の場合の意味を理解することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 can, will, may, mustなどの助動詞を使った文を作るために、文意に沿った正しい助動詞を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 can, will, may, must などの助動詞を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 can, will, may, must などの助動詞を使って文を正しく書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 4 否定文になったときの意味の違いを理解している。 CAN-DO 例文 1 I can swim. Tom will go to Tokyo. You may eat this banana.  She must go now. 2 Can you swim? Yes, I can. Will you go to Tokyo? Yes, I will. May I eat this banana? Yes, you may. Must he go now? No, he must not. 3 I can't swim. You won't go to Tokyo. I may not eat this banana. He must not go now. 学習内容 26 助動詞と同じ働きや似た意味を持つ表現の文 文法事項 表現 1「彼は東京へ行くつもりです。あなたは、テニスをすることができます。あなたは宿題をしなければならない。」などの文を助動詞の canやwillやmustの代わりに、be able to や be going to やhave to などを使って表現することができる。 2 must not と not have to などの否定文で意味が異なる表現があることを理解し、使い分けることができる。 理解 1 助動詞のcanやwillやmustのかわりに、be able toや be going to やhave toなどを使って表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 助動詞のcan やwillや must の文を、be able to や be going toやhave to などを使う文に正しく書き換えたり、選択したりすることができる。 並び替え 1 助動詞のcanやwillやmustの文を、be able toやbe going toやhave toなどを使う文に正しく単語を並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 助動詞のcanやwillやmustの文を、be able to やbe going toやhave toなどを使う文で正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 He can swim.  He is able to swim. 2 She must go now. She has to go now. She doesn't have to go now. She must not go now. 3 You will buy it. You are going to buy it. (表) 学習内容 27 時刻や天気の表し方 文法事項 表現 1 it を用いて月日や曜日を表すことができる。 2 it を用いて時刻を表すことができる。 3 it を用いて天気を表すことができる。 4 it を用いて、自分が住んでいる町や地域などの紹介をしたり尋ねたりすることができる。 理解 1 月日や時刻や天気を表す時に主語はit を用いることを理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 月日や時刻や天気を表すために、it を用いて正しく書き換えたり、選択したりすることができる。 並び替え 1 月日や時刻や天気を表すために、it を用いて正しく単語を並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 月日や時刻や天気を表すために、it を用いて正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 It is January 3rd today. 2 It is Wednesday today. 3 It is sunny today. 4 It is 10:30 now. 学習内容 28 もののある位置の表し方1 文法事項 表現 1 もののある位置を前置詞を使って表すことができる。 2 もののある位置について、尋ねたり、図に描いたりすることができる。 理解 1 もののある位置を正しく表現する前置詞を理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 もののある位置を正しく表現する前置詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 もののある位置を表すために、前置詞を用いて正しく単語を並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 もののある位置を表すために、前置詞を用いて正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 The ball is on the desk. 2 Your pens are under the table. 3 His bag was by the door. 学習内容 29 もののある位置の表し方2 (there is, there are の文) 文法事項 表現 1 There is, There are の形で、もののある位置を前置詞を使って表すことができる。 2 肯定文の some と否定文や疑問文での any の使い分けを判断して表現することができる。 3 some と any の使い分けに注意しながら、もののある位置について尋ねたり答えたりすることができる。 理解 1 もののある位置を正しく表現する前置詞を理解している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 もののある位置を正しく表現する前置詞を正しく選択することができる。 並び替え 1 もののある位置を表すために、前置詞を用いて正しく単語を並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 もののある位置を表すために、前置詞を用いて正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 There is a big apple on the table. 2 There are many balls in his room. 3 There was an old temple in my town. 4 There were some oranges on the table. 5 Are there any balls in that box? (表) 学習内容 30 冠詞や形容詞や副詞の使い方 文法事項 表現 1「その人は、私に話しかけてきた。ここには古い建物がありました。彼は上手にピアノを弾くことができます。」など、冠詞や形容詞や副詞を使った文を正しく表現することができる。 理解 1 a やthe 等 の冠詞や形容詞、副詞を正しく使った文章を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 文意に沿って、aやthe 等の冠詞や形容詞、副詞を正しく選択して、表現することができる。 並び替え 1 a や the 等の冠詞や形容詞、副詞を使った文を正しく並び替えて表現することができる。 書き換え・和訳英訳 1 a やthe 等の冠詞や形容詞、副詞を正しく使った文章を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 The man spoke to me. There was an old building. He can play the piano well. I have some oranges. 2 Did the man speak to you? Was there an old building? Can he play the piano well? Do you have any oranges? 3 The man didn't speak to me. There was not an old building. He can't play the piano well. I don't have any oranges. (表) 学習内容 31 原級(等級)を用いた文 文法事項 表現 1 「私はリサと同じぐらい背が高いです。彼女はトムと同じぐらい速く走ることができる。」など、as+原級+as を用いて、等級の文を正しく表すことができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 否定文の時の日本語を正しく表現できる(「~ほど~ ではない。」等の表現)。 4 原級の文を用いて、身近な人や物や住んでいる町等について紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 as+原級+asを用いて正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 as+原級+asを用いて、正しく選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 as+原級+asを用いて等級を表す文を作るために、単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 as+原級+asを用いて正しく文を書くことができる。 2 1 の文の疑問文を正しく書くことができる。 3 1 の文の否定文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I am as tall as Lisa. She can run as fast as Tom. 2 Are you as tall as Lisa? Can she run as fast as Tom? 3 I am not as tall as Lisa.  I am not so tall as Lisa. She can't run as fast as Tom. (表) 学習内容 32 比較級を用いた文 文法事項 表現 1「私はリサより背が高いです。彼女はトムよりも速く走ることができます。」など、er + than を用いて、比較級の文を正しく表すことができる。 2「この本は、あの本よりも難しいです。」のように、長い単語の場合 more + than を用いて、比較級の文を正しく表すことができる。 3 1 や 2 の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 4 比較級の文を用いて、身近な人や物や住んでいる町等について紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 er + than を用いて、比較級の文を正しく表すことができる。 2 more + than を用いて、比較級の文を正しく表すことができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 er + than を用いて、比較級の文を表現するために、正しく穴埋めや適する語を選択することができる。 2 more + than を用いて比較級の文を表現するために、正しく穴埋めや適する語を選択することができる。 並び替え 1 er + than を用いて、比較級の文を表現するために、単語の並び替えを正しくすることができる。 2 more + than を用いて、比較級の文を表現するために、単語の並び替えを正しくすることができる。 書き換え・和訳英訳 1 er + than を用いて、比較級の文を正しく書くことができる。 2 more + than を用いて、比較級の文を正しく書くことができる。 3 1 や2 の文を疑問文にかえることができる。 4 1 や2 の文を否定文にかえることができる。 CAN-DO 例文 1 I am taller than Lisa. She can run faster than Tom. 2 This book is more difficult than that one. 3 Are you taller than Lisa?  Can she run faster than Tom?  Is this book more difficult than that one? 4 I am not taller than Lisa. She can't run faster than Tom.  This book is not more difficult than that one. (表) 学習内容 33 最上級を用いた文 文法事項 表現 1「私は一番~です。かれは一番~する。」など、the + ~est を用いて、最上級の文を正しく表現することができる。 2 the most~を用いて、最上級の文を正しく表すことができる。 3 1 や 2 の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 4 最上級の文を用いて、身近な人や物や住んでいる町等について紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 the + ~estを用いて、最上級の文を正しく表現することができる。 2 the most~を用いて、最上級の文を正しく表すことができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 the + ~estを用いて、最上級の文を正しく穴埋めや表現することができる。 2 the most~を用いて最上級の文を表現するために、正しく穴埋めや適する語を選択することができる。 並び替え 1 the + ~est を 用いて、最上級の文を作るために、正しく並び替えをすることができる。 2 the most~を用いて、最上級の文を表現するために、単語の並び替えを正しくすることができる。 書き換え・和訳英訳 1 the + ~est を用いて、正しく最上級の文を書くことができる。 2 the most~を用いて、最上級の文を正しく書くことができる。 3 1 や2 の文を疑問文にかえることができる。 4 1 や2 の文を否定文にかえることができる。 CAN-DO 例文 1 I am the tallest in my class. She can run the fastest of the three. (the↑ 省略可) 2 This book is the most difficult in this library. 3 Are you the tallest in your class? Is this book the most difficult in this library? 4 I am not the tallest in my class. This book is not the most difficult in this library. 学習内容 34 いろいろな比較級を用いた文 文法事項 表現 1 比較級や原級をを用いて最上級の意味の文を正しく表現することができる。 2 いろいろな級の文を用いて、身近なことについて周りの人に紹介したり、尋ねたりすることができる。 理解 1 比較級や原級を用いて、最上級の文を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 比較級や原級を用いて、最上級の文を正しく表すように、穴埋めや語の選択をすることができる。 並び替え 1 比較級や原級を用いて、最上級の文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 比較級や原級を用いて、最上級の文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 Tokyo is bigger than any other cities in Japan. 2 No other city in Japan is as big as Tokyo. 3 No other city in Japan is bigger than Tokyo. 35 付加疑問文 文法事項 表現 1「彼は~ですね。あなたは~をしますね。トムは~ではありませんよね。」などの付加疑問文を表現することができる。 理解 1 付加疑問文の作り方を be 動詞の場合と一般動詞の場合、現在形や過去形、肯定文と否定文の時の作り方を理化している。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 付加疑問文の作り方を be 動詞の場合と一般動詞の場合、現在形や過去形、肯定文と否定文の時で使い分けをしながら穴埋めや語の選択をすることができる。 並び替え 1 付加疑問文の作り方を be 動詞の場合と一般動詞の場合、現在形や過去形、肯定文と否定文の時で使い分けをしながら、文をつくるために単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 付加疑問文の作り方を be 動詞の場合と一般動詞の場合、現在形や過去形、肯定文と否定文の時で使い分けをしながら、正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 He is Tom, isn't he? 2 You play tennis, don't you? 3 Tom is not a student, is he? 4 You went fishing, didn't you? 5 She didn't eat lunch, did she? 学習内容 36 いろいろな重文と複文 文法事項 表現 1「~は~で、そして、~は~です。~ は~ですが、~は~です。」のような重文や「~のとき、~。もし、~なら~。~なので、~。~は、~であることを知っている」などの複文を正しく表現することができる。 理解 1 and, but などの等位接続詞を使った重文や if, because, when, that などの接続詞を使った複文を正しく表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 and, but などの等位接続詞を使った重文や if, because, when, that などの接続詞を使った複文を作るために、正しく選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 and, but などの等位接続詞を使った重文や if, because, when, that などの接続詞を使った複文を作るために、単語を正しく並び替えることができる 書き換え・和訳英訳 1 and, but などの等位接続詞を使った重文や if, because, when, that などの接続詞を使った複文を正しく文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 This is my father and that is my brother. It was rainy yesterday, but it will be sunny tomorrow. If you are busy, I will help you. Because it rained yesterday, I couldn't play tennis. When I was child, I was tall. I know that he can't swim. (表) 学習内容 37 不定詞を用いた文 (1)名詞的用法 (2)形容詞的用法 (3)副詞的用法 文法事項 表現 1 to 不定詞の名詞的用法を使った文を表現することができる。 2-1 to 不定詞の形容詞的用法を使った文を表現することができる。 2-2 疑問詞+to 不定詞を使った文を表現することができる。 3 to 不定詞の副詞的用法を使った文を表現することができる。 4 主語 +want+目的語+to 不定詞の文を表現することができる。 5 It is ~(+ for) to ~.を使った文を表現することができる。 6 原形不定詞を使った文を表現することができる。 理解 1 to 不定詞の名詞的用法を理解している。 2-1 to 不定詞の形容詞的用法を理解している。 2-2 疑問詞+to 不定詞を使った文を理解している。 3 to 不定詞の副詞的用法を使った文を理解している。 4 主語 +want+ 目的語+to 不定詞の文を表現することができる。 5 It is ~(+ for) to ~.を使った文を表現することができる。 6 原形不定詞を使った文を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 to 不定詞の名詞的用法を使った文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 2-1 to 不定詞の形容詞的用法を使った文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 2-2 疑問詞+to 不定詞を使った文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 3 to 不定詞の副詞的用法を使った文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 4 主語+want+目的語+to 不定詞の文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 5 It is~(+ for) to ~. を使った文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 6 原形不定詞を使った文を作るために、適する語の選択や穴埋めができる。 並び替え 1 to 不定詞の名詞的用法を使った文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 2-1 to 不定詞の形容詞的用法を使った文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 2-2 疑問詞+to 不定詞を使った文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 3 to 不定詞の副詞的用法を使った文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 4 主語+want+目的語+to 不定詞の文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 5 It is ~(+ for) to ~. を使った文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 6 原形不定詞を使った文を表現するために、語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 to 不定詞の名詞的用法を使った文を表現することができる。 2-1 to 不定詞の形容詞的用法を使った文を表現することができる。 2-2 疑問詞+to 不定詞を使った文を表現することができる。 3 to 不定詞の副詞的用法を使った文を表現することができる。 4 主語+ want +目的語+to 不定詞の文を表現することができる。 5 It is ~ (+ for) to ~. を使った文を表現することができる。 6 原形不定詞を使った文を表現することができる。 CAN-DO 例文 1 I like to play tennis. 2-1 I want something to drink. 2-2 I don't know where to go. 3 I went to America to study English. 4 I want you to go there. 5 It is easy for me to speak English. 6 She made me cook dinner last night. (表) 学習内容 38 動名詞を用いた文を表現することが 文法事項 表現 1 動名詞を使った文を表現することができる。 2 動名詞を使って、身近なことを周りの人に紹介をしたり、尋ねたりすることができる。 3 目的語としての動名詞を使った文を表現することができる。 理解 1 主語としての動名詞を使った文を表現することができる。 2 補語としての動名詞を使った文を表現することができる。 3 目的語としての動名詞を使った文を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 主語としての動名詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり穴埋めしたりすることができる。 2 補語としての動名詞を使った文を表現することができる。 3 目的語としての動名詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり穴埋めしたりすることができる。 並び替え 1 主語としての動名詞を使った文を作るために語を正しく並び替えることができる。 2 補語としての動名詞を使った文を作るために語を正しく並び替えることができる。 3 目的語としての動名詞を使った文を作るために語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 主語としての動動名詞を使った文を書くことができる。 2 補語としての動名詞を使った文を書くことができる。 3 目的語としての動名詞を使った文を書くことができる。   CAN-DO 例文 1 I like watching movies. 2 My hobby is collecting stamps 3 I enjoyed making Christmas cards. 4 He is good at making pizza. (表) 学習内容 39 受け身形の文(受動態) 文法事項 表現 1「~は、~によって、~されます。」のような受け身の文を正しく表現することができる。 2 文意によって、前置詞を正しく組み合わせて表現することができる。 3 受け身の文を使って、身近な物について説明することができる。 理解 1能動の文と受動の文を区別することができる。 2受動の文を表現することができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1受動の文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 受動の文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 受動の文を正しく書くことができる。 2 特別な表現方法をする受動の文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 This car was used by your father. 2 This car was made in Japan.  That car is covered with snow.  This desk is made of wood. 学習内容 40 現在完了形の文 文法事項 表現 1 完了や結果を表す現在完了形を使った文を正しく表現することができる。 2 経験を表す現在完了形の文を表現することができる。 3 継続を表す現在完了形の文を表現することができる。 4 現在完了形の3種類の文意に注意しながら、自分や身近な人について紹介したり尋ねたりすることができる。 理解 1 完了や結果を表す現在完了形を使った文を正しく表現することができる。 2 経験を表す現在完了形の文を表現することができる。 3 継続を表す現在完了形の文を表現することができる。 4 状況に応じて、完了・結果、経験、継続の表現を使い分けすることができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 完了や結果を表す現在完了形を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 2 経験を表す現在完了形の文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 3 継続を表す現在完了形の文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 完了や結果を表す現在完了形を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 2 経験を表す現在完了形の文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 3 継続を表す現在完了形の文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 完了や結果を表す現在完了形を使った文を正しく書くことができる。 2 経験を表す現在完了形の文を正しく書くことができる。 3 継続を表す現在完了形の文を正しく書くことができる。 4 状況に応じて、完了・結果、経験、継続の表現を使い分けして適する文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 He has gone to America. 2 I have eaten natto. 3 I have played tennis for ten years. 4 They have not come here yet. 5 Have you ever been to Kobe? 学習内容 41 現在分詞や過去分詞を用いた文 文法事項 表現 1 現在分詞を使った文を正しく表現することができる。 2 過去分詞を使った文を正しく表現することができる。 3 現在分詞や過去分詞を使って、身の回りの物を周りの人たちに紹介することができる。 理解 1 現在分詞を使った文を正しく表現することができる。 2 過去分詞を使った文を正しく表現することができる。 3 現在分詞も過去分詞も 1 語で修飾する場合は前につけ、2 語以上で修飾する場合は宇城に付けることができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 現在分詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 2 過去分詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 現在分詞を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 2 過去分詞を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 現在分詞を使った文を正しく書くことができる。 2 過去分詞を使った文を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 Do you know that girl running over there? 2 This is the letter written by Tom. 3 a sleeping baby  a broken radio  a baby sleeping near TV  a radio broken by him (表) 学習内容 42 関係代名詞を用いた文 文法事項 表現 1 主格の関係代名詞を正しく表現することができる。 2 目的格の関係代名詞を正しく表現することができる。 3 最上級などの特別な場合の関係代名詞を正しく表現することができる。 4 関係代名詞の省略形を正しく表現することができる。 理解 1 主格の関係代名詞を正しく表現することができる。 2 目的格の関係代名詞を正しく使うことができる。 3 最上級などの特別な場合の関係代名詞を正しく使うことができる。 4 関係代名詞の省略形を正しく使うことができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 主格の関係代名詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 2 目的格の関係代名詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 3 最上級などの特別な場合の関係代名詞を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 4 関係代名詞の省略形を使った文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 主格の関係代名詞を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 2 目的格の関係代名詞を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 3 最上級などの特別な場合の関係代名詞を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 4 関係代名詞の省略形を使った文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 主格の関係代名詞を正しく書くことができる。 2 目的格の関係代名詞を正しく書くことができる。 3 最上級などの特別な場合の関係代名詞を正しく書くことができる。 4 関係代名詞の省略形を正しく書くことができる。 CAN-DO 例文 1 The girl who is running over there is my sister. 2 I want to eat the cake that(又は which) my sister made yesterday. 3 Tom is the student that is the tallest in my school. 4 This is the letter my mother wrote ten years ago. 学習内容 43 5文型 文法事項 表現 1 5つの基本の文型を表現することができる。 2 例示された基本文を5つの文型に分けることができる。 理解 1 5つの基本の文型を区別することができる。 2 例示された基本文をS,V,O,C などに分けることができる。 3 例示された基本文を5つの文型に分けることができる。 書くことを中心としたチェック問題 選択・穴埋め 1 5つの基本の文型に文を作るために、正しく語を選択したり、穴埋めをしたりすることができる。 並び替え 1 5つの基本の文型に文を作るために、単語を正しく並び替えることができる。 2 例示された基本文を S,V,O,C などに分けて、語順を正しく並び替えることができる。 書き換え・和訳英訳 1 5つの基本の文型を使った例文を書くことができる。 CAN-DO 例文 1 I am running in the park. 2 You are tall. 3 I play tennis. 4 I give you this book. 5 You made me happy. 目次 CAN-DO リスト中学部生徒用 (表) 番号 学習項目 チェック 1 アルファベットの大文字と小文字 2 ローマ字 1 主語がthis やthat でbe 動詞を用いた文 2 主語がthis やthat でwhat を用いたbe 動詞の文 3 主語がthis やthat で形容詞を用いた be 動詞の文 4 主語が「この~は、あの~は、」で、形容詞を用いた be 動詞の文 5 主語がthis やthat で、代名詞の所有格を用いたbe 動詞の文 階段を上るように1 つ 1 つていねいに積み上げていけばきっと、きっと英語が得意になる日が来る 6 主語がI やyou でbe 動詞を用いた文 7 主語が三人称単数形で be 動詞を用いた文 8 主語が複数形で be 動詞を用いた文 9 代名詞の所有格を用いた「~の~は、」の be 動詞の文 10 疑問詞who を用いて、だれかを尋ねる疑問文 11 疑問詞whose を用いて、だれのものかを尋ねる文 12 主語がI, you, 複数形で、一般動詞の現在形を用いた文 13 主語が三人称単数形で、一般動詞の現在形を用いた文 14 疑問詞what を用いた一般動詞の疑問文 15 いろいろな疑問詞を用いた一般動詞の疑問文 16 現在進行形の文 17 いろいろな疑問詞を用いた現在進行形の文 18 一般動詞の過去形を用いた文 19 一般動詞の過去形を用いた否定文と疑問文とその応答文 20 助動詞can を用いた文 21 命令文 22 勧誘や依頼文 23 be 動詞の過去形を用いた文 24 過去進行形の文 25 いろいろな助動詞を用いた文 (肯定文、疑問文、否定文の時の文意の変化を含む) 26 助動詞と同じ働きや似た意味を持つ表現の文 27 it を用いた時刻や天気、季節の表し方 28 もののある位置の表し方 1 29 もののある位置の表し方 2 (there is, there are の文) 30 冠詞や形容詞、副詞の使い方 31 原級(等級)を用いた文 32 比較級を用いた文 33 最上級を用いた文 34 いろいろな比較級を利用した文 35 付加疑問文 36 いろいろな重文と複文 37 to 不定詞を用いた文 名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法 38 動名詞を用いた文 39 受け身形の文 40 現在完了形の文 41 現在分詞や過去分詞を用いた文 42 関係代名詞を含む文 43 5 文型 44 いろいろな前置詞 「書くこと」 に 注目した中学部用CAN-DOリスト 1 アルファベットやローマ字の確認 (表) 学習内容 表現・理解(書くことと指文字や手話などで表現すること中心) チェック 学習内容 1アルファベット 表現・理解(書くことと指文字や手話などで表現すること中心) 1アルファベットの大文字を見て、読み方がわかる。 2アルファベットの小文字を見て、読み方がわかる。 3読み方を見て、アルファベットの大文字を書くことができる。 4読み方を見て、アルファベットの小文字を書くことができる。 5アルファベットの大文字のA~z までを順番通りに書くことができる。 6アルファベットの小文字のa~zまでを順番通りに書くことができる。 1アルファベットの大文字を見て、読みを選択することができる。 2アルファベットの小文字を見て、読みを選択することができる。 3読みを見て、アルファベットの大文字を選択することができる。 4読みを見て、アルファベットの小文字を選択することができる。 5アルファベットの大文字の読みを順序よく表現することができる。 6アルファベットの小文字の読みを順序よく表現することができる 7アルファベットの大文字を順序よく書くことができる。 8アルファベットの小文字を順序よく書くことができる。 学習内容 2ローマ字 表現・理解(書くことと指文字や手話などで表現すること中心) 1清音の日本語をローマ字で書くことができる。 2ローマ字で表された日本語〔清音のみ〕を日本語で表すことができる。 3濁音や拗音、撥音、促音の混じった日本語をローマ字で書くことができる。 4濁音や拗音、撥音、促音の混じった日本語をローマ字であらわしたものを日本語で表すことができる。 1清音の日本語の文字をローマ字で書くことができる。 2ローマ字で書かれた清音の日本語を日本語の指文字や文字で表すことができる。 3濁音や拗音、撥音、促音が混じった日本語をローマ字で書くことができる。 4濁音や拗音、撥音、促音の混じった日本語をローマ字で表したものを日本語の指文字や文字で表すことができる。 2 中学部学習内容の確認 (書くことを中心に表現や理解を確認する) (表) 学習項目 例文と学習内容       自己評価表      チェック   CAN-DO例文 CAN-DO英文法 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 学習項目 1 主語がthisやthatで、be動詞を用いた文 CAN-DO例文 1 This is a book. That is a car. 2 Is this a book? Is that a car? 3 Yes, it is. No, it is not. 4 This is not a book. That is not a cat. CAN-DO英文法 1「これは、~です。あれは、~です。」と表現することができる。 2「これは、~ですか?あれは、~ですか?」という疑問文やそれに対する応答を表現することができる。 3「これは、~ではありません 」という否定文を表現することができる。 4 身の周りの物を友達に紹介したり、尋ねたり答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 2 主語 が this やthat で、what を用いた be 動詞の文 CAN-DO例文 1 What is this? It is a bike. It's a bike. 2 What is that? It is a ball. It's a ball. CAN-DO英文法 1「これは何ですか、あれは何ですか。」の疑問文を尋ねたり答えたりすることができる。 2 身の周りの物について、尋ねたり、答えたりすることができる。 3「これは何でしょう。」のクイズを作り、周りの人たちに問題を出したり、答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 学習項目 3 主語がthisやthatで、形容詞を用いた be動詞の文 CAN-DO例文 1 This is a big dog. That is a new car. That's a new car. 2 Is this a big dog? Yes, it is.  Is that a new car? No, it is not. No, it's not. 3 This is not a big dog. That is not a new car.   CAN-DO英文法 1 形容詞を用いて、「これは、~い(な)~です。あれは~い(な)~です。」の文を正しく表現することができ る。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の周りの物や人について、形容詞を用いて、紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 43 5文型 例文と学習内容 CAN-DO例文 1 I am running in the park. 2 You are tall. 3 I play tennis. 4 I give you this book. 5 You made me happy. CAN-DO英文法 1 5つの基本の文型を表現することができる。 2 例示された基本文を5つの文型に分けることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) いろいろな前置詞 about after along among around at before behind between by during for from in into on of off out since than till, until under with, without (表) 学習項目 例文と学習内容 自己評価表 チェック CAN-DO 例文 CAN-DO 英文法 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 学習項目 4 主語が「この~は、あの~ は」で、形容詞を用いた be 動詞の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 This dog is big. That car is new. 2 Is this dog big? Yes, it is. Is that car new? No, it is not. No, it's not. 3 This dog is not big.  That car is not new. CAN-DO 英文法 1 形容詞を用いて、「この~は、~です。あの~は、~です。」の文を表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の周りの物や人について、紹介したり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 5 主語が this やthat で、代名詞の所有格を用いた be 動詞の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 This is my book. That is his car. 2 Is this your book? Yes, it is. Is that his car? No, it is not. 3 This is not my book. That is not his car. CAN-DO 英文法 1 代名詞の所有格を正しく表現することができる。 私は 私の あなたは あなたの 彼は 彼の 彼女は 彼女の 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 代名詞の所有格を用いて、身の周りの人や物について、紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 6 主語がIやyouを用いたbe 動詞の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I am Keiko. I am from Tokyo. You are tall. You are a tennis player. 2 Are you tall? Yes, I am. No, I am not. 3 I am not Keiko. I am not from Tokyo. You are not tall. CAN-DO 英文法 1「私は~です。あなたは~です。~にいます。~出身です。」などの主語が I やyou でbe 動詞の文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 自分や周りの人について、紹介や尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 7 主語が三人称単数形でbe 動詞を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 He is Ken. He is in the park. She is my sister. Tom is strong. 2 Is he Ken? Is he in the park? Is she your sister? Is Tom strong? 3 He is not Ken. He is not in the park. She is not my sister. Tom is not strong. CAN-DO 英文法 1「彼は~です。彼女は~です。トムは~にいます。」などの主語が he や she や Tom などの三人称で単数形の be 動詞の文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の周りの第三者について、紹介したり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 8 主語が複数形の be 動詞を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 We are tall. You are students. They are kind. 2 Are we tall? Yes, you are. Are you students? No, we are not. Are they kind? Yes, they are. 3 We are not tall. You are not students. They are not kind. CAN-DO 英文法 1「私たちは~です。あなたたちは~です。彼らは~にいます。」などの主語が we や you や they などの複数形の be 動詞の文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 身の周りのいろいろな人について、紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 9 代名詞の所有格を用いた「~の~は、」の be 動詞の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 My bike is old. Your car is big. His dog is cute. My books are good. His balls are new. 2 Is my bike old? Is your car big? Is his dog cute? Yes, it is.   Are my books old? No, they are not. 3 My bike is not old. Your car is not big. His dog is not cute. My books are not good. His balls are not new. CAN-DO 英文法 1「私の~は~です。あなたの~は~です。彼の(彼女の)~は~です。」などの代名詞の所有格を使った文を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 いろいろな代名詞の所有格を用いた節を主語にして、人や物を紹介したり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 10 疑問詞who を用いて、だれかを尋ねる文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 Who is this ? He is my father. Who is that girl? She is my sister. Who are those girls? They are my friends. CAN-DO 英文法 1「これは誰ですか。あの少女は誰ですか。」など、who を使った疑問文を正しく表現することができる。 2 身の周りの人についてクイズを作り、問題文を発表したり、答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 11 疑問詞whose を用いて、誰の物かを尋ねる文 例文と学習内容 CAN-DO例文 1 Whose bike is this? It is hers. It's his. Whose car is that? It is mine. It's ours CAN-DO 英文法 1「これは誰の~ですか。あれは、誰の~ですか。」などwhose を使った疑問文を正しく表現することができる。 2 身の周りにあるものを用いて、周りの人たちに尋ねたり答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 12 主語がI やyou や複数形で、一般動詞の現在形を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO例文 1 I play tennis. You eat bananas. We study math. 2 Do you eat bananas? Yes, I do. Do you study math? No, we don't. 3 I don't play tennis. You don't eat bananas. We don't study math. CAN-DO 英文法 1「私は~します。あなたは~します。私たちは~します。」などの主語が I や you や we などの文を正しく表現することができる。 2 do や don't を使って、1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 周りの人たちと自己紹介をしたり、do を使って尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 13 主語が三人称単数形で、一般動詞の現在形を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO例文 1 He plays soccer. She studies math. Tom has two balls. 2 Does he play soccer? Yes, he does. Does she study math? No, she doesn't. Does Tom have two balls? Yes, he does. 3 He doesn't play soccer. She doesn't study math.  Tom doesn't have two balls. CAN-DO 英文法 1「彼は~します。彼女は~します。トムは~します。」などの主語が he や she や Tom などの三人称単数形の文を正しく表現することができる。 2 s を付ける動詞、es をつける動詞、y をi に変えてes を付ける動詞を判断できる。 3 does や doesn't を使って、1の疑問文や否定文を表現することができる。 4 第三者について、紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 14 疑問詞 whatを用いた一般動詞の疑問文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 What do you play ? I play soccer. What does he like?   He likes baseball. CAN-DO 英文法 1「あなたは何をしますか。彼は何が好きですか。」などwhat を使った疑問文を正しく表現することができる。 2 whatで尋ねられた文に、三単現のs に気をつけながら正しく答えることができる。 3 whatを用いて、相手に尋ねることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 15 いろいろな疑問詞を用いた一般動詞の現在形の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 When do you play tennis? Where does she do her homework? Why does Tom go to the library? How many cats do you have? CAN-DO 英文法 1「あなたは、いつ~しますか。彼女はどこで~ますか。トムはなぜ~ますか。あなたはいくつ~ますか。」などいろいろな疑問詞を使った文を正しく表現することができる。 2 いろいろな疑問詞を使って、周りの人たちに尋ねたり、答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 16 現在進行形の文 CAN-DO 例文 1 I am eating ramen now. You are studying math now. She is playing tennis now. 2 Are you eating ramen? Yes, I am. Are you studying math? Yes, I am.   Is she playing tennis? 3 I am not eating ramen. You are not studying math. She is not playing tennis. CAN-DO 英文法 1「私は今~しています。」などいろいろな動詞を使った現在進行形を使った文を、主語に応じた be 動詞の現在形の選択や一般動詞のing の変形を正しく表現することができる。 2 1の疑問文や否定文を表現することができる。 3 現在進行形の文を使って、周りの人に説明したり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 17 いろいろな疑問詞を使った現在進行形の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 What are you eating now? What is he doing now? Where are you playing tennis now? Why are you making sushi now? CAN-DO 英文法 1「あなたは今なにをしていますか。彼は、どこで~をしていますか。」など疑問詞を使った現在進行形の文を正しく表現することができる。 2 いろいろな疑問詞を用いた現在進行形の文を使って、周りの人たちに尋ねたり答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 18 一般動詞の過去形を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I cooked lunch yesterday. She cleaned her room. 2 I went to school. He read that book last week. 3 Did you cook lunch yesterday? Did you go to school? 4 You didn't cook lunch yesterday. You didn't go to school. CAN-DO 英文法 1「私は~しました。彼女は~しました。」などの一般動詞の過去形の文を正しく表現することができる。 2 不規則変化動詞を正しく使うことができる。 3 1の過去形の文の疑問文や否定文を正しく書くことができる。 4 一般動詞の過去形を用いて、説明をしたり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 19 一般動詞を用いた過去の疑問詞を使った疑問文とその応答文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 What did you study yesterday? Where did he play soccer? When did she do her homework? CAN-DO 英文法 1「あなたは何をしましたか。彼はどこで~をしましたか。彼女は、いつ~しましたか。」など、疑問詞を使って 一般動詞を用いた過去の疑問文と応答文を表現するこ とができる。 2 疑問詞を用いた過去の文章を使って、周りの人に尋ねたり、答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 20 助動詞 canを用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I can swim in the river. 2 Can you play the piano?   I can't swim. 3 Can I go now? Can you open the window? Sure. OK. No problem. CAN-DO 英文法 1「~することができる」という文を can を使って表現することができる。 2「~することができますか?」「~することができませ ん」という疑問文とその応答文や否定文を正しく作るこ とができる。 3「~してもいいですか。」「~してくれませんか」という 文を can を使った文やその応答文を正しくいろいろなパターンで表現することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 21 命令文 (命令、禁止、一般動詞の場合、be 動詞の場合) 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 Drink milk. 2 Don't run here. 3 Be a good boy. 4 Don't be noisy. CAN-DO 英文法 1「~しなさい、~してはいけません、~でありなさい。のような命令文を正しく表現することができる。 2「~しなさい」「~してはいけません」を使って、周りの人たちと楽しくゲームをすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 22 勧誘や依頼の文 CAN-DO 例文 1 Let's eat lunch. Let's go to school. Please open the window. Can you open the door? CAN-DO 英文法 1「~しましょう。~してください。」のような勧誘や依頼の文を正しく表現することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 23 be 動 詞 の過去形を用いた文 CAN-DO 例文 1 I was late. You were tall. He was in the library. 2 Was I late? Yes, you were. Were you tall? No, I was not. Was he in the library? Yes, he was. 3 I was not late. You were not tall. He was not in the library. CAN-DO 英文法 1「私は~でした。あなたは~でした。~にいました。」など be 動詞を使った過去の文を正しく表現することができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 be 動詞の過去形を用いて、いろいろな物や人について紹介をしたり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 24 過去進行形の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I was playing tennis then. You were eating ramen then. He was running in the park then. 2 Were you playing tennis then? Were you eating ramen then? Was he running in the park then? 3 I was not playing tennis then. You were not eating ramen then. He was not running in the park then. CAN-DO 英文法 1「私はその時~していました。あなたはその時~していました。彼はその時~していました。」などの主語に応 じて be 動詞の過去形の選択や一般動詞の ing の変形を正しく表現することができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 過去進行形の文を用いて、周りの人に発表したり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 25 いろいろな助動詞を用いた文 (肯定文、疑問文、否定文の時の文意の変化を含む) 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I can swim. Tom will go to Tokyo. You may eat this banana. She must go now. 2 Can you swim? Yes, I can. Will you go to Tokyo? Yes, I will. May I eat this banana? Yes, you may. Must he go now? No, he must not. 3 I can't swim. You won't go to Tokyo. I may not eat this banana. He must not go now. CAN-DO 英文法 1「私は~することができます。トムは~するつもりです。彼女は~しなければならない。」などのいろいろな助動詞を使って、正しい文を表現することができる。 2 1の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 must など、否定文で意味が異なる表現があることを理解し、使い分けることができる。 4 いろいろな助動詞を用いて、周りの人たちに尋ねたり、紹介したりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 26 助動詞と同じ働きや似た意味を持つ表現の文 例文と学習内容         CAN-DO 例文 1 He can swim. He is able to swim. 2 She must go now. She has to go now. She doesn't have to now. She must not go now. 3 You will buy it. You are going to buy it. CAN-DO 英文法 1「彼は東京へ行くつもりです。あなたは、テニスをすることができます。あなたは宿題をしなければならない。」 などの文を助動詞のcan やwill や must の代わりに、be able to や be going to やhave to などを使って表現することができる。 2 must not と not have to などの否定文で意味が異なる表現があることを理解し、使い分けることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 27 it を用いた時刻や天気の表し方 例文と学習内容         CAN-DO 例文 1 It is January 3rd today. 2 It is Wednesday today. 3 It is sunny today. 4 It is 10:30 now. CAN-DO 英文法 1 it を用いて月日や曜日を表すことができる。 2 it を用いて時刻を表すことができる。 3 it を用いて天気を表すことができる。 4 it を用いて、自分が住んでいる町や地域などの紹介をしたり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 28 もののある位置の表し方1 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 The ball is on the desk. 2 Your pens are under the table. 3 His bag was by the door. CAN-DO 英文法 1もののある位置を前置詞を使って表すことができる。 2もののある位置について、尋ねたり、図に描いたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 29 もののある位置の表し方2 (there is, there are の文) 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 There is a big apple on the table. 2 There are many balls in his room. 3 There was an old temple in my town. 4 There were some oranges on the table. 5 Are there any balls in that box? CAN-DO 英文法 1 There is, There are を使って、もののある位置を前置詞を使って表すことができる。 2 肯定文の some と否定文や疑問文での any の使い分けを判断して表現することができる。 3 some とany の使い分けに注意しながら、もののある位置について尋ねたり答えたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 30 冠詞や形容詞や副詞の使い方 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 The man spoke to me. There was an old building. He can play the piano well. I have some oranges. 2 Did the man speak to you? Was there an old building? Can he play the piano well? Do you have any oranges? 3 The man didn't speak to me. There was not an old building. He can't play the piano well. I don't have any oranges. CAN-DO 英文法 1「その人は、私に話しかけてきた。ここには古い建物がありました。彼は上手にピアノを弾くことができます。」 など、冠詞や形容詞や副詞を使った文を正しく表現することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 31 原級(等級)を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I am as tall as Lisa. She can run as fast as Tom. 2 Are you as tall as Lisa? Can she run as fast as Tom? 3 I am not as tall as Lisa. I am not so tall as Lisa. She can't run as fast as Tom. CAN-DO 英文法 1「私はリサと同じぐらい背が高いです。彼女はトムと同じぐらい速く走ることができる。」など、as+原級+as を用いて、等級の文を正しく表すことができる。 2 1 の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 3 原級の文を用いて、身近な人や物や住んでいる町等について紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 32 比較級を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I am taller than Lisa. She can run faster than Tom. 2 This book is more difficult than that one. 3 Are you taller than Lisa? Can she run faster than Tom? Is this book more difficult than that one? 4 I am not taller than Lisa. She can't run faster than Tom. This book is not more difficult than that one. CAN-DO 英文法 1「私はリサより背が高いです。彼女はトムよりも速く走ることができます。」など、er + than を用いて、比較級の文を正しく表すことができる。 2「この本は、あの本よりも難しいです。」の difficult ように、長い単語の場合more + than を用いて、比較級の文を正しく表すことができる。 3 1 の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 4 比較級の文を用いて、身近な人や物や住んでいる町等について紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 33 最上級を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I am the tallest in my class. She can run the fastest of the three. (the← 省略可) 2 This book is the most difficult in this library. 3 Are you the tallest in your class? Is this book the most difficult in this library? 4 I am not the tallest in my class. This book is not the most difficult in this library. CAN-DO 英文法 1「私は一番~です。かれは一番~する。」など、the + ~est を用いて、最上級の文を正しく表現することができる。 2 the most~を用いて、最上級の文を正しく表すことができる。 3 1 の文の疑問文や否定文を正しく表現することができる。 4 最上級の文を用いて、身近な人や物や住んでいる町等について紹介したり尋ねたりすることができる。 (表) 学習項目 34 いろいろな比較級を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 Tokyo is bigger than any other cities in Japan. 2 No other city in Japan is as big as Tokyo. 3 No other city in Japan is bigger than Tokyo. CAN-DO 英文法 1 比較級や原級を用いて最上級の意味の文を正しく表現することができる。 2 いろいろな級の文を用いて、身近なことについて周りの人に紹介したり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 35 付加疑問文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 He is Tom, isn't he? 2 You play tennis, don't you? 3 Tom is not a student, is he? 4 You went fishing, didn't you? 5 She didn't eat lunch, did she? CAN-DO 英文法 1「彼は~ですね。あなたは~をしますね。トムは~ではありませんよね。」などの付加疑問文を表現することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳   チェック 36 いろいろな重文と複文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 This is my father and that is my brother. It was rainy yesterday, but it will be sunny tomorrow. If you are busy, I will help you. Because it rained yesterday, I couldn't play tennis. When I was child, I was tall. I know that he can't swim. CAN-DO 英文法 1「~は~で、そして、~は~です。~は~ですが、~は~です。」のような重文や「~のとき、~。もし、~なら~。~なので、~。~は、~であることを知っている」 などの複文を正しく表現することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳   チェック (表) 学習項目 37 不定詞を用いた文 (1) 名詞的用法 (2) 形容詞的用法 (3) 副詞的用法 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I like to play tennis. 2-1 I want something to drink. 2-2 I don't know where to go. 3 I went to America to study English. 4 I want you to go there. 5 It is easy for me to speak English. 6 She made me cook dinner last night. CAN-DO 英文法 1 to 不定詞の名詞的用法を使った文を表現することができる。 2-1 to 不定詞の形容詞的用法を使った文を表現することができる。 2-2 疑問詞+to 不定詞を使った文を表現することができる。 3 to 不定詞の副詞的用法を使った文を表現することができる。 4 主語+want+目的語+to 不定詞の文を表現することができる。 5 It is ~ (+ for) to ~. を使った文を表現することができる。 6 原形不定詞を使った文を表現することができる。 7 to 不定詞を用いた文を使って、自分のことや身近なことを説明することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 38 動名詞を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 I like watching movies. 2 My hobby is collecting stamps 3 I enjoyed making Christmas cards. 4 He is good at making pizza. CAN-DO 英文法 1動名詞を使った文を表現することができる。 2 動名詞を使って、身近なことを周りの人に紹介をしたり、尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック (表) 学習項目 39 受け身形の文(受動態) 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 This car was used by your father. 2 This car was made in Japan. That car is covered with snow. This desk is made of wood. CAN-DO 英文法 1「~は、~によって、~されます。」のような受け身の文を正しく表現することができる。 2 文意によって、前置詞を正しく組み合わせて表現することができる。 3 受け身の文を使って、身近な物について説明することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 40 現在完了形の文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 He has gone to America. 2 I have eaten natto. 3 I have played tennis for ten years. 4 They have not come here yet. 5 Have you ever been to Kobe? CAN-DO 英文法 1 完了や結果を表す現在完了形を使った文を正しく表現することができる。 2 経験を表す現在完了形の文を表現することができる。 3 継続を表す現在完了形の文を表現することができる。 4 現在完了形の3種類の文意に注意しながら、自分や身近な人について紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 41 現在分詞や過去分詞を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 Do you know that girl running over there? 2 This is the letter written by Tom. 3 a sleeping baby a broken radio a baby sleeping near TV a radio broken by him CAN-DO 英文法 1 現在分詞を使った文を正しく表現することができる。 2 過去分詞を使った文を正しく表現することができる。 3 現在分詞や過去分詞を使って、身の周りの物を周りの人たちに紹介することができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 学習項目 42 関係代名詞を用いた文 例文と学習内容 CAN-DO 例文 1 The girl who is running over there is my sister. 2 I want to eat the cake that(which) my sister made yesterday. 3 Tom is the student that is the tallest in my school. 4 This is the letter my mother wrote ten years ago. CAN-DO 英文法 1 主格の関係代名詞を正しく表現することができる。 2 目的格の関係代名詞を正しく表現することができる。 3 最上級などの特別な場合の関係代名詞を正しく表現することができる。 4 関係代名詞の省略形を正しく表現することができる。 5 関係代名詞を使って、周りの人に身近な物や人について紹介したり尋ねたりすることができる。 自己評価表 選択穴埋め 並替作文 和訳英訳 チェック 聾学校中学部における英語科CAN-DO リストの作成にあたって ~音声的な側面に関わる指導について~ 筑波大学附属聴覚特別支援学校中学部 廣瀬由美 1.はじめに  平成23(2011)年度より、小学校で外国語活動が必修となり、先行実施の期間も含めると約10 年が経過した。聴覚に障害をもつ幼児・児童・生徒の通う特別支援学校(以下、聾学校)で、音声中心で行うとされる外国語活動にどのように取り組んでいくべきなのかと疑間と不安を持ちながらも、それぞれの聾学校で様々な工夫を凝らしながら、実践が積み重ねられている。  平成29(2017)年3 月告示の新学習指導要領では、2020 年度より、小学5、6年で外国語科(英語科) が週 90 分(年間 70 時間)、3、4年生で外国語活動が週 45 分(年間 35 時間)行われることとなった。そうした中で聾学校の外国語活動や英語の授業において、音声的な側面をどのように、どの程度、何の 目的で指導していくのかということはしばしば議論に上がっている。  聾学校中学部に長く勤務し、小学部の外国語活動にも関わってきた経験から、音声面について指導していく意味、指導すべき内容等について、過去の実践研究等を踏まえて考察していきたい。 2.聾学校での英語教育の現状と課題  聾学校でも単一障害の場合には、通常の学習指導要領に準じた各教科の教育が行われている。勤務校に通う生徒達は、幼少時から補聴器や人工内耳などを用い、残された聴力を活用しながら、発音・発語や読話等の学習を通し、音声言語を用いてコミュニケーションをとる聴覚口話教育を受けている。そのため、程度の差はあるもの、音声を発しながらコミュニケーションをとる生徒が多い。生徒も保護者も 英語を音読することへの抵抗感もなく、むしろ指導の要望も強い。授業中の様子を見ていても、生徒たちが熱心に音読練習に取り組んだり、口頭での会話を楽しんだりする様子がよく見られている。それでも、そうした生徒の中には英語学習においては日本語習得の際に身に付けてきた聴覚活用や発音・発語 の能力を十分に応用できておらず、実用英語技能検定(以下、英検)3級一次試験に合格する力を身につけているにもかかわらず、音読の誤りが多い生徒もしばしば見られる。また、t とf、t とr、d とcl といった、視覚的な類似性はあるものの英単語の読み方を意識していれば起こらないであろう綴りの誤りもよく見られる。  聴覚障害生徒への英語教育について議論する際には、「英語の読み方を教えても、実際のコミュニケーション場面になると、挨拶程度にしか使えず、結局、読み書きのみでコミュニケーションを取ることになる。読み書きさえできればいいのだから音読は不要である」という考え方をする教員や生徒、保護者が一定数いることは理解している。一方で、近年、補聴器や人工内耳などの機器、医療技術の進歩が目覚ましく、残存聴力を活用して、英語学習に取り組める生徒が増えていることも見逃せない。  その上で、先行研究から、そして自分自身が指導を続けてきた経験からも、特に日本語より数の多い母音をすべて弁別できるようにしたり、/r/と/l/の発音を聞き分けたり、音の高低をコントロールして適切なイントネーションで話せるようにしたりするにはかなりの労力と時間がかかり、それをすることによって得られるものとのバランス、いわばコストパフォーマンスを考えると、それほどまでに細かい指導が必要とも思えないというのが実感である。一方で、強勢については、指導方法の工夫により、ある程度、指導が可能であるという手ごたえを感じている。  また、英語教育全体を見ても、鳥飼(2017)が「英語をたらしめている発音や文法や語彙などについての基礎的な学習は必須」だが、「いつまでも『ネイティブ英語』にこだわらず、自分らしい英語で語る、というのが、国際共通語としての英語」(第7講 これからの英語学習)と述べているように、英語は世界中の人が第2言語、第3言語としてそれぞれが自分の母語の影響を受けながら英語を使っているので、細かい発音の技能にこだわらず、積極的に発信していく姿勢と発信する内容を育てていくべきというような考えも広く見られるようになってきた。教育関係者だけではなく、元国連事務次長の明石康氏も2017 年10 月10 日に東京都港区の国際文化会館で行われた公開シンポジウム「英語を使い世界に活路を開く」の基調講演において、「会話や交渉で最も重要な要素は発音ではなく内容だ」と強調している。(翌日の読売新聞朝刊37 面)  このような流れも受けて、現在、指導の方針・目標としているのは、カタカナ語として通用している語を英単語の語彙力につなげられる程度の音声面の知識、日本人の英語、あるいは聴覚障害者の発語に慣れた方がある程度理解できるような音声面の技能を身につけさせることである。  また、英語教育全体を考えた場合に、英単語はローマ字と比べ音と綴りの間の関係性が複雑なため、聴覚に障害を持たない中学生にとってもネイティブスピーカーにとっても英単語の綴りを習得することは決して容易なものではない。しかしながら、英単語習得につまずきを覚えると、学習への意欲を失っていくことも多い。  多くの教員の実感として、一つ一つ辞書を引いて、意味、音、綴りを一致させ、単語練習を繰り返し行うことで、音と綴りの関係を自然に習得していくことができる生徒も多く、200 語程度の英単語の綴りを習得できると、その後はそれまでよりも容易に綴りを覚えられるようになるということが語られることが多い。しかし、自然に関係性を習得できない生徒や根気よく学習に取り組めず、その段階に達する前に挫折してしまう生徒も一定数存在するため、関係性をより容易に理解させられるような教材が必要となる。  聴覚に障害がない生徒の場合でも習熟度によっては類似の誤りが全く見られないという訳ではないと思われるが、聴覚に障害がある場合は特につまずきやすいのではないかと考え、そのような状態を改善するための教材作成や指導のあり方について検討してきた。そして、平成28 年度英検研究助成を受け、「聴覚障害をもつ生徒の英単語の読みと綴りの関係性理解向上のための自作デジタル教材の作成と 活用」についての研究に取り組んだ。  本稿では、それまでの先行研究の内容、助成を受けて作成した教材の内容等について紹介するととも に、その他音声面に関連して行っている指導について述べていきたい。 3.聾教育における英語教育に関する先行研究  佐藤ら(2015)は通常教育における英語科教育を巡る動きを踏まえた上で、日本の聴覚障害児童・生徒に対する、英語科教育、外国語活動に関する文献を学術雑誌、紀要、書籍等から収集し、分析している。聴覚障害児童生徒を対象とする特別支援学校(聾学校)では、1970 年代までは聾学校の生徒に対し英語教育を行うこと自体に意義があるのかどうかという議論が行われ、国語教育を重視することとの関連で、週時数1~2時間という状況にあったこと、1987年に視覚・聴覚障害生徒を対象とした筑波技術短期大学が開校したこともあり、1980 年代以降、聴覚障害生徒にとっても英語は就職や進学の際に一般教養として必要であるという論調が強くなったが、実態としては学年を下げた教科書の使用などについての紹介がなされている。1990年代になると平成元(1989)年の学習指導要領の改訂で「コミュニケーション」という言艇が初めて登場した影響で、「話すこと」への対応、ALTの導入について議論されるようになってきた。さらに、2000 年代になると、松藤(2009)が指摘しているように、特別支援学校(聾学校)出身者の海外留学も珍しくなくなり、聾学校の英語教育の目標をより高いところに設定する必要が出てきた。その一方、秋山(2009)が指摘しているように、依然として「英語よりまず日本語」という考え方も存在している。  英語学習におけるコミュニケーションの側面については、松藤(2004)、秋山(2009)などアメリカ手話(ASL)を活用した取り組みが数多く報告されている。  音声面に関しては、松藤(2011)が述べるように、英語教育ではカナをふることは推奨されていないが、聾学校では文字やカナを振ることが奨励されている。英語の音の指導については常に議論の対象に なっているが、聾学校では正確な発音は求めないものの、ある程度「英語の音」を理解させるべきだということが広く認識されている。  このような状況の中で、聾学校の英語教育においても、従来、フォニックスを活用した指導は行われている。例えば、早川(2012)は高等部2学年進級段階で、習熟度が最も厳しい生徒を対象にフォニックスを継続指導した結果、単語が読めるようになったことから、単語学習に意欲的に取り組む姿勢が見られるようになったという報告をしている。  比嘉(2013)は中学部3年生3名に対し、フォニックスを用いた指導を行い、文字と音を対応させて単語を習得し、フォニックスを利用して未習語を読めるようになったと述べている。  また、白井(2011)も新潟難聴中学生のための英語学習会でフォニックスを活用して英単語を習得させる実践を行い、聴覚障害生徒は、単語のスペルを書く練習だけでは身につかず、①スペル、②読み(綴 りに合わせて読める)、③意味の理解が必要となると述べている。  一方で、フォニックスは限られた授業時数の中で指導に取り入れるには例外が多く、ルールが複雑すぎる、正確な発音を求めないのであればルールとして不完全になるので不要であるなど否定的な見解 を述べる教員も多いのが実情である。  このような先行研究を参照しながら、英単語の綴りを習得する際のつまずきや聾学校の生徒特有の誤りを改善するために、フォニックスを活用して指導ができないかと考え、平成 15 年から平成 23 年までかけて手書きプリントを作成し、修正を重ねた。それらの手書きプリントを元に平成 23 年度にMicrosoft Power Pointを用いてデジタル教材を試作し、一斉授業で指導に用いた。筑波大学附属聴覚特別支援学校中学部(2012)は、その教材の概要や授業を受けた生徒への質間紙調査の結果などにつ いて文部科学省・筑波大学主催平成24 年度(第39 回) 聴覚障害教育担当教員講習会中学部配付資料にて公表した。その後、綴りの学習につまずきの見られる生徒を個別指導する際に使用して指導しながら、改善を図ってきた。  そこで、廣瀬(2016a)、廣瀬(2017)では、英単語習得の際も音声の情報と文字情報を関連付けていくことで効果的に学習を進めることができることに気付かせ、英単語をよりスムーズに習得させ、文法的な学習と並行しながら、英語でのコミュニケーションに積極的に取り組める生徒を育てることができるような教材作成や活用の方法について検討することを目的とした。 4.聴覚障害生徒の英単語の読みと綴りの関係性理解向上のための自作デジタル教材の作成と活用 4.1.試作版教材作成の基本方針  市販のフォニックス教材の多くはネイティブの子どもが習得する際に早期に身につける単語を元に作られているため、必ずしも中学生の学習語彙と一致している訳ではない。また、フォニックスの指導はあくまでも音と文字を結びつけることが目的であり、意味との結びつきについての指導は別途行えばよいとする傾向があるが、中学生の学習に対する意識・態度を踏まえると、教科書や間題集などに頻出する語彙について取り上げて、意味も理解した上でルールの整理や確認をしていくのが望ましいと考えた。したがって、作成した試作版では中学1~2年生の英語学習によく用いられる英単語を取り上げることを念頭に置き、英単語を選び、それらをフォニックスの基本的なルールを参考にして整理した。その際、前後の文字によって読み方が決まるものについても、説明が煩雑にならないように画面上には細かい説明を載せず、必要に応じて解説できるようにした。  また、市販のフォニックス教材はCD で音声を聞きながら学習するものが多く、読み方をカタカナで振ってないものも多い。試作版教材を作成するにあたっては、聴覚の活用が難しい生徒も音声情報を視 覚的にとらえられるよう、英単語の読み方をカタカナで示した。  英単語の発音をカタカナで示すことについては賛否両論あり、またどのように表すかについても様々な方法・考え方がある。拝田清・上野舞人(2016)では、若林(1997)、中村・森住(2001)、田尻(2010)、島岡・島岡(2013)の4つを比較し、それぞれの特徴を音素に照らし合わせ、比較・検討している。その上で、音素以外にも公教育において求められる英語カタカナ表記の条件として、信頼性が高いこと、どのような児童・生徒にとっても理解が容易なこと、教師にとって負担にならないことを挙げ、最も使い勝手の良い英語カタカナ表記は島岡・島岡(2013)であると結論付けている。  しかしながら、本試作版教材では、勤務校生徒にとっての分かりやすさを第一に考え、勤務校使用教 科書に準拠し、多くの生徒が使用している『ニューホライズン英和辞典』の表記方法を採用した。 4.1.1.試作版の種類と特徴 4.1.1.1 手書きプリント  平成15 年頃から「英単語の読み方、書き方を覚えるコツ」と題した手書きプリントの作成を開始し、平成23 年まで修正を重ねた。プリントは「入門編」、「基本編①子音の文字の場合」、「基本編②母音の文字の場合」の3 枚で、入門編では、英単語の綴りと読み方の関係についての基本的な事項を扱った。具体的には、英単語の綴りと読み方の関係はローマ字ほど規則的ではないが、一定のルールがあるとい うことを最初に述べ、それぞれのアルファベットは漢字で言う音読み・訓読みのような 2 つの読み方(教材中では「フォニックス読み」、「アルファベット読み」としている)をもっていること、強勢(アクセント、ストレス)がないところには母音の文字が入らないことが多い(母音のないところは強勢がない)こと、最後にe がつく場合はその前にある母音字はアルファベット読み(二重母音)になることなどを扱っている。  基本編は、さらに子音編と母音編に分け、それぞれの文字の基本的な読み方を示し、そのように読む単語を例として挙げた。複数の文字が組み合わさっている場合(例:ch、th など)についても扱っている。  例とする語の選定については、できるだけ生徒が中学校の教科書やワークなどで触れることの多い単語を取り上げるよう心掛け、授業を行う中で、取り上げると理解しやすくなる単語を少しずつ加え、改定を行った。  発音の表記については、使用教科書に準拠する『ニューホライズン英和辞典』の他、複数の辞書の表記を参照しながら、カタカナ語とも関連させやすいカタカナ表記にした。  強勢は読み方の文字を0で囲むことによって表し、該当する文字と読み方に下線を引いて示した。 4.1.1.2.デジタル教材  平成23年までプリントと板書のみで授業を展開していたが、ルールを説明するためには例となる語を複数提示する必要があり、かなり板書が細かく、煩雑になっていた。電子黒板で提示できるデジタル教材にまとめることによって、より多くの例を取り上げながらも、迅速に分かりやすく提示して授業を進めることができると考え、平成23 年にデジタル教材作成を行った。  具体的には4.1.1.1 の手書きプリントの内容を元にMicrosoft Power Point を用いてデジタル教材を試作し、一斉授業で指導に用いた。  このデジタル教材も手書きプリントと同様、入門編、基本編 (子音編・母音編)の3 つに分かれている。 強勢は読み方の文字を大きくすることで表し、該当する文字と読み方を赤字にした。(図1、図2) 図1 入門編のデジタル教材の画面例 図2 子音編のデジタル教材の画面例 4.1.1.3.試作版についての生徒アンケートの実施とカード教材の作成  4.1.1.2.の試作版について、勤務校中学部在籍生徒を対象にアンケート調査を実施し、その結果について廣瀬(2016a)は第50 回全日本聾教育研究大会(附属大会)第3分科会ー2(学力と教科教育I(文系・中学部・高等部))で口頭発表を行なった。  また、生徒から単語カードのような教材が欲しいという要望が出たため、デジタル教材のスライド画面を印刷したものをラミネート加工し、リングで綴じた教材を作り、生徒に利用させた。 4.2.試作版の配付と教員アンケートの実施  このようにして作成した試作版について、10 月に行われた第50 回全日本聾教育研究大会(附属大会) 第3分科会ー2(学力と教科教育I(文系・中学部・高等部))で口頭発表した際に、画像データを DVD-ROM に入れ、分科会に参加していた約30 名の教員に配付した。また同じ内容のDVD-ROM をアンケート、発表資料とともに全国の聾学校(104校)、聴覚障害英語教育研究会のメーリングリストで勢った希望者等に送付し、23 の聾学校、43 名の教員からアンケートに回答があった。アンケートの質間項目は、試作版教材の有用性、希望する教材の形状、活用に適していると思う時期、活用の方法について選択肢か ら選び、理由等を自由記述で記入していただき、最後に意見、感想を自由記述で記入していただいた。 4.2.1.教員アンケートの結果 4.2.1.1.試作版教材の有用性  「教材は生徒が英単語を覚えるのに役立ちそうか」を「まったく役に立たない」「あまり役に立たない」「少し役に立ちそう」「大いに役に立ちそう」の4件法で尋ねた。  「まったく役に立たない」は0人、「あまり役に立たない」は4人、「少し役に立ちそう」が 24 人、 「大いに役に立ちそう」が14 人であった。(1名は「あまり役に立たない」と「少し役に立ちそう」の両方に丸を付けていた。)  また、「まったく役に立たない」を1、「あまり役に立たない」を2、「少し役に立ちそう」を3、「大いに役に立ちそう」を4として計算した平均値は 3.22 であった。(ただし「あまり役に立たない」と「少し役に立ちそう」の両方に丸を付けていた方は2.5 として計算した。)  そのように考えた理由を自由記述で記入していただいたが、「あまり役に立たない」と答えた理由は、日ごろ担当している生徒が音声を用いてコミュニケーションをしていない、あるいは音声を用いたコミュニケーションに消極的で音読を拒否しているなどの状態で、読みと綴りを関係づけることが難しい、ルールが多く、理解したり、覚えたり、適応したりできそうではなく、かえって学習負担が増えそうといったことが挙げられていた。 4.2.1.2.希望する教材の形状  希望する教材の形状については、プリント、カード、PC 用、タブレットPC 用、スマホ用、その他を選択肢として挙げ、希望する順に1番から4番まで記号で答えるようにした。1番を4点、2番を3点、3番を2点、4番を1点とし、計算した結果は表1のとおりである。 表1 希望する教材の形状の順位得点換算値 プリント 104 カード 118 PC 用 79 タブレットPC用 55 スマホ用 9  思ったよりもプリント、カードといったアナログの教材を希望する意見が多いが、欄外にデジタルを希望するが、学校に十分な環境が整っていないという内容の記述も複数見られたので、今後、情報機器 の環境が整っていった場合、デジタル教材のニーズが高まる可能性は高いと考えている。 4.2.1.3.活用に適している時期、活用方法  活用に適していると思う時期、活用の方法については、「( )年生の( )頃」という回答欄を設け、自由に記述していただいた。英語を学習し始めたらすぐに扱った方がいいという意 見とある程度学習が進んでからの方がいいという意見、不完全でもよいので早い時期に導入してこまめに復習したり、新出語句が出てくるたびに繰り返し触れたりするのがよいだろうという意見があった。 4.3.教材の修正  アンケートの回収を行うと同時に、回答で指摘のあった箇所、以前から自分自身で修正したいと思っていた箇所から、順次、教材の修正を行った。 4.3.1.入門編、基本編 (子音編・母音編)の修正  強勢については丸囲みの方が分かりやすいという意見があり、修正した。(図3) 図3 子音編のデジタル教材の画面例  試作版では発音記号を用いていなかったため、特に母音編では正確に分けることが困難で、ルールの説明が分かりにくいものとなっていた。教員アンケートでも同様の指摘があり、画面内に発音記号を表示することにした。母音に関しては取り上げたルールが不足しているように感じられたので、いくつかのルールを追加した。  子音についても、th やf をs やh と区別するためにひらがなを用いた方がよいという意見を複数いただき、画面上に発音の仕方について簡潔な説明を加え、ひらがなを用いて区別する表記の仕方があることをノートに記述し、必要に応じて解説できるようにした。  また、単語の難易度を示すために、中1で学習するか否かでセルの色分けを行っていたが、使用教科 書によって学習する順番が異なること、小学校で外国語活動が始まり5 年あまりが経過して曜日、月、時間、色、食べ物(果物、料理)、飲み物、動物、スポーツなど読みレベルでは理解している語が増えていることをふまえ、色分けは取りやめた。  画面上に表示される情報量が多すぎるという指摘が複数あったため、一部の説明をノートに移し、教員のみが参照できるようにし、対象生徒の実態に合わせて説明するという形に修正した。  また、例として挙げた単語より平易で使用頻度の高い単語の例の提案などを受け、一部の単語を変更 した。  その他、前後の文字との関連で読み方が決まるにも関わらず、そのことについて触れていないので不正確であるという指摘があったので、ノートに説明等を加筆した。 4.3.2.演習編、応用編の追加  課題となっていた「生徒が能動的に取り組むための工夫」として、読み方の部分を隠しておいて、生徒に読ませてから、読み方を文字で提示・確認するアニメーションを入れた演習編、カタカナ語の元となった英単語の綴りを推測する練習をする応用編の作成を試みた。  1画面に何間入れるのが適切か、など検討課題があり、生徒に実際に取り組ませ、アンケートを取るなどして修正することが今後の課題となった。 4.4.授業の進め方の改善 4.4.1.教材を使った授業の進め方  当初は、中2 の2 学期以降に帯時間のように毎回少しずつ学習を行っていくという扱い方をしてきたが、早くルールの全容をつかんだ方がいいと考え、現在は中1の夏休み前に1 時間または2 時間の一斉授業で教材を活用している。 4.4.2.教材でルールを学習した後の定着に向けた指導の行い方  一度ですべてのルールを習得するのは難しいので、一斉授業以降、生徒の実態に応じて、繰り返し復習を行うことが重要である。それぞれの生徒の実態に応じて既習語が読めない時などにプリントやカード教材を参照させながら、指導を行っている。  また、従来は新出語句の学習の際、カタカナ表記が併記されている単語カードを提示しながら、発音して見せ、繰り返し音読させるという活動を行っていた。その後、既習語が読めない時などにプリントを参照させたり、同じルールを使った他の単語を読ませたりして、個別に指導を行ってきた。  現在は、新出語句の学習の際、はじめは英単語のみを白チョークで板書し、生徒が十分に習得していないルール(主に母音字に関するルール)の部分に赤チョークで下線を引き、単語の上にその読みを書き加え、生徒に単語全体の読みを推測させてから、確認のために単語の下に黄色チョークでカタカナ表記をするという方法を取っている。  このような進め方にすることにより、生徒自身がルールを適応して新出語を自力で読むという能動的な活動が増えた。それにより、ルールの習得が促され、未習語句でもすぐに読めることが増えてきているという実感がある。手書きでは時間がかかるので、今後、この方法で指導するのに適した形状の単語カードを作成し、授業で繰り返し、利用していくことを検討している。  英語の発音のカタカナ表記については、今後、様々な間題集、ワーク等に触れることも念頭におき、複数の表し方を併記することも頻繁に行っている。カタカナでは正確な英語の発音を表せる訳ではないが、そうすることにより、基本的なルールを習得して、およそ近い読み方をすることができる段階には達することができるようになっているので、『ニューホライズン英和辞典』の表記のみにとらわれず、いくつかの表記を取り上げるように心がけている。また、単語ではなく、句や節、文になると、連音などで発音が変わるようなものについても適宜取り上げ、音読練習を行っている。  発音記号についても、若林(2016)のようにいちいち発音記号で発音を表記するから、記号がないと読めないと生徒が思い込んでしまう、綴りを見てきちんと発音できるようにすることの方が大切であるという考え方もあるので、発音記号を使うことにこだわり過ぎず、「発音記号を使うとカタカナよりも正確に表記することができるが、ルールを身につければ記号がなくても読める」ということも伝えるように心がけている。 4.5. 考察  この教材が「あまり役に立たない」場合として、回答にもあったとおり、日常の会話において音声を用いてコミュニケーションをしていない生徒や、ルールを理解したり、覚えたり、適応したりする能力・適性がない場合などが考えられる。確かに近年、身体の障害により起こる困難については代わりの方法で対応することが求められる社会になってきたこともあり、音声を使わず、聾学校内では手話、一般社会では筆談でコミュケーションを取るという聴覚障害者も増えており、特に成人聾者からは「英語は(音声で)話しても通じないから音読の練習は無駄である」といった意見をいただくことも多い。  しかし、勤務校の生徒を指導していると、英検一次試験の大間1のような、選択肢がある適語補充間題の場合に、一読して分からなくても、一つずつあてはめて英文を音読するように指示すると正答を選べるということが時折あるので、聴覚に障害がある場合でもある程度音声を活用して日本語を習得したり、日常会話において日本語でコミュニケーションしたり、思考したりしている場合には、英語においても健聴者と同様な感覚で表現を選ぶことができると考えられる。そのような観点で英単語の読み方を習得させることが聴覚に障害がある児童・生徒に対しても有効な場合があるといえる。  また、「筆談すればいいから音読は不要」という考えで国語(日本語)教育を行うことはパソコンやスマホなどでの文書作成の際に困難をきたす可能性もある。それは、ローマ字入力にせよ、カナ入力にせよ、漢字の正しい読み方を打たなければ、漢字をキー入力することができないからである。  聾学校の教育では、生徒達の国語力(日本語力)の改善が課題となっており、各研究会等でも国語教育(日本語教育)についての議論が盛んである。したがって、学級担任や部活動顧間として自立活動の時間などに日本語の指導を行うことが通常の学校と比べ、多くなっている。特に、勤務校では日本漢字能力検定の取得に積極的に取り組んでおり、学級担任として家庭学習のチェックや指導・助言を行っている。その中で、漢字の学習においても、「へん」は意味、「つくり」は音を表すことが多いことを利用して、既習の漢字と関連付けて、未習得の漢字の読みを指導することがある。ルールを理解しているがために「比較」を「ひこう」と読む生徒が見られるなど課題はあるが、漢字の一部分(部首) と読み方を結びつけるという指導の方法は一定の成果を上げていると考えている。  英語教育においても一定数の単語を習得する際に基本的なルールを習得しておけば、初めて出会う 単語でも読むことができ、読むことができれば英語由来のカタカナ語と関係づけて意味を理解することができるようになる。そうすれば、グローバル化が進み、日本語の中に英語由来のカタカナ語が著しく増加している昨今、読み方さえ分かれば意味が分かるという語はますます増えていくと思われる。また、補聴器の性能の向上、人工内耳装用者の増加などを考えると、発音を文字で補い、音読練習を行いながらルールを習得させるような教材はすべてとは言わないが、相当数の聴覚障害者にとって必要なものと考えている。  聾学校の生徒もより一層聴覚を活用していく可能性が増しているという意味では、今回の教材には音声データは載せなかったが、先生方のアンケートにも数人の記述があった通り、音声も再生できるようにする必要があるかもしれない。しかし、音声を手掛かりに学習を進めていくことが可能な生徒については、市販のフォニックス教材を活用していくことができる可能性が高いので、聴覚障害児童・生徒向けの教材としては必須ではないとも考えている。  今回、追加した演習編、応用編は検討の時間が足りず、まだ質、量とも不十分なものではあるが、今後、実際の指導で活用しながら、生徒や他の先生方の意見を聞きながら、修正を加え、改善していくことにより、カタカナ語の知識を活用しながら、英単語の意味を捉え、英文の意味を正しく理解できるような生徒を育てられる教材を作成することができると考えている。  今回、多くの先生方からご意見やご感想をいただき、教材を改善することができたが、改善した教材を用いて、実践を行い、その効果を客観的に検証することが対象生徒の人数の少なさや時間不足のためにできなかった。今後、客観的に効果を立証できるよう、さらに実践をつみかさねていきたい。 5.ヘボン式ローマ字の指導  フォニックスのようなルールを生かした指導の前段階として、ヘボン式ローマ字の習得が必要である。しかしながら、小学校段階の国語の時間に行われる訓令式ローマ字の指導については十分に時間が取れていない場合も多く、中学入学段階で十分習得できていない生徒も少なくはない。しかしながら、中学段階になってからは、学年対応の教育課程で学習を進めていく単独障害の生徒の場合は、英語の授業時間内でヘボン式ローマ字の練習に授業時数を割くことが難しい。そこで、家庭学習課題等で補充しながら、英語学習を進めていくことになる。  まず、ヘボン式ローマ字でどのような言艇を書く練習をするのかということについては、カタカナで 書かれた言艇は英単語であると考えてしまう(例えば「イヌ」「リンゴ」など動植物名は日本語の単語でもカタカナで書くことがあるが、こうした表記を見て英語であると捉えてしまう)生徒、あるいはローマ字で書けば英語になる(例えば「机」をtsukueと書けば英語になる)と誤解してしまう生徒が一定数いることが経験上、分かってきたので、「椅子」「机」といった一般名詞ではなく、英語学習でもローマ字で書く必要がある、固有名詞を使って練習するようにしている。具体的には、新しい仲間が増えたことをきっかけとして、同級生あるいは上級生の氏名を書いたり、中学生になって部活動が始まり、地域の大会等にも参加するという状況を踏まえ、所属支部の中学校や小学校の名前を書いたり、林間学校で訪れる土地の名前(松本、山梨、白朴など)を書いたりといった内容のプリントを作成して全員に 宿題として配付している。その際には、ローマ字表から探して書くことが負担になって、取り組めない 場合もあるので、手本を示した上で練習スペースを設けるプリントから学習を始め、次第に自力で書けるように課題の内容を工夫している。  こうした課題の取り組み状況を踏まえ、状況によっては定期試験に数問、出題することにより、反復練習を促し、定着を図ることもある。  さらに、他の生徒と比べ習得が遅れている生徒については個別学習ノートを用いて指導している。その際は、その生徒自身が興味を持っている芸能人、スポーツ選手、ゲームや漫画の登場人物などの名前などを取り上げて、練習に取り組んでいる。 6.カタカナ語調べ  フォニックスのようなルールを生かして英単語を覚えていく際には、カタカナ語に興味を持ち、多くの語彙を獲得していくことが効果的である。現在は外国語活動等も始まっており、小学部段階でよく行われている活動であるが、生徒の言語力の状況によっては、引き続き必要な活動となるので、紹介しておきたい。  廣瀬(2000)では、中1の夏休みに30 語、春休みに20 語、カタカナで書かれた外来語について調べる「カタカナ語調べ」の課題を課した実践について報告している。見つけたカタカナ語、ヘボン式ローマ字、英語の綴り、英語の読み方のカタカナ表記を記入するワークシートになっており、英語への関心を高め、理解語彙を増やす効果が見られ、英語の綴りがある程度発音に関係しているという意識を育てることができたと述べている。  小学生の場合と比べると、身につけさせたい英単語に合わせて一般的な名詞を挙げていくのではなく、個々の生徒の好きな小説、漫画、ゲーム等、興味が強い事柄からカタカナのことばを探して、ヘボン式ローマ字で表記したり、英単語の綴りと比べたりしていく方が、外国語、英語への興味・関心を高め、読みと綴りのルールの定着、英単語の習得につながっていくと考えられる。新出語句の導入の際にもこうした話題を取り入れることができるように、生徒たちが関心をもっていることにアンテナを張りたいものである。 7.音読の指導  本校中学部の英語の授業では、教科書の英文や語句の際や、文法事項の導入で基本例文を扱う際に、音読の練習を行っている。特に入門期には学級全体で教員の後に続いて音読する、グループごとに役割を分担して音読する、ペアになって対話練習を行う、他の生徒の前で対話文をジェスチャー付きで演じながら音読するといった活動がよく行われている。  その際、聴覚に障害のある生徒達の場合、教員の発音も、生徒自身の発音も聴覚情報だけでは十分にフィードバックされないので、文字によって音についての情報を補いながら練習している。  新出語句の導入については、4.で述べたデジタル教材での指導と関連して、カタカナで読み方を 振らなくても、初見の単語でも読めるようになることを目指し、読み方を推測させたりしながら、学習を進めている。その際には強勢の位置については特に意識して確認し、強勢のないところは弱く、曖昧に読むことを繰り返し確認し、代表的な表記以外の表記も紹介して、練習を行っている。弱く読ませる時は「息だけを出して、声は出さないよ」、「すごく短く言ってごらん」、「声を出す偵前で止めてごらん」などと説明すると、上手に読める生徒が多い。聴覚障害が重い生徒の場合は、 弱く読むということを意識させるために教室にある集団補聴器のマイクの音量インジケータの針の振れ方を手がかりにするなどの工夫をしている。最近であれば、そういった機器がなくても、スマートフォン・タブレットパソコンの騒音計アプリなどでも代用することができるだろう。  個々の音素の発音については、例えば、th、f、v などの発音は口の形を見せて説明すると上手に真似できる生徒もいるが、知識として学ぶことと実際に使えることは少し隔たりがあること、つまりいつもきちんと発音するとか、区別して聞き取れることを求めるのは酷だということを理解しておくようにしている。具体的に言うと、/v/が日本語のバ行の発音になっても許容するし、/r/と/l/は発音が違うことは知っている必要はあるが、言い分けたり聞き分けたりはできなくてもかまわな い。必要に応じて筆談を取り入れればよい。母音の細かい違いも言い分けたり、聞き分けたりできなくてもよい。日本語にはない音があることが知識として分かっていて、必要に応じて文字で確認できる態度を養っておくことが大切であると考えている。  英文については、新出語句に代表的なカタカナ表記をつけて練習することが多いが、リエゾンなどについても説明を加えて、練習を行っている。その際には、意味のまとまりを意識して読ませること、語と語の間より句と句の間、句と句の間より文と文の間を長めにするつもりで、あまり慌てずにゆっくり丁寧に、十分な声量で、強勢に注意して読むように指導している。意味のまとまりを意識して読むことについては、日本語の「文節」について確認し、日本語の文章をあえて不自然な区切りで音読してみると、よく理解できる。抑揚については非常に難しいが、疑間詞のない疑間文は上昇調など、知識として教えている。  また、カタカナ自体を読んでしまうことを避けるために、既習の語句はカタカナ表記をしない、隠しても読めるかどうか確認するようにしている。そのために、読み方や意味は教科書には書き込まないで、必ずノートに書くように指示を徹底させている。  音読の速さについては、ジェフ・リンゼー(2017)もインタビューの中で「日本では意外に思われることが多いのですが、日本の学習者は話すスピードが速すぎます。…思い切って、各要素が意識できるくらいゆっくりと発音する練習をするとよいと思います。」と述べており、ネイティブの普通の話し言艇は発音を改善するには速すぎるので、しっかり発音できるようになるまではゆっくり(日本語との違いを意識して)強調しながら話す必要があると述べている。  また、聴覚障害生徒は社会に出た時、口頭でコミュニケーションを取る場合には、相手にややゆっくり話してもらうことが必要になることが多いということを念頭におき、韓国旅行の前に「お手洗いはどちらですか?」という韓国語を覚え、実際、韓国を訪れた際、滑らかに言えて通じたが、相手の返答が速くて分からなかったという自分自身の体験を交え、「スラスラ、ペラペラ話せるとかっこいいけど、相手の人はその速さでも分かると思って、同じような速さで返してくるよ。むしろ外国人らしくゆっくり丁寧に話した方が、相手もゆっくり話してくれるからコミュニケーションは取りやすくなるよ」などと話している。 8.英検(実用英語技能検定)取得に向けた指導  英語学習や英検については保護者の関心も高く、入学してすぐ4 月下旬の授業参観の際に質間を受けることがある。その際には、塾、家庭教師等で特別に勉強をしている生徒以外は1月に行われる第3 回の検定での受検を視野に入れ、12 月に試験方法などの説明を全体に対し行うと説明している。  中 1 生徒への説明を行う12 月までの間に、2,3 年生が第 1 回、第2 回の検定で合格すると、朝礼で合格証の伝達を行うので、説明を行う時期には英語の検定試験が実施されていることを知っていて、どのような試験なのか興味をもっている。  期末試験返却も終えた12月上旬の授業中に試験の出題形式や学習の仕方などについて説明を行う。苦手な生徒も中学部卒業までには取得しようと声掛けをしている。 8.1.1 次試験に向けた指導  筆記試験については説明の際に出題形式別に例題を提示して、解き方を確認し、各自間題集を購入して、冬休みを活用して間題演習を行い、分からないことを個別に質間することにしている。授業中には特に対策を行わないが、1 月には模擬試験として時間を計って過去の間題を解かせ、時間内に解ききれるかどうか、苦手な間題形式がないかどうかを確認し、必要があれば個別に指導を行っている。  英語があまり得意ではなく、2年生、3年生になってから受検する生徒については、受験準備を早めに始め、家庭学習が進んでいるかどうか、頻繁に確かめながら、時間をかけて準備している。  リスニングについては、英検では教科書の既習語以外の単語が数多く出てくるので、冬休みに筆記試験の間題練習を行って、読んで理解できる英単語を増やしてから、1 月中旬に過去に出題された間題のDVDを用いて練習を行っている。その際は卒業までには受検することをふまえ、その回に受験をしない生徒も一緒に取り組むことが多い。  第1部には元々、例題があり、必要に応じて一時停止しながら間題の解き方について確認してから、数問練習を行う。テロップは、図4 のように黒地になっており、文字の色については、設間番号等は白色、男性の声の場合は水色、女性の声の場合は黄色、Question の場合は緑色となっている。 図4 代替措置DVD の画面例 (2015年第3回検定3級)  文字が右から左に流れていくので、流れていく文字を追うのではなく、文字が出てくる画面の右端を見るように指示をしている。また、Question の場合は、☆☆Question:の後に出てくる文頭に特に注意するように促している。  第 2 部、第 3 部には例題がないので、それぞれの 1 間目を一時停止したりしながら、間題の解き方の確認をした後、数問練習を行う。必要に応じて、さらに別の回の間題を使って練習することもある。  4 級以上は原則的に家庭学習で対策を行うが、出題形式が変わる部分についてはプリント等を用いて個別に指導を行う。4 級の場合は長文間題の解き方の指導が中心となる。また3級以上のリスニング間題は、英文が流れる回数が1 回に減るので、その確認と練習が不可欠である。 8.2.2 次試験に向けた指導  2次試験の指導はおおむね1 次試験が終わってから放課後などの時間に行っている。  3級の場合は、面接試験が初めてなので、面接の流れやよく用いる英語表現、面接のマナーなどについてまとめたプリントを配付し、説明を集団で行う。その後、個別に途中、日本語で解説や指導を行いながら、入室から退室までの流れを実際に体験させる。過去の受験生から実際の試験の様子を聞き、英文提示の際、現在は本番のフラッシュカードの代わりとして、A4 横長の用紙に英文をゴシック系フォント、サイズ28、横1.5 倍角太字で印刷したカードを用いている。  自宅で英文の音読やよく用いる英語表現の練習をするように指示し、後日、入室から退室まで途中で止めずに練習を行い、解説やアドバイスを行う。筆談の場合にも説明は同様に行い、練習での解答は筆 談で行う。積極的にコミュニケーションを図る姿勢を示す観点から、書き終えたら、顔を上げアイコンタクトをしたりして伝えるように指導している。  英文の音読については、個々の生徒の発音の状態を踏まえ、過負担にならないように留意している。重点を置いて指導している項目は、英文の意味を考え、語句のまとまりを意識して適切な間を取ること、名詞の複数形などの語尾の発音に注意することである。音読がなめらかにできない生徒もいるが、文と文の間を語と語の間よりも長くあけて区別がつくように指導している。  質疑応答の対策としては、質間の英文の形に合わせて可能な限り文の形で答えること、重複している部分は省略すること、必要に応じて人称代名詞を用いて答えること、進行形や未来表現の語形変化に 注意することなどを指導している。  準2級では状況を描写する設間があるので、市販の間題集を活用し、数多く練習を行っている。本人の希望に応じて英文日記の添削を行うこともある。 9.おわりに  英語教育の中で、「聞く」「話す」などオーラルコミュニケーションが重視されるようになり、30 年近くが経った。大学入試、高校入試等でもリスニングテストが行われることが増え、近年ではスピーキングテストの導入も始まり、4技能化が進んでいる。聴覚障害のある生徒への代替措置や免除などの制度も整ってきたが、聴覚障害のある生徒の「聞く」「話す」能力をどのように評価すべきかについてはまだまだ議論を重ねていかなければならない。  聾学校の授業においても、英語が本来、音声言語であることを踏まえ、音声的な側面も「知識」として教える必要があると考えている。しかしながら、指導の方法や内容、そして表現や理解の「技能」の評価については、個々の生徒の障害等の状態に配慮しなければならないことはいうまでもない。  合理的な配慮に留意しながら、生徒がもっている能力を最大限、伸ばすことができるように、指導方法の改善、教材の開発に努めていきたい。 【参考・引用文献】 秋山奈巳(2009) 「ヴィジュアル・アプローチの成果と課題」.『聴覚障害』,699,11-17 浅野博(2005) 『ニューホライズン英和辞典』(第5版).東京書籍. 福岡久仁彦(2009)「小学校の外国語活動を踏まえた中学校での英語指導の在り方―発音と綴りを関連付けた指導の工夫を通して―」,『香川県教育センター研修生報告書』,1-12 拝田清・上野舞人(2016)「英語嫌いの児童・生徒への音声指導:SKT の可能性」,『神戸英語教育学会紀要『KELT』』,31,19-31. 早川就(2012) 「聴覚障害児への効果的なフォニックス指導について」,『第18 回九朴地区聴覚障害教育研究大会 第4 分科会 教科「英語」』. 比嘉千秋(2013) 「単語の習得を図る英語指導の工夫 ―フォニックスを取り入れた単語指導を通して―」,『沖縄県総合教育センター前期長期研修員第54 集研究収録』,<聴覚障害教育>1-11. 廣瀬由美(2000)「カタカナで書かれた外来語を利用した英語指導」,『学習指導の工夫と総合的な学び ―中学部の教育実践から―』,筑波大学附属聾学校中学部編著,43-45. 廣瀬由美(2007) 「聾学校中学部生徒の単語力向上をめざした教育実践 ―楽しみながら、基本的な英単語を身につけさせるために―」,『筑波大学附属聾学校紀要』,29(34),91-94 廣瀬由美(2016a) 「聾学校中学部生徒の単語力向上をめざした教育実践 ―読みと綴りを関連付けながら、基本的な英単語を身につけさせるために―」,『第50 回全日本聾教育研究大会(附属大会)研究収録』,80-81. 廣瀬由美(2016b) 「本校中学部英語科における英検に向けた取組~過去 10 年間(平成 16~25 年度入学生)の取組を中心に~」,『聴覚障害』,71(767),28-33. 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士のやりとりを音声会話のみで行う場面が多く設けられる。近年、英語が話せない日本人像を打ち破るべく、英会話の能力を養成することを目指したカリキュラムに移り変わりつつあり、中学校の英語教科書は以前に比べてずいぶん会話文が多くなっている。一方聾学校では、外国語である英語のやりとりを音声のみで行うと、生徒が確実な理解をともなってコミュニケーションすることは非常に困難になる。日本語でのやりとりとは異なり、まだまだ聞き慣れない単語が多く登場するであろう発話を、口形を手掛かりに発話内容を推測することは大きな負担となる。それゆえ、文字や視覚的情報を有効に使って、生徒が確実に意思を伝えあえる環境を整えることが重要となる。  千葉聾学校では英語の発音を表すのに発音を誘導する機能を持つキュードスピーチを用いている。キュードスピーチは拗音や促音のサイン動作が指文字より容易であり、口形も合わせて表すため、発音を模倣しやすい。例えば、「show ショウ」を指文字だと 3 動作だが、キュードスピーチは 2 動作になる。小・中学校段階で全員がキュードスピーチを使える環境であれば、英語のカタカナ読みではあるが、非常に有効な手段となり得る。キュードスピーチを使用することで教員が何を言っているかわかるし、生徒同士もわかる。情報を共有できるのである。しかし高等部段階では普通中学校からも入学してくる生徒もいるため、指文字とキュードスピーチを始めるということを考えると指文字を使うことになる。また、高等部段階になると一度に読む英文の量も増える。以上のことからも視覚教材が重要になってくる。そのための手立てとして、以下のことがあげられる。 ① 英文は全文提示する  まず、教科書の本文(英文)はその時間で扱う部分を必ず全文提示する必要がある。黒板に生徒や教員が板書しても良いし、模造紙に教員が大きく書いて掲示しても、拡大コピー機、書画カメラやデジタル教科書を利用しても良いだろう。教員が生徒に音読のモデルを示す場面や、生徒に音読させる場面では、今どの英文を読んでいるかを授業に参加している全員がはっきり認識できるように、必ず英文を指さしながら進めるようにしている。教員が生徒に発音を聞かせる場合は、当然のことながら、口形がはっきりと見えるように身体の向きや顔の向きに注意をしてモデルを示すよう心がけている。 ② 英文の構成要素を記号で示す  生徒の英文理解を促すには英文の構造を視覚的にわかりやすく示すことが効果的と考 え、教師が英文の構造を視覚的にわかりやすく提示することで、生徒が英文の構造を捉えられるようになり、英文中の意味のかたまりを意識させ、英文全体を理解することにつな げることができる。そして、生徒が英文の構造と日本語の文の構造を比較して考えていくことが、英語の力、ひいては日本語の力を育てることにもつながるのではないかと考えた。そこで安河内哲也「大学入試英語長文ハイパートレーニング超基礎編」(桐原書店)を参考に生徒の実態に合った「英文を読むときの記号」を整理し、実践、改善を重ねて以下の表1に示したとおりに定めた。これについては千葉県立千葉聾学校では中学部、高等部の授 業で共通した記号を用いて授業を展開しているが、生徒の発達段階に応じて、全てを扱うのではなく、精遠して扱う。 表1.英文を読むときの記号 「英文を読むときの記号」(以下、「記号」とする。)は生徒にとって、英文を読み進める上での手がかりとなる。板書された英文に書かれた記号と日本語の文を比べることで、それらの構文の違いを視覚的に捉えられるようになる。授業で繰り返しこの記号を用いた指導を行うことで、生徒は構文を意識するようになり、このことがその後、英作文や日本語の文を書く際に有効になることが考えられる。  この記号は、生徒の学習の実態に応じて活用方法を変えられる点も利点として挙げられる。英語の学習が苦手な生徒には、英文の下部に記号を提示することで、生徒はそれを参考 に和訳を行うことができる。また、和文英訳の際には、和訳の下部に記号を提示することでそれを頼りに生徒は英文を組み立てることができる。一方、英語が得意な生徒には、自分で記号を書き込むよう促し、構文の仕組みをどの程度理解しているのか確かめるために活用することができる。  学習の習熟度のみならず、発達段階に応じてその活用方法を変えながら中学部と高等部の両方で統一された記号を用いることで、中学部から高等部と一貰した指導が可能になることも利点として挙げられる。  記号の活用にあたっては、過去には 4 色で構成要素を分けていたが、色覚多様性の生徒への配慮を考え、単一色にして青色を使うことにしている。また、大学入試等で初見の英文を読むときに鉛筆やペンを使って手がかりを自分で書き込み、読み進めることができるようにと考え、単一色にすることにした。  授業を重ねるにつれて生徒もそのルールを覚えていき、自ら予習・復習などに活かしている様子が見られている。予習の際に自分で英文の構造を考えてノートに仮に書いておき、授業中に自分の考えた構成要素が合っているかどうかを確認している姿はよく見られる。そういった地道な積み重ねが、英文を構造的に読み解く力、ひいては英文を自分で組み立てる力を育成することにつながり、自律した学習者になると信じている。 ③生徒が英語で発表する場面では英文を文字で提示する  授業中に生徒が英語で発表する場面では、その発表内容を文字で提示して発表させるようにしている。文字で提示する方法は様々ある。英文カードに全文あるいはキー・センテンスを書いて提示したり、パワーポイントに英文を打ち込みプロジェクターで映し出したり、教員が生徒の発言を聞き取り黒板に板書するなどして、聞き手である生徒たちが、発表者がどのような英語を話しているのか明確に分かるようにしている。生徒は、教員が提示する英文から学ぶだけでなく、他の生徒がどのような英語表現を使って発言しているかを知ることからも非常に多くを学ぶことができる。同じ内容を伝えるにも様々な表現方法があることを学び、その多様性や言語学習の奥深さを実感する機会を大切にしたい。生徒同士のそういった刺激を大切にするためにも、教員は文字で提示するという手間を惜しまずに授業準備を心がけることが重要だと考えている。  以上、「見てわかりやすい」英語の授業を実践する上で留意すべき3点のポイントについて述べた。その他にも、視覚情報を充実させるという意味では、英文で読んだ内容を DVD や写真などの映像で確認させることで理解をより確実なものとする等の配慮も必要であろう。 (2)生徒がつまずきやすいポイントを踏まえた授業づくり ①英語の発音 ~指導のねらいとは~  聾学校の生徒に英語という言語を教える際、多くの教員が悩むことのひとつに、英語の 4 技能のうち、「聞く」力、「話す」力の2つについていったいどこまでねらったらよいのかという間題があると思われる。いうまでもなく、英語には音声言語の側面と書記言語の側面があり、どちらも英語という言語を構成する重要な要素となっている。しかしながら、聞こえない生徒たちに対して、音声の英語を「聞いて」その微妙な発音の区別を弁別することを求めるのは困難である。また、「話す」技能についても、自身の発音を聴覚からフィードバックすることが難しい生徒に英語を正確に発音することを求めるのは、聞くことと同様に困難である。それゆえ、聾学校の英語授業で「話す」力、「聞く」力に焦点を当てた活動に多大な時間を割くことは、なかなか考えがたい。  しかしながら、そうかといって、英語という言語を教える際に音声の要素を扱わなければ、言語を成している重要な要素について知る機会を生徒から奪ってしまうことになるであろう。高等部英語科では、英語の発音を正確に発音することを求めるのではなく、単語の発音に関する知識を生徒に身につけさせることによって、聞こえない生徒たちが英語を学ぶ手助けをすることができるのではないかと考えている。聾学校で英語を教えていて気づくのは、生徒のスペリングミスには発音を手掛かりにしていないものが少なくないということ である。生徒たちに見られたスペリングミスのいくつかを紹介する。 図1.視覚的イメージによるスペリングミスの例  これらのミスから読み取れるのは、単語の発音を想起しないで、視覚的なイメージを頼りに単語を書いているということである。adviseを「アドバイズ」と発音することを覚えていなかったがために、「ドウ」と発音する d を「ブ」と発音するb と書き間違えてしまったのではないかと考えられる。このようなミスについては、単語を覚える際に発音を一緒に覚 えることによって克服することができる。発音記号やフォニックスを教えたり、カタカナで発音を示したりすることによって、生徒が英語の発音に関わる知識を学習する場を教員は意識的に設けることが必要であろう。図2は、発音を意識させるために作成し、実施した小テストの例である。英語が得意ではない生徒に対して特に有効な方法と考えているもので、間題は教員が黒板にカタカナで発音を書いて出題し、適切な英語と日本語を答えさせる。発音への意識を高めながら単語の力を伸ばしていくことを目指し、毎時間この活動を行っている学習グループもある。さらに、生徒たちが街中やインターネット、本や新聞などで目に するカタカナ英語の意味を少しでも多く身につけさせるねらいもある。英語の学習を通し て、日本語の知識も広げていきたいものである。 図2.単語小テストの例  次に聴覚を有する生徒にとって音声などの手がかりがなく視覚優位であるが故にスペルが似ていて間違いやすい単語がある。その時に品詞や文の構成要素の知識が手がかりとなる。cold とcould、except とexpect はカタカナ表記をすれば違いがわかるが、weather とwhether についてはカタカナ表記をするとウェザーで同じになってしまうため、whether はホウェザーとホを入れて表記すると違いに気づくことができる。  だからこそカタカナ表記だけでなく、品詞の知識を用いたり、構成要素を手がかりにして前後に置かれている語句から判断したりすることで英文を読む手がかりを多く身につけさせることが重要である。  さらに同音異義語の単語や L と R の発音の単語などにも注意が必要である。カタカナ表記をすると同じ表記になってしまうからである。mailとmale などである。i が入る場合とe で終わる場合もあるという違いに注目させることが大切である。desert とdessert については「sが一つ多い方が、みんなが好きなデザートだよ」などと覚え方についても伝えると自分なりの覚え方を生徒達自身も考えるようになる。邪道かもしれないが、覚える方法を工夫することができるなら良しとして考える柔軟性も必要であると思う。聴覚に障害を有する生徒にとって音声については,苦手分野であり、中には自分の英語の発音を笑われ、トラウマになっている生徒もいる。だからこそ英語の発音を知識として言語の違いという側 面で教え、発音なんて大したことはない、最終的にはきちんと書ければいいのだからと精神的な面からも支援することが大切だと思っている。 ②生徒がつまずきやすい文法事項  次に、文法の面で生徒がつまずきやすいポイントについて述べる。聾学校の生徒が習得に困難をともなう文法事項のひとつに、受動態があげられる。受動態は、生徒の日本語の力によって理解に大きく差が出る文法である。中学段階での既習事項ではあるが、「~する」と「~される」の関係性を日本語でも完全には使いこなせていない生徒もおり、高等部においても丁寧に扱う必要がある。  受動態という英文法を習得するためには、いくつかのステップがあると考えられる。大まかな流れを以下に示してみる。まず「~する」、「~される」といったことばの持つ概念を理解させることに始まり、同じような状況であっても、能動態を使うのと受動態を使うのとではその文章の主語がかわり、誰に(何に)主人公としてのスポットが当てられているのかが 変化することを理解させたい。生徒が日本語でその表現の使い分けができるかどうか、日常生活の中に見られる身近な例をとりあげて確認する必要があるだろう。そうしたことを踏まえた上で、英語の受動態の文法ルールを導入していく。能動態と受動態の英文を対比させ ながら、主語が置き換わり動詞のかたちが変化することへの理解を深めていく。ドリル学習を重ね、基本の文型が定着してくれば、応用的な用法へと進めることができるだろう。  同じ文法を扱うにしても、対象生徒の力に応じて指導方法や指導の重点をかえ、柔軟に対応しなければならない。  英語が苦手な生徒が多い下位グループの生徒は、日本語の「~する」、「~される」の区別があいまいであることが多く見られるため、「~される」「~してもらう」という表現について身近な例を取り上げて考えさせることから始める。「夕食は母によって作られる」・「作ってもらう」、「体育は◯◯先生によって教えられる」・「教えてもらう」といった表現をひとつひとつ生徒自身に考えさせるのにも時間をかけ、日本語と英語両方の理解を確実にしていくようスモールステップで進めることにしている。 図3.下位グループの受動態のプリント例  中位グループの場合、日本語の「~する」「~される」の理解については確認程度で済ませられることが多いので、受動態の形を数学の公式のようにルールとして説明するところから導入することができる。「Be動詞+過去分詞+(by~)」という受動態の形を提示し、ドリル学習的に例文を次々に当てはめさせて理解を深めるようにする。 図4.中位グループの受動態のプリント例 (参考『イラストで英文法を理解する』・『英文法をイチから理解する』東後幸生著 ベレ出版)  上位グループでは、英文の構成要素をしっかり理解できている生徒が多いため、構成要素 の知識を活用して能動態から受動態への書き換えについて整理することができる。具体的には、能動態の英文で目的語(O)だったものが受動態では主語(S)になることに触れ、それでは受動態に書き換えが可能な文型とは何かを考えさせる。目的語を含む文型には第3文型(SVO)、第4文型(SVOO)、第5文型(SVOC)があるので、これらの文型に該当する英文が受動態に書き換えられるというような説明の仕方で導入することができる。また、理解の早いグループの場合、一気に受動態の応用的用法(たとえば疑間詞 who で始まる疑間文)などを紹介し、生徒の知的好奇心を刺激することもできる。 図5.上位グループの受動態のプリント例  このように、受動態という聾学校の生徒がつまずきやすい文法事項を扱う際には、その文法事項が意味する概念の理解から文法ルールの理解に至るまでのスモールステップを教員側が意識し、生徒の日本語の力に十分配慮した上で、生徒が英語と日本語の概念のどちらも着実に理解できるように授業を組み立てていく必要があるだろうと考えている。 ③日本語表現の意味を正確にとらえる   英語という教科は言語を扱う教科であるため、英語を教えることを通して生徒に日本語表現の意味するニュアンスを深く考えさせる機会が多くある。聞こえない生徒たちによく見られる特徴のひとつに、和文英訳の際に見られる独特の「かたさ」があげられると考えている。ここでいう「かたさ」とは、日本語の表面的な意味の理解にとどまってしまい、その表現が本当に意味する内容まで考えないまま和英辞典をめくり、英語に訳す傾向があることを意味している。  たとえば、「お口に合えばよいのですが」という日本語表現が出題された場合、生徒は「口 に合う」「口に合わない」といった日本語の表現が意味するところを考えないで(あるいは知らないで)、「口」や「合う」という語を和英辞典で調べて、Mouth go well with good.などと書いてみたりする。「口」は mouth、「~とよく合う」は go well with、「よいのですが」はgood というように単純に置き換えたのであろう。しかし、日本語の「口に合う」とか「口に合わない」といった表現の意味をよく考えると、話し手はつまり「美味しいと感じる」、「好みの味である」あるいは「好みではない」といったことを意図していることがわかる。英語に訳すならば、I hope you(will) like it.とすれば良いところを、日本語表現のもつ意味やニュアンスまでをとらえきれないまま英語に直してしまうのである。  同様に、「朝飯前だ」という日本語を英語に直す際に Before breakfast.(朝食前)と答えたり、「手も足も出ない」という日本語を My hand and leg can't take out.などと書いてしまったりする誤りもよく見られる。「朝飯前だ」は「自分にとってそれをするのは簡単だ」という意味であることを考えられれば、英語に直すのはそう難しくない。It is easy for me to do it.と表現できるように指導したい。「手も足も出ない」については、それが「途方に暮れている」という意味を表していることに思い至らなければ、I'm at a loss.という英語を書くことはできないだろう。日本語表現の意味をよく考えずに(あるいは知らずに)英語へと置き換える側面が生徒たちにあることを意識して、教員は指導にあたる必要がある。  英語という教科の指導を通して生徒たちの日本語の力も伸ばすことをめざし、授業で扱う「ことば」全体に感覚を研ぎ澄まして授業を行っていくことが重要だと考えている。 (3)「読む」力、「書く」力を伸ばすための授業の工夫 ①文法指導の上台作りから  オーラル・コミュニケーション重視の英語へと移り変わるにつれて、中学段階では文法用語をあまり表立って扱わなくなってきている。しかし、高等部では、英語を「読む」力、「書く」力を育成するために、構造的に英文を読み書きする術を身につけさせたいと考えているため、文法指導には力を入れている。  まず、なぜ文法を学習することが重要なのかを理解させるために、英語と日本語の比較をすることから始める。 例)犬が健をかんだ。   健を犬がかんだ。 語順が換わっても日本語は意味が変わらない。   The dog bit Ken. 「その犬が健をかんだ」   Ken bit the dog. 「健がその犬をかんだ」?  日本語では語順が換わっても意味が変わらないのに、英語は語順が換わることによって意味が大きく異なることに気づかせ、英語には日本語の助詞のような言葉がない代わりに、単語をどのような順序で並べるかによって意味が決まることを学ばせる。つまり、英文がど のように構成されているのかを学ぶことが大切であり、文法や英文の構成要素を学ぶことが必要だと認識させるのである。  その上で、高等部英語の文法指導の基礎を導入していく。主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)といった主要素と修飾語について例文を使いながら指導し、これらは英文の構造をつかみ、意味のかたまりを理解する上で非常に有用であることを説明する。そして第1文型から第5文型までの文型の理解へとつなげていくのである。SVOCを使った英語の構造的理解と文型の確認は、1年次から授業を通して繰り返し行い、生徒に定着させることをめざしている。それによって、英語の長文を読解する基礎力がつくと考えている。さらに、英文の構造を意識することによって、生徒は日本語の語順と英語の語順の違いを踏まえて英作文できるようになる。生徒が「SVO・・・の順だから・・・まずは主語から始めて次は動詞だな」などとつぶやきながら英文を書く場面を目にすることもあり、英文を「書く」際の大きな手助け となっていると言える。 ②チャンク(意味のかたまり)の活用  英語を「読む」力、「書く」力を育てるために、英文の構造を理解し、意味のかたまりを見つける技術を身につけさせることが重要である。意味のかたまり、チャンク(chunk)を意識させるための取り組みとして、次のようなワークシートを使って指導している。 図6.チャンクを活用したプリントの例  ここでは教員がすでに英文を意味のかたまりに分けて提示しており、さらに英文の和訳も一緒に渡している。生徒は、英文の意味のかたまりに合わせて該当する和訳の部分を抜き出し、チャンクごとに書き込んでいく。図6の右側に、チャンクに合わせて日本語を分解し、書き込んだものを掲載した。日本語の語順の通りには当てはめられないため、生徒にとって意味のかたまりを意識するのみならず、英語の語順についても意識する機会にもなっている。  チャンクを活用した指導は、生徒の力に応じて様々な使い方ができる。英語がひどく苦手な生徒が英文を訳す際には、すべての英単語をひとつひとつ調べる必要があり、ずいぶん時間がかかってしまう。英文を見ただけでうんざりしてしまう生徒も中にはいるものである。しかし、教員が和訳を全文提示し、それを分解するよう指示すると、生徒はいくつかの単語を調べるだけで、和訳のどの部分が該当しているのか大体想像がつくので俄然やる気を見せることがある。そのような場面では、英文全体の意味をつかませることにかける時間を短縮し、時間をかけて教えたい文法の指導に時間的余裕をもたせられるという効果があるだろう。一方、英語が得意な生徒たちを対象とする場合には、上記のような活動を行ったあと、今度は英文の欄を隠し、自分で書き込んだ日本語(和訳)のチャンクを見て元の英文を書き出すというトレーニングにつなげることができる。英文和訳から和文英訳へ、またその逆へと繰り返す活動は、英語を書く力の育成につながり、意義のあるものである。  こういった指導を行ったことの成果として、生徒が英語は後置修飾が多いことに気づき、自分で英作文をする際に関係代名詞などを使って後ろから修飾するパターンを多用するようになったり、また「~の・・・」という所有を表す「の」にあたる英語としてofが頻繁に使われることに気づき、英作文に「~の・・・」が出てくると以前は~'sばかり使っていた生徒がofを使って表現するようになったりすることが見られている。  このように、チャンクを活用した指導は、意味のかたまりを意識しながら英文を読む術を身につけさせるだけでなく、読み書きの力を育てるという側面においても非常に効果的であると考えている。 ③英文単位で暗記させる指導  附属聾学校卒業生のなかには、毎年、英語の力に秀でている卒業生が数名含まれている。聴覚障害学生にとって有効な英語学習方法のヒントを得るため、2005年にアンケートを実施した。対象は在学時に英検2級相当の英語力を有していた本校卒業生とし、連絡をとることができる10名に質間紙を送付し、答えてもらった。その結果、10名中9名が英語の教科書の本文を暗記するという学習方法をとっていたことがわかった。  経験的に、単語や熟語レベルだけではなく、英文単位で英語を暗記させる指導には意味があると感じてはいたが、卒業生たちの声が我々の考えを後押ししてくれたように感じた。そのようなこともあって、ある程度英語の力がついてきた生徒に対し、英語を読み書きする力をさらに向上させるための有効な方法として、英文単位で暗記させる指導を行っている。  具体的には、教科書の一つの課が終わるたびにその課の要約が7文~12文程度の英文で書かれているので、定期試験の間題に出題することを生徒に伝え、全文暗記および和文英訳をさせている。その際には、だらだらと字面だけを暗記してもあまり効果がないことを説明し、先述したチャンクを活用し、7語前後の意味のかたまりをつくった上で、日本語文から英語に直す練習を行うようにと指示をしている。生徒のなかに基本的な英文のモデルが蓄積されていくことによって、自分で英作文する際にそれらの英文を利用して、自分の表現したい内容に合うよう英単語を置き換え、英文を書けるようになることをめざしている。  また、英語表現の授業では、毎時間基本的な構文を用いた英文のリストを渡し、次の授業で英作文の小テストを実施するようにしている。これも上記の要約文を暗記する取り組みと同じねらいを持った活動であり、生徒は毎時間懸命に英文を覚えてきている。その他、授業中に、その課のキー・センテンスとなる英文を覚えられるまで何度も音読させる活動を取り入れることもある。いずれの取り組みも、生徒に基本的な英文のパターンを持たせることが英語を「書く」力を伸ばしていくことにつながると考えて行っているものである。  このように高等部在学中に「読む」力、「書く」力を育てることをねらった活動を繰り返し行うことにより、生徒が卒業する時には「英語を読み書きする力にはある程度自信がある」と思えるように育てていきたいと考えている。実際、生徒引率で外国を旅行した教員から「まったく物怖じしないで、ホテルのフロントや現地の学生たちと筆談でコミュニケーションしていることに驚き、感心した。きっと生徒達は日本にいる時も生活の中で言葉が通じなくて苦心する場面を多く経験しているから、そういった退しさが身についているのかもしれないと感じた。」という報告を受けたことがある。また、海外で結婚式を挙げるために外国のウェディング関連会社のHPに自分でアクセスし、emailでやりとりをして挙式までこぎつけたという報告を卒業生から聞くこともある。今目の前にいる高等部の生徒たちにも、将来彼らが海外旅行などをする際に、自身の読み書きの力に過大な不安を抱かず積極的にコミュニケーションしようと思えるような地盤を在学中に築いておきたいと考えている。 ****************************************  後半を担当するのは都立石神井ろう学校と都立中央ろう学校高等部で教えた経験のある牛嶋文である。  今回まとめた内容は日々の授業の中で自分が気を付けている点ではあるが、きちんとした研究に基づいたものでもなく、経験から学んだことに過ぎないので、公表するのには不安があるが、「新しく大学進学を目指す聾学校高等部に着任された先生方の参考になれば」という思いで筆をとってみた。はじめに現在の英語に関する大学入試の状況の整理をし、次に大学進学を目指す聾学校英語の授業において、おさえておくと良いと思われる点についてまとめてみた。 I聴覚障害者をめぐる、英語に関する大学入試や検定の状況について (1)大学入試におけるスピーキングとリスニングテストについて  「2020年にセンター試験から大学入学共通テストに代わる、大学入試改革」に伴って、一般の受験生についても、英語の試験はどのような方法で行うのかということについて様々に議論されているが、2019年1月現在、全国的にもまだはっきり決まっていないことも多い。それゆえ、聴覚障害のある生徒の入試については猶更、英語の試験の4技能化が進む中で、リスニングとスピーキングはどうするのか、ということについて、今後どうなるのかがはっきりと決まっていないことが多い。そのため、事態は流動的で、今後の変更の可能性も多いにあるが、2019年1月現在で分かっている状況をまとめてみた。  文部科学省は今後の大学入試の見通しとして、「2020年度~2023年度の間は大学入試センター試験に代わって、大学入試センターが作間し共通テストとして実施する、『大学入学共通テスト』に加えて、民間の資格・検定試験の両方が用意され、各大学はいずれかまたは双方を利用できる」としている。民間の資格・検定試験については、「大学入試英語成績提供システム」が設置される予定で、2018年3月に、2020年度に実施される最初の共通テストで活用される、8種類の資格・検定試験が決まった。その資格・検定試験について、聴覚障害者の特別措置はどのような対応になっているのかを表2に示す。 表2.「英語成績提供システム」の参加要件を満たした資格・検定試験における 聴覚障害者の特別措置 ※Lはリスニングテスト、Sはスピーキングテストを表す。 1.ケンブリッジ英検 A2 Key A2 Key for Schools, B1 Preliminary B1 Preliminary for Schools B2 First B2 First for Schools C1 Advanced C2 Proficiency L:①ワイヤレスシステムやFMシステムを使用、②ヘッドホンや特別聴覚アンプを使用、③試験監督者による読み上げ(事前に読唇練習が可能な場合もある)、④深刻な聴覚障害の場合、リスニング免除 S:①時間の延長、②受検者ではないパートナーとスピーキング、③面接官と話すスピーキング(手話は使用不可) ④深刻な聴覚障害の場合、スピーキング免除 2.TOEFL iBT L: 診断書提出によりリスニング免除 S: 診断書提出によりスピーキング免除 3.IELTS L: 診断書提出によりリスニング免除 S: 診断書提出によりスピーキング免除 ※テストリポートフォームに「極度の言語・聴覚障害等により、この受検者はスピーキングテスト/リスニングテストを免除されています。スピーキングテスト/リスニングテストのバンドスコアはこの他のスキルのバンドスコアの平均点に基づき一般化されています」と記載される。 4.TOEIC L&R TOEIC S&W L: 診断書提出によりリスニング免除 S: 診断書提出によりスピーキング免除 5.GTEC Advanced, Basic, Core, CBT 【高度・重度難聴者】 L: リスニング免除 S: 《口話にも障害がある受検者》スピーキング免除 《口話に障害がない受検者》間題カード提供による通常受検 【中度・軽度難聴者】 L: ①ヘッドホンの貸与、②強音放送、③座席の配置(前列指定) S: 通常実施 ※特別措置は2019年度に開始 6.TEAP 【障害程度等級が6級以上】 L: ①リスニング免除(※高校の担当者が状況報告書を申請する。) ②強音放送 S: ①スピーキング免除(※高校の担当者が状況報告書を申請する。) ③フラッシュカード+口話 【上記以外の難聴者】 L: 座席配置 S: 大きめの声 7.TEAP CBT 特別措置の申請は不可 8.実用英語技能検定3級、準2級、2級、準1級、1級 英検については(2)で述べる。 (2)英検における特別措置について  松藤みどり(1996)『筑波技術短期大学テクノレポートNo.3』によると、英検の一次試験のリスニングは1994年までは一般の受検者と同一のスピーカーからの音声を聞く試験方法で行われていたが、聾学校関係者からリスニングについての改善要求が出されて、英検協会がその在り方の検討を進め、1995年に「聴覚障害者特別措置要綱」が初めて内規として定められ、各聾学校に配布された。その内容としては、一次試験において、障害の特性を理解する試験官(聾学校の先生など)の配置を行い、その先生が協会の用意した「読み上げ原稿」を読み上げ、受検者は試験官の口の形と音声を手がかりにリスニングを行う、というものであった。その後、試験官が原稿を読み上げているビデオを見て回答する方法に変わり、またその後に、リスニングの内容が文字として流れる「テロップ」のDVDを見て回答する方法に変わった。テロップは少しずつ聴覚障害のある受検者に分かりやすいように改善され、男性と女性の声で色分けがされるようになったり、次の間題が流れる前に画面の色が変わったりするようになって、受検者が次の間題が始まっていることに気づかないことを防いだりするといった工夫がされている。  また、3級以上の二次試験の面接についても、1995年から障害の特性を理解している試験官(聾学校の先生等)を配置して実施されるようになり、2015年からは4、5級にスピーキングテストが導入され、聴覚障害のある受検者は下記のような多様な遠択肢の中からスピーキングテストの受検方法を遠べるようになった。級別の特別措置を表3に示す。 表3.英検における特別措置一覧 【4、5級】 一次試験 リスニング 【障害等級6級以上の受検者】 テロップか強音放送 【上記以外の受検者】 座席配置 二次試験 スピーキングテスト(有志) リスニング 字幕、時間延長 スピーキング 【障害等級が6級以上の受検者】 《間題文の音読》 音読免除遠択 《応答方法》 以下から遠択 ① 音声での録音 ②テキスト入力③ 代理タイピング④代理応答 【3~1級】 一次試験 リスニング 【障害等級6級以上の受検者】 テロップか強音放送 【上記以外の受検者】 座席配置 二次試験(全員受験) リスニング 【障害等級6級以上の受検者】 フラッシュカード 【上記以外の受検者】 大声 スピーキング 【障害等級6級以上の受験者】 筆談または口話(聴覚障害者の発語に慣れた試験官の配置) 【上記以外の受験者】 口話(聴覚障害者の発語に慣れた試験官の配置) このように英検においては様々な特別措置が講じられるようになったが、それでも障害等級が6級以上ではない受検者、つまり聴覚障害の身体障害者手帳をもっていない受検者にとっては、座席配置をしてもらうだけでリスニング試験を受けなければならない、という制度になっている。東京都公立学校難聴・言語障害研究協議会では「難聴学級に多く在籍しているような、軽度の聴覚障害を有する児竜・生徒も英検のリスニングテストをテロップ受験できるようにして欲しい」と英検協会に要望を出し続けた結果、2019年現在では、「手帳のない生徒についても医師による診断書を添付したり、学校側が英語でのリスニングが難しい、という旨の説明を加えたりすれば、テロップ受験できる」ということになっている。都立中央ろう学校では、2018年度に手帳のない生徒が英検を受験したが、医師による診断書に加えて、英語科の教員が「学校の英語の授業でリスニングの練習を行っておらず、普段から日本語でさえ聞き返しが多い、感音性難聴がある状態での英語のリスニングは困難である」という内容の説明文書を提出してテロップ受験が認められた、という事例であった。 (3)センター試験における特別措置について 2020年まで実施されるセンター試験においても、表4に示すように聴覚障害のある受験生に対して特別措置が講じられている。しかし、ここでもまた、対象となる程度より軽度の聴覚障害を有する受験生はリスニングテストを受験しなければならないことになっている。「聴覚障害の程度が普通の話声の大きさである、60dBより少しでも軽度であれば、リスニングテストを受験しなければならない」という規定は、特別措置の対象にならない受験生にとって、厳しい条件である場合がある。 表4.センター試験における聴覚障害のある受験生に対する特別措置 対象となる者とその特別措置 ①両耳の平均聴力レベル(右耳・左耳それぞれの平均聴力レベル)が60dB以上の者:リスニングの免除 ②上記以外で聴覚に関する配慮を必要とする者: ・音声聴取(ICプレーヤー付属のイヤホンを使用する方法) ・イヤホンまたはヘッドホンの持参使用 ・CDプレーヤーのスピーカーから直接音声を聞く方法(別室) ・補聴器を外してイヤホンを使用 ・補聴器または人工内耳のコネクターに持参したコードを接続 ・ヘッドホンの貸与 提出書類 ①受験上の配慮申請書 ②センター試験用の診断書(診断名、平均聴力レベル、補聴器の種類と型式、オージオグラムを記載)を提出 ③状況報告書(リスニング免除希望者のみ):リスニングの授業を受けているか、配慮を行っているかについて リスニングテストを免除された結果の扱いについて 試験結果には筆記試験の成績とリスニングテストを免除した旨を明記して大学に提出し、扱いは各大学に任されている。 大学側がとる対応としては、 ・筆記試験の結果のみで判定する。 ・筆記試験の0.25%を加算する。 ・平均点を加算する。 (PEP-Net Japanホームページより)  以上のように、英検とセンター試験においては、更なる配慮を要求する必要のある部分もありつつも、聴覚障害のある生徒にとっては、ある程度特別措置の方法も決まっていて、取り組みやすい状況におかれていたが、2020年の大学入試改革を前にして、英語の試験の4技能が求められるようになって以来、聴覚障害のある生徒にとっては、今後の試験方法の定まっていない部分が大きい状況になっている。しかし、逆に考えると、まだまだ聴覚障害者教育にかかわる担当者が声をあげて、聴覚障害のある生徒にとって不利にならないようにする余地や必要性がある、という状況であるとも言える。 II大学進学を目指す聾学校高等部における英語の指導について  さて、次に、「こんなポイントを押さえておくと力がつきやすいのではないか」と考えるポイントについてまとめてみたい。以下の内容はあくまでも執筆者である牛嶋の経験から考えたことをまとめたもので、体系的ではない上に、我流である内容も多く、他にもっと良い方法があると思われるが、新任の先生方が聾学校に赴任された際に抱える不安を少しでも取り除くことができればという想いで記してみた。  大学進学を目指す聴覚障害のある高校生にとっての英語学習には、「文法」と「英文の構造理解の知識」というツールが英文を読み書きする時の大きな手掛かりになると言える。大学進学を目指す高等部の授業においては、これらの知識を自分のものとし、使えるようにするための練習を繰り返し行うことが大切であろう。どんな内容をおさえていれば、文法や知識を自分のものとして使えるようになるかということについてまとめてみた。 【品詞と要素】  大学進学をめざす、聾学校高等部の生徒は、英語の9つの品詞((代)名詞、動詞、助動詞、冠詞、形容詞、接続詞、前置詞、副詞、感嘆詞)に加えて関係詞(関係代名詞と関係副詞)、そして4つ要素(主語、述語動詞、目的語、補語)の概念を理解していることが大切だと考える。これらの概念が分かっていないと、「英文の成り立ちについて言葉を使って理屈で説明する」ということが難しくなってしまう。「多くの英文を耳にしてそこから文法を体得する」ということのできない聴覚障害のある生徒にとって、「英文がなぜそのような構造になるのか」という、理屈で説明できる力は英語力向上への近道であると思う。聾学校においては、多くの英文を耳にしてそこから共通する文法を導き出す「帰納的」考え方よりも、最初に文法というルールを与えておいて、それを様々な例文に当てはめて思考を深める、「演繹的」な考え方があっているのではないか。  以下、高等部において、品詞や要素について、このように教えると生徒は分かりやすいのではないか、また、ここはつまずきやすい、というポイントをまとめてみた。 《9つの品詞》 ①名詞 ・「名詞は『ヒト、モノ、コト』を表し、名詞は主語(S)、目的語(O)、補語(C)になり、前置詞の目的語になる」ということの理解だけでも時間のかかる生徒もいるが、繰り返し名詞の存在を指摘しているうちに体得できるように思う。ただし、「前置詞の目的語」という言い方は学力の高い層以外には混乱を与えることが多いので、「前置詞の後ろにつく名詞」という言い方の方が分かりやすいようだ。 ・名詞句や名詞節は「どんなに長くても、最後は『~こと』と表すことができる」と教え、名詞的用法の不定詞やthat節が出てきたら、必ず「~こと」のように訳すようにすると、生徒は名詞的用法であることに気づきやすい。例えば、I like to swim. は「私は泳ぐのが好き」と訳してしまうと、どこに名詞的用法の不定詞が存在しているのかが分かりにくいが、 「私は泳ぐことを好む」と訳してから「私は泳ぐのが好き」というように自然な日本語に直すと名詞的用法の不定詞が使われていると理解しやすい。 ・安河内哲也氏の『長文レベル別間題集』(東進ブックス)では記号を使った構造分析の解説があり、名詞句・節は[ ]という括弧を使って構造分析がされていて、牛嶋も授業で同じ記号を使わせていただいている。名詞句を[ ]で囲んで、I want[to be an engineer someday].のように示すと、生徒にとっても、「[ ]の部分が不定詞によってまとめられている名詞句である」という認識が生まれる。この文も前述のlikeの文と同じように、「私は[いつかエンジニアになること]を望む」と訳してから、「私はいつかエンジニアになりたい」という自然な日本語訳に変えるようにしてあげると理解しやすいようだ。 ・加算名詞と不加算名詞の区別も大切である。区別がつかないとThere are a lot of water in the tank. というような誤文を書いてしまうことになるし、manyやmuchのどちらをつけていいかも分からなくなってしまう。 ※代名詞 ・「名詞の代わりの語。名詞と同じように主語(S)、目的語(O)、補語(C)になり、前置詞の目的語になる」という理解が必要。前置詞の後ろの代名詞の格については前置詞のところで述べる。 ・人称代名詞は正確に言えることが大切である。theyとtheirとthereあたりを混同しやすい生徒もいる。 ②動詞: ・目的語を伴う「他動詞」と目的語を伴わない「自動詞」に分かれるという認識も中学の段階から少しずつつけさせると高等部での学習が楽になる。他動詞と自動詞の区別がつかないとShe resembles to her mother.のような英文を書いてしまうことになる。 ・This is the book she wanted.のような文で、自動詞と他動詞の区別がついていると、「wantは他動詞で目的語が存在するはずだから、whichという省略されている関係代名詞がShe(S)wanted(V) the book(O).のOの部分に当たる」というような理解ができるようになる。中央ろう学校では、「中学校段階から、例えばstudyという他動詞は「学ぶ」ではなく、「~を学ぶ」のように「~を」をつけて意味を覚えるようにしていけば、高等部段階で自然と他動詞と自動詞の区別がつくようになるのではないか」と英語科の中で議論している。 ③助動詞 ・「助動詞の後ろは動詞の原形」と呪文のように叩き込むとI can to write quickly.という誤文を防ぐことができる。「私はすばやく書くことができる」を英作文しようとして、「書くこと」が不定詞に見えてしまって、上記のような誤文を書く生徒がいるが、助動詞の後ろに不定詞が来ているのはおかしい、という指摘で間違いに気づく。 ・常にSVOCの記号を文章につけさせていると「助動詞と動詞はセットでV」という認識が身に着く。「助動詞の後ろは動詞の原形」というルールは、can be seen のように受動態の場合でも活用できるようになると、「can is seen にはならない」という説明をすると生徒は納得しやすい。 ④冠詞 ・aとtheの区別は難しい。区別をするには「話している人が何のことであるかを一つにしぼって示せるものはthe」と教えると分かりやすい。 ・また、I like dogs. のdogsのように、「人や物を全般的に表す時には『無冠詞・複数形』で表す」というルールは英作文で多用する。数詞がついているわけでもないのに「出てきた名詞を複数形にする」という意識はなかなか生徒に定着しにくいが、「私は犬が好き」という文を英作文させて、I like a dog. / I like dog. / I like dogs. のどれが適切か説明をした上で、生徒が英作文を書く度に「無冠詞・複数形」のルールを繰り返し伝えながら添削をすると、少しずつ「無冠詞・複数形」に気を付けて英作文ができるようになる。 ⑤形容詞: ・「形容詞は一語なら名詞の前に置き、他の語を伴うなら名詞の後ろに置いて名詞を修飾し、形容詞句や形容詞節も言葉のかたまりになって形容詞の性質を持ち、名詞を後ろからかたまりで修飾する」ことを分かりやすく示すために、形容詞句や節を示す記号を使うと良い。前述の『長文レベル別間題集』では、形容詞句・節は〈 〉で表し、修飾される名詞は□で囲む、という約束で英文の構造が書かれているが、Do you have □で囲んだsomething 〈to drink〉? のように、短い不定詞でも形容詞句であることを意識させていると、Do you have □で囲んだsomething 〈to drink at the beach tomorrow morning〉? のように、文が長くなっても言葉のまとまりを見つけるのに苦労しなくなる。 ・不定詞に比べて、分詞の理解が難しい生徒が多く、「現在分詞や過去分詞も形容詞と同じように一語なら名詞の前、他の語を伴うなら名詞の後ろに置く」という認識がなかなか身につかない生徒が多い。a sleeping baby は「赤ちゃんが寝ている」、the boys playing in the park.は「男の子たちが公園で遊んでいる」のように、文と捉えて訳してしまう生徒が多い。現在分詞を見た瞬間に現在進行形に結びつけてしまうからこのような訳になるのであろうが、学習している英文に SVOC だけでなく、[名詞句・節]、〈形容詞句・節〉、(副詞句・節)の記号を書くことを習慣づけさせる中で、I can see □で囲んだthe boys 〈playing in the park〉. のように、分詞句が見えてくるようになる。 ⑥ 接続詞: ・等位接続詞で結ばれる節同士は対等な関係で結ばれ、従属接続詞に導かれる節は従属節を作るが、主節と従属節の区別をつけさせるために主節にはSVOCの記号を、従属節はS'V'O'C'、さらに下位の従属節にはS''V''O''C''のように構造が分かるように書くと、等位接続詞でつながれる節と従属接続詞に導かれる節の性質の違いがみえてくる。 ・「等位接続詞はand, but, or, nor, so, yet と数が少ないけれど、従属接続詞は数がとても多いので、等位接続詞を覚えたら、残りは全部、従属接続詞と考えて」と教えると生徒は整理しやすい。 ・「接続詞の後ろには SV が来る」も呪文のように唱えて接続詞を意識させる。唱え続けて、英作文でも直し続けると、後ろに名詞しかこない前置詞との区別もだんだんついてくるようになり、接続詞の後ろに名詞しかない文を書く頻度が減ってくる。 ・従属節を訳す時は、英文は「接続詞+SV」の語順だが、日本語の文は「SV+接続詞」になることに中学部段階から注意をさせる。単語の意味をつなぎ合わせて訳を作るのが癖になっている生徒は、I was late for school because I missed the train. は「私が学校に遅れた、だから私は電車を逃した」と訳してしまう。中学部段階から接続詞と前置詞には印をつけて、日本語訳をする時には語順が逆になることに注意をさせておくと良い。 ⑦前置詞: ・前置詞は目的語に名詞をとる(名詞のところで前述のように「前置詞の目的語」をいう表現は使わない方が混乱を避けられる)が、「前置詞の後ろが代名詞の場合は目的格の代名詞をとる」ということを知らない高等部の生徒は多く、for they のような間違いが多い。このような間違いも、英作文で書いて間違えて、添削されて気づく、ということを繰り返さないとなかなか定着しない。 ・前置詞句は副詞句か形容詞句になる、ということも記号を使って構造分析をさせ続けて、時間をかけて違いを認識させるしかない。例えば、She bought toys for children.はfor children が副詞句と考えると、「彼女は子供達のためにおもちゃを買った。」と訳せ、形容詞句と考えると、「彼女は子供達のためのおもちゃを買った。」と訳せる、ということにある日気づくようになると、生徒には「なるほど!!」という感動があるようである。 ⑧副詞: ・副詞は動詞、形容詞、副詞を修飾するので生徒にとってはつかみにくい存在であるようであるが、「形容詞は名詞を修飾する、副詞は名詞以外を修飾する」という簡単な説明で分かりやすい。 ・「何にも分類できないものは副詞と考える」というぐらいの大雑把な理解と、「副詞は基本的には最後にくっつくが、頻度を表す副詞はbe動詞・助動詞の後ろ、一般動詞の前」という位置の理解で英作文に対する苦手意識が減るようである。 ・『長文レベル別間題集』では副詞句・節は( )で示されているが、英文の多くは最後に副詞句がくっつく、ということは、英文に構造の記号を書き続けると感覚として分かってくるようだが、従属接続詞に導かれる節や、分詞構文も副詞句や節になる、ということが理解できるようになるには時間がかかるようだ。 ⑨感嘆詞: ・OhやWowなど、会話の時に使うことが多いから出てきたら確認、というぐらいの使用頻度の少ない品詞だが、会話間題の増えた昨今、聴覚障害のある生徒は知識として「Uh-huhは相槌である」というような知識も必要である。 《4つの要素》 ①主語(subject): ・日本語訳すると「~は、が」が主語になる、というおさえで生徒は分かりやすくなる。(代)名詞だけが主語になることを認識させると主語のない文章を書くことを防げる。 ・「英語は頭が重いのが嫌いなので、主語が重すぎる時は仮主語Itを置いて、後ろに真の主語をおく」と説明して、Itを見た瞬間に「それは」と訳してしまう生徒に注意を促す。 ②述語動詞(verb): ・品詞の動詞と述語動詞の概念を整理しきれていない生徒は多いが、文を書く時にSVOCを書かせ続けると区別がついてくる。 ③目的語(object): ・日本語訳をすると「~を、に」が目的語になる、「『を』と『に』で『鬼は目的語』って覚えて」と伝えると、目的語を確認しやすい。(代)名詞のみが目的語になるのは主語と同じ。 ・中学部段階から他動詞は目的語を伴う形、前述のようにwantは「~を望む」、likeは「~を好む」ととらえさせると、目的語をつけることを忘れにくい上、「~を、~に」だから目的語、という説明と一致してすっきりする。 ④補語(complement): ・「第2文型SVCで補語は主語とイコール、第5文型SVOCで補語は目的語とイコール」と補語は文型の理解の中で説明をするのが分かりやすい。 ・基本的には(代)名詞と形容詞が補語になるが、I come from America.のような、「~ある、いる」という意味ではない be動詞の文はfrom Americaという前置詞句が補語になる、というポイントも押さえておくと、このような例文で「前置詞句は副詞句か形容詞句にしかならない」と考えている生徒を混乱させずに済む。 【二段階の和訳】  先にlikeやwantを使った例を示したが、「二段階の和訳」は日本語にさえ不安を感じているような生徒にとって、英語と日本語の間のギャップを埋めやすくする工夫である。 例として、高等部の教科書の文の例を引用してみる。 Some musicians had planned to hold a charity concert, and they decided to ask her to join them. これを前述の[名詞句・節](副詞句・節)、SVOC の記号を使って「構造分析」すると以下のようになる。 They had planned[to hold a charity concert], and they decided[to ask her(to join them)]. S V   O 等接 S V O 二段階の和訳の一段階目はできるだけ文法の成り立ちが分かるように訳をする。「彼らは[チャリティーコンサートを開くことを]企画していた、そして、彼らは[(彼らに加わるよう)彼女に依頼すること]を決めた。」が一段階目の和訳となる。 そして、二段階目でこれを自然な日本語に訳しなおすようにする。 「彼らはチャリティーコンサートを開こうと企画しており、彼女に参加を依頼することにした。」が二段階目の和訳となる。  このように、生徒の英文の構造の理解に沿った一段階目の和訳を入れてあげてから、それを次に自然な日本語の訳に変える説明をすると、日本語自体の理解に不安をかかえている生徒も、どういう理屈でそのような訳ができあがったのか、ということが分かりやすく、英語嫌いを減らすことにつながる。  「二段階の和訳」の必要性は英作文をする時にも言えて、生徒が英作文しようと考える日本語の文には主語が欠けていたりして、英文に直しやすい構造をしていないことがあるが、「まずはSVOCが分かるような日本語の文に直してから英作文をするとよい」ということが言える。  例えば、「朝起きたら、雪が降っていました。」という文については、morningを主語に書き出すような生徒がいるが、この文の主語を考えさせた上で、一度、「私が朝起きた時に、雪が降っていました。」と変えた上で、「雪が降っている」のところには天候を表すitという主語を用いると、 When I woke up in the morning, it was snowing. という文章が書ける、という手順である。 【単語の発音の仕方について】  最後に発音について牛嶋が考えていることを述べたい。「ろう者に英単語の読み方の知識は必要ない」という主張をお持ちの成人ろう者も多く、ろう学校で発音を教えることについては常に議論されるところであるが、現状の英検の3級以上の面接ではパッセージの音読が課せられることに加えて、英単語の読み方を知りたがる生徒も多い。そんな状況なので、中央ろう学校では発音の練習こそ行っていないが、新出単語の学習の際には単語の読み方もカタカナで表すようにしたり、読み方を知らなさそうな単語は読み方を指文字やカタカナで確認したりしている。また、学校で英検の面接の練習を行う際にはパッセージの音読の練習も行っているが、その答え方としては音声を使う方法に加えて、日本語の指文字で読み方を表してもいいようにしている。  また、単語の読み方を自分で調べたい、という生徒には、カタカナで英単語の読み方が書いてある、「ベーシックジーニアス英和辞典」を勧めている。生徒がよく所持しているような複数の辞典の入った電子辞書には大概この「ベーシックジーニアス」が入っているようで便利だ。自分で調べることができる、ということは生徒の自律的な学習を支えてくれる。  以上、とりとめもない内容になってしまったが、大学進学を目指す聾学校高等部でおさえておくと、生徒が自分の力でどんどん英語読解力及び英作文の力をあげていくことができると考えるポイントをまとめてみた。間違っている部分もあると思うので、これを読まれた方のご指摘やご意見を頂戴できれば幸いである。 **************************************** まとめ 聾学校の特色を活かした授業を作っていくために考慮すべきポイントとして、聞こえない生徒たちにわかりやすく指導するにはどのような配慮が必要なのか、また、聞こえない生徒たち特有の間違い方やつまずき方にはどのようなものがあるのか、そして聞こえないからこそ「読む」力、「書く」力を育てていくためにはどのような指導が有効なのか、以上3点を掲げて授業実践を整理し、今回のまとめとした。しかし、本稿で報告した観点や指導内容には目新しいものが含まれていないように感じられてしまうかもしれない。ICTなど現代のテクノロジーを駆使した活動やALTとのコミュニケーション活動などに比較すると、華々しさは正直感じられないと思う。いわゆる古典的な指導方法ではないかという指摘を受けそうだが、そういった地道な取り組みの積み重ねがあってこそ、聴覚障害を有する生徒の英語力を伸ばすことができると考えている。  近年、ますます大学に進学する生徒が増えてきている。聾学校高等部卒業後に、高等教育機関でさらに教養を深め視野を広げる機会を持つことができるならば、その後の人生の選択肢も広がる可能性があるだろう。生徒たちが自ら希望する進路を実現できるよう出来る限りの支援をしていきたいものである。しかし、大学等の高等教育機関に入るためには、入学試験に合格しなければならず、試験に太刀打ちできなければ道は開けない。それゆえ、聾学校の出口である高等部では、大学等の入学試験に通用する英語力を身につけさせなければならないという側面があり、地味でも地道な取り組みを根気よく積み重ね、着実に生徒の力を伸ばしていくことを目指して日々の授業に臨んでおり、上記のような取り組みは一応の成果をあげてきていると思う。しかしながら、一方で、今後もずっと同じやり方に満足していてよいとは考えていない。従来の教科指導の良い部分を活かしながら、新しい方略を模索し、より良い教育活動ができるよう今後も試行錯誤を続けていきたい。 参考文献・URL ・松藤みどり(1991):「英検3級の傾向と対策本校高等部における成績上位群の英語力の分析」筑波大学附属聾学校紀要第14巻(通巻第19巻) ・松藤みどり・奈良初美(1995):「英検リスニング試験に関する一考察」筑波技術短期大学テクノレポートNo.2 ・松藤みどり(1996):「英検聴覚障害者特別措置を獲得するまで」筑波技術短期大学テクノレポートNo.3 ・松藤みどり(2001):「英語聴解間題における聴覚障害者に対する措置」筑波技術短期大学テクノレポートNo.8 ・筑波大学附属聾学校高等部英語科(1997)「聾学校における英検への取り組みについて」筑波大学附属聾学校紀要第19巻(通巻第24巻) ・財団法人 日本英語検定協会:「実用英語技能検定 団体受験成績総括表」平成12年、13年 ・東後幸生:『英文法をイチから理解する』.ベレ出版.1999. ・東後幸生:『英文法をしっかり理解する』.ベレ出版.2000. ・吉田研作・柳瀬和明:『日本語を活かした英語授業のすすめ』.大修館書店.2003. ・筑波大学附属聴覚特別支援学校高等部英語科(2009)「高等部教科指導の実際-英語科の指導を通して-」筑波大学附属聴覚特別支援学校紀要第31巻(通巻36巻) ・文部科学省HP:新しい学習指導要領の考え方 -中央教育審議会における議論から改訂そして実施へ- www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/_icsFiles/afieldfile/.../1396716_1.pdf 高等部 職業科における「コミュニケーション英語基礎」を基にしたCAN-DOリストの作成 埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園 對馬隆司 熊本県立黒石原支援学校 井芹孝恵 1 対象として想定する生徒の実態について  現在のろう学校の生徒の実態を考えた時、学校によって様々であり、中には工業系の大学やろう学校専攻科に進学する者もいるが、半数以上は一般就労している。英語力に関しては中1程度の学習内容が困難な者もいれば、英検5級を取得する者もいる。ろう学校裔等部職業科を卒業した後に求められる英語力も様々ではあるが、就労するにしても進学するにしても、以前に比べると、社会のグローバル化が進むと共に最低限社会生活で必要な英語力が求められつつある。 2 CAN-DOリストを作成するにあたり  1で述べたような生徒の実態を考えると、同じ英語の学習内容にしても、中学部生徒用のリストや裔等部進学コース用のリストではない、私たちが想定するような生徒のためのリストが必要だということになった。そして、英語力も日本語力も非常に厳しい生徒の英語学習の焦点をどこに置くかと考えたときに、学習範囲の基本にしたのが平成25年から実施されている裔等学校学習指導要領 外国語編・英語編で設けられている『コミュニケーション英語基礎』である。(次の学習指導要領にこの科目は含まれていないが、中学校英語学習内容の習熟も不十分な場合の多いろう学校職業科の生徒の実態に適していると考える。)  高等学校学習指導要領における外国語科の目標は「外国語(英語)を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や育成を図り、情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりするコミュニケーション能力を養う。」であるが、コミュニケーション英語基礎の目標は「英語を通じて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどの基礎的な能力を養う。」となる。さらに『コミュニケーション英語基礎』の主な目的は「中学校で学習した『英語』の定着を図ることや必履修科目である『コミュニケーション英語l』の学習に円滑に移行できる力を養う」ことであり、指導内容は大きく二つの要素からなる。その二つの要素とは「英語を通じて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成」「英語を通じて、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどの基礎的な能力を養うこと」、「身近な場面における言語活動を経験させながら、中学校における基礎的な学習内容を整理して指導し定着を図ること」である。  このような『コミュニケーション英語基礎』の学び直しの視点をもって、さらに日本語の表現も整理し確認することも併せて指導するためのCAN-DOリストを作成した。  重ねて確認しておきたいのだが、もちろん、職業科の中にも、言語感覚に優れ、中学生の時から英検等の受験にも積極的に取り組んできた生徒がいないわけではない。しかし、ここで作成するCAN-DOリストはあくまでも、言葉の学習に蹟きのある、中学校でも英語の学習に苦労をしてきた生徒を対象として想定している。 3 英語学習を通してつけたい力  職業科の生徒は最短3年後には社会自立しなければならない。グローバル社会と言われて久しい現代社会では、好むと好まざるとに関わらず、日常生活において様々な英語やカタカナ語を目にしたり、実際に使用する場面に遭遇したりすることも少なくない。また、現在論議の的となっている外国人労働者と共に働いているということもよく耳にする。このような現代の社会状況の中で、周りの人とよりよく関わるコミュニケーション能力を育てることはとても重要であり、英語科の学習はそのコミュニケーション力の基礎を育む格好の機会となると考える。  そこでここでは,生徒のコミュニケーションに必要な基礎的な態度や能力を育てることに注目し、その力が将来の職業人としての生徒に必要な資質や能力となることも期待したい。そのことも踏まえて、ここでは3つのCAN-DOリストを作成した。  一つ目は、日々の学習時間の中で生徒に意識して身につけてほしいコミュニケーションの基礎力を示したCAN-DOリストである。  二つ目は、アルファベットやカタカナ語、ローマ字(ヘボン式)など、日本の社会で言語活動を行う上で基礎の基礎となる力を示すCAN-DOリストである。  そして、三つ目は2で述べた『コミュニケーション英語基礎』を基にした英語力を示すCAN-DOリストである。取り上げた内容については、「三友社出版株式会社のJOYFUL Englishコミュニケーション英語基礎」を参考にしている。  なお、このリストについては、4技能のうちの「書くこと」について示している。 4 CAN-DOリスト (教師用) (1)毎日の授業の中で使用したい言語活動の積極的態度を養うCAN-DOリスト 1 コミュニケーションを支える態度 話をするとき、相手の顔(目)を見てやりとりすることができる。 相手の反応を見ながら、やりとりすることができる。 ジェスチャーなどを交えながら、相手に伝えようとすることができる。 相手の発信についても、顔(目)を見て、頷くなどすることができる。 分からないときに、分からないと伝えることができる。 2 コミュニケーションを円滑にする 自から呼びかけて会話のきっかけを作ることができる。例 Hello. /Excuse me? 相手の話を聞きながら、相槌を打つことができる。 例 I see.  Really? 相手の話がわからないときなどに、聞き直すことができる 例 Pardon me? 3 気持ちを伝えようとする 相手に礼を言うことができる。 例 Thank you. 謝ることができる。 例 I am sorry. 褒めることができる。 例 Very good. 4 考えや意図を伝える 「賛成です。」と伝えることができる。 例 I agree. 「反対です。」と伝えることができる。 例 I don't think so. 意見を言うことができる。 例 I think (that)・  このリストは生徒と教師が共有し、授業を進めながら、教師による評価と生徒自身または生徒どうしが評価し合うことによって、適切な場面で適切なコミュニケーションの態度でよりよい言語活動ができるように意識づけるものである。  1の「コミュニケーションを支える態度」については、このリストを用いながら生徒の学習活動時のコミュニケーションの態度や積極性を培うことを目指すものである。2,3,4については、例に示すような英語の表現を用いることを生徒に推奨し、実際に使いながら慣れ、身につけていくことでコミュニケーションの力をつけたいと考える。なお、この場合、Thank you.等の英語表現は生徒の実態に合わせ、音声英語、アメリカ手話などの手話言語、教師と生徒間で確認した表現など、表現方法については規定せず、場面に合わせた言語活動ができるということを重視したい。 (2)英語学習を支える言語活動のCAN-DOリスト CAN-DO アルファベットを正しく表記することができる。 Check項目 □アルファベットの大文字をアルファベット順に書くことができる。 □アルファベットの小文字をアルファベット順に書くことができる。 □アルファベットの大文字と小文字のマッチングができる。 【メモ】 ◎アルファベットの学習は、聴覚活用や使用メディアの実態に合わせて「エイ、ビイ、スィー...」と音韻の順番で覚えたり、またはアメリカ手話等のアルファベットの指文字で覚えたりした後に筆記練習に移行するなど、各自の取り組みやすい学習を確認し進める。 【学習活動例】 アルファベットかるた(大文字と小文字のマッチング、音声読み上げ、アルファベット指文字、など) CAN-DO 日本語のカタカナを正しく使うことができる。 Check項目 □カタカナ50音を正しく書くことができる。 □濁音や拗音、促音についてもカタカナで書くことができる。 □外来語や外国の人の名前や地名等をカタカナ表記することがわかり、適切な場面でカタカナを使うことができる。 □身近なものの名前や外国の地名など学習に必要なカタカナの言葉を適切に書くことができる。 【メモ】 ◎職業科で学ぶ場合、いずれのコースであってもカタカナ語を用いることは多い。しかし、カタカナ語を正確に(つづり文字通りの音韻の語順に)覚えるために非常な努力を積み重ねてきた生徒も少なくない。それを踏まえた上で、職業科で学ぶ時に、将来働く時にカタカナ語を使いこなせることの重要性をしっかりと説明し確認しながら、英単語との関連を確認しながら(例:パソコンpersonal computer)学習を進める。ここでは、英単語の学習ではなく、学科に関するカタカナ語の習得を目標とする。 カタカナの文字が書けない生徒の場合はカタカナ50音表を完成する学習からスタートする。 【学習活動例】 所属学科に関する英単語、最近よく目にするけれども意味のわからないカタカナ語、等 CAN-DO ローマ字(ヘボン式)を正しく使うことができる。 Check 項目 □ローマ字で『あいうえお表』を完成させることができる。 □濁音や拗音、促音についてもローマ字で表記することができる。 □自分の名前や住所などをローマ字で表記することができる。 □身近なものの名前や日本の地名などをローマ字で表記することができる。 【メモ】 〇道路標識のローマ字表記や自分の名前のローマ字表記の場面など、日常生活における必要性を場面ごとに整理して説明すると共に、巷にあふれる英語表記との使用場面の違いなども併せて行いながら、再度学習するように進めていく。 【学習活動例】 パスポート申請用紙や出入国申請の記入体験、グーグルマップのストリートビューを使った地域のローマ字表記の転記練習、など CAN-DO 基本的な英語のやり取り(挨拶や返事)を知っている。 Check 項目 □「おはよう」「こんにちは」「さようなら」などの英語表現を知っている。 □月や曜日の英語表現を知っている。それらを英語で表記することができる。 □0から20、100、1000程度の数の英語表現がわかり、表記できる。 □教室内にあるものの英単語がわかる。それらを英語で表記することができる。 (3)『コミュニケーション英語基礎』を基にしたCAN-DO リスト(表現:書くこと) CAN-DO 【be 動詞の文】自分や人やものについて紹介することができる。 Check 項目 □be 動詞の文を用いた簡単な自己紹介が英語でできる。 □be 動詞の文を用いて、身近にあるものや友達、家族などを紹介することができる。 □be 動詞の文を用いて、物の様子を英語で書くことができる。 □be 動詞の文を使って、自分の気持ちや感想を英語で書くことができる。 □be 動詞の文を用いて英語で質問することができる。 □be 動詞の文を用いた質問に適切な英語で答えることができる。 CAN-DO 【一般動詞】一日の生活でしていることなどを書くことができる。 Check 項目 □一般動詞を用いて、3語以上の英文を書くことができる。(主語が1、2人称) □一般動詞を用いて英語で質問することができる。 □一般動詞を用いた英語の質問に答えることができる。 □主語が三人称の場合、一般動詞を用いて英文を書くことができる。 □主語が三人称の場合、一般動詞を用いて質問することができる。 □主語が三人称の場合、一般動詞を用いた英語の質問に答えることができる。 CAN-DO 【過去形】行事や思い出について、日記やメモを書くことができる。 Check 項目 □一般動詞の過去形を用いて、3語以上の英文を書くことができる。 □一般動詞の過去形を用いて英語で質問することができる。 □一般動詞の過去形を用いた英語の質問に答えることができる。 CAN-DO 【助動詞】〇未来表現〇 自分の予定や将来の夢について書くことができる。 Check 項目 □助動詞will を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞will を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 □be going to を用いて正しい英文を書くことができる。 □be going to を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 CAN-DO 【助動詞】〇can〇 自分や人が『できること』について書くことができる。 Check 項目 □助動詞 can を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞 can を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 CAN-DO 【助動詞】〇may, must, have to〇 『してもよいこと』、『しなければならないこと』について書くことができる。 Check 項目 □助動詞may を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞may を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 □助動詞must を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞must を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 □have(has) to を用いて正しい英文を書くことができる。 □have(has) to を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 CAN-DO 【命令文】相手に何かを指示したり、禁止したりすることができる。 Check 項目 □動詞ではじまる命令文を書くことができる。 □Let's を使って「~しよう」と提案する文を書くことができる。 □Don't を使って「~してはいけません」という否定の命令文を書くことができる。 CAN-DO 【比較表現】人やものについて、比べて説明することができる。 Check 項目 □形容詞や副詞の比較級や最上級が書ける。 □ものや人について『同じ』であることを説明することができる。 □2つのものや2人の人を比べる文を書くことができる。 □3つ以上のものや3人以上の人を比べる文を書くことができる。 CAN-DO 【現在完了】これまでにずっと続いていることについて書くことができる。 これまで経験したことや、すでにし終えていることについて書くことができる。 Check 項目 □完了形の文で用いられることの多い動詞(中学程度)の過去分詞形を書くことができる。 □have(has)+ 動詞の過去分詞形を使い、現在完了形(継続用法)の文を書くことができる。 □have(has)+ 動詞の過去分詞形を使い、現在完了形(経験用法)の文を書くことができる。 □have(has)+ 動詞の過去分詞形を使い、現在完了形(完了用法)の文を書くことができる。 CAN-DO 【不定詞】何かをする目的を説明する文を書くことができる。 夢や希望などについて書くことができる。 情報を付け足して説明することができる。 Check 項目 □「~するために」という意味を表す不定詞[to + 動詞の原形]の文を書くことができる。 □「~すること」という意味を表す不定詞[to + 動詞の原形]の文を書くことができる。 □「~するための」という意味を表す不定詞[to + 動詞の原形]の文を書くことができる。 CAN-DO 【受け身】あることについてちがう視点から述べることができる。 Check 項目 □「~する」と「~される」の視点の違いが分かる。 □受け身の文で用いられることの多い動詞(中学程度)の過去分詞形を書くことができる。 □be 動詞+動詞の過去分詞形を使って、受け身の文を書くことができる。 5 CAN-DO リスト(生徒用) (2) 毎日の授業用 CAN-DO リスト 1 コミュニケーションを支える態度 話をするとき、相手の顔(目)を見てやりとりすることができる。 相手の反応を見ながら、やりとりすることができる。 ジェスチャーなどを交えながら、相手に伝えようとすることができる。 相手の発信についても、顔(目)を見て、頷くなどすることができる。 分からないときに、分からないと伝えることができる。 2 コミュニケーションを円滑にする 自から呼びかけて会話のきっかけを作ることができる。例 Hello. /Excuse me? 相手の話を聞きながら、相槌を打つことができる。 例 I see. Really? 相手の話がわからないときなどに、聞き直すことができる 例 Pardon me? 3 気持ちを伝えようとする 相手に礼を言うことができる。 例 Thank you. 謝ることができる。 例 I am sorry. 褒めることができる。 例 Very good. 4 考えや意図を伝える 「賛成です。」と伝えることができる。 例 I agree. 「反対です。」と伝えることができる。 例 I don't think so. 意見を言うことができる。 例 I think (that)・ (2)英語学習を支える言語活動の CAN-DO リスト CAN-DO アルファベットを正しく表記することができる。 Check リスト □アルファベットの大文字をアルファベット順に書くことができる。 □アルファベットの小文字をアルファベット順に書くことができる。 □アルファベットの大文字と小文字のマッチングができる。 CAN-DO 日本語のカタカナを正しく使うことができる。 Check リスト □カタカナ50音を正しく書くことができる。 □濁音や拗音、促音についてもカタカナで書くことができる。 □外来語や外国の人の名前や地名等をカタカナ表記することがわかり、適切な場面でカタカナを使うことができる。 □身近なものの名前や外国の地名など学習に必要なカタカナの言葉を適切に書くことができる。 CAN-DO ローマ字(ヘボン式)を正しく使うことができる。 Check リスト □ローマ字で『あいうえお表』を完成させることができる。 □濁音や拗音、促音についてもローマ字で表記することができる。 □自分の名前や住所などをローマ字で表記することができる。 □身近なものの名前や日本の地名などをローマ字で表記することができる。 CAN-DO 基本的な英語のやり取り(挨拶や返事)を知っている。 Check リスト □「おはよう」「こんにちは」「さようなら」などの英語表現を知っている。 □月や曜日の英語表現を知っている。それらを英語で表記することができる。 □0から20、100、1000程度の数の英語表現がわかり、表記できる。 □教室内にあるものの英単語がわかる。それらを英語で表記することができる。 (3)『コミュニケーション英語基礎』を基にしたCAN-DO リスト(表現:書くこと) CAN-DO 【be 動詞の文】自分や人やものについて紹介することができる。 Check リスト □be 動詞の文を用いた簡単な自己紹介が英語でできる。 □be 動詞の文を用いて、身近にあるものや友達、家族などを紹介することができる。 □be 動詞の文を用いて、物の様子を英語で書くことができる。 □be 動詞の文を使って、自分の気持ちや感想を英語で書くことができる。 □be 動詞の文を用いて英語で質問することができる。 □be 動詞の文を用いた質問に適切な英語で答えることができる。 CAN-DO 【一般動詞】一日の生活でしていることなどを書くことができる。 Check リスト □一般動詞を用いて、3語以上の英文を書くことができる。(主語が1、2人称) □一般動詞を用いて英語で質問することができる。 □一般動詞を用いた英語の質問に答えることができる。 □主語が三人称の場合、一般動詞を用いて英文を書くことができる。 □主語が三人称の場合、一般動詞を用いて質問することができる。 □主語が三人称の場合、一般動詞を用いた英語の質問に答えることができる。 CAN-DO 【過去形】行事や思い出について、日記やメモを書くことができる。 Check リスト □一般動詞の過去形を用いて、3語以上の英文を書くことができる。 □一般動詞の過去形を用いて英語で質問することができる。 □一般動詞の過去形を用いた英語の質問に答えることができる。 CAN-DO 【助動詞】〇未来表現〇 自分の予定や将来の夢について書くことができる。 Check リスト □助動詞will を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞will を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 □be going to を用いて正しい英文を書くことができる。 □be going to を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 CAN-DO 【助動詞】〇can〇 自分や人が『できること』について書くことができる。 Check リスト □助動詞 can を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞 can を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 CAN-DO 【助動詞】〇may, must, have to〇 『してもよいこと』、『しなければならないこと』について書くことができる。 Check リスト □助動詞may を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞may を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 □助動詞must を用いて正しい英文を書くことができる。 □助動詞must を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 □have(has) to を用いて正しい英文を書くことができる。 □have(has) to を用いて質問したり、質問に答えたりすることができる。 CAN-DO 【命令文】相手に何かを指示したり、禁止したりすることができる。 Check リスト □動詞ではじまる命令文を書くことができる。 □Let's を使って「~しよう」と提案する文を書くことができる。 □Don't を使って「~してはいけません」という否定の命令文を書くことができる。 CAN-DO 【比較表現】人やものについて、比べて説明することができる。 Check リスト □形容詞や副詞の比較級や最上級が書ける。 □ものや人について『同じ』であることを説明することができる。 □2つのものや2人の人を比べる文を書くことができる。 □3つ以上のものや3人以上の人を比べる文を書くことができる。 CAN-DO 【現在完了】これまでにずっと続いていることについて書くことができる。 これまで経験したことや、すでにし終えていることについて書くことができる。 Check リスト □完了形の文で用いられることの多い動詞(中学程度)の過去分詞形を書くことができる。 □have(has)+ 動詞の過去分詞形を使い、現在完了形(継続用法)の文を書くことができる。 □have(has)+ 動詞の過去分詞形を使い、現在完了形(経験用法)の文を書くことができる。 □have(has)+ 動詞の過去分詞形を使い、現在完了形(完了用法)の文を書くことができる。 CAN-DO 【不定詞】何かをする目的を説明する文を書くことができる。 夢や希望などについて書くことができる。 情報を付け足して説明することができる。 Check リスト □「~するために」という意味を表す不定詞[to + 動詞の原形]の文を書くことができる。 □「~すること」という意味を表す不定詞[to + 動詞の原形]の文を書くことができる。 □「~するための」という意味を表す不定詞[to + 動詞の原形]の文を書くことができる。 CAN-DO 【受け身】あることについてちがう視点から述べることができる。 Check リスト □「~する」と「~される」の視点の違いが分かる。 □受け身の文で用いられることの多い動詞(中学程度)の過去分詞形を書くことができる。 □be 動詞+動詞の過去分詞形を使って、受け身の文を書くことができる。 当事者視点からのふりかえりと CAN-DO リストへの提言 川崎市立聾学校 秋山 奈巳 1. 背景  聾学校の中学部と高等部を合わせ、平成18年から平成31年現在まで、主たる担当教科として聞こえない子どもたちに英語を教えてきた。聴覚障害のある英語の教員は、全国的にまだまだ数が少ない。そのため、当事者としての経験や指導方法について、同じように聞こえない仲間の教員と意見を交換する機会が少なかった。しかし、聴覚障害英語教育研究会の場が、聞こえなくてもできることをがんばろうと、意欲をつないでくれた。  英語の教え方については聞こえる子どもへの教え方が標準となってきた感が否めない。そうした中、「聞こえない教員が英語を教えられるのか」といった周囲の戸惑いを感じてき たが、少しずつ仲間が現れ、そしてまた、私より下の世代が英語の教員をH指したいという思いをもって大学で学んでいることは誇らしい。聞こえないいち教員の経験を時系列にまとめ、事例をいくつか提供したい。 2. 中学準備段階  私の時代の英語科は、中学から学ぶ教科だった。3 歳半で私の聴覚障害が判明してから日本語の訓練をしてきた。私の両親はその経験から、中学生になるより前に英語に慣れることができるよう、私が小学5、6年生の時から1対1の個人指導型の塾に通わせてもらった。  塾では主に、英単語カードづくりをしていた。特徴的なのは日本語と英語のセットではなく、イラストが描かれた紙を切ってボール紙に貼り、裏に英語のつづりを書くという作業をしていた。  カードには読み方は書いていなかった。先生はもしかしたら自分で発音していたかもしれないが、発音の練習をさせられたという記憶が全くないので、おそらくしていないのだろう。たくさんノートやプリントに書いて練習したので、少しずつ語彙を増やすことができた。そのおかげで英語は難しくないと思えて自信がつき、中学に入るころには英語導入の基礎部分はわかる状態だったので、スムーズに学校の授業になじむことができた。 3. 中学校で 中学校には私の他に2学年上の聞こえない先輩がいて、学校全体として聞こえない生徒への対応に慣れていたところがあった。聴覚障害生徒が2名になったことにより校内で手話部が発足し、私の英語の先生が手話部の顧問となり、手話を覚えてくださった。このことが、授業中に大いに役に立ち、私はあまりストレスを感じないで授業に参加することができた。  具体的には、教科書のページの指示、黒板に単語や文をすべて書いて視覚化、音声で読み上げるときは私のそばに立ち、音読している行の指し示しなどの配慮をしてもらった。通常の学校の授業なので、毎回、音読のプラクティスもあったが、その時は「今から声で読みます」と事前に教えてもらえたので、私はその間、音読はせず辞書を引いて意味の確認をするなど、自主的に別の活動をしていた。 一度だけ、聞こえないことで先生に状況をうまく伝えられないことがあった。そのときのことを紹介したい。当時、補聴器をしていた私は、音は耳から入ってくる状況にあった。リスニング試験をどうするかという問題があって、クラスのみんなは教室で放送を間きながらリスニング試験を受けるのだが、私には特別に準備したプレーヤーの前に座って大きな音を出して間く方法でどうかと提案された。 音を出しながら間いてみて、どの音も何となく同じように聞こえて何を言っているか判別できないように感じたので、そのことを先生に伝えた。しかし、先生は「聞こえている?聞こえていない?」という質問をされたので、私は正附に「聞こえています。でも、何を言っているかよくわかりません」と答えた。 先生は納得せず、「聞こえるほかの生徒も英語が間き取れないのは同じ。聞こえているならそれは英語の問題であって耳の問題じゃないと思う」と言われた。聞こえの状態をうまく伝えられないことにいら立ちを感じ、「聞こえるけれどわからない」という状態が理解してもらえないのかと悔しくて泣いてしまったことがある。結果としては、リスニング試験の部分は成績をつけるときに考慮してもらった。 生まれてから正常に聞こえたことがない生徒当事者が、聞こえの状態を正確に伝えるのは難しい。インテグレーションの場合はそうした場面で聞こえなさについて情報提供やフオローをしてくれるアウトリーチが必要になってくると感じている。 発音(フオニックスやアクセント)に関する設問もあったが、全体のうち占める割合はそれほどでもないので、つづりの長い単語で試験に出そうなものにめどをつけて、試験前には辞書を再度確認し、自分で実際に声を出してみるなどして、試験に備えてきた。授業中の音読は指名されなかったので、することはなかった。 4. 高校で 当時の公立高校入試ではリスニングの試験は無く、私立も受験したが最終的に公立校に進学した。私立高校の受験では、前もって親が学校にお願いに行き、英文科の受験ができるよう働きかけてくれたが、ひとつの学校は聞こえないと難しいということで受験を断ってきた。もうひとつの学校では、聞こえないことに理解を示してくれ、受験し、無事に合格することができた。  高校では大きく分けて文法と英文読解の二種類の授業があり、担当の先生がそれぞれ違っていた。文法のクラスでは英作文をする機会が多く、そのようなときは黒板の前に出て全員がチョークをもって書くというスタイルで授業が展開されていた。特別な配慮をされているという感覚はなく、全員が授業に参加することができるという自信をキープしてくれた先生のおかげで、楽しく勉強を続けることができた。  英文読解の授業では、先生が授業時間前に来て黒板に英文をほぼ全部書いてから説明を始めてくれたので、わかりづらいということがほぼなかった。一斉音読の時間には私は参加せず、辞書を調べたり、ノートの整理をしたり、練習問題に取り組むなどして、無駄な時間とならないよう、自主的に調整していた。卒業後は英語を学ぶことが続けられるよう、地元の短期大学に進学することに決めた。 5. 大学で  短期大学へは高校からの推薦入試で入ったのだが、耳が聞こえなくても授業などで一切の配慮はしないという条件で入学することができた。当時はまだ、高等教育機関での情報保障を求められるような理解が進んでおらず、入学を許可されたということで喜んで通っていた。  必修のオーラルイングリッシュの授業ではペアワークの演習に困ったが、私とペアになった人がひとりで話す練習をして、私は頷いてその場を切り抜けるというと語弊があるが、私が演習に十分参加できていないことは黙認されていた。  聞こえないことについては配慮を求めない約束だったので、特に聞こえないからこうしてほしいと自分から積極的に伝えたことはない。聞こえないことすらも、伝えないことが多かった。印象的だったのはアメリカ人の先生が担当だったオーラルイングリッシュの授業で試験が行われることになったときのことである。先生は、私の発音がほかの学生と違うことに気づき、なぜ今まで聞こえないことを黙っていたのかと言われた。聞こえないことによる不自由さを伝えてもいいのだと気づかせくれたのは、この先生が最初である。こうした障害受容につながる経験が、のちにアメリカに留学したいという原体験のひとつになった。  2年目からは、選択制になるので、オーラルイングリッシュは外し、詩の翻訳を中心とした授業を選択し、そこでは黒板に皆で翻訳結果を書きあって、それを見ながら先生が赤チョークで講評していく方式だったので、講義保障がなくても私の満足度は高く、授業に参加できていたと感じていた。  このころはまだ英語教員を目指そうとは思っておらず、卒業後は会社に就職し、IT機器を使った事務を中心に働き始めた。 6. アメリカ留学経験(教員になる前)  教員になる前と後で、海外の聴覚障害者対象の教育を受けた経験がある。それらの経験からいくつかの提言をしたい。 まずは、教員になる前の経験について述べる。アメリカの聴覚障害教育のリーダー的存在であるギャロデット大学に、特別インターンとして留学したことがある。私の英語学習はそれまで文字を中心としたもので、音声情報は曖昧かつ不完全に付随していた。音声情報は私にとって不可欠のものであり、手話の獲得以降も音声情報が重要な役割を果たしている。  ただ、聴覚障害により音を弁別できてはおらず、そのことが英語学習の大きな妨げになっているのではないかと感じていた。具体的には、「シ」の音のときにs/shの区別ができなかったため、書こうと記憶を呼び起こしたときにつづりを書くことがなかなかできなかった。同様の現象はL/R、t/th、B/Vなどでも頻繁に起きた。そのため、1対1で受けられるSTの授業を申し込み、英語を構成する主な音と、基本的な口形について学習した。 口形指導は、慎重に行わないと安易な自己満足の発音指導につながりがちである。口形を見せはするが、発音を強制するものではなく、また発音の練習が主たる目的でないこと を毎回のように確認してからセッションが始まった。私は主に口形を見て、同じような発音をする基本的な英語の語彙を視覚的に学んだ。聴覚障害者に発音記号の試験を課すなら、このようなていねいな音声情報の指導環境が整えられてから臨まなければ、聞こえる生徒と同じ時間配分で、せいぜいカタカナで読みを書いて口を見せただけで進めるのであれば、聴覚障害の特徴にまったく配慮のない乱暴なやり口だと言わざるを得ない。 英語の教員をめざしてもよいのではないかと思い始めたのは、アメリカ留学が原体験にある。同じように耳の聞こえない人たちのために働くように、そのために日本に帰国したら4年制大学に入りなおして卒業するように、ギャロデット大学の聞こえない先生の助言が私の決断に後押しをしてくれた。当時の私は、日本では聞こえない人が大学を卒業しても何にもならないうえに、女性は20代の早い時期に結婚することが求められている慣習があり、帰国しても大学に行くことは考えられないと反論していた。しかし、その先生は何度も何度も、私に語り掛け、帰国する附前まで「大学に入りなおして大卒の資格を取るように。そして聞こえない人のために働くように」と言い続けてくれた。この先生の継続的な助言のおかげで、帰国後、大学に入りなおして教員免状を取ることになった。 7. フランスでの体験(教員になってから)  教員になった後に配偶者海外同行制度を使って、フランス語圏に1年間滞在した。フランスでは聾学校の移民プログラムで学ぶことができたので、そのときの体験からいくつかを紹介する。 国立聾学校では聴覚障害のある移民を対象に、聴覚障害のある教員によってレベル別にフランス語とフランス手話の授業を行っていた。中高時代より聴力が落ち、手話を獲得してからの語学学習は初めてかつ貴重な体験として情報提供したい。 授業はすべてフランス手話でなされ、発音の指導は一切なかった。手話で概念を伝え、手話で理解することがすべてだった。手話での説明が終わったあと、質疑を経て、フランス語を書くパターンプラクティスが中心だった。外国人ろう者のすべてがフランス手話を流ちょうに使えるわけではないという環境は、聾学校の生徒の手話運用能力と似通うところがあった。 手話で説明し、手話で理解するという授業スタイルは、成人ろう者には向いている。フランスで使われている手話表現そのものを知らなくても、手話言語の表出の特徴は普遍的であり、概念として理解しやすい。口形を見せて指導するというやり方では、途方もない時間がかかってしまうだろう。  18 歳までの児童生徒と、成人ろう者とでは教育の目的やそれまでの人生経験など違いがあるだろう。それでも、このクラスで学ぶことで、複数人数によるクラスの場合に共通言語をどうするか、聞こえない教員が言語の表出モードをぶれないように留意する点など、聞こえない教員の立場から学ぶことは大いにあり、「手話で教える」ことにもっとみがきをかけたいと思った。 8. 聞こえない英語教員として 私がよく間かれることは、「発音をどうやって教えていますか」「音読はどうしていますか」というようなことである。聞こえない教員と聞こえない生徒同士で、声を出して音声で授業を進めるというようなことは起きにくい。発音はあくまで聞こえる人のものであり、聞こえない人にとっては言語情報のひとつにすぎない。 英語学習上、読み方があったほうがの記憶の定着につながる生徒は、聴力レベルに関係なくいる。そういう生徒の場合は、読み方をカタカナなどで書いて示したり、学年が上がれば発音記号の読み方を教えたりして、読んでもらうこともある。口形を見せてほしいと言われれば、私なりのやり方で見せることもある。 一方で、カタカナが無いほうが良い、カタカナを覚えるのと英語を覚えるのと二度手間だからノートには書きたくないという生徒もいる。十人十色の生徒の反応に出会って、それぞれの生徒の学習アプローチ法の発見を手助けするのが教員の役割だと思うようになった。 英語学習には生徒の数だけ多くのアプローチがある。私の方法が絶対良いということはできないが、 ALT を導入して活用している学校では、情報保障をどうするのかという課題がある。現在の勤務校では、人工内耳の装用などで聴覚活用に軸を闘いているため、口の動きを読み取ることも含めて、音声でのやりとりを生徒自身が望み、やりとりを楽しんでいることもある。ただ、生徒数が少なく、1対1ないしは2対1でのやり取りなので、口の動きを読み取り、話をしやすいという環境条件は大きく影響している。学校によって、また、生徒によって環境設定条件やニーズは異なるだろう。 9. CAN-DO リストヘの提言(結びに代えて) 聾英語教育の現場に入って感じてきたことは、昨今の英語教育が全体的にコミュニカティヴな演習が中心となっており、耳の聞こえない生徒にとっては従前に比べて不利になりやすいことである。特に、聾学校から通常の高校に進学した聞こえない生徒の場合、私の時代と比べて苦労している様子が伝えられたことがあった。 具体的には、ALT 制度が導入されているクラスで、ALT が話していることがわからず、事前に何をやるのかを A4 の紙に 1 枚で説明はもらうのだが、周りが会話を中心にやりとりをしている活動に参加できず、見ているだけになってしまうことが苦痛だという訴えがあった。また、日本人教員がその場でやりとりの内容を紙に書いてはくれるのだが、全部ではないためにとびとびになっていて、中学の時に経験した授業と全く違うことが苦しいとも言っていた。また、私が体験したような「聞こえるけれどもわからない」ということを教員が理解してくれないことによる葛藤もあったようである。 私からその生徒の在籍する高校に連絡をとり、聾学校の授業で使っていた授業方法を提示したり、手話通訳を通して相談を受けたりしてきた。耳が聞こえないということはどういうことか、聞こえない状況で英語を学ぶ場合聞こえる人とは違うアプローチがあること、視覚的な要素がいっそう重視されるなどの基礎的な知識や初期対応の方法は、英語教育に携わる人たちに広く知られてほしい。 聴覚障害の特徴を踏まえて、目に見えない障害だからこそ、適切かつ合理的な配慮がなされることを望む。耳から英語を間いてわかることが求められる授業ではなく、それぞれの身体の制約状況においてもっとも活動しやすい方向を見出して導くのが教員の役割だと考える。聴覚分野の特別支援学校となってからの頻繁な異動による経験の浅い教員にとって、CAN-DO リストが、生徒の心を傷つけずに教員が研究できる手立てとなるように願う。 平成 27 年度 千葉県長期研修生 研究報告書 資料 きこえにくい子どもも楽しむ 外国語活動 -手立て集- 作成者 千葉県立千葉聾学校 村上理恵子 (平成 28 年 2 月) はじめに  近年、様々な障害を持つ児童が通常の学級で学ぶことが増えてきています。そんな中できこえにくい子どもは、人数が少なく、あまり目立たないかもしれません。「きこえにくいことは知っているけれど、生活上そんなに困っているように見えないな。」、「補聴器やFM補聴システムを使ってきこえは良くなっているはずだから、皆と同じように授業を受けることができているのだろうな。」等と思われているこもよくあります。  目に見えない「きこえにくい」とう障害は、なかなか外からは分かりづらいものです。生まれつきの障害であれば、自分のきこえていない世界が広がっていることが分からず、いろいろな情報を聞き落としているということも想像がつかず、本人から支援を求める声が出てこないこともあります。生まれつきではなく、言葉を覚えてから病気などで聞こえにくくなった子どもは、発音がきれいなので普通に聞こえているものと勘違いされることがあります。また、きこえにくい子ども一人一人のきこえ方は様々です。音が小さく遠く聞こえるだけという子どもや、片耳はきこてえいるから平気ですという子どもから、補聴器を使っても音がしたかなということしか分からない子どもまでいます。  この手立て集は、現在小学校通常学級で外国語活動の授業に取り組んでいる、きこえにくい児童や、かつて小学校で勉強していた聾学校の生徒、筑波技術大学の学生から聞き取ったことを基に、外国語活動の指導にあたっている先生方と話し合って、外国語活動の授業にどういう工夫があったら良いか考えたアイディアをまとめたものです。きこえ方は様々ですので、このアイディアが全てのきこえにくい子どもに使えるとは限りませんが、先生方が授業を組み立てる上で何かお役に立つことができれば幸いです。  先生方の御指導で、きこえにくい子ども達も学級のお友達と外国語活動に親しみ、分かる喜びを得られますように。 目次 こんなことで困っているかも P1 ・話し方①(基本的な話し方)P2 ・話し方②(FM補聴ジステムのマイクを使うとき) P3 〈基本編〉 ・年度当初に P5 ・掲示物 P6 ・授業の最初のやりとり P7 ・発音 読み方 P8 ・歌 チャンツ P9 ・英語を聞いてカード等をとるゲーム P10 ・ロールプレイ P11 〈応用編〉 ・発音 読み方の指導 P13~14 ・単語の練習 P15 ・情報保障の工夫 P16 ・難聴学級の取り組み例 P17~20 〈資料編〉 ・アルファベットの指文字(ASL) P21 ・指文字 P22 ・(参考)キュードスピーチ P23 ・外国語活動授業者用 難聴理解リーフレット(英語版)P24~25 ・外国語活動授業者用 難聴理解リーフレット(日本語版)P26~27 ・リーフレット説明書 P28~29 こんなことで困っているかも…  英語を「たくさん聞いて話すこと」が中心になっている外国語活動。きこえにくい子どもには困ったことが起こりやすくなります。※きこえ方は子どもによって様々です。 [先生] みんなと一緒に立ったり座ったり動いて、ゲームにも参加できている。冗談を言ったら他の子と同じように笑っているし、問題ないんじゃない。 …ちょっと皆より遅れがちだな、やる気がないのかな? きこえにくい子ども 聞き取れなくて、何をしたらいいかわからないよ。 とりあえず、まわりの友達の動きを見て同じようにしなくっちゃ。 まわりを見てから、真似して動くからちょっと遅れちゃうよ。 英語には、慣れ親しんでいる日本語にない音がたくさんある。 英語は日本語より子音が多くて聞き取りにくい。 リピートしてって言われても、同て言うのかわからないよ。 発音が上手くできなかったときに、先生が大きな声でもう1回言ってくれても、どんな音なのかわからないよ。 カードで先生の口元がかくれて見えなかった。 口元が見えると、話された内容を知る手がかりになるのに…。 次は何をするのかな。何を言えば良いのかな。板書がなくてわからないよ。 板書も英語だけだと、聞き取れていないので、読み方がわからないよ。 聞き取って取るカードのゲームとか、私のせいでグループが負けたらどうしよう。 みんなゲームで盛り上がってる。歓声で聞き取れないよ。 知っている単語だったのに、聞き取れなくてカードがとれなかった みんななんで今笑ったの?先生が何かおもしろいこと言ったのかな? 聞きたいけど、もう次の活動が始まっちゃっていて聞けないな…。 もしかして、私の発音のこと?私の歌の音程が外れていたの? きこえにくい子ども ALTの先生は面白いから好き!みんなとゲームで動くと楽しいよ!もっと、単語や文の読み方や、ゲームの時に何て言ったら良いのかが分かって、安心してみんなと英語でやりとりできたらいいな。 話し方①  ここでは基本となる話し方について説明しています。聞こえにくい子どもの聞こえ方は、人によって違います。話した後は、聞こえにくい子ども本人がどのくらい聞き取れているかを、本人に確認してください。 ①活動の前に確認すること ・きこえにくい子どもが、話し手から近い、口元が見える席に座っているか。 →基本は教室では前から1列目か、2列目の正面の席。 →片方の耳がきこえにくい子どもでは、聞き取りやすい方の耳が教卓側になるよう右や左の席にする。 ・きこえにくい子どもが話し手を見たときに、逆光にならない席に座っているか。 →教卓の正面、もしくは窓側の席になってれば良い。 →聞き取りやすい方の耳を教卓側にするため、廊下側になっている場合は、窓のカーテンを閉め、まぶしくないようにすれば良い。 ・聞き取りを妨げる雑音がないか。 →机や椅子を引く音、筆箱等を落とした音、おしゃべりなどに注意。机や椅子が床とこすれることで生じる雑音は、それらの脚に、使い古しのテニスボールをはめたり、小さく切ったカーペットなどを貼ったりすることで、抑えることができる。 (カットは『きこえにくい子どものためのサポートブック 改訂版』より) ②活動中 ×教室の中を歩きながら大切なことを話す ×黒板に、文字などを書きながら話す ×不自然に区切って話す。例:お・は・よ・う! ×早口 〇口元が見えるようにする 〇近くから 〇きこえにくい子どもの前方から話す 〇はっきり話す 〇少し大きめの声で話す  大きすぎる声は× 話す内容や、キーワードを簡単に箇条書きにまとめたものを提示したり、板書したりしてから、話すと分かりやすい。 ③活動の後に、きこえにくい子どもに感想を聞き検討すること ・座席は変えなくて良いか。 ・机や椅子の雑音は大丈夫そうか。 →状況により、机や椅子のない教室を外国語活動の部屋とすることができるか。 ・話し方は大丈夫か。話す内容を箇条書きしたもの等の準備は良いか。 話し方② ここでは、FM補システムを使う時の話し方について説明しています。システムのマイクの使い方として気をつけたいことは、Roger (ロジャー:フォナック社のデジタルワイヤレスによる補聴援助システム)でも同じです。 ①活動の前に確認すること ・きこえにくい子どもがFM補聴システムを使っているか。(以下、使っている場合) ・そのきこえにくい子どもがシステムのマイクを学校に持ってきているか。 ・マイクの充電はできているか。(家庭で充電したものを持参する) ・話し手は擦れあってシャカシャカ音が出る素材の衣類を着ていないか。 →マイクに雑音が入ってしまうので、できるだけ他の衣服等に着替える。 ②活動中 擦れあってシャカシャカ音が出る素材の上着は避ける。 マイクの近くで、ボールペンをカチャカチャ鳴らさないように気をつける。 ・マイクの近くの音が大きくなって子どもの耳元で響くイメージを持って、雑音を出さないように咳、くしゃみ等も気をつける。 口元からマイクまでの距離を調節する 15m~20mに ・首からぶら下げるタイプのものもある。その場合も、口元から集音部までの距離が離れすぎないように、ひもの長さを調節する。 マイクの向きは口元に向いているようにする ポケットに入れるなどして、身につける 先生 ↓FM電波 きこえにくい子ども 受信機でFM電波を拾う。 受信機は補聴器につけて使う。 一体化しているものもある。 ・ある程度離れていても、雑音が多少あっても、きこえにくい子ともの耳元で話しているかのように音をとどけることができる。 ・授業、集会、校外学習なと様々な場面で活用をするとよい。 ・FM補聴システムのマイクは、「その時話す人が使う」のが良い。マイクの受け渡しが難しい時は、話し手にマイクを向けたり、マイクを使っている人が他の人の発言を繰り返して伝えても良い。 ③活動の後に、きこえにくい子どもに感想を聞き検討すること ・マイクの向き、口元からの距離、集音の方向等の調整が必要か。 ・FM補聴システムを使った場合、口元を見せなくても大丈夫か。見せた方が良いか。 ・複数の人が話すときのマイクの使い方はどうしたら良いか。 (マイクを次の話し手に受け渡す・話し手が一人ずつマイクのところに来る・教師が発言を繰り返す・等) 基本編 年度当初に  きこえにくい子どもをどのように支援したら良いかは、その子どもの様子、学校の体制、授業の体制などにより異なります。今の環境でできることを、かかわるメンバーで話し合い、支援について考えられると良いです。 ①集まりたいメンバー ・学級担任 ・ALT ・外国語活動の授業を担当する外部講師 ・難聴学級担任 ・授業に入る職員、講師やボランティア等 ②話し合うこと 【1】学級担任・難聴学級担任が、他のメンバーに、きこえにくい子どもの様子や、きこえにくさについて説明し、かかわるメンバー全員がきこえにくさについて理解できるようにする。 学級担任・難聴学級担任は、保護者等から預かっている情報のうち、外国語活動の授業を行う上で、かかわるメンバーが知っていた方が良い事項を説明する。説明には、以下の資料を活用するのも良い。 授業者向け難聴理解リーフレット(三つ折り) ALT向けの英語版・それを和訳した日本語版と、情報の書き方などが書いてある、学級担任用の説明書がある。具体的な一人について説明するときに。→P24へ 『きこえにくい子のためのサポートブック・きこえのQ&A』(千葉県聴覚障害教育ネットワーク推進連絡協議会)一般的な聴覚障害や支援に関して知りたいときに。→千葉県内の学校に1部ずつ配布済み (英訳版まもなく配布予定(H28年度)) 【2】きこえにくさについて理解した上で、支援の方法や連携を考える。 ・授業中の情報保障 英語はききとりにくい音が多く、またその口形に慣れていないために口元を見ても分りにくいので、授業者が口頭で言ったことを、支援に入れる人が、きこえにくい子どもに文字で伝える。きこえにくい子どもの隣に座り、紙やホワイトボードを使う。英語はその読み方をカタカナで書いていくと速い。 ・きこえにくい子どもが予習できるように、授業者が次時に使う予定の語句等を学級/難聴学級担任を通して子どもに伝えられるようにすると良い。 掲示物  きこえにくい子どもにとって、情報を視覚的に捉えることができる掲示物は有効。きこえにくい子ども以外の子ども達にとっても、外国語学習の雰囲気を作り出してくれる掲示物は楽しくてためになるものです。 ①授業中の支援に ・授業で毎時よく使う英単語や英文の表現、最近の授業で使う予定の英単語等どを掲示しておくと良い。 外国語活動専用の教室。 背面の掲示に最近学習している単語がジャンルごとに掲示されていて活動中に示しやすい。前面には、授業の最初のやりとりに使う掲示もある。(小学校の一例) ・情報保障として、授業中の発言を文字で書き残すこと(ノートテイク)をする人がいる場合でも、話す速さにノートテイクが追いついていくのは大変。教室内に外国語活動で扱う基本的な単語等が掲示してあれば、その掲示物を指さして、今その話をしているということを、すぐ伝えることができる。 ・きこえにくい子どもとやりとりをしている子どもも、きこえにくい子どもに掲示物を指さすことによって英単語等を簡単に伝えることができる。 ②授業以外の時間にも ・よく使う覚えて欲しい単語について、子どもが読み方を確認できる掲示物を用意しておくのも良い。綴りと読み方が同時に見える掲示にしてしまうと、カタカナを読んでしまい、英単語が読めるようになりづらいことがあるので、カードにして、綴りと読み方が裏表になるようにする等すると良い。 数の掲示。表の単語の部分をポケットにして、表が英語、裏が読み方のカードを差し込んでいる。 ・廊下に掲示しておいて、いつでも触れられるようにしておく。時々いくつかのカードを裏返しておくと子どもの関心をひくことができる。 ・難聴学級等では、このようなカードを使った遊びを取り入れて、英単語と読み方に親しませると良い。 例:・読み方の面を上にして広げ、表の英語とマッチングさせる。 ・英語の綴りの面を上にして広げ、英語を読み挙げて取らせる。 ・英語の綴りの面を上にして広げ、日本語の意味を言って取らせる。 場面 授業の最初のやりとり  外国語活動の雰囲気を作る英語で行うあいさつ等のやりとり。“Good morning.”, “How are you?”, “What day is it today?”, “What is the date today?”, “What time is it now?”,“How is the weather?”等。 困ったこと ・あいさつがいつ始まったのかが分からない。 ・授業者や他の子ども達の言ったことが聞き取れず、応答が難しい。 ・“day”と“date”の発音の聞き分けが難しい。 手立て・工夫 号令をかける児童が、前に出て、やりとりをはじめるようする。 やりとりする英文を決めておき、覚えるまでは、文字で見ることができるようにしておく。 例:やりとりする対話文を、A3の紙にワープロ打ちし、ラミネート加工して、黒板の隅に磁石でとめておく。 →号令をかける児童が手にとって見ることができる。 例:やりとりする対話文を模造紙に書いて、教室内に掲示しておく。 →授業以外の時にも見ることができる。 学級全体が流れを覚えるまで掲示しておける。 英文を言った後に、英文の内容に関係のあるものを見たり、指さしたりすることで、子どもが視覚的なヒントを得られるようにする。特に、day(曜日)とdate(日付)は聞き分けにくいので、視覚的なヒントが有効となる。 きこえにくい子どもの様子 ・前に出た児童に気づき、あいさつの始めが分かって注目することができた。 ・掲示されている英文を参照しながら、声を出して応答することができた。 ・前に出た児童と授業者のやりとりに注目して、聞き取ろうとしていた。 ・やりとりの英文を覚えてきて、段々資料を見ないで応答するようになった。 きこえにくい子どもに感想を聞いて検討したいこと ・授業の最初のやりとりの文、表現は分かったか。覚えられたか。  →次回までに復習してやりとりができるようにしておいた方が良いか。 ・質問の英文は聞き取れたか。視覚的なヒントは分かりやすかったか。  →指文字等、他の視覚的なヒントがあった方が良いか。 場面 発音・読み方 英語の発音は子音が多く連続し聞き取りにくいこと等から、きこえにくい子どもに正確な英語の発音をさせるのは難しいことが多いです。ここでは正確な英語の発音ということではなく、大体どのように読むのかをカタカナで示すことを説明します。 困ったこと ・発音練習で、自分が上手く発音できていないらしく、先生が目の前に来て、もう一度言ってくれるけれども、上手くリピート(復唱)できない。 ・英語の読み方を、カタカナで書いて伝えてもらえない。 ・先生によって、同じ英単語にふる読み方のカタカナが違う。 手立て・工夫 英語の正しい発音を求めて、皆の前で繰り返し練習させない。 授業や支援に入る人の間で、きこえにくい子どもに読み方を伝えるためにカタカナを使うことに対して、共通理解を図る。 英語の読み方としてカタカナをふることに抵抗感のある人は多いかもしれないが、英検3級の対策語彙集にもカタカナが添えられている。カタカナのふり方として1冊基準になる辞書等を決めておくと良い。 大修館書店の『ベーシックジーニアス』は、カタカナが書いてある辞書の1つ。電子辞書に入っているこ読み方としてカタカナを使っていても、口元はしっかり見せる。 中学校以降の学習場面を考えると、英語を話しているときの口形に慣れておくことも必要になる。 カタカナはずっとつけっぱなしにしない。 英語にいつも必ずカタカナで読み方がふってあると、カタカナを見て英語はあまり見ないということが起こりがち。カタカナを読むことで、会話のゲーム等では困らないが、英単語を覚えていくことにはならない。 今は楽しくゲームに参加しているけれど、中学生になったら授業についていけなくなってしまうかもしれない。 小学校段階から、語彙力をつけていくために、読み方を覚えた単語にはカタカナをふらないようにする。 きこえにくい子どもの様子 ・皆の前で、リピートしてくださいと言われなくなって、ほっとした。 ・カタカナで読み方が示されることで、安心して声を出して練習できた。 ・読み方のカタカナがいつも同じなので、覚えやすくなった。 ・読み方をふってもらわなくても読める単語が増えると嬉しい。 きこえにくい子どもに感想を聞いて検討したいこと ・授業中に学習した英単語等の読み方は分かったか。覚えられたか。  →授業で扱った英単語に読み方をふったプリントをきこえにくい子どもに渡すか。 ・英単語等の読み方の提示が、追いつけないことはなかったか。  →次回の授業で扱う予定の英単語等の情報を、難聴学級担任や支援に入る人に伝えておき、前もってカタカナをふることができる時間を確保するか。 場面 歌・チャンツ チャンツとは音程のない歌で、英語の文の強弱アクセントに慣れ、自然な英語の発話を身につけるために行うものです。基本的な表現や、短いよく使うフレーズをリズムに乗せて歌います。Hi, friends!の中にも多く取り入れられています。 困ったこと ・歌で使うCDの音がよく聞き取れない。 ・今どこを歌っているのかが分からない。 ・音程が合っていないらしいけれど、よく分からない。 ・Hi, friends!の中のチャンツが、配られる歌詞等がなくて、よく分からない。 手立て・工夫 FM補聴システムを使っている子どもであれば、授業者が使っているマイクをCDプレイヤーのスピーカーの前に置く等して、音をとどけるようにする。 補聴器は、もともと機械音が苦手。プレイヤーの音量を上げても聞きやすくなるとは限らない。音の輪郭がぼやけて逆に聞きにくくなることもある。 FM補聴システムのマイクがある場合は、スピーカーの前に置いてみるのも良い。 拡大コピーした歌詞カードを指し示す等して、今どこを歌っているのかが分かるようにする。 歌の音程よりも、強弱アクセントを合わせることを重視。 楽しくリズム良く取り組めていれば良いとする。 音程をとることは、補聴器の性能上非常に難しい。音程が外れていると指摘されても、きこえにくい子どもは何をどうしていいかわかりにくい。 歌詞カードのあるチャンツを行うようにしてみる。 教材の例: 左のような本も出版されている。文の中でどこを強く言うのか、単語だったらあるのに、文になったときに消える音はどれか、どこの音がつながるのか等視覚的に捉えやすい。 髙橋一幸『チャンツでノリノリ英語楽習!』NHK出版 きこえにくい子どもの様子 ・FM補聴システムのマイクを使ってもらえると嬉しい。 ・歌は、皆もカタカナつきのプリントを見て歌っているから、嫌いじゃない。 ・途中で繰り返したりしたけど、歌詞を指してもらって分かった。 ・チャンツは、英語のリズムを覚えるためにやるんだって初めて知った。 きこえにくい子どもに感想を聞いて検討したいこと ・歌やチャンツを楽しめたか。  →楽しめなかった場合、その理由は何か。どのようにしたら解決するのか。 ・何を歌うのか、どこを強く言うのか等が分かったか。  →強く読む単語を色を使ったり、太字にしたりして表すようにするか。 場面 英語を聞いて、カード等をとるゲーム Hi, friends!の中にある以下のゲームにも同様の手立てが有効です。言われた英単語を指さす「ポインティング・ゲーム」、言われた絵の上に置いてあるおはじきをとる「おはじきゲーム」、事前に決めた言葉(キーワード)が言われたときだけ消しゴムを取る「キーワード・ゲーム」 困ったこと ・一問ごとにカードを取れたかどうかで盛り上がり、賑やかになってしまう。 ・賑やかなうちに次の問題が言われると、全く分からない。 ・1回聞いて、今の音は何だったかなと考えているうちに終わってしまう。 ・結果として、知っている単語等のカードでもとれないことが多く、悲しい。 手立て・工夫 静かにして、注意を向けて聞き取ろうとすることができるようにする。 しっかり聞いてから、カード等をとることができるようにする。 Hands on your head!(手は頭の上に!)↓  落ち着いて聞くために、手を前に出さないようにする。1回終わるごとに手を頭の上に置くことをルールとする。  時々、「頭」の所を「肩」や「膝」に変 Ready?(用意はいいかな?)↓ 言った後、静かになるのを待つ。 ○○○○. ○○○○.↓ 静かになってから、問題の英単語などを、2回、はっきり言う。 One, two, go!(1,2,さぁ行け!)↓ 問題を言い終わっても、授業者から左の言葉を言われるまでは、手を出さないというルール。 “go!”で、手を動かして、カード等を取る。 きこえにくい子どもの様子 ・周りが静かになったときに、問題が言われるので今までよりきこえた。 ・2回聞くことで、「これだ」と分かって取ることができた物もあった。 ・まわりの友達も、良くきこえたようで、トラブルがなくて良かった。 きこえにくい子どもに感想を聞いて検討したいこと ・1回のゲームで使う単語の数を加減した方が良いか。 ・次回の授業で行う予定のゲームで使うカード類を難聴学級に貸し出す等して、きこえにくい子どもが予習ができるようにするか。 ・最初の1音だけ指文字やカードを使うなどして、情報を視覚で補うようにするか。 場面 ロールプレイ 場面に応じた典型的なやりとりに慣れ親しむために行うロールプレイ。客と店員の役にわかれて店での対話等を行うことが多いです。基本となる対話文は決まっていて、一文が短いことが多いため、当初は難しいと感じずに取り組むことができる活動です。しかしながら、活動が進むにつれてきこえにくい子どもにとって難しいものとなりがちです。 困ったこと ・対話文に慣れてきたところで、文中の単語を入れ替える等して文が変わっていくので分かりにくい。相手によってどのように変わるかが、言われるまで分からない。文に使う単語のリストがないと不安。 ・教室の中がかなり賑やかになって、近くで話してくれても聞き取れない。 手立て・工夫 FM補聴システムのマイクは、対話をする相手の子どもが使うようにする。 基本となる対話文の中の単語を入れ替えて表現する際に、使う単語の範囲をはっきりさせておく。その単語のリストを前もってもらっておき、読み方等書き終わった物を用意。きこえにくい子どもに、すぐに示せる状態でロールプレイがはじめられるように、授業者、難聴学級担任等、支援にかかわる人達で相談しておく。 対話相手や支援に入る人ときこえにくい子どもが、視覚的に捉えやすい複数の手段を併用して伝え合って良いこととする。 教室内が賑やかになるので、音声からのみ情報を得るのでは対話が成り立たないこともある。英語を話しながら内容を視覚的に捉えやすい複数の手段を併用する。 ①板書やプリントを指し示す ②身振り手振りを使う ③聞こえたようにカタカナで書く ④伝えたいことをカタカナか英語で書く きこえにくい子どもの様子 ・指し示しや、ジェスチャーを使いながら、英語を話していた。 ・周りがかなり賑やかだったので、子ども同士の会話でも口頭だけでなく、筆談等ができるように、ホワイトボード等の準備をしておくと良いようだ。 ・筆談では、絵ではなく、カタカナや英語を書くように言葉をかけると良い。 きこえにくい子どもに感想を聞いて検討したいこと ・ロールプレイのやりとりは楽しめたか。相手が言っている内容は分かったか。 ・FMマイクを通しての音声はききとれたか。視覚的支援は十分だったか。  →マイクを支援に入る人が持ち、集音部を対話の相手に適宜向けるようにするか。  →板書や、プリントの表記をより分かりやすくシンプルにするか。  →持ち歩くことができる大きさのホワイトボードを複数用意するか。 応用編 場面 発音・読み方の指導 1 困ったこと 読み方を表すカタカナを示しても、それらしく発音できない。 Doは[du]ではなく、[dou]になるし、toは[tou]になってしまう。 手立て・工夫 doに読み方をつけると、「ドゥ」となります。この字を読むと[dou]になります。 健聴者がこれを[du]と読めるのは、doの発音を聞いたことがあるからと言われています。きこえにくい子どものきこえ方にもよりますが、読み方をつけただけでは[dou]と読んでしまうことが多いです。toについても同様のことが言えます。 ・1拍の音であることを伝えて速く言うようにする。 ・発音記号を見せて、1つの音であることを伝えて、速く言うようにする。 ・Do you~?等の読み方では「ジュユ」等で言うようにしてみる。 きこえにくい子どもの様子 ・1拍の音であることを意識して、速く言おうとしていた。 ・読み方としては、かなり良くなった。 ・Do you ~?を「ジュウユー」と読み、ALTに伝わったと喜んでいた。 場面 発音・読み方の指導 2 困ったこと dog「ドッグ」に対して、dogsの読み方を「ドッグズ」と示したら、catsを「キャットズ」と読むようになってしまった。 手立て・工夫 数えられる名詞の複数形を表す-s(-es)は、発音が1つではありません。日本語のように1つの文字に1つの音が対応しているのではなく、前の文字を含めた綴りで発音が決まります。読み方を知る手がかりに注目できるような指導も有効かと考えられます。 ◎子どもに基本的な考え方を伝え、単語の綴りに注目して、どう読むか考えるように促す。 [基本的な考え] ・-s(-es)の読み方は「ズ」だけではない。 ・-s(-es)の読み方には、大きく分けて「ズ」・「ス」・「イズ」がある。 ・-s(-es)の前の綴りに影響を受ける。音が混ざって、結果として「ズ」・「ス」・「イズ」以外の読み方になるときもある。 [綴りに注目して、読み方を考える方法] ・ローマ字の知識から、読み方を予想してみるようにする。 例:cats 「キャッ( )」birds 「バー( )」 -s(-es)の前の文字と-s(-es)の綴りから、読み方を考えてみてから、読み方を知るようにする。単語を見たときに、まず自分で読み方を想像するようにしていく。他に、発音と綴りのルール(フォニックス)を学ぶ方法もある。 きこえにくい子どもの様子 ・ローマ字の読み方の学習に興味をもって取り組むことができていたきこえにくい子どもに、英単語の読み方を綴りから想像するようにした。大体の読み方を考えてから答えを知り、自分が考えていた音がほぼ正解だったので喜んでいた。これからも単語の読み方を考えてみたいとのことだった。 場面 発音・読み方の指導 3 困ったこと 読み方を表すカタカナを念仏のように抑揚なく読んでいる。 手立て・工夫 日本語は高低アクセント、英語は強弱アクセントのある言語です。 これらのアクセントがついていないと、何か違和感のある響きになります。アクセントは健聴児にも意識させたいものです。視覚的に分りやすくアクセントの位置を伝え、強く読むようにします。 ・単語の読み方を書くときに、アクセントのあるところを、太いペンや、赤いペンで書き表すようにする。 ・発音練習をするときは、アクセントのある場所で手をたたくようにして、意識して強く言うようにする。 きこえにくい子どもの様子 ・強弱のアクセントがあることを知ると、興味をもって強く言おうとした。 ・自分でも手をたたきながら発音練習をすると、アクセントの位置がはっきりして、英語らしく言うことができた。 場面 発音・読み方の指導 4 困ったこと ・読み方のカタカナを振ってもらって助かっているけど、中学校でも、やってもらえるのか不安。 ・きこえにくい子どもが、自分で読み方を調べられたら良いのだが。 手立て・工夫 きこえにくい子どもが、自分で英単語等の読み方を調べられるようにするには、8ページの(カタカナ表記のある)辞書や、電子辞書で単語を調べるのも良い。電子辞書は「ベーシックジーニアス」が入っている物が使いやすい。 英語の綴りと発音を関係づけるルールである「フォニックス」を紹介しておく。 フォニックスは、中学校の英語教科書に載っている場合もある。書籍も数多く出版されている。 左は、通称「礼儀正しい母音」というルール。母音が2つ連続するときは、最初の母音を名前読み(aならエイ)、して、次の母音は読まないというもの。 松香洋子『フォニックスって何ですか?』mpi きこえにくい子どもの様子 ・(聴覚特別支援学校では)全員同じカタカナ表記のある辞書を使って、辞書で読みかたを調べる練習をしている。興味をもった子どもは自分でどんどん調べている。 ・フォニックスは、英単語の文字から読み方が分かるので、楽しい。 ・ルールを全部覚えたいと思ったけど、ルールが多すぎて難しい。 場面 単語の練習 困ったこと 全員で新出単語を練習するときに、きこえにくい子どもだけ前を向くことが難しい。支援に入っている人の方を向くので仕方ないが、皆で一斉にやれると良い。きこえにくい子どもの顔(口元)が授業者から見えないので、子どもが言っているかを確認できない。 手立て・工夫 授業で扱う予定の新出単語に読み方を振ったプリントを、きこえにくい子どもに前もって渡しておけると良い。前もって多少分かっている単語であれば、プリントを見つめて前を見れないということは減らせる。 読み方が短時間だけ見られるようパワーポイントでフラッシュカードを作っておくと新出単語でも全員一緒に学習できる。下はその例である。 導入時は、①子ども達が授業者の発音を聞く→②子ども達が復唱している時に綴りと読み方が現れる→授業者が言う間に読み方が消えていく→③読み方が消えてから、もう一度子ども達が復唱する。 復習時は、③子ども達だけで発音する→②授業者が○×カードを掲げて、答え合わせ。読み方が現れる。→①もう一度授業者と子ども達で発音する。 クラス全体には、活動前に「授業者の英語をよくきくこと」と「読み方は英語の発音に近いものが書いてあるけれど、きこえた英語とカタカナが違うと思ったら、聞こえたように復唱すること」の2つを説明しておく。 きこえにくい子どもの様子 ・短い時間だが読み方が現れることで、友達と一緒に声を出して単語練習することができた。復習では絵と綴りを見て、自分で英語の読み方が言うことができたので、カタカナだけを見ていたわけではないことが確認できた。 ・友達もいつもより声が出ていて、先生にみんなで誉められて嬉しかった。 参考 聴覚特別支援学校で行われている単語練習の一例 フラッシュカードを自作する場合 ヂューン June 6 月 コピー用紙などを3つに折って使っている。 きこえにくい子どもに、見せたいところだけ(例えば綴り)を見せて、他の項目(例えば読み方)をたずねるなどして使う。上から、「読み方、綴り、意味」としておくと、分かりやすい。 上から「綴り、読み方、意味」とする方法もあり、これは短時間で復習などするときに役立つ。 場面 情報保障の工夫 困ったこと 支援に入る人が、授業者から使う予定の単語などを聞いて読み方を振ってお く等準備しておいても、予定外の単語や英文が次々出てきて、ノートテイク が間に合わないことがある。 授業の流れに沿った情報保障をするためにはどうしたら良いだろうか。 手立て・工夫 すでに出てきた単語であれば、きこえにくい子どもにそれが何かを伝えることができれば、授業者の話した英語の読み方全てをノートテイクする必要はない。その単 ①外国語活動の授業で使った(使う)単語等に読み方を振ったものを、いつでもすぐに示せるようにジャンルごとに整理して、ファイルなどにまとめておく。授業にこのファイルを持参し、活用することで対応する。 → 難聴学級の取り組み例(P17) ②単語を言うように口を動かしながら(状況によっては声も出しながら)最初の音、もしくは最初の1文字を手を使って表現するように約束しておくのも1つの方法。 手で表現する方法は、日本の指文字やアメリカの手話の指文字等がある。どの方法を用いるかは、きこえにくい子どもと相談して決める。 ・単語の綴り、最初の1文字のアルファベットを表すとき →アルファベットの指文字(P21) ・単語の読み方、カタカナで読み方を振ったときの、最初の1音を表すとき →日本語の指文字(P22) →キュードスピーチ(P23) 口形と手指の動きを用いて音を表すもの。日本国内でもいくつかの種類がある。ここでは、参考に千葉県立千葉聾学校で用いられているものを載せている。 きこえにくい子どもの様子 ・上記①のような方法では、授業の展開に合わせて、きこえにくい子どもに適宜単語等の情報を伝えられるので、安心して取り組むことができていた。 注:きこえにく子どものきこえ方は、一人一人異なっています。 「きこえにくい子ども=手話を使う子ども」ということではありませんし、必ず手話を覚えなくてはいけないということもありません。上記②の手段を用いる際は、きこえにくい子どもの様子と本人の気持ち等を確認してから行ってください。 難聴学級の取り組み例 1 活動の前に 外国語活動の内容を、ゲーム等の進め方も含めて担当者から事前に聞き、きこえにくい子どもがどのように参加できるか話し合っている。健聴の子ども達と一緒に取り組めるように、必要な道具等を準備したり、難聴学級で事前の学習をしたりして、授業を迎えるようにしている。 ALTにきこえにくい子どもに対する配慮を依頼する手紙を、資料を参考に作成して渡した。 (下は参考にした資料:白井一夫・小網輝夫・佐藤弥生 『難聴児・生徒理解ハンドブック』学苑社) 授業中によく話したり聞いたりする、あいさつや、自分の体調や気分などを伝える表現を、すぐに示せるように、吹き出しの小道具 にして用意している。 外国語活動の授業で使った(使う)単語等に読み方を振ったものを、いつでもすぐに示せるようにジャンルごとに整理して、ファイルなどにまとめておく。授業にこのファイルを持参し、活用している。 これは方向をまとめて表したもの。このように項目ごとに1枚にまとめられていると活用しやすい。 他に、月・日付・数字やスポーツ・教科名・色・洋服等、ファイルしておくと役立つ。 例 Directions 難聴学級の取り組み例 2 活動中に FM補聴システムのマイクを効率よく使えるように、難聴学級担任が状況に応じて誰がマイクを使うと良いか助言している。会話の場面では、マイクの集音部を話している人に向ける等している。 子ども同士の会話ゲーム等では、きこえにくい子ども側にだけ視覚的なヒント等を見せることができるようにしたい。小型のホワイトボードの裏に写真立てを貼り付けることで、立てて片側にだけ見せられるようにして使っている。 ノートテイクを、きこえにくい子どもの席のとなりでパソコンを使って行っている。パソコンの画面は、パワーポイントのスライドが大きく見える状態にしておき、そこへ、単語や文の単位で入力している。きこえにくい子どもからは、文字がはっきり見える。 活用↓ 活動の後に ①授業中に入力したスライドを保存しておき、難聴学級でフラッシュカードとして復習に用いている。きこえにくい子どもが、考えながら自分で操作して自習できる教材にもなっている。 ②授業中に入力したスライドを保存しておき、配布用資料の扱いでスライドをまとめて印刷したものを、切り離しラミネーターにかけて、カードにする。カードは単語を覚えるためのゲーム等に使っている。 難聴学級の取り組み例 3 活動の後に 授業の終わりのあいさつの直後に、ワンポイントレッスンと称して、黒板の前で授業者ときこえにくい子どもが、その日の授業で扱った大切な表現の確認をするようにしている。きこえにくいこどもは、近い距離で授業者の口元を見ながら、音声も聞くことができることで、要点が分かりやすく確認でき、外国語活動に対する苦手意識がなくなった。 外国語活動の授業中に行ったゲームを難聴学級でもう1回やるようにしている。実際に使った道具等を授業者からかりて復習として行っている。授業中に曖昧だったところを確認することで、きこえにくい子どもが分かった、できた、という実感を持つことができるようにしている。 難聴学級で、外国語活動の授業の復習をしている。授業中に新しく出てきた単語等の読み方や意味の確認をして、連絡帳を通してきこえにくい子どもの家庭に学習内容を伝えている。 参考:他県の難聴学級の一例 中学生の通級指導教室では、国語・数学・英語の教科指導に力を入れている地域もある。指導には2週間に1回位の頻度でALTも入っている。左のような難聴者向けスピーカー・コミューンも用いられている。これは7日間の無料貸し出しで試聴することが可能。 問い合わせ:ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社(u-s-d.co.jp) 難聴学級の取り組み 4 「伝言ゲーム」をやる予定があるときは… ここでは、きこえにくいこどもにとって取り組みにくい活動が授業の中に用意されていると知ったとき、どうしているかの一例として、「伝言ゲーム」をあげています。 「伝言ゲーム」以外の活動の提案をしている 「伝言ゲーム」への参加が難しいことを授業者に伝え、時間の活動のねらいは何かをたずねる。伝言ゲーム以外のゲーム等で、そのねらいが達成できそうな活動を授業者に提案している。 「伝言ゲーム」をやることになったら きこえにくい子どもがFM補聴システムを使っている場合は、マイクを二人前の子どもに使わせて、きこえにくい子どもが内容をつかみやすいようにしている。 ①FM補聴システムマイク ② きこえにくい子ども ①と②から内容をつかむ 内容をメモで見せる場合は、きこえにくい子どもを最初の一人にして、授業者がメモを見せるようにしている。 資料編 アルファベットの指文字(ASL…アメリカの手話) S. Harold Collins 『Can I Help? ーHelping the Hearing Impaired in Emergency Situationー』Garlic Press 1993年 ここで資料として載せているのは、ASL( American Sign Language でアメリカ手話)の指文字。 同じ英語圏でも、手話はその国や地域によって異なる。BSL(British Sign Language 英国の手話)の指文字は、両手を使うことが多く、この表とは全く異なる。 指文字 全国早期支援研究協議会編『わかる!できる!おやこ手話じてん』東邦出版 2009年 ・拗音を表す→ 文字を表す手指の形のまま、自分の方に引く ・濁点がついた文字を表す→ 文字を表す手指の形のまま、横に動かす ・半濁点がついた文字を表す→ 文字を表す手指の形のまま、上に動かす 参考 キュードスピーチ キュードスピーチ(Cued Speech)は口形と手指の動きを用いて音を表すものです。 日本語におけるキュードスピーチは、50音の母音を口形で、子音を手指の動きで表します。話し言葉そのままに表すことができ、音韻を意識させることができます。主に、聴覚特別支援学校等で、幼い時期のコミュニケーション手段として使われたり、発音練習に使われたりします。 例千葉県立千葉聾学校幼稚部で使われているキュードスピーチの「か」 手指の動きで子音 k を表す 口形で母音 あ を表す ・ここで資料として載せているのは、千葉県立千葉聾学校幼稚部で使われているキュードスピーチである。 ・キュードスピーチは、日本全国共通ではない。口形と手指の動きを組み合わせることは共通だが、使用している学校によって手指の動きが異なる場合がある。 ・聴覚特別支援学校では、日常生活のコミュニケーション手段としてはずっと使い続けるものではない。子どもの成長に合わせ、コミュニケーション手段は徐々に手話・指文字へ移行していくようにしている。 ・キュードスピーチは、口形が非常に大切になる。外国語活動の授業中に授業者が言った英単語等を素早く伝えるために、最初の1音を表すのに用いると、子どもに授業者の口形とは違う口形を見せることになる。英単語等の最初の1音を表すのには手指だけではっきり表すことができる指文字の方が適している。その一方、音のつながりを素早く分かりやすく伝えられるという利点もあり、千葉聾学校では外国語(英語)の発音を表すときに使われている。キュードスピーチの問い合わせは、千葉県立千葉聾学校へ。 外国語活動授業者用、難聴理解リーフレット(p24-25)A4 両面印刷3つ折り きこえにくい子どもに対して、話すときに気をつけることなど。 こちらの面(外側)にこは個人情報を書くところはない。 外国語活動授業者用、難聴理解リーフレット(p24-25) きこえにくい子どもの使っている補聴器や、人工内耳、FM補聴システムについての説明など。 学級担任用、外国語活動授業者用難聴理解リーフレットの内容(p26-27)A4 両面印刷 3つ折り 学級担任等が、外国語活動授業者に、きこえにくい子どものことを説明する時に使えるものを、ということで、英語版に対応するように日本語版をセットで作成。 学級担任用、外国語活動授業者用難聴理解リーフレットの内容(p26-27) リーフレット説明書の内容(p28-29) リーフレット説明書の内容(p28-29) オージオグラムは、あくまでも一つの目安。 周囲が騒がしければ、ここできこえるとされている音もきこえない。 オージオグラムで、きこえる、とされる音は「音がしたことがわかる」ということで、内容が言葉として聞き取れることを表すものではない。 〈参考文献〉 ・千葉県聴覚障害教育ネットワーク推進連絡協議会(うさぎねっと)『きこえにくい子のためのサポートブック きこえのQ&A』2014 年 ・千葉県立千葉聾学校きこえとことばの相談支援センター『きこえにくい子のためのサポートブック 改訂版』2014 年 ・白井一夫・小網輝夫・佐藤弥生 『難聴児・生徒理解ハンドブック 通常の学級で教える先生へ』学苑社2009 年 ・髙橋一幸 『新基礎英語1チャンツでノリノリ英語楽習!』NHK出版2005 年 ・松香洋子 『フォニックスってなんですか?』mpi 2008年 ・全国早期支援研究協議会編 『わかる!できる!おやこ手話じてん』東邦出版2009 年 ・S. Harold Collins 『Can I Help? –Helping the hearing impaired in emergency situations-』Garlic Press, 1993 ・MED-EL,“The Audiogram Used by Audiologists to Show Hearing Loss”,http://www.medel.com/us/audiogram/ (参照2015-05-20) ・Cochlear America “Types of Hearing Loss”, http://www.cochlear.com/wps/wcm/connect/us/home/about-us-andhearing-loss/hearing-loss-explained (参照2015-05-20) ・Listening and Spoken Language Center, Alexander Graham Bell Association for the Deaf and Hard of Hearing, “Speech Banana”,http://www.agbell.org/SpeechBanana/ (参照2015-05-26) 〈ご協力いただいた学校〉 ◎千葉県内小学校難聴学級 ・千葉市立院内小学校 ・千葉市立高洲第三小学校 ・千葉市立誉田東小学校 ・船橋市立船橋小学校 ・船橋市立高根台第三小学校 ・市川市立稲荷木小学校 ・習志野市立東習志野小学校 ・松戸市立中部小学校 ・柏市立柏第三小学校 ・流山市立東深井小学校 ・野田市立中央小学校 ・香取市立八都第二小学校 ・市原市立国府小学校 ・君津市立小櫃小学校 ・木更津市立祇園小学校 ・富津市立青堀小学校 ・袖ケ浦市立奈良輪小学校 ・成田市立成田小学校 ・流山市立南流山小学校 ・杉並区立高井戸小学校 ・筑波技術大学 ・千葉県立千葉聾学校 本手立て集をまとめるにあたっては、千葉県内外の難聴学級担任の先生方を中心に、多くの方々からご意見を頂きました。研究協力校をお引き受けくださった小学校では、校長先生はじめ職員の皆様が暖かく迎え入れてくださり、きこえにくい子ども達、難聴学級担任の先生、交流学級担任の先生方、外国語活動授業者の先生等から、現場での課題の捉え方や解決への考え方等多くのことを学ばせていただきました。数多くの聴覚障害学生に英語の指導をされてきた筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター松藤みどり教授には、自分の狭い視野を広げていただきました。千葉県総合教育センター特別支援教育部の預智子指導主事には、凝り固まりがちな自分の思考を外から客観的に見つめて的確なご助言を頂きました。千葉聾学校では、平野恵子校長先生はじめ、支援部・小学部・中学部・幼稚部等、多くの先生方にご協力いただきました。皆様のお力添えでこのような形にまとめることができたましたことに感謝いたします。平成28 年2月 村上 理恵子 〈問い合わせ先〉 ・本手立て集の内容についてのお問い合わせは、平成27 年度千葉県長期研修生 村上理恵子 までお願いいたします。 平成27 年度 千葉県長期研修生 研修報告書資料 きこえにくい子どもも楽しむ外国語活動手立て集 発行日 平成28 年2月26 日 発行者 村上 理恵子 研修先 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 松藤みどり研究室 在籍校 千葉県立千葉聾学校 〒266-0011 千葉市緑区鎌取町65-1 平成30 年度 科学研究費助成金 研究報告書 「聴覚障害児の英語指導のためのCAN—DO リストの作成」 発行日 平成31 年2 月28 日 発行者 松藤 みどり 所属 筑波技術大学 〒305-8520 茨城県つくば市天久保4-3-15