視覚障害者のためのビジネスモデルのフレームワーク構築 坂尻正次 筑波技術大学 保健科学部 情報システム学科 キーワード:触覚フィードバック,盲ろう,触覚ディスプレイ,歌唱 1.背景と目的 これまで盲ろう者・聴覚障害者の歌唱支援のための触覚フィードバックによる音程制御に関する研究をおこない2次元触覚ディスプレイを用いた歌唱支援システムを開発し,その有効性を示してきた。これまでは市販の点図ディスプレイ(ドットビュー2:KGS社)を歌唱支援システムの新規の触覚ディスプレイとして用いるための開発をおこない,昨年度は,本システムにおける音声ピッチ周波数決定のための処理の高精度化のための改良をおこなった。ところで,本システムを利用する上でKGS社が提供する点図ディスプレイ専用のドライバが動作しないことがあり,そのようなPCでは本システムを用いることができない状況であった。今後,本システムの普及を考えた場合,点図ディスプレイ専用ドライバの動作に影響されずに本システムを駆動できる環境に移行する必要がある。そこで今年度の開発では,点図ディスプレイ専用ドライバを用いずに本システムがシリアルポートインタフェースから直接点図ディスプレイを制御する方式に変更する開発をおこなうことを目的とした。 2.成果の概要 本研究課題では,次の仕様に基づいて開発をおこなった。 (1)ボーレート baud = 38400 (2)198バイトのデータ(6バイトヘッダ+192バイトデータ)を送信 (3)表示データは192バイトで,1バイトで8ピン*48列*4行=1540ピンを制御(DV-2は,32行48列の触知ピンが配置) (4)6バイトヘッダ DV-2: FFFF9200C000 DV-1: FFFF92006600(本システムではDV-2を用いる予定であるが,DV-1を用いる可能性もあるのでDV-1用のヘッダも用意した) 以上の仕様に基づいて本システムがシリアルポートI/Fから直接点図ディスプレイを制御する方式に変更した。なお,使用するプログラム言語はMicrosoft Visual C++/C#で,オペレーティングシステムはWindows7以降のOS(Windows7/8/8.1/10)に対応させた。また,プログラム開発環境はMicrosoft Visual Studio 2010以降で最新版のMicrosoft Visual Studio 2017にも対応させる仕様とした(昨年度までのシステムではVisual Studio 2013までに対応していた)。これらの改良の結果,点図ディスプレイ専用ドライバを用いずに本システムがシリアルポートインタフェースから直接点図ディスプレイを制御することが可能となり,本研究課題の目的が達成された。